JPS6247004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案はボイラ等の燃焼炉内から高温の燃焼ガ
スを抽出する装置に関するものである。 例えば第１図および第２図に示すように、ボイ
ラの火炉は炉壁管１ａとフユージヨン部１ｂから
なるボイラ炉壁１で四周を構成させ、１本あるい
は複数本の燃焼用バーナ２を配置し、高温の燃焼
ガスより熱吸収させる構造である。 このような構造において最近、ボイラ炉壁１の
燃焼用バーナ２の近傍に著しい高温腐食が発生す
る例が見られる。この高温腐食の原因としては、
付着灰の性状、メタル温度など種々の要因が考え
られるが、その中の１つとして腐食部のガス雰囲
気の性状もあげられ、この部分の燃焼ガスを抽出
し調査する必要が生じてきた。 このボイラ炉壁１の燃焼用バーナ２近傍からの
燃焼ガスの抽出は高温高圧の蒸気が流れている炉
壁管１ａ部分をさけて、炉壁管１ａと炉壁管１ａ
との間のフユージヨン部１ｂから抽出しなければ
ならない。 一般にボイラ炉壁１のフユージヨン部１ｂはそ
の間隔が狭くここに穴明し燃焼ガス抽出パイプを
接続する事は非常に困難である。又炉内燃焼ガス
は1000℃以上の高温ガスであり、たとえ前述の方
法で燃焼ガスを抽出できたとしても、燃焼ガスが
高温のため燃焼ガス抽出パイプの焼損やフユージ
ヨン部１ｂと燃焼ガス抽出パイプとの接続部から
の燃焼ガスの漏洩が起りボイラを停止しなければ
ならない状態になり実際上この様な方法では燃焼
ガスの抽出はできなかつた。 このような困難性のため現在までボイラ炉壁１
のフユージヨン部１ｂからの燃焼ガスの抽出は行
なわれた例がない。 本考案は以上の点に鑑みなされたものでボイラ
炉内の燃焼ガスを抽出ラインを閉塞させず抽出さ
せ得ると共に、高温の燃焼ガスを冷却して安全に
抽出し、もし万一燃焼ガス抽出ラインからのガス
漏れが生じても燃焼ガスを炉外に漏洩させる事が
ないように二重の安全装置をもたせ、燃焼ガス抽
出時の事故のためボイラを停止させることのない
燃焼ガス抽出装置を提供することを目的とし、そ
の要旨は、ボイラ炉壁のフユージヨン部に開口す
るごとく配設された燃焼ガス抽出パイプと、同燃
焼ガス抽出パイプを囲繞するごとく配設された第
１のシール手段と、同第１のシール手段の外方に
これを囲繞するごとく配設された第２のシール手
段と、同第２のシール手段に配設された空気冷却
手段と、上記燃焼ガス抽出パイプに接続されたパ
ージ手段とからなるボイラの燃焼ガス抽出装置に
ある。 以下、図面により本考案の一実施例としてのボ
イラの燃焼ガス抽出装置について説明する。第３
図は本考案によるボイラの燃焼ガス抽出装置の系
統図であつて、ボイラ炉壁１は炉壁管１ａとフユ
ージヨン部１ｂとからなり、フユージヨン部１ｂ
には燃焼ガス抽出穴１ｃが明けられ、この穴は燃
焼ガス抽出パイプＰ６に接続されている。この燃
焼ガス抽出パイプＰ６はシール座３ａ、シールボ
ツクス３で二重にシールされ、燃焼ガス抽出用バ
ルブＶ４を介して燃焼ガスサンプリングＰ７に接
続されている。 シールボツクス３は一方がエアーパイプＰ３に
もう一方が冷却パイプＰ２に接続されている。 冷却パイプＰ２は冷却パイプ用バルブＶ１を介
して排気パイプＰ１に接続されている。 又エアーパイプＰ３はバイパス用バルブＶ２を
介して燃焼ガス抽出パイプＰ６に、エアーパイプ
用バルブＶ３を介して既設エアーパイプＰ４に接
続されている。 なお既設エアーパイプＰ４には圧力エアーが常
時通じている。 以上の構成においてまず、燃焼ガスサンプリン
グパイプＰ７から炉内燃焼ガスの採取を行なわな
い通常運転時の場合、エアーパイプ用バルブＶ３
を開、バイパス用バルブＶ２を開、燃焼ガス抽出
用バルブＶ４を閉、冷却パイプ用バルブＶ１を閉
とする。これにより燃焼ガス抽出パイプＰ６にエ
アーが炉内方向に流れ、このラインをパージする
ことによつて燃焼ガス抽出穴１ｃの炉内付着灰な
どによる閉塞を防止する。 又これによりシールボツクス３は加圧状態とな
り、燃焼ガス抽出パイプＰ６と燃焼ガス抽出穴１
ｃ及びシール座３ａとのシール部が各々炉内高温
燃焼ガスのために破損した場合、シールボツクス
３内の加圧エアがこの破損した部分より炉内へ流
れ込み、燃焼ガスの炉外への流出を防止する。 次に炉内燃焼ガスの採取を行なう場合、エアー
パイプ用バルブＶ３を開、バイパス用バルブＶ２
を閉、冷却パイプ用バルブＶ１を開とし、燃焼ガ
ス抽出用バルブＶ４を徐々に開いて燃焼ガスサン
プリングパイプＰ７より燃焼ガスの採取を行な
う。 これによりシールボツクス３にエアーが流れ、
この中にある燃焼ガス抽出パイプＰ６内を流れる
高温の燃焼ガスを冷却する事により安全に燃焼ガ
スの抽出を行なえる。 又この事により燃焼ガス抽出パイプＰ６と燃焼
ガス抽出穴１ｃ及びシール座３ａとのシール部が
各々炉内高温燃焼ガスのために破損する事を防止
する。 次に、本考案のボイラ燃焼ガス抽出装置を用い
て、ボイラ燃焼ガスの採取・分析を行なつた一例
を次表に示した。

【表】 この時、既設エアーパイプＰ４のエアー圧力は
0.2Kg／cm²排気パイプＰ１から排出するエアー流
量は1Nm³／分、燃焼ガスサンプリングパイプか
らの燃焼ガス抽出流量は1.5N／分とした。 又前述の炉内燃焼ガス採取を行なわない場合の
バルブ操作でバイパス用バルブＶ２を開から閉に
し燃焼ガス抽出パイプＰ６をパージしなかつた場
合２日間で燃焼ガス抽出穴１ｃが閉塞し燃焼ガス
の抽出が不可能となつた。 なおこの時の燃焼ガス抽出穴１ｃの径は５mmで
あつた。 以上の事から本考案のボイラ燃焼ガス抽出装置
は安定かつ安全な燃焼ガス抽出を行う場合その効
果が著しい事が明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図はボイラの火炉構造を示す断面図、第２
図はボイラの炉壁構造の詳細を示す断面図、第３
図は本考案の一実施例としてのボイラの燃焼ガス
抽出装置の系統図である。 １……ボイラ炉壁、１ａ……炉壁管、１ｂ……
フユージヨン部、１ｃ……燃焼ガス抽出穴、２…
…燃焼用バーナ、３……シールボツクス、３ａ…
…シール座、Ｐ１……排気パイプ、Ｐ２……冷却
パイプ、Ｐ３……エアーパイプ、Ｐ４……既設エ
アーパイプ、Ｐ５……バイパスパイプ、Ｐ６……
燃焼ガス抽出パイプ、Ｐ７……燃焼ガスサンプリ
ングパイプ、Ｖ１……冷却パイプ用バルブ、Ｖ２
……バイパス用バルブ、Ｖ３……エアーパイプ用
バルブ、Ｖ４……燃焼ガス抽出用バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボイラ炉壁のフユージヨン部に開口するごとく
   配設された燃焼ガス抽出パイプと、同燃焼ガス抽
   出パイプを囲繞するごとく配設された第１のシー
   ル手段と、同第１のシール手段の外方にこれを囲
   繞するごとく配設された第２のシール手段と、同
   第２のシール手段に配設された空気冷却手段と、
   上記燃焼ガス抽出パイプに接続されたパージ手段
   とからなることを特徴とするボイラの燃焼ガス抽
   出装置。