JPS6245090Y2 - - Google Patents
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- JPS6245090Y2 JPS6245090Y2 JP10502882U JP10502882U JPS6245090Y2 JP S6245090 Y2 JPS6245090 Y2 JP S6245090Y2 JP 10502882 U JP10502882 U JP 10502882U JP 10502882 U JP10502882 U JP 10502882U JP S6245090 Y2 JPS6245090 Y2 JP S6245090Y2
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- compressor
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Landscapes
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
- Compressor (AREA)
Description
本考案は気体を圧縮する圧縮機に関するもので
あり、特にその吐出脈動の低減に関するものであ
る。 圧縮機において吐出脈動が大きいと圧縮機自体
や吐出管の振動が大きくなり、また圧縮機や吐出
管を支持している支持体が共振して、騒音を発生
する不具合が生ずる。従来、この吐出脈動を低減
させる手段として実公昭53−47606号公報や特開
昭54−55809号公報に記載された装置が知られて
いる。前者は圧縮機の外殻を貫通して吐出室と連
絡する盲孔およびその盲孔に貫設された小孔群を
有するボルトもしくはスタツドと、前記小孔群を
囲む環状空室を備えて前記ボルトもしくはスタツ
ドに嵌合される管接手とからなる吐出管接続装置
である。また、後者は底部に小孔が形成された容
器状部材によつて吐出弁を覆うものである。いず
れも小孔によつて吐出気体の流れを絞るものであ
るため脈動防止効果が得られる反面、かなりの圧
力損失が生ずることを避け得ない。 本考案の考案者らは上記のような従来技術の欠
点を解消する手段を考求するうち、圧縮機の吐出
通路に市販のハニカム部材を配設すれば上記従来
装置に比較して圧力損失を著しく低減させ得るの
みならず、脈動防止効果をも向上させ得る事実を
発見した。このハニカム部材は多数の通孔を仕切
る仕切壁が極めて薄いものであつたが、更に研究
を進めた結果、仕切壁が比較的厚いものであつて
も、また、通孔の断面形状が通常のハニカム部材
におけるように六角ではなく円形や四角形のもの
であつても類似の効果が得られることを確認し本
考案に到達した。 しかして本考案の要旨とするところは、仕切壁
とその間に形成された多数の通孔とを備え、通孔
部分の面積が全面積の5割以上を占めるととも
に、通孔の長さLと通孔に内接する円の直径Dと
の比L/Dが1以上である多孔部材を、吐出通路
の少なくとも1箇所に、その吐出通路を横切る状
態で配設したことにある。 本考案によつて、なぜ前記従来装置より優れた
脈動防止効果が得られるかは未だ十分明確にされ
てはいないが、従来技術が絞り効果を主体として
脈動を防止するものであるのに対し、本考案は整
流効果を主体として脈動を防止するものであると
考えられ、圧縮機の脈動を防止するためには後者
の方が前者より有効であるためではないかと推測
される。この推測の妥当性はともかくとして、本
考案の有効性は実験によつて確認されている。 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。 第1図は本考案を車両空調用の斜板式圧縮機に
適用した場合の一例を示すものである。図におい
て2はフロントシリンダブロツク、4はリヤシリ
ンダブロツクであり、互に対称な両シリンダブロ
ツクが合わされて1個のシリンダブロツク6を構
成している。フロントシリンダブロツク2および
リヤシリンダブロツク4には、それぞれ複数ずつ
のシリンダボア8および10が形成され、これら
シリンダボア8および10にまたがつて両頭のピ
ストン12が摺動可能に嵌合されている。シリン
ダブロツク6の中心孔14には回転軸16が挿通
され、軸受18および20によつて回転可能に支
承されている。この回転軸16の長手方向中央部
には斜板22が固定されており、この斜板22が
回転するとき2対のシユー26およびボール28
を介して前記ピストン12がシリンダボア8,1
0内で往復運動させられるようになつている。3
0および32はスラスト軸受である。 フロントシリンダブロツク2の端面には吸入弁
シート34、バルブプレート36およびガスケツ
ト38を間に挟んでフロントハウジング40が固
定されている。バルブプレート36には各シリン
ダボア8に対応して1個ずつの吸入弁通路42お
よび吐出弁通路44が形成されており、それぞれ
吸入弁シート34および吐出弁リード45と共同
して吸入弁46および吐出弁48を構成してい
る。各吸入弁46はフロントハウジング40に形
成された共通の吸入室50から冷媒ガスを吸入し
得る位置に設けられており、一方、各吐出弁48
は共通の吐出室52へ冷媒ガスを吐出し得る位置
に設けられている。吐出室52はバルブプレート
36に形成された連通口54、フロントシリンダ
ブロツク2に形成された連通路56および連通口
58、ならびに吐出フランジ60の連通口61お
よび吐出ポート62に連通させられている。 前記回転軸16はフロントハウジング40の中
央部を貫通して外部に突出し、この突出端におい
て駆動源たるエンジンにクラツチを介して接続さ
れる。回転軸16とフロントハウジング40とは
軸封装置64によつて気密が保たれている。 一方、リヤシリンダブロツク4の端部には吸入
弁シート66、バルブプレート68およびガスケ
ツト70を介してリヤハウジング72が固定さ
れ、シリンダブロツク6およびフロントハウジン
グ40と共に圧縮機本体を構成している。リヤハ
ウジング72内には吸入室74および吐出室76
が形成されており、これらがそれぞれ吸入弁78
および吐出弁80を経てシリンダボア10に連通
させられている。吐出室76は、バルブプレート
に形成された連通口82、リヤシリンダブロツク
4に形成された連通路84および連通口85、な
らびに吐出フランジ60の連通口86および吐出
ポート62に連通させられている。 上記連通口85ならびに前記連通口58の出口
側には、ハニカム部材87および88がそれぞれ
設けられている。各ハニカム部材は、第2図およ
び第3図に示すように薄い仕切壁92によつて囲
まれた六角形断面の多数の通孔94を備えたもの
であり、通孔94に内接する円の直径Dは3mm、
通孔94の長さLは8mmのアルミニウム製のもの
であつて、全体の面積のうちで通孔94の部分の
面積の占める割合はほぼ95パーセントである。ハ
ニカム部材87はリヤシリンダブロツク4と吐出
フランジ60との間に挟まれて、通孔94が連通
口85および86によつて形成される吐出冷媒の
流通路に平行となるように固定されている。ハニ
カム部材88も同様に、フロントシリンダブロツ
ク2と吐出フランジ60との間に挟まれて固定さ
れている。 以上のように構成された斜板式圧縮機におい
て、回転軸16が回転させられれば斜板22も一
体的に回転してピストン12を軸方向に往復運動
させる。その結果、冷凍回路から図示しない吸入
フランジおよび吸入通路等を経て吸入室50およ
び74に冷媒ガスが吸入され、それぞれ吸入弁4
6および78を経てシリンダボア8および10に
吸入される。そして、このシリンダボア8および
10内で圧縮された冷媒ガスは吐出弁48および
80を経て吐出室52および76へ吐出される。
吐出室52に吐出された冷媒ガスは連通口54、
連通路56、連通口58、ハニカム部材88、連
通口61および吐出ポート62を経て冷凍回路に
供給される。一方、吐出室76へ吐出された冷媒
ガスは連通口82、連通路84、連通口85、ハ
ニカム部材87、連通口86および吐出ポート6
2を経て同様に冷凍回路へ供給される。 従来はこの吐出冷媒には相当な脈動が存在し、
これが圧縮機自体や吐出フランジ60に接続され
た吐出管等を振動させ、更にこれらが固定されて
いる車体が共振して、騒音を発生させる不具合が
あつたのであるが、本実施例の圧縮機においては
ハニカム部材87および88の存在によつてこの
振動および騒音が著しく低減させられるのであ
る。 なお付言すれば、ハニカム部材は上記実施例装
置におけるようにシリンダブロツクと吐出フラン
ジとの間に挟んで取り付けることが取り付けの容
易さおよび脈動防止効果の両面からして最適であ
るが、たとえば、第1図に二点鎖線で示すように
吐出室52および76、連通口54および82、
吐出ポート62等種々の位置にハニカム部材を設
けることが可能であり、また、複数のハニカム部
材を直列に1つの吐出通路に配設することも可能
なのであつて、要するに吐出通路の途中に少なく
とも1個のハニカム部材を配設すればよいのであ
る。 更に、第2図に示したような六角形断面の通孔
を備えたハニカム部材に代えて、第4図に示すよ
うに仕切壁96の間に矩形または正方形の通孔9
8を備えた多孔部材100や、第5図に示すよう
に仕切壁102の間に円形の通孔104が形成さ
れた多孔部材106等を使用することも可能であ
る(これらはハニカム部材と類似の構造、作用を
有し、広義にはハニカム部材ということもでき
る)。しかし、いずれにしても本考案の効果を得
るためには通孔の部分の面積が全体の面積の5割
以上を占めることが必要である。5割以下である
場合には冷媒ガスの流通抵抗が増大して本考案の
効果が充分得られないからである。そして、通孔
部分の面積比率が7割以上であることが望まし
く、8割以上であることが特に望ましい。通孔部
分の面積比率が高いほど冷媒ガスの流通抵抗が小
さく、しかも脈動防止効果には殆ど差がないから
である。多孔部材を前記実施例におけるようにア
ルミニウム等の金属で製作する場合には、通孔部
分の面積比率を8割以上にすることは極めて容易
であり、セラミツクス等によつて製作する場合で
も通孔面積の比率を7割以上にすることが可能で
ある。 また、通孔の長さLと通孔に内接する円の直径
Dとの比率L/Dは1以上でなければ本考案の効
果が充分に得られず、2以上であることが望まし
い。また、複数の多孔部材を直列に配設するなど
の手段によつて比L/Dを5以上にすることも可
能である。 更に、多孔部材の通孔に内接する円の直径はあ
まりに小さくすると流通抵抗が増大するため、ま
た市販品がないため1mm以上であることが望まし
く、逆にあまり大きくすると脈動防止効果が得ら
れないこととなるため、車両空調装置用の圧縮機
程度の大きさの圧縮機においては8mm以下とする
ことが望ましい。また、同様な理由で2乃至5mm
とすることが特に望ましい。 更に、多孔部材は前記実施例におけるように全
体として平板状をなすもののみではなく、場合に
よつては曲面状をなすものの使用も可能である。 また、本考案は斜板式圧縮機のみならず、クラ
ンクシヤフト式等他の形式の圧縮機にも同様に適
用することが可能である。 最後に、本考案の効果を一層具体的に示すため
に、第1図に示した斜板式圧縮機について行われ
た多くの実験の結果の一部を示す。 第6図乃至第10図は、第1図に示した斜板式
圧縮機に接続された吐出管の吐出フランジ60と
の接続部近傍において吐出冷媒ガスの脈動を測定
し、記録した結果を示す図である。第6図はハニ
カム部材87,88をそれぞれ連通口85,58
の出口側に配設した場合の結果を示し、第7図は
それに加えて吐出ポート62にもハニカム部材を
配設した場合の結果を示すものである。これに対
して、第8図はどこにもハニカム部材を設けない
場合の結果である。また第9図は吐出室52およ
び76に特開昭54−55809に記載されたような底
部に小孔を有する容器状部材(以後、単にバツフ
ア部材という)を配設した場合の結果を示すもの
であるが、上記第6〜8図とはスケールが異なつ
ているため、比較のためにハニカム部材もバツフ
ア部材も設けない場合の結果を同一スケールで第
10図に示す。第9図と第10図を比較すれば明
らかなように、バツフア部材を配設することによ
つて周波数の高い脈動は低減されるのであるが、
周波数の低い脈動はそれほど低減されない。これ
に対して、ハニカム部材を設けた場合である第6
図および第7図においては周波数の高い脈動は勿
論周波数の低い脈動も大幅に低減しており、本考
案の効果を如実に物語つている。 第11図は、上記のような記録から吐出脈動幅
を読みとつた結果を示すグラフであり、図におい
て 「なし」とは、ハニカム部材もバツフア部材
も全く設けない場合、 「バツフア部材」とは、バツフア部材を吐出
室52,76に設けた場合、 「吐出管接続装置」とは、実公昭53−47606
に記載された管接続体を吐出フランジ60に変
えて設けた場合、 「連通口58,85」、「吐出ポート62」、
「連通口54,82」、「吐出室52,76」お
よび「連通口58,85ならびに吐出ポート6
2」とは、それぞれの場所に第2図に示したハ
ニカム部材を配設した場合 を意味するものとする。 図より、ハニカム部材は吐出通路中のどこに設
けても従来より遥かに優れた脈動防止効果を奏す
るのであるが、連通口58,85に設けた場合に
最も優れた脈動防止効果を示すことがわかる。ま
た、ハニカム部材を吐出通路中の2箇所に設けた
場合には1箇所に設けた場合より脈動防止効果が
向上することもこの図から明らかである。 第12図は、第2図に示したハニカム部材を連
通口58および85と吐出ポート62とに取り付
けるとともに、ハニカム部材の寸法を種々に変化
させた場合の結果を示すグラフである。図中の各
数字は、それぞれ下表の寸法のハニカム部材を取
り付けた場合のテストNo.を示している。
あり、特にその吐出脈動の低減に関するものであ
る。 圧縮機において吐出脈動が大きいと圧縮機自体
や吐出管の振動が大きくなり、また圧縮機や吐出
管を支持している支持体が共振して、騒音を発生
する不具合が生ずる。従来、この吐出脈動を低減
させる手段として実公昭53−47606号公報や特開
昭54−55809号公報に記載された装置が知られて
いる。前者は圧縮機の外殻を貫通して吐出室と連
絡する盲孔およびその盲孔に貫設された小孔群を
有するボルトもしくはスタツドと、前記小孔群を
囲む環状空室を備えて前記ボルトもしくはスタツ
ドに嵌合される管接手とからなる吐出管接続装置
である。また、後者は底部に小孔が形成された容
器状部材によつて吐出弁を覆うものである。いず
れも小孔によつて吐出気体の流れを絞るものであ
るため脈動防止効果が得られる反面、かなりの圧
力損失が生ずることを避け得ない。 本考案の考案者らは上記のような従来技術の欠
点を解消する手段を考求するうち、圧縮機の吐出
通路に市販のハニカム部材を配設すれば上記従来
装置に比較して圧力損失を著しく低減させ得るの
みならず、脈動防止効果をも向上させ得る事実を
発見した。このハニカム部材は多数の通孔を仕切
る仕切壁が極めて薄いものであつたが、更に研究
を進めた結果、仕切壁が比較的厚いものであつて
も、また、通孔の断面形状が通常のハニカム部材
におけるように六角ではなく円形や四角形のもの
であつても類似の効果が得られることを確認し本
考案に到達した。 しかして本考案の要旨とするところは、仕切壁
とその間に形成された多数の通孔とを備え、通孔
部分の面積が全面積の5割以上を占めるととも
に、通孔の長さLと通孔に内接する円の直径Dと
の比L/Dが1以上である多孔部材を、吐出通路
の少なくとも1箇所に、その吐出通路を横切る状
態で配設したことにある。 本考案によつて、なぜ前記従来装置より優れた
脈動防止効果が得られるかは未だ十分明確にされ
てはいないが、従来技術が絞り効果を主体として
脈動を防止するものであるのに対し、本考案は整
流効果を主体として脈動を防止するものであると
考えられ、圧縮機の脈動を防止するためには後者
の方が前者より有効であるためではないかと推測
される。この推測の妥当性はともかくとして、本
考案の有効性は実験によつて確認されている。 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。 第1図は本考案を車両空調用の斜板式圧縮機に
適用した場合の一例を示すものである。図におい
て2はフロントシリンダブロツク、4はリヤシリ
ンダブロツクであり、互に対称な両シリンダブロ
ツクが合わされて1個のシリンダブロツク6を構
成している。フロントシリンダブロツク2および
リヤシリンダブロツク4には、それぞれ複数ずつ
のシリンダボア8および10が形成され、これら
シリンダボア8および10にまたがつて両頭のピ
ストン12が摺動可能に嵌合されている。シリン
ダブロツク6の中心孔14には回転軸16が挿通
され、軸受18および20によつて回転可能に支
承されている。この回転軸16の長手方向中央部
には斜板22が固定されており、この斜板22が
回転するとき2対のシユー26およびボール28
を介して前記ピストン12がシリンダボア8,1
0内で往復運動させられるようになつている。3
0および32はスラスト軸受である。 フロントシリンダブロツク2の端面には吸入弁
シート34、バルブプレート36およびガスケツ
ト38を間に挟んでフロントハウジング40が固
定されている。バルブプレート36には各シリン
ダボア8に対応して1個ずつの吸入弁通路42お
よび吐出弁通路44が形成されており、それぞれ
吸入弁シート34および吐出弁リード45と共同
して吸入弁46および吐出弁48を構成してい
る。各吸入弁46はフロントハウジング40に形
成された共通の吸入室50から冷媒ガスを吸入し
得る位置に設けられており、一方、各吐出弁48
は共通の吐出室52へ冷媒ガスを吐出し得る位置
に設けられている。吐出室52はバルブプレート
36に形成された連通口54、フロントシリンダ
ブロツク2に形成された連通路56および連通口
58、ならびに吐出フランジ60の連通口61お
よび吐出ポート62に連通させられている。 前記回転軸16はフロントハウジング40の中
央部を貫通して外部に突出し、この突出端におい
て駆動源たるエンジンにクラツチを介して接続さ
れる。回転軸16とフロントハウジング40とは
軸封装置64によつて気密が保たれている。 一方、リヤシリンダブロツク4の端部には吸入
弁シート66、バルブプレート68およびガスケ
ツト70を介してリヤハウジング72が固定さ
れ、シリンダブロツク6およびフロントハウジン
グ40と共に圧縮機本体を構成している。リヤハ
ウジング72内には吸入室74および吐出室76
が形成されており、これらがそれぞれ吸入弁78
および吐出弁80を経てシリンダボア10に連通
させられている。吐出室76は、バルブプレート
に形成された連通口82、リヤシリンダブロツク
4に形成された連通路84および連通口85、な
らびに吐出フランジ60の連通口86および吐出
ポート62に連通させられている。 上記連通口85ならびに前記連通口58の出口
側には、ハニカム部材87および88がそれぞれ
設けられている。各ハニカム部材は、第2図およ
び第3図に示すように薄い仕切壁92によつて囲
まれた六角形断面の多数の通孔94を備えたもの
であり、通孔94に内接する円の直径Dは3mm、
通孔94の長さLは8mmのアルミニウム製のもの
であつて、全体の面積のうちで通孔94の部分の
面積の占める割合はほぼ95パーセントである。ハ
ニカム部材87はリヤシリンダブロツク4と吐出
フランジ60との間に挟まれて、通孔94が連通
口85および86によつて形成される吐出冷媒の
流通路に平行となるように固定されている。ハニ
カム部材88も同様に、フロントシリンダブロツ
ク2と吐出フランジ60との間に挟まれて固定さ
れている。 以上のように構成された斜板式圧縮機におい
て、回転軸16が回転させられれば斜板22も一
体的に回転してピストン12を軸方向に往復運動
させる。その結果、冷凍回路から図示しない吸入
フランジおよび吸入通路等を経て吸入室50およ
び74に冷媒ガスが吸入され、それぞれ吸入弁4
6および78を経てシリンダボア8および10に
吸入される。そして、このシリンダボア8および
10内で圧縮された冷媒ガスは吐出弁48および
80を経て吐出室52および76へ吐出される。
吐出室52に吐出された冷媒ガスは連通口54、
連通路56、連通口58、ハニカム部材88、連
通口61および吐出ポート62を経て冷凍回路に
供給される。一方、吐出室76へ吐出された冷媒
ガスは連通口82、連通路84、連通口85、ハ
ニカム部材87、連通口86および吐出ポート6
2を経て同様に冷凍回路へ供給される。 従来はこの吐出冷媒には相当な脈動が存在し、
これが圧縮機自体や吐出フランジ60に接続され
た吐出管等を振動させ、更にこれらが固定されて
いる車体が共振して、騒音を発生させる不具合が
あつたのであるが、本実施例の圧縮機においては
ハニカム部材87および88の存在によつてこの
振動および騒音が著しく低減させられるのであ
る。 なお付言すれば、ハニカム部材は上記実施例装
置におけるようにシリンダブロツクと吐出フラン
ジとの間に挟んで取り付けることが取り付けの容
易さおよび脈動防止効果の両面からして最適であ
るが、たとえば、第1図に二点鎖線で示すように
吐出室52および76、連通口54および82、
吐出ポート62等種々の位置にハニカム部材を設
けることが可能であり、また、複数のハニカム部
材を直列に1つの吐出通路に配設することも可能
なのであつて、要するに吐出通路の途中に少なく
とも1個のハニカム部材を配設すればよいのであ
る。 更に、第2図に示したような六角形断面の通孔
を備えたハニカム部材に代えて、第4図に示すよ
うに仕切壁96の間に矩形または正方形の通孔9
8を備えた多孔部材100や、第5図に示すよう
に仕切壁102の間に円形の通孔104が形成さ
れた多孔部材106等を使用することも可能であ
る(これらはハニカム部材と類似の構造、作用を
有し、広義にはハニカム部材ということもでき
る)。しかし、いずれにしても本考案の効果を得
るためには通孔の部分の面積が全体の面積の5割
以上を占めることが必要である。5割以下である
場合には冷媒ガスの流通抵抗が増大して本考案の
効果が充分得られないからである。そして、通孔
部分の面積比率が7割以上であることが望まし
く、8割以上であることが特に望ましい。通孔部
分の面積比率が高いほど冷媒ガスの流通抵抗が小
さく、しかも脈動防止効果には殆ど差がないから
である。多孔部材を前記実施例におけるようにア
ルミニウム等の金属で製作する場合には、通孔部
分の面積比率を8割以上にすることは極めて容易
であり、セラミツクス等によつて製作する場合で
も通孔面積の比率を7割以上にすることが可能で
ある。 また、通孔の長さLと通孔に内接する円の直径
Dとの比率L/Dは1以上でなければ本考案の効
果が充分に得られず、2以上であることが望まし
い。また、複数の多孔部材を直列に配設するなど
の手段によつて比L/Dを5以上にすることも可
能である。 更に、多孔部材の通孔に内接する円の直径はあ
まりに小さくすると流通抵抗が増大するため、ま
た市販品がないため1mm以上であることが望まし
く、逆にあまり大きくすると脈動防止効果が得ら
れないこととなるため、車両空調装置用の圧縮機
程度の大きさの圧縮機においては8mm以下とする
ことが望ましい。また、同様な理由で2乃至5mm
とすることが特に望ましい。 更に、多孔部材は前記実施例におけるように全
体として平板状をなすもののみではなく、場合に
よつては曲面状をなすものの使用も可能である。 また、本考案は斜板式圧縮機のみならず、クラ
ンクシヤフト式等他の形式の圧縮機にも同様に適
用することが可能である。 最後に、本考案の効果を一層具体的に示すため
に、第1図に示した斜板式圧縮機について行われ
た多くの実験の結果の一部を示す。 第6図乃至第10図は、第1図に示した斜板式
圧縮機に接続された吐出管の吐出フランジ60と
の接続部近傍において吐出冷媒ガスの脈動を測定
し、記録した結果を示す図である。第6図はハニ
カム部材87,88をそれぞれ連通口85,58
の出口側に配設した場合の結果を示し、第7図は
それに加えて吐出ポート62にもハニカム部材を
配設した場合の結果を示すものである。これに対
して、第8図はどこにもハニカム部材を設けない
場合の結果である。また第9図は吐出室52およ
び76に特開昭54−55809に記載されたような底
部に小孔を有する容器状部材(以後、単にバツフ
ア部材という)を配設した場合の結果を示すもの
であるが、上記第6〜8図とはスケールが異なつ
ているため、比較のためにハニカム部材もバツフ
ア部材も設けない場合の結果を同一スケールで第
10図に示す。第9図と第10図を比較すれば明
らかなように、バツフア部材を配設することによ
つて周波数の高い脈動は低減されるのであるが、
周波数の低い脈動はそれほど低減されない。これ
に対して、ハニカム部材を設けた場合である第6
図および第7図においては周波数の高い脈動は勿
論周波数の低い脈動も大幅に低減しており、本考
案の効果を如実に物語つている。 第11図は、上記のような記録から吐出脈動幅
を読みとつた結果を示すグラフであり、図におい
て 「なし」とは、ハニカム部材もバツフア部材
も全く設けない場合、 「バツフア部材」とは、バツフア部材を吐出
室52,76に設けた場合、 「吐出管接続装置」とは、実公昭53−47606
に記載された管接続体を吐出フランジ60に変
えて設けた場合、 「連通口58,85」、「吐出ポート62」、
「連通口54,82」、「吐出室52,76」お
よび「連通口58,85ならびに吐出ポート6
2」とは、それぞれの場所に第2図に示したハ
ニカム部材を配設した場合 を意味するものとする。 図より、ハニカム部材は吐出通路中のどこに設
けても従来より遥かに優れた脈動防止効果を奏す
るのであるが、連通口58,85に設けた場合に
最も優れた脈動防止効果を示すことがわかる。ま
た、ハニカム部材を吐出通路中の2箇所に設けた
場合には1箇所に設けた場合より脈動防止効果が
向上することもこの図から明らかである。 第12図は、第2図に示したハニカム部材を連
通口58および85と吐出ポート62とに取り付
けるとともに、ハニカム部材の寸法を種々に変化
させた場合の結果を示すグラフである。図中の各
数字は、それぞれ下表の寸法のハニカム部材を取
り付けた場合のテストNo.を示している。
【表】
第11図から明らかなように、通孔の内接円直
径が5mmである場合より3mmである場合の方が脈
動防止効果が大きく、また、通孔長さLが長いほ
ど脈動防止効果が大きい。また、通孔長さLが通
孔内接円直径Dより小さいテストNo.1,5および
6の場合に比較して、通孔長さLが通孔内接円直
径D以上であるテストNo.2,3,4,7および8
の場合には脈動防止効果が格段に優れており、こ
の図から通孔長さLは内接円直径Dより大きくす
ることが本考案の効果を享受する上で必要である
ことがわかる。
径が5mmである場合より3mmである場合の方が脈
動防止効果が大きく、また、通孔長さLが長いほ
ど脈動防止効果が大きい。また、通孔長さLが通
孔内接円直径Dより小さいテストNo.1,5および
6の場合に比較して、通孔長さLが通孔内接円直
径D以上であるテストNo.2,3,4,7および8
の場合には脈動防止効果が格段に優れており、こ
の図から通孔長さLは内接円直径Dより大きくす
ることが本考案の効果を享受する上で必要である
ことがわかる。
第1図は本考案の一実施例である斜板式圧縮機
の縦断面図である。第2図は第1図の圧縮機に取
り付けられるハニカム部材の一部を拡大して示す
正面図であり、第3図は同じく側面断面図であ
る。第4図および第5図はそれぞれ上記ハニカム
部材に代えて使用される各多孔部材の斜視図およ
び正面図である。第6図および第7図は本考案に
係る圧縮機の吐出脈動を記録した結果を示す図で
あり、第8図ないし第10図は比較のために示す
従来装置における吐出脈動を示す図である。第1
1図は本考案に係る圧縮機と従来の圧縮機の吐出
脈動幅を比較して示すグラフである。第12図は
ハニカム部材の通孔内接円直径と通孔長さとを変
えた場合における吐出脈動幅の変化を示すグラフ
である。 6:シリンダブロツク、12:ピストン、1
6:回転軸、22:斜板、40:フロントハウジ
ング、44,78:吸入弁、48,80:吐出
弁、50,74:吸入室、52,76:吐出室、
54,58,61,82,85,86:連通口、
56,84:連通路、60:吐出フランジ、6
2:吐出ポート、72:リヤハウジング、87,
88:ハニカム部材、92,96,102:仕切
壁、94,98,104:通孔、100,10
6:多孔部材。
の縦断面図である。第2図は第1図の圧縮機に取
り付けられるハニカム部材の一部を拡大して示す
正面図であり、第3図は同じく側面断面図であ
る。第4図および第5図はそれぞれ上記ハニカム
部材に代えて使用される各多孔部材の斜視図およ
び正面図である。第6図および第7図は本考案に
係る圧縮機の吐出脈動を記録した結果を示す図で
あり、第8図ないし第10図は比較のために示す
従来装置における吐出脈動を示す図である。第1
1図は本考案に係る圧縮機と従来の圧縮機の吐出
脈動幅を比較して示すグラフである。第12図は
ハニカム部材の通孔内接円直径と通孔長さとを変
えた場合における吐出脈動幅の変化を示すグラフ
である。 6:シリンダブロツク、12:ピストン、1
6:回転軸、22:斜板、40:フロントハウジ
ング、44,78:吸入弁、48,80:吐出
弁、50,74:吸入室、52,76:吐出室、
54,58,61,82,85,86:連通口、
56,84:連通路、60:吐出フランジ、6
2:吐出ポート、72:リヤハウジング、87,
88:ハニカム部材、92,96,102:仕切
壁、94,98,104:通孔、100,10
6:多孔部材。
Claims (1)
- 仕切壁とその間に形成された多数の通孔とを備
え、該通孔部分の面積が全面積の5割以上を占め
るとともに、該通孔の長さLと該通孔に内接する
円の直径Dとの比L/Dが1以上である多孔部材
を、吐出通路の少なくとも1箇所に、該吐出通路
を横切る状態で配設したことを特徴とする圧縮
機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10502882U JPS599187U (ja) | 1982-07-10 | 1982-07-10 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10502882U JPS599187U (ja) | 1982-07-10 | 1982-07-10 | 圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS599187U JPS599187U (ja) | 1984-01-20 |
JPS6245090Y2 true JPS6245090Y2 (ja) | 1987-12-01 |
Family
ID=30246363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10502882U Granted JPS599187U (ja) | 1982-07-10 | 1982-07-10 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS599187U (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07122429B2 (ja) * | 1990-07-12 | 1995-12-25 | 株式会社クボタ | 排気装置の吸音装置 |
-
1982
- 1982-07-10 JP JP10502882U patent/JPS599187U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS599187U (ja) | 1984-01-20 |
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