JPS625094B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、点火装置を収容する中央筒と、該中
央筒を取り囲み駆動物質を備える反応室を限定す
るための内縁で圧力を漏らさないように中央筒と
結ばれた環状ケーシングと、反応室を閉鎖し外縁
でケーシングとそして内縁で中央筒と圧力を漏ら
さないように結ばれたカバーと、反応室に連通し
越境開口を通してこれと結ばれた膨脹室、特にフ
イルター室とがあり、このフイルター室にはガス
発生器の後に接続された駆動ガス消費体へと外側
へ流れ出る駆動ガス用の流出開口が設けられ、そ
の際ケーシングは少くとも屑の出ない冷間成形に
より一体物として製造され且つ少くとも１つの縁
結合部が材料同士で結合し合う強固な縁の結節部
となるような薄板構造のガス発生器に関する。特
に本発明は、自動車に乗つている人の為の瞬時応
動保護システムの膨張可能な保護クツシヨン用の
ガス発生器に適用するのが好ましいが、他の膨張
可能な対象物、例えばゴムボートとか二輪車用防
護服とか雪崩用救急気球とかばかりでなく、ベル
ト締め具の様な圧縮ガス操作の駆動装置にも適用
できるものである。従つて本願で駆動ガス消費体
とは、駆動ガスで急速に膨張されるような保護ク
ツシヨンとかゴムボートとか雪崩救急気球等のガ
スを消費するものを意味するものである。

短時間の法外な熱的で機械的な負荷に堪えねば
ならない膨脹可能な自動車乗員―保護クツシヨン
用の薄板構造の周知ガス発生器は、主構成要素と
して中央の点火装置を有し且つケーシング及びこ
れとねじ止めされたカバーによつて限定されたほ
ぼ円筒状の反応室と並びに該反応室に対してラジ
アル方向に隣接しこれを取り囲む同じくほぼ矩形
断面フイルター室とを含むものであり、該フイル
ター室はカバー乃至はケーシングに形状的に確保
された互に鍔を付けた２つの薄板部分によつて形
成されるものである。この様なガス発生器はしか
しながら―強度の理由からケーシング及びカバー
の大きな壁厚によつて条件付けられて―自重が高
く、薄板構造にも拘らず比較的複雑にして高価に
しか製造し得ないものであり、そのことはとりわ
けその様なガス発生器の大量生産に際しては極め
て不利な欠点となるものである。更に薄壁でフイ
ルター室を限定する薄板部分にあるラジアル方向
に向いた流出開口は同じく強度という理由から非
常に小さな寸法とされねばならないので、そこで
は圧縮ガスは高い噴射速度及び小さな噴射断面で
流出するが、このことは圧縮ガス噴射にさらされ
た保護クツシヨン領域を場所的に著しく高い熱負
荷及び圧力負荷にさらすという結果になる。

これに対して軸方向の圧縮ガスガイドとそれに
対応する反応室及びフイルター室の軸方向前後接
続部で作動する初めに述べた種のガス発生器にあ
つてはトロイド形状のケーシングの固定及び中央
筒における越境開口によつて仕切られたカバーの
固定によつて且つ材料同士で結合し合い、特に有
利には電子線―熔接継目として仕上げられた縁結
合によつて反応室を限定し支承するケーシング部
分の高度で相互の補強及び従つて比較しうる寸法
の反応室に対して著しい壁厚の減少が達成される
ことになる。しかしそれでもこの種の構造の場合
ガス発生器の全重量における支持するケーシング
部分の重量割合が望ましからざる程高いものであ
る。

これに対して本発明は、強度的にも流体的にも
実質的により改良された構造にして著しく自重が
減少しコスト的に望ましい大量生産として製造し
うる既述した種のガス発生器を創造することに課
題を置くものである。

この課題を解決するために本発明によれば初め
に述べた種のガス発生器において次の様な特徴を
有するものである、即ち膨張室がラジアル方向に
反応室と境を接し、これを取り囲み且つ越境開口
がケーシング内に設けられ、該ケーシングが断面
Ｓ字状の構成部材として形成されており、そのケ
ーシングの反応室を越えて延長されたケーシング
部分（壁部分）は膨張室を外部に対して区画して
おり、且つ膨張室の流出開口は延長されたケーシ
ング部分にスリツト状に打ち抜いて作られている
ような特徴を有するものである。

本発明に従うガス発生器の場合反応室と膨張室
とをラジアル方向に並べることによつてそして反
応室が越えて延長されたＳ字状のケーシングの断
面形がケーシング及びカバーの中央での固定部と
結合し、担持するケーシング部の壁厚にとつて決
定的な特性値及び特に同じ反応室容積で同じ外径
を有する普通のガス発生器に対する反応室の臨界
的寸法が本質的に改良され、そして３つの同心的
でそれぞれアーチ状壁部分を介して相互に結合さ
れ環状の壁を有する高度に形状の安定した発生器
構造、即ち中央環状壁としての中央筒と、中央壁
としての反応室と膨張室との間にあるケーシング
部分と外側壁としてのフイルター室をラジアル方
向外側へ限定する延長されたケーシング部分との
３つの同心的な壁を有する構造が高度に形状の安
定した発生器を達成するものであり、従つて全体
的に著しい壁厚の低減及び強度的に考慮された材
料の配分及び利用が保証され、それによつて僅か
な自重と共にガスス発生器のコスト的に好ましい
大量生産が達成され、一体物にしてケーシングに
同じ壁厚で形成された延長部にスリツト状で大面
積の流出開口を打ち抜くことによつて一方ではケ
ーシングのこの延長部は膨張室乃至フイルター室
のより僅かな圧力作用に適応し、流出スリツトの
間に残るろつ骨状のウエブ部分に対して外側へ向
けられた圧力に関して極めて曲げ抵抗のある断面
幾何形状が確保されそして他方では拡大された流
出断面のために膨張室に対する流出側でこの範囲
内にガス案内部が本質的により好ましく形成さ
れ、その際流出スリツトの打ち抜きはケーシング
の冷間成形の前あるいはそれと同時でその形成は
フイルター室を限定する延長部と共通して一体的
薄板部分としてガス発生器を製造する際に更に製
造が簡単となり、低コストとなるように働くもの
である。この本発明に従うガス発生器は従つて僅
かな自重で好ましいガス案内部で優れた方法での
場所を節約する空間幾何形状にして合理的大量生
産に適するものであり、特に駆動ガス発生器とし
て自動車に乗つている人のための膨張する瞬時応
動保護クツシヨンに適するものである。

本発明を更により好ましく形成したものにあつ
ては延長されたケーシング部分は特に有利にはほ
ぼＵ字形状で膨張室を三方向に限定する断面を有
するように成し、それによつてガス発生器のケー
シングを強度的により好ましい形状にすることが
でき、更にこのケーシング部分にかなり大きな流
出開口を打ち抜いて設けることができることにな
る。この場合に安全という理由から且つガス発生
器の後の接続される駆動ガス消費体の保護のため
にＵ字状のケーシング部分の中央ウエブは駆動ガ
ス消費体の方に向いており、且つ特に有利なよう
にスリツト形状の流出開口がＵ字形状のケーシン
グ部分の中央ウエブの中にまで延びており、それ
によつて流出開口の貫通流体の横断面が更に拡大
され及び／あるいは膨張室からの圧緒ガスの流れ
方向が真にラジアル方向の流動に対して変更され
うるものである。流出開口を後で合体させること
なくケーシングの製造を更に簡単とするために、
ケーシングは特に有利な様に流出開口の打ち抜き
後あるいは打ち抜きと一緒に深絞りされた薄板部
分として形成されている。

更に強度の理由からより目的に叶うようにＳ字
状ケーシングとカバーと中央筒との間の全ての縁
結合部を材料同士で結合し合う強固な縁の結節部
として形成し、そして最も高い圧力負荷のかかる
ケーシング部分の同じく強度的に特に望ましい空
間形状は次の点にその本質がある、即ち反応室を
限定する内側のケーシング部分がカバーと共通し
てより合目的的にほぼ円形のトロイドの一部を成
すようにされている点である。

次に本発明を図面と関連した実施例に基づいて
詳細に説明することにしよう。図面は瞬時応動保
護システムの膨張保護クツシヨン用の本発明によ
るガス発生器の部分断面側面図を示すものであ
る。

一緒に折り畳まれた膨張可能な保護クツシヨン
４によつて上方に蓋のされたガス発生器２は、図
示していない事故センサーと共同して自動車乗員
用の瞬時応動保護システムを形成し、例えば自家
用自動車のハンドルの中に納められている。本発
明はしかしながらこの用途例に制限されるもので
はなく、圧縮ガスあるいは駆動ガス発生のために
一般的に、例えばゴムボートをふくらませるため
にも使用可能である。

主構成部分としてガス発生器２は、例えば鍔を
付けることによつて下側の中央筒端に形状拘束的
に確保された点火装置支持体１０を有する電気路
上で（事故センサーにより）点火される点火装置
８を収容するための上方に対して閉じられた中央
筒６と、中央の軸Ａ―Ａに対して回転対称を成し
断面Ｓ形状のケーシング１２にしてこのケーシン
グが前記中央筒６とケーシング１２との間で断面
円弧形状に延びる環状カバー１４と共通にトロイ
ド形状の反応室１６を限定し、この反応室が中央
筒６内のラジアル点火開口１８を介してほぼ顆粒
状あるいは錠剤状の点火装置８によつて点火され
る固体駆動物質２０を備えたようなケーシング１
２と、断面彎曲した壁厚の薄い同じく環状の閉じ
板２２とを有し、この閉じ板は反応室１６を介し
てアーチ状に延び断面でＵ字状のケーシング部分
２４と共通してラジアル方向で反応室１６に限定
され且つこれを取り囲む膨張室及びフイルター室
２６を外側に限定し、この室に反応室及び膨張室
１６，２６の間の中央に位置するケーシング部分
３０内にある越境開口（反応室と膨張室とを結ぶ
開口）２８を介して反応室１６から熱い反応ガス
が流れ、そこで膨張室２６内に設けられたフイル
ター３２を通過した後著しく減長して外側のケー
シング部分２４内にある流出開口３４を介して保
護クツシヨン４へと流れ出るように成つている。

流出開口３４は、膨張室２６をラジアル方向外
側へ制限し延長されたケーシング部分２４のほぼ
円筒状の部分３８内で周辺方向同一形状に配分さ
れた中間ウエブ３６により互に分割された大面積
のスリツトとして形成されており、この延長され
断面Ｕ字状に曲げ戻されたケーシング部分２４の
保護クツシヨン４に対して軸方向に向けられた中
央ウエブ４０の中にまで延びているものである。
駆動ガスは従つて膨張室２６から各流出開口３４
に大きな噴射断面にしてそれ相応に低い噴射速度
の発散噴射流として流れ出る。その結果膨張過程
の間直接噴射された保護クツシヨン４の面領域は
大きく保たれ、そして保護クツシヨン４の場所に
応じて著しく圧力や熱負荷が高いようなことは阻
止されることになる。

下側の中央筒端と内側でアーチ状のケーシング
部分４４との間の縁結合４２は中央筒６とカバー
１４の内縁との間の縁結合４６及び外側カバー縁
部と中央ケーシング部分３０との間の縁結合４８
と同様に貫通する環状熔接継目、ほぼ電子線―熔
接継目の形状をした材料同士で結合し合う強固な
縁の結節部として形成されている。多数の周辺方
向に配分された固定用継板５０の設けられ且つ断
面矩形の保持リンク５２を介して保護クツシヨン
４の内側の縁鍔部が確保されている閉じ板２２も
熔接継目５４，５６を介して内側ケーシング部４
４乃至ケーシング延長部分２４のラジアル方向外
側の円筒状部分３８の外側縁領域と材料同士で結
合し合うように結ばれている。同様に高い自己強
度に顧みてカバー１４及び内側ケーシング部分４
４は共通し断面でほぼ円形のトロイドの一部を成
し、ガス発生器２の全体の支持するケーシング構
造は従つて中央軸のＡ―Ａに対して同心的なほぼ
円筒状の３つの環状壁から成つている、即ち中央
筒６の套面と中央のケーシング部分３０と、延長
されたケーシング部分２４の流出スリツト３４に
よつて仕切られたラジアル方向外側の円筒状部分
３８とであり、これらはそれぞれ一体的に形成さ
れあるいは材料同士で結合し合うように固定され
た種々彎曲した中間部分によつて、即ち一方では
カバー１４及び内側ケーシング部分４４と他方で
は中央ウエブ４０乃至閉じ板２２等の中間部分に
よつて互に結合されているものである。

既に述べて来た様にガス発生器２の前述した構
造は著しい壁厚の低減を可能とするものである。

ガス発生器２の具体的実施例にあつては約35mm
の全高で、約20mmの中央筒６の直径があり、約80
mmの中央ケーシング部分３０の直径で、膨張室２
６をラジアル方向外側へ限定する円筒状のケーシ
ング部分３８の直径は約105mmとなつており、カ
バー１４及びケーシング１２の壁厚は平均的薄板
品質のものでは一貫して約2.5mmに過ぎず、僅か
しか負荷を受けない閉め板２２の壁厚は約1.5mm
である。全ケーシング部分は簡単な方法で冷間成
形した薄板部分として製造され且つ全ての場合ほ
とんど屑を出すような後加工を必要としない。そ
うしてカバー１４及び聞じ板２２は簡単に成形さ
れた打ち抜き部材であり、また全体のケーシング
１２は一体的深絞り部分としての平らな薄板から
製造され、その際流出スリツト３４及び場合によ
つては越境開口２８は深絞り過程の際乃至その前
に薄板に同時に打ち抜きが行われ、そしてそれ故
既に形成されたケーシングに後で合体する必要は
ない。安全性の理由から点火装置８はケーシング
部を組み立てた後初めて中央筒６内に嵌め込まれ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に従うガス発生器の部分的な断面
を有する側面図を示すものである。図中の符号の
うちの主なものはそれぞれ次のものを表わす。 ２……ガス発生器、４……保護クツシヨン、６
……中央筒、８……点火装置、１２……ケーシン
グ、１４……カバー、１６……反応室、２０……
固体駆動物質、２２……閉め板、２４……ケーシ
ング部分、２６……膨張及びフイルター室、２８
……越境開口、３０……ケーシング部分、３４…
…流出開口、３６……中間ウエブ、４０……中間
ウエブ、４２，４６，４８……縁結合、４４……
ケーシング部分、５０……固定用板、５４，５６
……熔接継目。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 点火装置を収容する中央筒と、駆動物質を備
   え前記中央筒を取り囲んでいる反応室を区画する
   ためのケーシングにして、圧力を漏らさないよう
   に内縁で中央筒と結合された環状のケーシング
   と、反応室を閉鎖し外縁でケーシングとそして内
   縁で中央筒と圧力を漏らさないように結合される
   カバーと、反応室に連通し越境開口を通してこれ
   と結合された膨張室、特にフイルター室とがあ
   り、この膨張室にはガス発生器の後に接続される
   駆動ガス消費体へと外側に流れ出る駆動ガス用の
   流出開口が設けられ、その際少なくともケーシン
   グは屑の出ない冷間加工により一体物として製造
   され且つ少なくとも１つの縁結合部が材料同士で
   結合し合う強固な縁の結節部となるような薄板構
   造のガス発生器において、膨張室２６がラジアル
   方向に反応室１６と境を接し且つこの反応室を取
   り囲むように成され、越境開口２８がケーシング
   １２内に設けられ、該ケーシング１２は断面Ｓ字
   状の構成部材として形成されており、そのケーシ
   ング１２の反応室を越えて延長されたケーシング
   部分２４は膨張室２６を外部に対して区画してお
   り、且つ膨張室２６の流出開口３４は延長された
   ケーシング部分２４にスリツト状に打ち抜いて作
   られていることを特徴とするガス発生器。 ２ 延長されたケーシング部分２４がほぼＵ字状
   で膨張室２６を三方向に限定するような断面形状
   を備えていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載のガス発生器。 ３ 前記Ｕ字状のケーシング部分２４の中央ウエ
   ブ４０がガス発生器２の後に接続された駆動ガス
   消費体４の方に向けられていることを特徴とする
   特許請求の範囲第２項に記載のガス発生器。 ４ スリツト状の流出開口３４がＵ字状ケーシン
   グ部分２４の中央ウエブ４０内まで延びているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第２項または第３
   項に記載のガス発生器。 ５ ケーシング１２が流出開口３４を打ち抜いた
   後あるいは打ち抜きと一緒に深絞りした薄板部分
   として形成されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項〜第４項のうちの１項に記載のガス
   発生器。 ６ Ｓ字状のケーシング１２とカバー１４と中央
   筒６との間のすべての縁結合部４２，４６，４８
   が材料同士で結びつく強固な縁の結節部として形
   成されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項〜第５項のうちの１項に記載のガス発生器。 ７ 反応室１６を区画する内側のケーシング部分
   ４４がカバー１４と共通してほぼ円形のトロイド
   の一部を形成することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項〜第６項のうちの１項に記載のガス発生
   器。