JPS6245465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はガス絶縁電気装置に関するもので、
特に高圧ガス絶縁媒体を密封する金属製円筒状容
器を具え、容器内に通電導体を絶縁支持するため
の改良された固状絶縁物を有する型のガス絶縁電
気装置に関するものである。

従来のこの種のガス絶縁電気装置は、第１図に
示すような構造、形態であつて、金属製の円筒状
容器は端部にフランジ１ａ，１ａを具え、この円
筒状容器のほぼ中央すなわち中心軸上に通電導体
２が配設されている。通電導体２は円板状の固状
絶縁物３いわゆる絶縁スペーサによつて所要位置
に支持され、固状絶縁物３はその外周部が２つの
円筒状容器１，１の間でフランジ１ａ，１ａによ
り挾持されることにより、ボルト４で円筒状容器
に固定されている。フランジ１ａと固状絶縁物３
の外周部との間にはＯリング５がはさまれてい
て、円筒状容器１内に形成される高圧ガス雰囲気
６と円筒状容器１の外部とを遮断して、円筒状容
器内の気密を保持している。

以上のように構成された従来のガス絶縁電気装
置は、固状絶縁物３を装着するのに、固状絶縁物
３を円筒状容器１間に挾持する構造であるため、
重量のある円筒状容器１をクレーン等で移動さ
せ、２つのフランジ１ａと固状絶縁物３とのボル
ト穴を一致させなければならないなどの非常に面
倒で、多くの人手と時間とを要する作業を行わね
ばならない欠点があつた。また装置の保守点検
時、固状絶縁物３の表面の観察が必要な場合など
に、固状絶縁物３を円筒状容器１から解体しなれ
ばならないので、解体時にも装着時とほぼ同様
に、多くの人手と時間とを必要する欠点があつ
た。

この考案は上記のような従来のガス絶縁電気装
置の欠点を解消するためになされたもので、通電
導体と円筒状容器との間に固状絶縁物を配設する
のが容易であるガス絶縁電気装置を提供すること
を目的とし、高圧ガス絶縁媒体を封入した円筒状
容器のほぼ中心線上に通電導体を配設してなるガ
ス絶縁電気装置において、前記通電導体は円周方
向に移動可能な可動通電導体部分と、この可動通
電導体部分の両側に可動通電導体部分を狭持して
設けられている通電導体部分とから構成され、か
つ前記円筒状容器の中心線上に直角な一平面内
に、一方では前記可動通電導体部分に固着され他
方では前記円筒状容器の内壁面に電気的に接触し
かつ機械的に可動である固状絶縁物部分が放射状
に配設されていることを特徴とするガス絶縁電気
装置を提供していて、固状絶縁物を数固の小さい
固状絶縁物部分で構成し、円筒状容器のフランジ
の間に固状絶縁物を挾持する必要をなくすること
によつて、非常に取扱い易い固状絶縁物を備えた
ガス絶縁電気装置を提供するものである。

以下に、この考案をその一実施例を示している
図面にもとずいて説明する。

第２及び３図に示すように、この考案において
も、円筒状容器１のほぼ中心軸上に通電導体２が
配設され、円筒状容器１内に高圧絶縁ガス雰囲気
６が形成される点は第１図に示す従来の装置と同
様であるが、通電導体２は可動通電導体部分９と
通電導体部分１０とからなり、両部分は軸方向に
接続され、可動通電導体部分９は軸方向に所定間
隔で通電導体部分１０によつて挾持され、円周方
向に回転可能に取付けられている。通電導体部分
９，１０は板ばね１１によつて電気的に接続され
ている。また円筒状容器１に可動通電導体部分９
と軸方向の同位置に、枝管１２が設けられている
とよく、枝管１２は後述するように固状絶縁物部
分を通しうる孔１３を容器壁に形成するものであ
る。枝管１２はカバー１４を取付けて密閉する。

円筒状容器１内に通電導体２を支持する固状絶
縁物は固状絶縁物部分７からなり、固状絶縁物は
少なくとも２個の固状絶縁物部分７（図示実施例
では３個）からなり、放射状に通電導体２の可動
通電導体部分９のまわりに等角度間隔に配置され
る。固状絶縁物部分７はその埋め金８ａによつ
て、例えば埋め金８ａに設けたねじ部を可動通電
導体部分９にねじ込むことによつて可動通電導体
部分９に固着される。更に固状絶縁物部分７には
その外側に埋め金８ｂ，８ｃがあつて、埋め金８
ｂはその外端が円筒状容器１の内面と電気的に接
触し、かつ円周方向に可動なようにベアリング又
は車輪等８ｄを具えている。また埋め金８ｃは枝
管１２のカバー１４の中央の凹部にはめ込まれ、
ばね８ｅを介し、カバー１４を枝管１２に締付け
ることによつて固定される。

この考案によるガス絶縁電気装置は以上のよう
に構成されるので、固状絶縁物を通電導体２に装
着するのに、まず１個の固状絶縁物部分７を枝管
１２により形成される孔１３を通して円筒状容器
１に入れ、埋め金８ａのねじ部で可動通電導体部
分９に固定する。次に、今一つの固状絶縁物部分
７を可動通電導体部分９に固定するために、可動
通電導体９を円周方向に回転させた後、２個目の
固状絶縁物部分７を１個目のものと同様に孔１３
を通して円筒状容器１内に入れて可動通電導体部
分９に固定する。更に可動通電導体部分９を回転
した後、埋め金８Ｃを有する固状絶縁物部分７を
可動通電導体部分９に取付け、支管１２のカバー
１４を取付ける時、カバー１４の凹部に埋め金８
ｃをはめて固定する。このように、円筒状容器１
を移動させることなしに、固状絶縁物を円筒状容
器１内に装着し、これによつて通電導体２を所要
位置に支持することができる。

また、保守点検の場合でも、上記と逆の順序で
固状絶縁物部分７を円筒状容器１から簡単容易に
取外しうるので、固状絶縁物部分７を円筒状容器
１外に取出して、表面観察、点検ができる。

以上のように、この考案によるガス絶縁電気装
置では、従来多くの人手と時間を要した絶縁スペ
ーサすなわち固状絶縁物の装着、保守、点検が非
常に簡単かつ容易となる効果が極めて著しい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガス絶縁電気装置の構造の一例
を示す縦断面図、第２図はこの考案によるガス絶
縁電気装置の一実施例を示す第３図の線−に
おける横断面図、第３図は第２図に示すガス絶縁
電気装置の縦断面図である。 １……円筒状容器、２……通電導体、３……絶
縁スペーサ、４……ボルト、５……Ｏリング、６
……高圧ガス雰囲気、７……固状絶縁物部分、８
ａ，８ｂ，８ｃ……埋め金、９……可動通電導体
部分、１０……通電導体部分、１１……ばね、１
２……枝管、１３……孔、１４……カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 高圧ガス絶縁媒体を封入した円筒状容器のほ
   ぼ中心線上に通電導体を配設してなるガス絶縁
   電気装置において、 前記通電導体は、円周方向に移動可能な可動
   通電導体部分と、この可動通電導体部分の両側
   に可動通電導体部分を挟持して設けられている
   通電導体部分とから構成され、かつ前記円筒状
   容器の中心線に直角な一平面内に、一方では前
   記可動通電導体部分に固着され他方では前記円
   筒状容器の内壁面に電気的に接触しかつ機械的
   に可動である固状絶縁物部分が放射状に配設さ
   れていることを特徴とするガス絶縁電気装置。 (2) 円筒状容器上に固状絶縁物の上方又は下方に
   おいて枝管等からなる孔が設けられている実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のガス絶縁電気
   装置。