JPS6246449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、泥水掘削工法における掘削機からの
排泥水より廃棄土砂を除去して泥水を再生する排
泥水処理装置の改良に関する。

この種の排泥水処理装置は、掘削機から排泥水
ポンプにより送られてくる排泥水をスクリーン、
通常、振動スクリーンに送り、スクリーンにより
廃棄土砂を除去してアンダーサイズの泥水をサイ
クロン給泥タンクに流し、サイクロン給泥タンク
の泥水をポンプによりサイクロンに送つてオーバ
ーフローを再生泥水として調整槽に流し、その再
生泥水を掘削機に循環供給している。

ところで、サイクロン給泥タンクの泥水をサイ
クロンに送るポンプは通常その能力にいくらかの
余裕をもたせているため、サイクロン給泥タンク
の液位の変動に伴いポンプを断続運転せねばなら
なかつた。

このようにポンプを断続運転すると次のような
弊害が起こる。

すなわち、 ポンプ停止時に土砂が沈降し、起動時に多量
の土砂を引き込んで一時的に濃度が高くなり、
サイクロンでの分離効率が悪化する。また、場
合によつてはポンプ吸込口での閉塞も引き起
す。

起動、停止の繰り返しでモータ、ポンプ、ス
イツチ、計器類に悪影響を及ぼす。

運転中に比べ起動時に過大電流となるため、
電力の消費が大きくなる。

本考案は、サイクロン給泥タンクの泥水をサイ
クロンに送るポンプを連続運転可能とすることに
より前述の諸欠点をなくそうとするものである。

以下、図面を参照し本考案の実施例を説明す
る。

排泥水処理装置は、隔壁４によりオーバーフロ
ー可能にサイクロン給泥タンク２と再生泥水タン
ク３とに区画された全体を１で示すタンクを備え
ている。掘削現場から排泥水ポンプ６により送ら
れてくる排泥水は振動スクリーン７により廃棄土
砂を除去し、アンダーサイズの泥水は前記サイク
ロン給泥タンク２に流入する。

サイクロン給泥タンク２内の泥水はサンドポン
プ８により湿式サイクロン９に送られ、オーバー
フローは再生泥水として前記再生泥水タンク３に
流入する。サイクロン９の沈降土砂は振動スクリ
ーン７に流し、廃棄土砂を除去する。再生泥水タ
ンク３のオーバーフローは調整槽１０に流れ、調
整槽１０で新規泥水や必要とする薬剤を加え、送
泥水ポンプ１１により掘削機１２に循環供給す
る。

サイクロン給泥タンク２と再生泥水タンク３と
を区画している前記隔壁４には、両タンク２，３
の圧力差により再生泥水タンク３の側からサイク
ロン給泥タンク２の側へのみ開いて再生泥水タン
ク３内の泥水をサイクロン給泥タンク２の側へ流
すバタフライ弁５が設けられている。

かかる排泥水処理装置において、処理能力と排
泥水量がつりあつている場合は実線で示す如くバ
タフライ弁５は閉じ、サイクロン９のオーバーフ
ローは再生泥水タンク３のオーバーフローとして
調整槽１０に流れ込む。

排泥水量が少なくなりサイクロン給泥タンク２
の液位が下がると、再生泥水タンク３との圧力差
によつて点線で示す如くバタフライ弁５が自動的
に開き、再生泥水タンク３からサイクロン給泥タ
ンク２へと泥水が流れ込み、サイクロン給泥タン
ク２の液位は保たれポンプ８は連続運転する。

逆に排泥水が増えた場合は、バタフライ弁５に
はそれを閉じる方向に圧力がかかり、バタフライ
弁５を経てサイクロン給泥タンク２より再生泥水
タンク３へ逆流することはない。しかしさらに排
泥水が増えた場合は、サイクロン給油タンク２よ
り再生泥水タンク３へオーバーフローし、再生泥
水タンク３のオーバーフローとなつて調整槽１０
へ流れ込む。

なお、サイクロン給泥タンクと再生泥水タンク
とを区画する隔壁に設ける弁は図示のバタフライ
弁に限られることなく、サイクロン給泥タンクと
再生泥水タンクとの圧力差により再生泥水タンク
側からサイクロン給泥タンク側へのみ開いて再生
泥水タンク内の泥水をサイクロン給泥タンク側へ
流す弁であればどのような形式の弁であつてもよ
い。

本考案にかかる排泥水処理装置によれば次のよ
うな優れた作用効果が得られる。

排泥水の流量変化があつてもサイクロンに被
処理泥水を供給するポンプが連続的に運転でき
るため、サイクロンの分級作動を連続させるこ
とができ、排泥水処理装置の分級性能を高める
ことができる。

サイクロンに被処理泥水を供給するポンプが
連続運転となり、サイクロン給泥タンクでの土
砂の沈降、ポンプ、吸込パイプの閉塞等を防止
することができる。

圧力差を利用しているため、無動力で自動的
に液面調節を行うことができる。

弁の開口面積を大きくとることにより、排泥
水の流入ができなくなつても排泥水処理装置内
を泥水循環することができ、したがつて排泥水
の流量変化が大きくても追続することができ
る。

ポンプが連続運転となり、起動、停止の繰り
返しに伴うモータ、ポンプ、スイツチ、計器類
への悪影響を解消できる。

サイクロン給泥タンクと再生泥水タンクを同
一架台上に設けることにより、全体装置がコン
パクトになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す泥水工法における
排泥水処理装置の配管図である。 １……タンク、２……サイクロン給泥タンク、
３……再生泥水タンク、４……隔壁、５……バタ
フライ弁、６……排泥水ポンプ、７……振動スク
リーン、８……サンドポンプ、９……サイクロ
ン、１０……調整槽、１１……送泥水ポンプ、１
２……掘削機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 隔壁によりオーバーフロー可能にサイクロン給
   泥タンクと再生泥水タンクとに区画されたタンク
   を有し、掘削機からの排泥水からスクリーンによ
   り廃棄土砂を除去したアンダーサイズの泥水を前
   記サイクロン給泥タンクに流し、サイクロン給泥
   タンクの泥水をポンプによりサイクロンに送つて
   オーバーフローを再生泥水として前記再生泥水タ
   ンクに流し、その再生泥水を掘削機に供給するよ
   うにしてなる排泥水処理装置において、サイクロ
   ン給泥タンクと再生泥水タンクとを区画している
   前記隔壁に、両タンクの圧力差により再生泥水タ
   ンク側からサイクロン給泥タンク側へのみ開いて
   再生泥水タンク内の泥水をサイクロン給泥タンク
   側へ流す弁を設けたことを特徴とする泥水掘削工
   法における排泥水処理装置。