JP3043615U - エアバッグ用ガス発生器 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器

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エリック ニルソン カール
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造組立体を有し且つ製造安価であり
確実に機能するエアバッグ用ガス発生器を提供する。 【解決手段】 高圧ガスを受容するための円環体状本体
を含む圧力容器1から成り、シール2によって閉塞され
る少なくとも1つの出口開口3を圧力容器1に具え、解
放機構を具え、ガスの圧力がシールに作用する、エアバ
ッグ用ガス発生器であって、シール2は、圧力容器1の
中のガスの公称圧力にそれ自体が耐え得ないような弱体
として構成され、ガスによってシール2に作用する力の
方向に垂直な方向に、解放機構により移動され得る支持
要素4が設けられ、支持要素4は、出口開口3とは反対
のシール2の側でシール2を支持する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、高圧力下の高圧ガスを受容するための圧力容器から成り、シールに よって閉じられる該圧力容器の少なくとも1つの開口と解放機構とを具える、特 に車両のエアバッグ用のガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術と考案が解決しようとする課題】
現行技術において、実質的に異なる2つのタイプのエアバッグ用ガス発生器が 公知である。第1のタイプは、純正の火工技術的な性質を有する、すなわち、ガ スは、化学的に結合された形式、好ましくは、錠剤に押し込められた粉末や細粒 の形式で利用され得ると共に、推進薬の点火により爆発的に解放される。推進薬 として、窒化ナトリウム(NaN3 )及び酸化媒体(例えば酸化鉄)をベースと する物質が用いられ、燃焼時にそれは、化学的に結合された窒素を解放し、これ により、ガスとして利用され得るし、その後に極めて大きな容積を有する。従っ て、用いられた化学的貯蔵ガス又は酸化物は、所定比率及び所定組成で特別に混 合され且つ相互押圧され、これにより、制御された燃焼として、最終的なガスの 解放が起きる、すなわち、極めて迅速且つ確実に、エアバッグがほんのちょっと の間にガスで満たされねばならないが、それは、非制御的な燃焼の形式を有し、 エアバッグ及び他の周囲のものを著しく損傷させ得る。
【0003】 これらの火工技術的なガス発生器は、点火時に多量の固体燃料残存物を生じる 、という不都合を有する。該残存物は、エアバッグの相当薄いデリケートな壁材 料に接触するのを回避するために激しい燃焼工程中に包含されねばならず、さも なければ、穴を開けられて車両占有者に火傷をおわす危険性を有する。このこと は、ガス発生器のために比例的に高いコストを帰結する適切な完成されたフィル タを必要とする。別の化学的物質及び元の基準組成を具えるガス発生器は、常に 安定しているわけではなく且つ熱の影響のためにその特性が時間毎に変化する、 という不都合を有する。車両に組み込まれたエアバッグは、凡そ15年用いられ ているので、機能的な性能は、それによって著しく害されているであろう。更に 、有機的な推進薬は、多量の毒性のガス、特に一酸化炭素(CO)を発生させる 。
【0004】 上記理由のために、過去に開発されたガス発生器は、高圧ガスを包含する圧力 容器から実質的に成り、シールを具える開口を具備する。更に、そのようなガス 発生器に関して、そのような圧力容器の出口開口を一般的にシールする膜を穿孔 又は破壊する解放機構が設けられ、これにより、高圧の下にあるガスは、流出し てエアバッグを満たす。車両の運転者又は乗客のための伝統的なエアバッグにお いて、このタイプの高圧力容器の容積は、通常200〜400立方センチメート ルの間であり、ガスは、この圧力容器内で200及び300bar の間の典型的な 圧力まで圧縮され、これにより、通常の圧力の下で、又は最終的に満たされたエ アバッグ内の僅かに高い圧力の下で、このガスは、約50及び150リットルの 間の容積を満たす。当然のことながら、用途によっては、このような典型的な値 からの所定逸脱は、可能である。
【0005】 事故時に解放される圧力容器内の圧縮ガスを独占的に包含するガス発生器にお いては、ほんのちょっとの間に起き且つ実際上断熱的であるガスの膨張が、その 温度を徹底的に下降させ、それにより、先ず通常圧力で、それは、もし圧力容器 が相対的に大きいように設計されないならば、エアバッグを申し分なく満たすの に充分でない比較的小さい容量を占有する、という不都合が起きる。後者は、空 間の問題を伴うであろう。更に、そのようなガス発生器においては、ガス展開は 、累減的に起きるが、エアバッグの最適且つタイムリーな充填のために第1段階 で前進的なガス展開が代わりに必要である、という重大な不都合がある。
【0006】 この理由のために、純粋の火工技術的なガス発生器に加えて、実際上いわゆる ハイブリッド形の発生器は、高圧ガス用の貯蔵に加えて、主として加熱の目的で あり且つガス展開には少なすぎる火工装薬を有し、これにより、断熱膨張するガ スは、加熱され、それと同時的に、それがエアバッグの容量を充分に満たすよう に膨張する。純粋な火工技術的なガス発生器と比べて、そのようなハイブリッド 形の発生器は、火工装薬が加熱目的のために独占的でなければならず、且つ適当 な加熱媒体の大きな選択がある、という利点を有する。火工装薬の量は、極めて 僅かな固体燃料残存物が生ぜられるように、純粋な火工技術的なガス発生器の場 合におけるよりも著しく低く保持され得る。
【0007】 燃焼特性並びに量に関して花火的な装薬の選択的な配置及び構成により、エア バッグの最適な充填工程は、各々の車両の要求に関して達成され得る。 明らかなことに、そのようなエアバッグの使用は、ステアリングホイールのボ スに限定されず、車両に限定されず、例えばボート、船、エアクラフト等に搭載 され得るし、多量のガスが短時間に迅速に要求されるところならば何処にでも搭 載され得る。
【0008】 本考案に近接している従来技術は、上記ハイブリッド形による解決が好適であ るが絶対的に必要ではないような、高圧ガス用の圧力容器を具えるガス発生器で ある。 先に記載したように、このタイプの公知のガス発生器においては、ガスは、2 00及び300bar の間の圧力、典型的には約250bar で圧力容器内に収容さ れる。この圧力容器は、閉じられ、緊急のための出口開口は、膜によってシール され、解放機構は、事故又は他のエアバッグの解放の要求の場合に、シール膜を 破壊し、ガスの排出のための開口を自由にする。先に記載したように、同じ時期 に、加熱装薬は、点火され、出て行くガスを同時加熱する。明確なことに、この タイプの膜は、極めて慎重に設計され、製造され、そして圧力容器内に設置され ねばならない。それは、一方において、この膜が多年にわたり約250bar の圧 力に対して圧力容器を緊密にシールしなければならないし、他方において、もし 事故又は他のエアバッグの解放の要求が起きるならば、それが解放機構に取って 代わらねばならない、という理由からである。従って、そのような膜の構造及び 製造は、複雑且つ高価である。既存の最小力により膜を破壊し、可能ならば、加 熱装薬を点火するために、解放機構は、相当複雑な形式のものが設計されねばな らない。
【0009】 従来技術と比較して、本考案の目的は、簡単な構造組立体を有し且つ製造安価 であり確実に機能する、先述した特徴を具えるエアバッグ用ガス発生器を提供す ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、圧力容器の出口開口を具えるシールが充分に弱く、もしそれ自体 によって支持されないならば、圧力容器内を満たすガスの公称圧力に耐え得ない 、従って、圧力容器の出口開口に対向するシールの側部を支持する、解放機構に より移動され得る付加的な支持要素が設けられる、ということにより充足される 。シールは、この付加的な支持要素のおかげで圧力容器の内部から生じる圧力に 耐え得る。しかしながら、この支持要素が停止されるや否や、シールは、破壊又 は分裂し、そして圧力容器の出口開口を自由化する。適切な強度の支持体を具え る適切な弱体シールを製造することは、大きな構造的な投資(計画)消費を要し ないが、むしろ、適切なシール及び支持要素は、実験的な低い消費による具体的 な形式で容易に展開され得る。特に、シールは、極めて単純な組立体を有し、従 来技術に係る通常の膜のように破裂結合又は特別な弱体領域を設ける必要がない 。このように、出口開口の構造、形状、及び数に関して自由度がある。特に、圧 力容器から出るガスのための出口断面は、エアバッグの均一な速い膨張に貢献す るように大きく増大され得る。
【0011】 圧力容器内に普及する圧力に対するシールの負荷支持機能からシール機能を分 離することは、シールが両機能を同時的に充足しなければならなかった従来技術 と比較して、支持要素及びシールの形状、設計、材料の適切な選択に関する著し く大きな範囲を帰結する。前述した2つの機能の分離は、ガス発生器の構造的組 み立てを容易化及び簡素化すると共に、機能上の信頼性を大きく保証する。
【0012】 本考案の好適実施例において、圧力容器は、所定圧力下のガスのための出口開 口に加えて、付加的支持要素及び設けられたシールにより出口開口が先ずシール され得るような程度で充填動作を容易化する出口開口から独立する少なくとも1 つの入口開口を有する。本考案の特定の好適実施例は、圧力容器が円環体状の本 体を有し、可能ならばこの円環体状本体が静力学的理由から略円形の断面を有す る、という内容のものである。
【0013】 本考案に従い、円環体状本体の環状開口を画成する内部の環状面にシールが配 置される、ということが更に提供される。当然ながら、このことは、円環体状本 体(リング)の内部に自動的に設けられるシールに対向する側の移動可能な支持 要素が支持されねばならないのと明らかに同じように、支持要素の取付けを容易 にする。更に、円環体状本体の内部の環状面が少なくとも断面的に円筒状壁又は 少なくとも所定レベルに形成される場合に支持要素並びにシールを取り付けるこ とが必要である。当然ながら、円筒面又は所定レベル面断面のシールは、取り付 けに関して極めて容易である。
【0014】 更に、圧力容器を含む円環体状本体自体が幾つかの部分、好ましくは少なくと も2つの部分を含み、その一方が円環体状本体の内部環状壁を形成する環状要素 である、という本考案の1つの実施例は、好適である。 好適実施例において、環状要素は、フランジによって軸方向を制限され、支持 要素並びにシールのための接触肩部として機能する、円環体状本体の内部の環状 面を画成する円筒状壁を有する。
【0015】 本考案の好適実施例において、シールは、例えば出口開口の周り又は所定レベ ル面にしっかり固定される金属シート、例えば環状の金属シートストリップであ るか、あるいは、出口開口を具備する円環体状本体の環状面全体を被う本考案の 好適実施例において、カップ状の膜リングである。 通常円環体状本体は、少なくとも3つの部分を含む、すなわち、内部リングに 加えて、正午面(meridian plane)に関する上半分及び下半分の リングを含み、それらは、外部周辺で相互に溶着される一方、それらの内部端は 、内部リングに溶着される。
【0016】 支持要素は、好ましくは円筒状の外部輪郭を有し、その直径は、必要ならばシ ールの厚さの減少の後で、円環体状本体の内部リングの内径に適合される。 好適実施例において、支持要素は、シールと嵌合されるか、あるいは、シール が内部リングに既に固定されている場合には円筒状壁によって画成される円環体 状本体の内部環状開口に干渉的に嵌合される。
【0017】 円筒状の外部輪郭を有する支持要素は、それが真円筒状の外壁を有することを 意味しない。むしろ、本考案の好適実施例の外壁は、軸方向に延びる複数個のガ ス流通溝を具備するが、それらのガス流通溝は、支持要素が位置決めされる場合 には、ガス流通溝の領域のシールが圧力容器のガスの内部圧力に耐え得るか若し くはガス流通溝が出口開口に対向配置されないような所定配置あるいは狭く保持 される。これらの軸方向ガス流通溝は、エアバッグに関して軸方向に移動される 支持要素の解放の際に、先ず内部に向かって半径方向に円環体状本体から流出し 、次いで軸方向に流れ去るガスが、外壁に設けられたそのガス流通溝を介して適 当な何処かに、あるいは支持要素を介して注目的な障害を伴うことなくエアバッ グ内に更に容易に逃げ得る、という目的を有する。
【0018】 好ましくはシールは、薄い金属シート、好ましくは数十分の1ミリメートルの 厚さを具えるステンレススチールから成る。幾つかの出口開口は、円形面の上に 実質的に配置され、円環体状本体の内部リング又は円環体状本体の内部面に設け られる。シールは好ましくは、前部で穿設され且つカップ状を有する膜リングの 形状を有し、円環体状本体の内部リングに対してリング状の出口開口の前部及び 背部で軸方向に、溶接工程、特にレーザー溶接により、固定及びシールが為され る。この形式で、多数の開口は、2つの幾何学的に極めて簡単な溶着接合により 同時的に容易にシールされる。簡単な幾何学的な溶着接合は、このタイプの溶着 接合が相当に規則的、正確、実に緊密であるように製造され得るように、製造技 術の観点から並びに機能的観点から有益的である。
【0019】 更に、支持要素が所定タイプの打撃遊底(インパクトボルト)と同じ時期に構 成され、従って、シールを支持するその位置から移動される場合に特にその移動 方向で支持要素の前方か、打撃遊底の前方かで、火工装薬が円環体状本体の軸線 上に概ね配置される本考案の実施例は、好適である。もし、車両事故の場合に解 放機構が作動するならば、円環体状本体から成る圧力容器の狭い環状面上に配置 される支持要素は、火工装薬に接触しそれを迅速に点火させるために、推進装薬 又は衝撃点火としてセットされる別の点火カプセルによって軸方向に穿孔され、 相当に薄く且つ弱体なシールは、同時的に、支持要素の除去のために、圧力開口 に対向する側が支持されず、迅速に崩れ、破砕・分解し、圧力容器の内部から高 圧ガスを逃がす。更に、エアバッグへのガスの別の経路において、都合良く配置 され得るフィルタ類は、シール及び/又は支持要素の破片又は加熱装薬の燃焼か ら固体粒子を保持し、従って、薄い壁のエアバッグを損傷させない。
【0020】 支持要素は、好ましくは焼結金属で形成され、これにより、例えば事故の場合 に解放される際のように突然に負わされる際には、その相当な曲げの脆弱さのた めに、何かの理由で、シールに対してその支持位置から直ちに滑出しないならば 、容易に破損する場合が起きるにちがいない。従って、圧力容器の高圧のために 大きな力がシールを介して支持要素の半径方向内方に作用されるので、支持要素 は、相対的に安定するように、しかしながらその高抵抗力のために焼結金属の支 持要素を容易に支持し得るように設計されねばならない。好都合なことに、本考 案に係るコンポーネントと共に、円環体状本体から成る圧力容器は、ステアリン グホイールのボスの内側のステアリングホイール軸に同軸的に適合され得る。
【0021】 更に別の利点、特徴、並びに本考案の使用のための可能性は、添付図面及び好 適実施例の以下の記載により明確に為されよう。
【0022】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案の主題の基本要素を単純且つ明確にした概略図である。図3及 び5に示すように、本考案の好適実施例における圧力容器や支持要素等の形状は 、図1に示された構成要素と本質的に異なる。 図1は、その左壁に入口開口9、右壁に出口開口3を具える、概ね断面的に長 方形ボックスとして形成された圧力容器1を示す。出口開口3は、例えば薄い金 属シートの形式のシール2によってシールされる。開口3は、例えば断面が矩形 又は円形であり得る。シール2は、そのような形状に適合され、圧力容器1の外 壁又は開口の縁部の開口3の周りにしっかり固定される。シール2は、例えば焼 結金属の固体ブロックであり得る、開口3と反対の側の支持要素4によって支持 される。この支持要素4は、容器1に固定形式で連結されるクリップ15によっ て支持される。もし、シール2が金属シートで構成されるならば、それは、例え ば容器1の壁の開口3の周りに溶着され得る。
【0023】 解放機構を形成するか又はそれに連結される推進装薬(propellant charge)16は、シール2の面に概ね直角である支持要素4の面の上に 配置される。解放すなわち推進装薬16の点火により、支持要素4は、下方に推 進される。これにより、その面の大部分に対して機能していたシール2の支持が 消失する。以前の場合には、支持要素4の存在のために、圧力容器1の圧力ガス の圧力の大部分は、シール2を介して支持要素4に直接伝達され、開口3の周り の溶着接合(weld joint)は、その極めて小さな領域のために相当低 い圧力を必要としなければならなかったのに対して、以降の場合には、シール2 及びその溶着接合は、シール2の全面及び圧力容器1に作用する圧力発生から生 じる全圧力を必要としなければならない。もし、シール2が、例えば0.2mmの 厚さの例えばステンレス鋼で形成されるならば、そして更に、出口開口の全領域 が約1平方センチメートルに等しいならば、このタイプのシール2、並びに容器 1の壁への固定のためのその溶着接合は、圧力ガスが生じさせるような約250 kp(2500N)の全力を包含するには弱すぎる。パイプ若しくはカップの形状 のシール2、並びに開口3の側部の外面的な溶着接合により、溶着接合の長さに 対するガス圧力の全力の比率は、更に増大する。従って、シール2又はその溶着 接合は、破砕してガスを自由にする。当然に、溶着接合及びシールの材料の強度 や出口開口の寸法に従い、シールの壁の強度は、200〜300bar の範囲のオ ーダーの全力がシールの全領域に作用する場合にシール2又はその溶着接合が破 損するように、適当な形式で適合される。他方、シールの領域の大部分が支持さ れる場合に、シールに作用する残りの残留力は、その若しくはそれらの溶着接合 によって容易に包含される。
【0024】 圧力容器1の断面、並びに図面の面に垂直なその伸縮が、本質的に所定通りに 為され得るが、その断面形状を円環体(トーラス)状に有益的に拡張することは 、図1の点線で示されるものの、実際には、矩形の円環体状の断面を具える。図 1、2から容易に想像され得るように、クリップ15は、容器に不要にされ得る し、支持要素は、それ自体が円環体状本体の反対の内面に支持されるように、半 径方向に単純に拡大される。リテーナ15を具える立方形(cuboid−sh aped)の変更例は、図1の破線で示される。円環体状本体の変更例は、図2 に示される。図1において、圧力容器は、シールのために支持要素を保持するよ うにクリップがその一方側に配置される、概ね立方形のボックスで手軽に構成さ れ得るが、このクリップは、その変更例が既に図1に点線で示されている、図2 に従って円環体状本体に拡張される場合に、不要にされ得る。勿論、別の出口開 口3が、出口開口3の反対に設けられ得るし、あるいは、必要ならば多数の開口 が、本考案の好適実施例において環状シールバンド2によってカバーされる円環 体状本体の内部周囲の周りに分配され得る。そのような特徴を具える実施例は、 図3及び4に示されており、その各々は、トロイド状(toroidal)の圧 力容器の一部の断面を示す。
【0025】 点線で示された図2に係る修正された実施例と比較した図3の実施例の差異は 、第1に、図3において概ね円形である円環体状本体から成る圧力容器の断面で ある。更に、図3に係る実施例の圧力容器1は、概ね3つの部品、すなわち、連 続的な溶着接合に沿って相互に連結される上半分のリング(半リング)及び下半 分のリング(半リング)、並びにこれらの半リングの内側の縁部に溶着される環 状開口を画成する内部リング5で構成される。特に圧力容器の半リングへの移行 の領域におけるリング5の縁部及び外面に対する都合の良い適合は別として、リ ング5は、特に内部の円筒状壁面5a並びにフランジ10を具える。フランジ1 0は、一方側で軸方向の円筒状壁面を限界付ける肩面11を形成する。円筒状壁 面において、幾つかの開口3は、例えば穿孔の形式でリングの外周に分配される 。確かに、単一の開口3で十分であろうが、好ましくは、例えば4つ以上の開口 がリング外周に分配される。シール2は、連続的なリング状の金属バンドであり 、軽量に形成されるが、図4に示されたように、概ねL形状の断面を具える。リ ング5若しくは支持要素4の嵌合及びその溶着のため、並びに独立した部品とし てシール2に関係するシール機能の高精度で安価な製造のため、打ち抜かれた円 形底部を具える深絞り加工された金属ポットのようなシール2の実施例が好適で ある。シールの一方の脚部は、フランジ10の肩面11に当接し、他方の脚部は 、リング5の円筒状壁5aに平行に延び、従って開口3の全部を被う。円形の開 口3の上方において、シール2は、リング5のシリンダ内壁5aに溶着され、円 形の開口の下方において、シール2の第2の脚部は、自動制御式のレーザービー ムによって極めて薄いシートでも対応する対向面に完全緊密的に溶着され得るこ とから、好ましくはレーザー溶接により、フランジ10の肩面11に対して溶着 される。
【0026】 他方、I形状又は円形の断面を有し、フランジ10に当接するシール3の脚部 は、フランジ10に溶着される。円筒形状の外部輪郭を具える支持要素4は、円 環体状本体の内部リングに挿入され、支持要素4の外径は、リング5の円筒状壁 5aの内径よりも僅かに小さい。シール2の溶着後に、支持要素4は、後者に対 して、フランジ10の肩部まで押入され、衝撃や振動による偶発的な緩みに対し て保証するようにシール2への干渉的嵌合によりその場所に極めて確実に保持さ れる。
【0027】 図4に示されているように、支持要素4の幾つかの円筒状外壁は、軸方向に延 びるガス流通溝17を更に具え、その唯一つは、図3及び図4において断面が示 されている。残りの領域において、シール2が、図4に示されているように支持 要素4の円筒状外壁18に対してしっかりと押圧される故に、円筒状縁領域にお いて、シールが、リング5の方向に向かって僅かに幅広くなっており、これによ り、溶着接合は、付着物によって支持要素4の軸方向の動きを阻害することはな い。ガス流通溝17は、シールが合力に容易に耐え得ると共に分裂や崩壊を起こ さないように、十分に狭いように寸法化される。
【0028】 図3において、支持要素4の半分、すなわち、ガス発生器28の軸線までが示 されている。完全な断面図によれば、軸線28の右側に関して、他方側は鏡像関 係にある。従って、支持要素4は、中空円筒状部分であり、その一端面は、シー ルされ且つ打撃遊底として機能する部分13を具える、ということが理解されよ う。推進装薬16は、支持要素4によって形成される中空空間内に配置され、車 両内に配置された場合の事故時に、例えば電流による加速感応センサ技術により 作動される。このように、支持要素4は、加熱装薬8を具えるインパクト・イグ ナイタ7によって軸方向に推し進められ、それによって点火される加熱装薬8は 、急激な圧力降下及び膨張のために温度降下する、開口3を通して圧力容器1か ら出るガスを加熱し、該ガスは、支持要素4がインパクト・イグナイタ7及び加 熱装薬8によって推し進められた後に(従って、その後において、開口3を通し てシール2の全面に影響を及ぼす容器内の内部圧力が、シール又はリング5に対 するその溶着接合を開くので)、開口3を通して圧力容器1から逃げる。空間の 考慮により、支持要素がリング5から軸方向の極めて遠くに移動し得ないので、 軸方向のガス流通溝17は、(開口3を通して図4で支持要素4を越えて上方に 、そしてガス発生器の流出開口21及びフィルタ6のチャネル19を通して)圧 力容器1から現出するガスが、連結された折り畳まれたエアバッグに入る、とい う利点を有する。6で示されたフィルタは、加熱装薬8からの燃焼残存物を保持 しなければならない。
【0029】 従って、本考案の好適実施例は、その組立体が簡単であり且つ製造上安価であ る、ハイブリッドタイプのガス発生器である。当然ながら、本考案の機能は、火 工技術的な加熱装薬の存在に完全に依存し、また、明らかなことに、支持要素4 は、火工技術的な推進装薬によってシール2から離脱されないし、強い予圧バネ 等によっても同じである。更に、明確なことに、圧力容器の円環体状本体は、( 点線で示される修正のない)図1並びにその対応する説明が示されているように 、本考案の機能のために絶対的に不可欠というものでは全くない。
【0030】 更に、シール2がリング5又は圧力容器の対応面に溶着されることは、必要で はなく、シール2が金属で形成されるべきことは、不要である。従って、例えば 開口3の外縁部は、変形可能なシールが干渉的嵌合により挿入されるような拡大 部又は肩形状の凹所を具え得る。支持要素の外部の反作用的な圧力と内部のガス 圧力との相互作用は、そのような付加的な弾性シールをそのような凹所内に、ま たシート状シールに対して押圧し、これにより、たとえ製造が相当に複雑であっ ても、信頼性の高いシールが実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るガス発生器の構造、その圧力容
器、シール、支持要素、及び解放機構の図解図である。
【図2】円環体形状に修正された、図1と同様の構造図
である。
【図3】本考案の好適実施例のガス発生器の要部断面図
である。
【図4】図3のシールの領域の拡大図である。
【図5】本考案に係る支持要素の軸方向平面図である。
【符号の説明】 1…圧力容器 2…シール 3…(出口)開口 4…支持要素 5…リング 9…入口開口 10…フランジ 15…クリップ 16…推進装薬
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (19)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧ガスを受容するための円環体状本体
    を含む圧力容器(1)から成り、シール(2)によって
    閉塞される少なくとも1つの出口開口(3)を圧力容器
    (1)に具え、解放機構を具え、ガスの圧力がシールに
    作用する、エアバッグ用ガス発生器であって、 シール(2)は、圧力容器(1)の中のガスの公称圧力
    にそれ自体が耐え得ないような弱体として構成され、 ガスによってシール(2)に作用する力の方向に垂直な
    方向に、解放機構により移動され得る支持要素(4)が
    設けられ、 支持要素(4)は、出口開口(3)とは反対のシール
    (2)の側でシール(2)を支持することを特徴とする
    エアバッグ用ガス発生器。
  2. 【請求項2】 上記圧力容器(1)は、少なくとも1つ
    の入口開口(9)を有することを特徴とする請求項1に
    記載のガス発生器。
  3. 【請求項3】 上記圧力容器(1)の円環体状本体は、
    略円形の断面を有することを特徴とする請求項1又は2
    に記載のガス発生器。
  4. 【請求項4】 上記シール(2)は、円環体状本体の環
    状開口を画成する内部環状面に配置されることを特徴と
    する請求項1から3のいずれか1項に記載のガス発生
    器。
  5. 【請求項5】 上記円環体状本体の内部環状面は、少な
    くとも部分的に円筒壁の形式で形成されるか又は偏平で
    あることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に
    記載のガス発生器。
  6. 【請求項6】 上記円環体状本体の環状開口を画成する
    内部環状面には、半径方向内方に突出して肩部を形成す
    るフランジ(10)が設けられ、 該フランジ(10)の肩部は、支持要素を支持する軸方
    向支持面を構成することを特徴とする請求項5に記載の
    ガス発生器。
  7. 【請求項7】 上記円環体状本体は、少なくとも2つの
    部分から成り、その一方は、円環体状本体の環状開口を
    画成する内部リング(5)であり、その半径方向に配置
    された出口開口(3)は、少なくとも出口開口(3)の
    領域に、円筒状の内壁と、該円筒状内壁を限界付け且つ
    半径方向内方に突出するフランジ(10)、とを有し、
    フランジ(10)の一面は、支持要素(4)及び/又は
    シール(2)のための接触肩部(11)を構成すること
    を特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のガ
    ス発生器。
  8. 【請求項8】 上記圧力容器(1)の円環体状本体の内
    側に沿って、幾つかの出口開口(3)が設けられること
    を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のガ
    ス発生器。
  9. 【請求項9】 上記シールは、相対的に薄い金属シート
    から成ることを特徴とする請求項1から8のいずれか1
    項に記載のガス発生器。
  10. 【請求項10】 上記支持要素(4)は、略円筒状の外
    面を有し、円環体状本体の環状開口の中でそれを概ね満
    たすように半径方向に配置されることを特徴とする請求
    項1から9のいずれか1項に記載のガス発生器。
  11. 【請求項11】 上記シールは、薄い金属、好ましくは
    ステンレススチールのシートから形成されるリングであ
    ることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に
    記載のガス発生器。
  12. 【請求項12】 上記シールは、好ましくは端面開口を
    具える、ポット状の深絞り加工された金属シートから形
    成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか
    1項に記載のガス発生器。
  13. 【請求項13】 上記シールは、円環体状本体の内部リ
    ング(5)の面に対して上記少なくとも1つの出口開口
    (3)を被うように溶着されることを特徴とする請求項
    11又は12に記載のガス発生器。
  14. 【請求項14】 上記支持要素(4)は、打撃遊底とし
    て形成され、円環体状本体の略軸線上の打撃遊底の前側
    には、火工装薬が配置されることを特徴とする請求項1
    から13のいずれか1項に記載のガス発生器。
  15. 【請求項15】 上記支持要素(4)は、中空の円筒体
    であり、1つのシールされた端面を具え、該端面の外側
    に衝撃ポイントを具えることを特徴とする請求項14に
    記載のガス発生器。
  16. 【請求項16】 上記支持要素(4)の移動のための解
    放機構は、イグニッション機構を具える火工装薬を具備
    することを特徴とする請求項14又は15に記載のガス
    発生器。
  17. 【請求項17】 上記支持要素(4)は、焼結金属で形
    成されることを特徴とする請求項1から16のいずれか
    1項に記載のガス発生器。
  18. 【請求項18】 上記車両のステアリングホイールのボ
    ス内に配置され、円環体状本体の軸線は、ステアリング
    ホイールの軸線に略平行であることを特徴とする請求項
    1から17のいずれか1項に記載のガス発生器。
  19. 【請求項19】 上記支持要素(4)の略円筒状の外面
    には、少なくとも1つの軸方向に延びるガス流通溝(1
    7)が形成されることを特徴とする請求項10に記載の
    ガス発生器。
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