JPS6244834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ランプハウジングの前面に取付けた
レンズの背面側に再帰反射器を配置した車輌用灯
具に関するものである。

上述のようにレンズの背面側に再帰反射器を設
けた車輌用灯具は、たとえば自動車のリヤー・コ
ンビネーシヨンランプなどに広く用いられてい
る。

第１図は再帰反射器を設けたリヤー・コンビネ
ーシヨンランプの一例の断面を示す。１はランプ
ハウジング、２はバルブ、３はランプハウジング
の前面に取付けたレンズである。

上記のレンズの背面に再帰反射器４を設置する
ため、レンズ３の背面に再帰反射器４を嵌着し得
る内周を有する短管状の突条５がレンズ３と一体
に成形されている。そして、上記短管状の突条５
の後端に再帰反射器４が嵌着される。

周知のごとく、再帰反射器４は前方から矢印Ａ
のように入射した光線を全反射させて矢印Ｂのよ
うに反射させる光学器具で、背面に外部入射光線
を再帰反射させる再帰反射素子４ａを形成した透
明体である。この再帰反射器４に前記の再帰反射
すべき光以外の光が入射すると再帰反射性能を阻
害するため、再帰反射器４の背面に遮光ベース６
が取りつけられている。

前述したように、再帰反射器４の背面に遮光ベ
ース６を取りつけると、再帰反射器の背後からの
入射光線は遮ることができるが、短管状の突条５
の側面を経て入射する光線を遮ることができな
い。

上記短管状の突条の側面からの入射光線を遮る
ために、短管状の突条５を不透明体で作ることも
考えられ、また、上記短管状の突条５の外周に不
透明体のバンド（図示せず）を巻くことも考えら
れる。しかし、レンズ３は当然に透明体で作られ
るので、短管状の突条５を不透明な材料でつくる
ことはできない。また、短管状の突条５の外周に
不透明体のバンドを巻きつけて固着することも製
造コストを上昇させる。

そこで、コスト上昇を最少限に押さえ、しかも
短管状の突条５の側面から入射する光線を無害化
するため、短管状の突条５の外周面にレンズカツ
トを形成することが提案されている。

上記レンズカツト５ａを一体形成した短管状の
突条５の斜視図を第２図に示す。本例の短管状の
突条５は、四角形の再帰反射器（図示せず）を嵌
着するため短かい角管状をなし、その外周面に多
数の円柱面レンズカツト５ａが一体に列設して成
形されている。

以上のように構成された再帰反射器取付手段を
備えた車輌用灯具においては、短管状の突条５の
側方から例えば矢印Ｅのように光線が入射した場
合、その一部は円柱状レンズカツト５ａの表面で
反射し、残部は円柱状レンズカツト５ａによつて
屈折せしめられて散乱し、再帰反射器の正常な機
能に及ぼず悪影響は軽減される。しかし、その効
果は短管状の突条５の周囲を不透明体で覆つた場
合に比べると未だ完全ではない。

本考案は以上の事情に鑑みて為され、従来形の
再帰反射器取付用の短管状の突条を備えた車輌用
灯具に比して製造コストを上昇せしめることな
く、側方からの入射光の無害化効果が格段に優れ
た車輌用灯具を提供しようとするものである。

上記の目的を達成するため、本考案は、前記の
短管状の突条の内周及び外周にレンズカツトを一
体に形成したことを特徴とする。

次に、本考案の一実施例を第３図及び第４図に
ついて説明する。本実施例において従来例と同一
の図面参照番号を附したレンズ３、再帰反射器
４、及び遮光ベース６は従来装置におけると同様
若しくは類似の構成部材である。

再帰反射器取付用の短管状の突条７の外周面に
レンズカツト７ａ，７ａ……を列設して一体に形
成するとともに、その内周面にもレンズカツト７
ｂ，７ｂ……を列設して一体に形成する。７ｃは
再帰反射器４を嵌着するための平面部である。

以上のような構成により、短管状の突条７の側
方から例えば矢印Ｅのように入射した光線の一部
は外周側のレンズカツト７ａの表面で反射され、
残部の光線は外周側のレンズカツト７ａで屈折せ
しめられる。しかして、本考案の短管状の突条７
においては、外周側のレンズカツト７ａで屈折せ
しめられた光線は再度内周側のレンズカツト７ｂ
を通過する際、その一部は反射され、残部は内周
側のレンズカツト７ｂで再度屈折せしめられる。
このため、短管状の突条７の側面を通過して内部
に入射する光線は２回にわたつて屈折を受け、ほ
とんど完全に散乱されるので再帰反射器４の正常
な機能に及ぼす悪影響を実用上無視することがで
きる程度に無害化される。

本考案に係る短管状の突条７をレンズ３と共に
透明な可塑性の材料を用いて一体成形する場合、
第４図（本案）と第２図（先提案）とを比較して
容易に理解されるように、モールド用の型を作る
手数が若干異るとしても、モールド型を作成した
後の製造ランニングコストは殆んど同じである。

以上説明したように、本考案によれば、再帰反
射器を取付ける短管状の突条の内周及び外周にレ
ンズカツトを一体に形成することにより、製造コ
ストを殆んど上昇せしめないで、再帰反射器の側
方から入射する光線を実用上充分な程度に無害化
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の再帰反射器を備えた車輌用灯具
の一例を示す断面図、第２図は先に提案した再帰
反射器取付用の短管状突条の斜視図である。第３
図及び第４図は本考案に係る車輌用灯具の一実施
例を示し、第３図は再帰反射器取付部の断面図、
第４図は第２図に対応する斜視図である。 １……ランプハウジング、２……ランプ、３…
…レンズ、４……再帰反射器、５，７……短管状
突条、５ａ，７ａ……短管状の突条の外周に一体
形成したレンズカツト、７ｂ……短管状の突条の
内周に一体形成したレンズカツト、６……遮光ベ
ース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプハウジングの前面に取付けたレンズの背
   面側に再帰反射器を嵌着する短管状の突条を一体
   に成形し、該短管状の突条の後端に再帰反射器を
   嵌着してなる車輌用灯具において、前記短管状の
   突条の内周及び外周にレンズカツトを一体に形成
   したことを特徴とする車輌用灯具。