JPS6247000Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、給湯器等における燃焼室の側壁を燃
焼装置に供給される比較的低温の燃焼用空気をも
つて冷却することにより、この燃焼室側壁の熱的
損傷を抑制して寿命の増大、及び、側壁構成材料
の低廉化等を図れるようにしたもので、詳しく
は、上部に吸熱部を配し、かつ下部に燃焼装置を
配した燃焼室の全外周を、内胴と外胴とから成
り、その内外胴間に給気通路を形成の二重構造壁
をもつて密閉状に囲繞させ、前記二重構造壁に、
前記給気通路に連通する状態で送風機の送風口を
形成してある強制空冷式熱交換器に関する。

上記のような構成をもつ強制空冷式熱交換器と
して、従来から知られるものに、例えば、実開昭
55−131445号、実開昭56−60042号、実開昭56−
60045号、実開昭56−60046号、実開昭56−60047
号公報等において開示されているように、前記送
風機の送風口を、内外二重構造壁における外胴の
上部側面位置に形成したものが在る。然し、この
ような従来構造のものでは、前記給気通路内での
空気流れが下向きの一方向流れであることから、
給気通路に比し面積的に非常に小さい送風口から
供給される空気が給気通路内で偏流し易くて側
壁、殊に、最も高温になり易い内胴の上端付近が
部分的に過熱され、焼損などの損害を蒙り易い。
そのために、側壁を耐熱性、耐食性に勝れた高価
な材料から構成する要があつて全体コストが上昇
し易く、しかも上方からの給気であるから、送風
機が燃焼室の横側に出つ張つて機器全体が不必要
に横幅の大きいものになる欠点があつた。また、
実開昭55−131445号公報で示されているように、
給気通路内に均圧板を設けて空気流れを整流する
ことも考えられたが、この場合でも均流化するこ
とは仲々難しく、その均流効果を高めようとすれ
ば大きな空気抵抗を受け、送風機の必要容量が大
きくなつたり、或いは、強制給気燃焼による燃焼
の安定化効果が確実に得られない等の難点があつ
た。

本考案は、かかる実情に鑑み、送風機送風口の
配置改良といつた簡単な改造をもつて、比較的小
容量の送風機を用い乍ら、燃焼室側壁の全体を十
分かつ効果的に冷却することができるとともに、
全体をコンパクトに構成することができるように
する点に目的がある。

上記の目的を達成すべく構成された本考案によ
る強制空冷式熱交換器は、冒頭詳記のものにおい
て、前記二重構造壁の外胴底部に、前記給気通路
に連通する状態で送風機の送風口を形成し、前記
燃焼装置への燃焼用一次空気供給孔を前記二重構
造壁の内胴側面に開口させて、その開孔に対応す
る箇所に燃料ガスノズルを設けるとともに、前記
燃焼装置よりも下方相当位置の前記内胴側面に二
次空気開孔を設けてある事を特徴とする。

即ち、内外二重構造壁の外胴底部から、その内
外胴間の給気通路に上向きに強制送気するもので
あるから、前記給気通路内において空気が上昇流
動から横に流動し、更に下降流動へと移行する逆
Ｕターン形態の空気流れとすることができ、特に
燃焼室上部で最も高く加熱昇温される給気通路の
上端付近では空気を旋回および衝突させて、空気
と胴面との接触を良好化できるので、強い冷却作
用が発揮される。従つて、側壁の局部過熱による
熱的損傷が十分に抑制され、耐熱耐食性の比較的
低い安価な構成材料で良いこと、及び、整流化の
ための均圧板等の特別な構成が不要であることに
よつて、全体を低コストに構成しながらも、寿命
の増大が図れるに至り、しかも、従来のものに比
し給気抵抗が小さいことから、送風機容量の小形
化が可能であり、かつ、その送風機が燃焼室の下
部に設けられ、横側に出つ張らないため、機器全
体を横幅の小さいコンパクトなものに構成できる
に至つた。

以下本考案の実施の態様を給湯器への適用例に
つき、例示図に基づいて詳述する。

第１図、第２図において３は燃焼室であつて、
その底部には燃焼装置であるブンゼン式のガスバ
ーナ２が配置されているとともに、このガスバー
ナ２を含めて燃焼室３の外周全体が箱形の内胴４
Ａと外胴４Ｂとから成り、その内外胴４Ａ，４Ｂ
間に環状矩形の給気通路５を形成した二重構造壁
４により密閉状に囲繞され、かつ、この内外二重
構造壁４の上端で前記給気通路５の上端開口を塞
ぐべく連設されたフランジ部１１を介して、前記
燃焼室３の上部に、吸熱部の一例であるフインチ
ユーブ形の水加熱用熱交換器１が固定連結されて
いる。６は強制給気用送風機であつて、その送風
口６ａが前記二重構造壁４の外胴４Ｂ底部に形成
の開口４Baを介して前記給気通路５に連通接続
され、吸入空気を上向きに送入するように構成し
ている。７は前記ガスバーナ２の横側部に相当す
る前記二重構造壁４の内胴４Ａ側面に開口させ
た、前記バーナ２への燃焼用一次空気供給用の孔
であつて、この開孔７に対応する箇所に、燃料ガ
ス供給管１２の先端に付設の燃焼ガスノズル８を
臨設させてある。９は前記ガスバーナ２よりも下
方相当位置の前記内胴４Ａ側面で前記一次空気供
給孔７を形成の側面とは異なる側面の相対向部分
に形成した二次空気開孔であつて、この二次空気
開孔９形成相当位置の前記給気通路５内には、第
３図及び第４図で明示の如く、その上面にパンチ
ングメタル１３を張設して二次空気取入口１０ａ
を形成した箱状の給気ガイド１０を、それの内外
両面が前記二重構造壁４の内外胴４Ａ，４Ｂ対向
面に夫々固定される状態で、かつ、前記給気通路
５が前記送風機６による上昇流路域Ｘと前記開孔
７，９に連なる下降流路域Ｙとに区画される状態
に設置したものである。

尚、本考案は、上述実施例の如き給気ガイド１
０がなくても良いが、この給気ガイド１０を設け
た場合は、それに形成の二次空気取入口１０ａの
開口面積やガイド１０自身の設置位置や大きさに
よつて、一次空気と二次空気との分配比率や給気
通路の空気流動を自在に設定できるものである。

また、本考案は、給湯器以外、例えば暖房用温
水の発生器等に適用することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る強制空冷式熱交換器の実施
の態様を例示し、第１図は一部分解斜視図、第２
図は縦断面図、第３図は第２図−線での横断
面図、第４図は要部の拡大斜視図である。 １……吸熱部、２……燃焼装置、３……燃焼
室、４……二重構造壁、４Ａ……内胴、４Ｂ……
外胴、５……給気通路、６……送風機、７……一
次空気供給孔、８……燃焼ガスノズル、９……二
次空気開孔、１０……給気ガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上部に吸熱部１を配し、かつ下部に燃焼装置
   ２を配した燃焼室３の全外周を、内胴４Ａと外
   胴４Ｂとから成り、その内外胴４Ａ，４Ｂ間に
   給気通路５を形成の二重構造壁４をもつて密閉
   状に囲繞させ、前記二重構造壁４の外胴４Ｂ底
   部に、前記給気通路５に連通する状態で送風機
   ６の送風口６ａを形成し、前記燃焼装置２への
   燃焼用一次空気供給孔７を前記二重構造壁４の
   内胴４Ａ側面に開口させて、その開孔７に対応
   する箇所に燃料ガスノズル８を設けるととも
   に、前記燃焼装置２よりも下方相当位置の前記
   内胴４Ａ側面に二次空気開孔９を設けてある事
   を特徴とする強制空冷式熱交換器。 前記給気通路５の前記二次空気開孔９相当位
   置に、上面又は上面と側面に二次空気取入口１
   ０ａをもつ箱状の給気ガイド１０が備えられて
   いる実用新案登録請求の範囲第項に記載の強
   制空冷式熱交換器。 対象とするものが給湯器である実用新案登録
   請求の範囲第項又は第項に記載の強制空冷
   式熱交換器。