JPS6246301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシヤーシ構造に係り、特にアンテナブ
ースタに適用して好適なシヤーシ構造に関するも
のである。

（従来技術とその問題点） テレビジヨン放送局のアンテナから受信用アン
テナに到来する微弱なテレビジヨン信号を所定の
レベルにまで増幅するものに、アンテナブースタ
がある。

かゝるアンテナブースタは種々提案され、実用
化されているが、本考案者が提案したものは、受
信用アンテナにて受信したテレビジヨン信号の中
からUHF帯の信号とVHF帯の信号とを分離し、
それぞれUHF帯の信号とVHF帯の信号とを別個
に増幅してテレビジヨンの入力端子に印加するも
のである。第１図は上述の如き本考案者が提案し
たアンテナブースタの回路ブロツク図である。同
図中、１０１はVHFローパスフイルタ、１０２
はVHFフイルタ、１０３はVHFアンプ、１０４
はVHFローパスフイルタであり、これらにより
VHF帯TV信号のアンテナブースタ部VHAMが構
成されている。一方１０７はUHFハイパスフイ
ルタ、１０８はUHFアンプ、１１１はUHFアン
プ、１１３はUHFハイパスフイルタ、１１４と
１１５はアツテネータであり、これらにより
UHF帯TV信号のアンテナブースタ部UHAMが構
成されている。尚、１１７はテレビジヨンであ
る。

第２図はかゝるアンテナブースタを実装する従
来のシヤーシ構造で同図ａは枠の斜視図、同図ｂ
は断面図である。同図中、１は金属加工により長
方体状に形成された枠であり、その上面と下面は
筒抜け状に形成されている。上面２つの短辺の縁
には入力コネクタ及び出力コネクタを取付けるた
めのコネクタ取付部１ａ，１ｂが形成されてい
る。２は入力コネクタ、３は出力コネクタで、そ
れぞれネジ部２ａ，３ａ、リード線２ｂ，３ｂを
有し各々コネクタ取付部１ａ，１ｂに形成された
穴部に挿入後ナツト４，５により固定される
（尚、カシメ付等で固定してもよい）。６は第１図
のアンテナブースタを実装したプリント基板で、
長手方向の中心線を境として左右部分にそれぞれ
VHF帯アンテナブースタ部VHAMとUHF帯アン
テナブースタ部が形成されている。該プリント基
板６は枠１内に収容固定せられ、その周縁の接地
導体部分の何箇所かは枠１の内側のフランジ部分
に螺子などで固定されて枠１に接地されている。
入力コネクタ２及び出力コネクタ３の中心導体は
リード部２ｂ，３ｂと介してプリント基板６の入
力端子及び出力端子と電気的に接続されている。

かゝるシヤーシ構造においては、VHF帯アン
テナブースタ部VHAMとUHF帯アンテナブース
タ部間に静電的、電磁的シールド部材が何も存在
しないためフイルタ等の部品間の静電的誘導的結
合等の問題を生じる。又、上記シヤーシ構造にお
いてはプリント基板６の周囲の一部のみが枠１と
接続されているだけであるため、UHF帯のテレ
ビジヨン信号を処理するアンテナブースタにとつ
てアースが不完全となる。更に、各入出力コネク
タ２，３には挿入方向だけでなく横方向に対して
もかなりの力が加わるが、上記のシヤーシ構造の
ようにコネクタ取付部１ａ，１ｂが枠１の縁より
半円形状に突出しているような構造ではコネクタ
取付部１ａ，１ｂの強度に問題があるし、また各
コネクタのアース側の配線がプリント基板のアー
ス配線まで可成りの距離があるため、入出力回路
に大きなインピーダンスが負荷されるいう問題も
ある。

第３図は従来の別のシヤーシ構造を示す断面図
である。図中、第２図と同一部分には同一信号を
付しその詳細な説明は省略する。

７はシールド板であり、プリント基板６にその
先端を挿入し、半田付等によりアースパターンと
接続し、プリント基板状のVHF帯アンテナブー
スタ部VHAMとUHF帯アンテナブースタ部
UHAM間を磁気的にシールドする。この第３図
に示すシヤーシ構造によれば第２図に示すシヤー
シ構造に比べフイルタ等による静電的誘導的結合
の問題はなくなる。しかし、入出力コネクタ２，
３のアースの不完全さとコネクタ取付部１ａ，１
ｂの機械的強度については依然として問題が残つ
ている。さらに入出力コネクタ２，３のアースの
不完全さを解消し、コネクタ取付部の機械的強度
を補強するためにはシールド板７と枠１間をコネ
クタ２，３の近くで半田付等の手段によつて固定
すればよいが作業性が悪いだけでなく、接続の信
頼性の問題及びコストアツプを招来する。

（考案の目的） 従つて、本考案はコネクタやプリント基板のア
ースを完全に取ることができ、しかもコネクタ取
付部の機械的強度を高めることができ、更には静
電的誘導的結合の問題が生じない製造性の良いシ
ヤーシ構造を提供することを目的とする。

（考案の概要） 本発明は、上述の如き従来の問題点の解決手段
として、電子回路を有するプリント基板を内部に
備えるとともに該プリント基板の電子回路と外部
とを接続するコネクタを備えたシヤーシ構造にお
いて、金属筐体からなり、上面に外部と連通する
窓を有し、かつ該窓の縁に設けられた第１のコネ
クタ取付部と、該第１のコネクタ取付部と対向す
る窓の縁に設けられた第２のコネクタ取付部と、
該第１と第２のコネクタ取付部間を橋絡する橋絡
部と、該橋絡部の側面部分で両コネクタ取付部に
近い両端部分から橋絡部側面全面に亙つて下方に
折り曲げられ下端に凸部を設けたシールド板とを
有する枠と、該枠内に固定され、アース配線パタ
ーン部分がシールド板下端の凸部と半田付けによ
り固定されているプリント配線板と、を有するこ
とを特徴とするシヤーシ構造を提供するものであ
る。

（作用） プリント基板の中に設けられた各シールドされ
るべき回路は橋絡部から垂下されたシールド板に
よりシールドされる。さらに該シールド板の両端
部分がコネクタ取付部の近傍に位置して各コネク
タのアースとプリント基板のアースパターンとは
シールド板の端面により最短距離で結ばれる。ま
たプリント基板の複数のアースポイントは、シー
ルド板の凸部、橋絡部を介して枠にアースされ
る。橋絡部の端部とプリント基板がシールド板で
結合されるので、コネクタ取付部の強度が増す。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を用いて詳細に説
明する。

第４図は本考案に係るシヤーシ構造の説明図で
あり、同図ａは同斜視図、同図ｂは断面図であ
る。

図中、１１は板金加工により長方体状に形成さ
れた枠であり、この枠の上面には窓１７，１８が
設けられる。該枠１１の上面部分は打ち抜きの際
に入力コネクタ及び出力コネクタを取付けるコネ
クタ取付部１１ａ，１１ｂと、これら両コネクタ
取付部間を橋絡する橋絡部１１ｃと、該橋絡部１
１ｃの側面部分で、両コネクタ取付部１１ａ，１
１ｂに近い両端部分から橋絡部１１ｃ側面全面に
亙つて下方に折り曲げられたシールド板１１ｄが
設けられる。尚、枠１１には底板はなく、又シー
ルド板１１ｄの先端には後述のプリント基板に形
成した穴に挿入するための凸部１１d′が形成され
ている。１２は入力コネクタ、１３は出力コネク
タで、それぞれネジ部１２ａ，１３ａ、リード部
１２ｂ，１３ｂを有し、各々コネクタ取付部１１
ａ，１１ｂに挿入後ナツト１４，１５により固定
される（尚、カシメ付等により固定するように構
成してもよい）。

１６はプリント基板で、たとえば第１図に示し
たアンテナブースタが実装せられ、従来と同様枠
１１内に適当個数設けられたフランジに固着せら
れており、又シールド板１１ｄの凸部１１d′が挿
入せられる穴（図示せず）が形成されている。
尚、このプリント基板１６上には前述の如くアン
テナブースタが実装されているが、VHF帯アン
テナブースタ部VHAMとUHF帯アンテナブース
タ部UHAMとは長手方向仮想中心線に沿つて設
けられた穴を境にして互いに左右に分離せしめら
れている。

入力コネクタ１２及び出力コネクタ１３は共に
リード部１２ｂ，１３ｂを介してプリント基板１
６上の回路と電気的に接続され、又シールド板１
１ｄの凸部１１d′はプリント基板１６に形成した
穴に挿入後半田付によりプリント基板のアースパ
ターンと接続される。従つて、VHF帯アンテナ
ブースタ部VHAMとUHF帯アンテナブースタ部
UHAM間がシールド板１１ｄによりシールドさ
れる。さらに該シールド板１１ｄの両端部分がコ
ネクタ取付部１１ａ，１１ｂの近傍に位置するの
で各コネクタのアースとプリント基板１６のアー
スパターンとはシールド板１１ｄの端面により最
短距離で結ばれる。またプリント基板１６の複数
のアースポイントは、シールド板１１ｄの凸部１
１d′橋絡部１１ｃを介して枠１にアースされる。

（考案の効果） 以上、本考案によれば枠の上板を下方に折り曲
げて形成したシールド板１１ｄによりVHF帯ア
ンテナブースタ部とUHF帯アンテナブースタ部
間がシールドされる。このためフイルタ回路等の
部品による両ミキサ部間の静電及び誘導結合が除
去される。又、入出力間の最短部に設けているシ
ールド板は入出力間の最短のアースとなり、これ
からプリント基板上に折り曲げたシールド板の凸
部はプリント基板上の高周波回路のアース部とコ
ネクタとを結ぶ最短のアースとなつているので、
高周波特性上不要なインピーダンスが発生せず、
この点で大きな効果を持ち、性能を向上させるこ
とができる。更に、両コネクタ間を橋絡する橋絡
部を直線状に設けると共に、シールド板先端に形
成した凸部を前記プリント基板に貫通せしめ、該
基板上のアースパターンに半田付することによ
り、プリント基板１６のアース特性が向上し、さ
らに橋絡部とシールド板とがコネクタ取付部の補
強になつているため、上下方向はもちろんのこと
横方向の力に対しても機械的強度を上昇させるこ
とができ、入出力コネクタに対して外部から加え
られても十分に耐えられる強度を有する。又、構
造は簡単であり、作業性、製造性が良く、コスト
ダウンが図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はアンテナブースタの回路ブロツク図、
第２図は従来のシヤーシ構造の説明図で同図ａは
枠の斜視図、同図ｂは断面図、第３図は従来の別
のシヤーシ構造の説明図、第４図は本考案に係る
シヤーシ構造の説明図で同図ａは同斜視図、同図
ｂは断面図である。 VHAM……VHF帯TV信号のアンテナブースタ
部、UHAM……UHF帯のTV信号のアンテナブー
スタ部、１，１１……枠、１ａ，１ｂ，１１ａ，
１１ｂ……コネクタ取付部、１１ｄ……シールド
板、２，１２……入力コネクタ、３，１３……出
力コネクタ、６，１６……プリント基板、７……
シールド板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電子回路を有するプリント基板を内部に備え
   るとともに該プリント基板の電子回路と外部と
   を接続するコネクタを備えたシヤーシ構造にお
   いて、 金属筐体からなり、上面に外部と連通する窓
   を有し、かつ該窓の縁に設けられた第１のコネ
   クタ取付部と、該第１のコネクタ取付部と対向
   する窓の縁に設けられた第２のコネクタ取付部
   と、該第１と第２のコネクタ取付部間を橋絡す
   る橋絡部と、該橋絡部の側面部分で両コネクタ
   取付部に近い両端部分から橋絡部側面全面に亙
   つて下方に折り曲げられ下端に凸部を設けたシ
   ールド板とを有する枠と、 該枠内に固定され、アース配線パターン部分
   がシールド板下端の凸部と半田付けにより固定
   さてれいるプリント配線板と、 を有することを特徴とするシヤーシ構造。 (2) アース配線パターン部分とシールド板下端の
   凸部の半田付け部分によりプリント配線板の電
   子回路がシールド区分されることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のシヤーシ
   構造。 (3) シールド板下端の凸部はプリント配線板に設
   けられた穴を貫通してアース配線パターンと半
   田付けされていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第(1)項記載のシヤーシ構造。