JPS6246862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポンプ装置に関し、特に配管等の内部
における水の凍結を防止し得るポンプ装置に関す
る。

給水用ポンプ装置においては、井戸または水槽
などの内部に位置して水中に浸漬されたポンプ部
と、このポンプ部よりも高所に設けられた圧力タ
ンク等の蓄圧部と、これらポンプ部および蓄圧部
を相互に接続する配管とを備えており、上記ポン
プ部は蓄圧部の内圧あるいは水位等に応じて自動
的に発停制御されるようになつている。上記ポン
プ部または配管には一般に逆止弁が設けられてい
るのでポンプ部の運転停止中でも配管内には水が
充満しており、これを抜きとることがきわめて困
難であつた。したがつて、寒冷時における水の凍
結を防止するためには配管等に対し何らかの保温
手段を設けなければならなかつた。

本考案は上記事情のもとになされたもので、そ
の目的とするところは、配管内の水を容易に抜き
とることができ、凍結を確実に防止し得るポンプ
装置を提供することにある。

本考案は、ポンプ部および逆止弁の下流側に位
置して逆止弁とは別個の開閉弁を設け、この開閉
弁は、配管の内外を連通する連通孔と、この連通
孔を外部から開閉自在に閉鎖するとともに閉方向
に付勢された弁体と、この弁体を開方向に駆動可
能な操作手段とを具備したことを特徴とするもの
である。

したがつて、操作手段を介して弁体を駆動操作
することにより弁体が連通孔を開くと、配管内の
水を外部に流出させることができ、格別な保温手
段を設けなくても確実に凍結を防止することがで
きる。しかも、開閉弁はポンプ部および逆止弁よ
り下流側に設けたので、開閉弁を開いてもポンプ
部内の水は放出されず、よつて再始動時にポンプ
内に空気が溜まることによる起動不能となる不具
合が防止される。また構造が簡単であり操作も容
易である。

以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。第１図において、ポンプ部１は地中の井戸２
内に位置して適宜のロープ等（図示略）に吊持さ
れ、水３中に浸漬されており、地上に設けられた
蓄圧部４と配管５を介して接続されている。井戸
２の上端には蓋６が設けられている。配管５には
ポンプ部１の近傍に位置して逆止弁７が設けられ
ている。この逆止弁７は、要すればポンプ部１内
に設けるようにしてもよい。上記蓄圧部４には給
水管８を介して水栓９が接続されており、かつそ
の内圧に応動する圧力スイツチまたは水位に応動
するレベルスイツチ等（いずれも図示略）が設け
られるとともに、これらスイツチと連係して上記
ポンプ部１を自動的に発停制御可能な制御部（図
示略）が付設されている。上述のような一般的構
成は従来装置におけると同様であつてよい。

上記配管５には、井戸２内に位置して開閉弁１
０が設けられている。この開閉弁１０は、第２図
に示すように配管５に接続される弁箱１１を備え
ている。弁箱１１に形成された弁室１２は一端が
連通孔１３を介して配管５の内部に連通されると
ともに、側壁に開設された開口部１４を介して外
部に開放されている。弁箱１１には弁室１２の一
端側に位置して弁座１５が設けられるとともに、
他端側に位置して蓋１６が設けられている。弁室
１２内に配設された弁体１７は一端に設けられた
パツキン１８を有するとともに、他端に設けられ
蓋１６を摺動自在に貫通する弁軸１９を有し、か
つ弁室１２内に位置して蓋１６との間に介設され
たコイルばね２０によりパツキン１８が弁座１５
に圧接される閉位置方向に付勢されている。弁軸
１９の外端部には操作手段２１を構成するロープ
等２２の下端部が連結されている。操作手段２１
は、井戸２の蓋６を貫通して外方に延在する上端
部に位置して適宜の把手２３を備えている。また
上記蓄圧部４には水抜きキヤツプ２４が設けられ
ている。

上述のように構成された装置においては、水抜
きキヤツプ２４が水密に取付けられるとともに開
閉弁１０が開放操作されない通常の運転状態にあ
る場合、弁体１７はコイルばね２０によつてパツ
キン１８が弁座１５に圧接されることにより閉鎖
されており、ポンプ部１は従来装置におけると同
様に蓄圧部４の内圧または水位が所定の下限値以
下に低下したとき起動され、所定の上限値以上に
上昇したとき停止される。そして、非使用時には
ポンプ部１を電源から切り離したのち水栓９を開
放するとともに水抜きキヤツプ２４を取外せば、
蓄圧部４および給水管８等の排水が行なわれる。
また、操作手段２１の把手２３を引上げることに
よりコイルばね２０に抗して弁体１７を開方向に
移動させると、パツキン１８が弁座１５から離れ
ることにより配管５内の水は連通孔１３および弁
室１２を経て開口部１４から外部に流出する。

したがつて、上記構成によれば開閉弁１０より
も下流側における水がすべて排出されるので、寒
冷時における凍結事故の発生を効果的に防止する
ことができる。しかも、開閉弁１０は弁体１７が
コイルばね２０によつて閉方向に付勢されるとと
もに、操作手段２１は把手２４を井戸２の外部に
設け得るので、開閉操作がきわめて簡単かつ容易
である。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるも
のではなく、たとえば上記蓄圧部４およびこれよ
りも下流側の部分が保温された屋内等に配置され
ているため排水する必要がないような場合などに
は、外部に敷設された配管５について排水すれば
よく、このような場合には蓄圧部４に近接位置し
て配管５に適宜の逆止弁および吸気弁等を設ける
ようにしてもよい。その他、本考案の要旨とする
ところの範囲内で種々の変更ないし応用が可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は配置
図、第２図は要部の断面図である。 １……ポンプ部、４……蓄圧部、５……配管、
７……逆止弁、１０……開閉弁、１１３……連通
孔、１４……開口部、１５……弁座、１７……弁
体、２０……コイルばね、２１……操作手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水中に浸漬されたポンプ部と、このポンプ部よ
   りも高所に設けられた蓄圧部と、上記ポンプ部お
   よび蓄圧部を相互に接続する配管と、上記ポンプ
   部または配管に設けられた逆止弁とを有するポン
   プ装置において、上記逆止弁およびポンプ部の下
   流側に位置して上記配管に開閉弁を設け、この開
   閉弁は上記配管の内部と外部とを連通する連通孔
   と、この連通孔を外部から開閉自在に閉鎖すると
   ともに閉方向に付勢された弁体と、上記弁体を開
   方向に駆動可能な操作手段とを具備することを特
   徴とするポンプ装置。