JPS624489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、いわゆる水平アーチ型梱包機におけ
る梱包用バンドの落下防止装置に関する。

【技術的背景】

第１図は水平アーチ型梱包機の全体を示す側面
図で、本体１は、機枠２上下端に軸承したスプロ
ツトに噛合するチエーン３により昇降自在な機台
４上に、自走機構で、進退自在（同図左右方向）
に設けられ且つバンド案内アーチ５を本体１に水
平に設けて成り、前記スプロケツトに連結した駆
動巻取機構６により、本体１と共にアーチ５を一
ないし数段下降し、前記本体１に内蔵の公知のバ
ンド供給、引き締め、切断、溶着機構により、コ
ンベアライン７上の被梱包物８をはち巻状即ち水
平に一又は複数本バンド掛け梱包し次いで本体が
上昇してコンベアライン７により、被梱包物８を
アーチ５下方より移動せしめるものである。

【従来技術及び問題点】

上記の過程において、梱包用バンドがアーチ５
内へ供給され、バンド先端が把持された後該バン
ドを巻戻し（一次引き締め）、更にこれを引き締
める（二次引き締め）場合、巻戻しと同時にそれ
までアーチ５内のバンドフラツプにあつたバンド
は、アーチ５を離れ被梱包物にハチ巻状に巻き付
くが、アーチ５が水平方向にあるため、アーチ内
より出たバンドは、アーチ５下方へある程度落下
しつつ、被梱包物８に巻付くことになる。従つて
バンドは、水平に被梱包物に巻付かず、被梱包物
８を充分に引き締め、正確に接着することが不可
能となる。この現象は被梱包物の外寸が小さいほ
ど顕著である。 被梱包物の外面がアーチ内側縁のバンドの出口
に近接しているときにおいても、バンドの引戻し
はアーチの一方（バンド供給端側）から順次行わ
れ、アーチから飛び出したバンドは被梱包物の外
面とくに平面方形状の被梱包物における角部ある
いは発泡スチロールなど摩擦係数の高いケースの
被梱包物外面と強く摩擦しながら引き戻されるた
め、すでにアーチから飛び出したバンド、とくに
供給されたバンドの先端側のバンドが引き戻しの
スピードに追従せずにアーチ下方へ垂れ下がる事
態も生じ、常時、確実に被梱包物へバンドが巻き
付かず、再度梱包しなければならず、作業能率を
悪くすると共に、とくに自動梱包ラインにおいて
はこのような欠点すなわち梱包不良を回避するた
め必要以上の本数のバンド掛け梱包を行うよう本
体及びアーチの昇降動作と梱包工程のシーケンス
を設定しなければならない等、経済的にも大きな
損失をもたらすものであつた。

【目的】

本考案はこのような欠点を解消すべく開発され
たもので、アーチ内寸あるいは被梱包物の外寸に
拘らず、常に確実に被梱包物に水平にバンド掛け
して梱包不良を防止すると共に、自動梱包ライン
において、梱包不良を考慮した不必要な回数のバ
ンド掛けを不要とし、梱包能率の向上及び経済性
の向上を企図することを目的とする。

【構成】

本考案においては上記目的を達成するために、
梱包用バンドの供給、引き締め、溶着、切断の各
機構を有する梱包機本体に、水平方向に付設され
たバンド案内アーチを有するアーチ水平型自動梱
包装置において、前記バンド案内アーチの下方
に、一端を回動自在に軸支したバンド落下防止バ
ーを設け、該バンド落下防止バーに、ソレノイド
の作動杆を連結し前記バンド落下防止バーの他端
を水平状にアーチ中心方向に回動するよう構成し
たことを特徴とする。

【作用】

従つて、本考案によれば、ソレノイドの作動に
より前記バンド落下防止バーがアーチ下方で回動
し、被梱包物の外面方向すなわち、アーチ中心方
向に先端が移動するので、バンド引き締め、引き
戻し時にアーチから飛び出したバンドがバンド落
下防止バー上をこのバーに沿つて、移動して、被
梱包物外面に正確に水平状に巻き付き引き締め梱
包されることとなる。

【実施例】

以下本考案の詳細を実施例に基づき説明する。 第２図は本考案の一実施例で、水平型アーチ５
の下面に本考案に係る装置を設けた状態を示す。
９はロータリーソレノイドで、アーチ前方の偶角
部近傍の適宜位置に固着されたブラケツト１７に
よつて固定されている。前記ロータリーソレノイ
ド９の作動杆たるシヤフト１０の先端には、クラ
ンク１１の一端を固着させ該クランク１１の他端
に連杆１２の一端を、又他端をバンド落下防止バ
ー１４の端部寄り中央付近にそれぞれ、ピン１
３，１３′によつて回動自在に枢着させている。
一方、バンド落下防止バー１４の一端即ち、連杆
１２との枢着位置に近い方の端部が、アーチ５に
回動自在に取付けられている。 なお、１５はローラーであり、連杆１２の移動
を滑らかにするため、受け具１６に枢着し、連杆
１２をローラー１５上で摺動自在に支持してい
る。 次に本考案の上述実施例の作用について述べ
る。 コンベアライン７が、被梱包物８をアーチ５内
下方に移動せしめると、アーチ５が降下し始め適
宜な高さで停止し、梱包バンドがアーチ内に供給
される。バンド供給完了後、バンド先端が把持さ
れ、バンド巻戻しの信号を受けたロータリーソレ
ノイド９が励磁されソレノイド９のシヤフト１０
が第２図において時計回り方向へ所定角度回動
し、該シヤフト１０の回動に連動して、クランク
１１もシヤフト１０との連結部を中心に時計回り
方向へ回動する。それによつて連杆１２は、同方
向へ移動しバンド落下防止バー１４との枢着部に
おいて該バンド落下防止バー１４を押すことにな
る。バンド落下防止バー１４はその端部において
アーチ５に軸着しているため、連杆１２に押され
ることによつてアーチ５との軸着部を中心に同方
向に回動し、アーチ５内の被梱包物８の側面に当
接する。 一方、前記バンドの巻戻しによつて梱包バンド
は、アーチ５内のバンドフラツプより飛び出し、
バンド落下防止バー１４の上を摺動して被梱包物
８に水平状態で巻付く。次いで、バンド引き締め
がなされ、引き締め完了後バンド供給端側が把持
され切断、溶着される。 また、バンド引き締め完了の信号を受けてロー
タリーソレノイド９の励磁が解除されて、シヤフ
ト１０が、前記ロータリーソレノイド９に内蔵さ
れたスプリングにより、前述と反対方向へ回転
し、バンド落下防止バー１４も、被梱包物８より
離れ、アーム５の内側へ当接する迄移動し、かよ
うにして旧位へ復帰する。 以上で、一本のバンド掛け梱包が完了するが、
同一被梱包物について更に異なる高さでバンド掛
け梱包をくり返す場合は、バンド落下防止バー１
４が被梱包物８より離れると同時に本体１及びア
ーチ５を適宜な高さに上下移動させ、バンド供給
から溶着迄の上述の作用をくり返す。 以上に述べた実施例では、ロータリーソレノイ
ドを使用しているが、本装置には従来のプシユ、
プル、又は両用型のソレノイド（プランジヤー
型）を使用することも可能であることは言う迄も
ない。

【効果】

上述のように、本考案は梱包用バンドの供給、
引き締め、溶着、切断の各機構を有する梱包機本
体に、水平方向に付設されたバンド案内アーチを
有するアーチ水平型自動梱包装置において、前記
バンド案内アーチの下方に、一端を回動自在に軸
支したバンド落下防止バーを設け、該バンド落下
防止バーに、ソレノイドの作動杆を連結し、前記
バンド落下防止バーの他端を水平状にアーチ中心
方向に回動するよう構成したから、アーチ内寸あ
るいは被梱包物の外寸又、被梱包物の形状（角部
の存在）や材質（摩擦係数の高さ）に拘らず、水
平状の正確なバンド掛け梱包を可能にしたもの
で、その実用上の効果はアーチ内寸に対して被梱
包物の外寸が小さいほど大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の適用される水平アーチ型梱包
機の側面図、第２図は本考案の一実施例を示す要
部拡大図である。 １……水平アーチ型梱包機の本体、２……機
枠、３……チエーン、４……機台、５……アー
チ、６……駆動巻取機構、７……コンベアライ
ン、８……被梱包物、９……ロータリーソレノイ
ド、１０……シヤフト、１１……クランク、１２
……連杆、１３，１３′……ピン、１４……バン
ド落下防止バー、１５……ローラー、１６……受
け具、１７……ブラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 梱包用バンドの供給、引き締め、溶着、切断
   の各機構を有する梱包機本体に、水平方向に付
   設されたバンド案内アーチを有するアーチ水平
   型自動梱包装置において、 前記バンド案内アーチの下方に、一端を回動
   自在に軸支したバンド落下防止バーを設け、該
   バンド落下防止バーに、ソレノイドの作動杆を
   連結し、前記バンド落下防止バーの他端を水平
   状にアーチ中心方向に回動するよう構成したこ
   とを特徴とする水平アーチ型梱包機における梱
   包用バンドの落下防止装置。 (2) 前記ソレノイドが、ロータリーソレノイドで
   あり、該ロータリーソレノイドのシヤフトを、
   前記バンド落下防止バーに、クランク、及び連
   杆を介して連結せしめた実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の水平アーチ型梱包機における梱
   包用バンドの落下防止装置。 (3) 前記ソレノイドをバンド引き締め開始の信号
   により作動せしめた実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の水平アーチ型梱包機にお
   ける梱包用バンドの落下防止装置。 (4) 前記ソレノイドをバンド供給終了の信号によ
   り作動せしめた実用新案登録請求の範囲第１項
   又は第２項記載の水平アーチ型梱包機における
   梱包用バンドの落下防止装置。 (5) 前記ソレノイドをバンド引き締め終了の信号
   により復帰せしめた実用新案登録請求の範囲第
   １項、第２項、第３項又は第４項記載の水平ア
   ーチ型梱包機における梱包用バンドの落下防止
   装置。