JPS6244833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車、特に、大型トラツクに適
用される表示装置に関する。

この種の表示装置には、大型トラツクのルーフ
の上面に取り付けられる速度表示装置、アイデン
テイフイケーシヨン・ランプ・クリアランス・ラ
ンプなどがあり、その速度表示装置は、走行中の
速度に応じて複数のランプを順次点灯させ、対向
車の運転者や通行人がそのトラツクの走行速度を
認識し得るように構成し、また、アイデンテイフ
イケーシヨン・ランプおよびクリアランス・ラン
プは夜間走行のときに、対向車の運転者や通行人
が、そのトラツクの車高や車幅を認識し得るよう
に構成されている。

そのような表示装置の形態は、一般に、単独に
構成された複数のランプからなり、それぞれのラ
ンプは、ループの上面に適宜の間隔を置いて、別
個に突出して取り付けられていた。

しかし、そのような表示装置は、予め空気抵抗
を少なくするように考慮して形成されたルーフの
上面に対し、上方に突出して取り付けられる結
果、走行時に、そのルーフの上面に乱流を生じさ
せ、空気抵抗が大きくなり、従つて、空気抵抗を
少なくするように形成されたルーフの形状が十分
に発揮されず、燃料消費率に悪影響を及ぼす虞れ
があつた。

また、近年、荷台がキヤブよりも上方に突出し
て配置されるようなトラツクにおいては、その荷
台が受ける空気抵抗を少なくするために、そのキ
ヤブの上面に空気整流装置が取り付けられてきて
いる。

しかし、通常、この種の空気整流装置は、空気
整流面の傾斜角度が所定の角度に設定された固定
型のものが多く、従つて、高さの異なる各種の荷
台に適用することができず、また、その空気整流
面の傾斜角度を調節し得るように構成する場合に
は、構造が複雑になり、生産コストが高くなる傾
向にあつた。

この考案の目的は、表示装置としての機能のみ
ならず、空気整流装置としての機能をも兼ね備
え、しかも、キヤブの上面にルーフ・キヤリアを
取り付けた場合や、荷台の高さが異なる場合にも
適用することができ、走行時の空気抵抗を少なく
して、燃料消費率を向上する自動車の表示装置の
提供にある。

そのために、この考案の自動車の表示装置は、
自動車のルーフ上面に上方に突出して取り付けら
れた少なくとも一つの脚と、その脚の上方に取り
付けられた支持アームと、その支持アームに回転
可能に取り付けられた整流板と、その自動車の前
方に向けて表示し得るように、その脚側に取り付
けられた複数のランプとを含んでいる。

以下、この考案に係る自動車の表示装置の望ま
しい具体例について、図面を参照して説明する。

第１ないし３図はキヤブ・オーバ型トラツク２
９に速度表示装置として適用されたこの考案の自
動車の表示装置の具体例１０を示している。

その速度表示装置１０は、キヤブ・オーバ型ト
ラツク２９のルーフ３２上面に上方に突出して取
り付けられた一対の脚１１，１２と、その脚１
１，１２の上方に取り付けられた棒状の支持アー
ム１３と、その支持アーム１３に回転可能に取り
付けられた整流板１４と、そのキヤブ・オーバ型
トラツク２９の前方に向けて表示し得るように、
その脚１１，１２側に取り付けられた複数のラン
プ１５，１６，１７と、その整流板１４を回転さ
せる整流板回転機構２１とより構成されている。

その脚１１，１２は、そのキヤブ・オーバ型ト
ラツク２９のルーフ３２上前における前方側の位
置に適宜の間隔を置いて配置されるもので、合成
樹脂から成形され、しかも、その脚１１，１２の
上端には、ランプ１５，１７のためのランプ・ハ
ウジングが一体的に成形されている。

勿論、その脚１１，１２は、空気抵抗を少なく
するように、横断面が流線形状に成形されること
が望ましい。

そのように構成された脚１１，１２の上方部分
すなわち、上述したランプ１５，１７のためラン
プ・ハウジングには棒状の支持アーム１３が貫通
して取り付けられている。

すなわち、その支持アーム１３は、そのランプ
１５と１７とのほぼ中間に配置されるランプ１６
を固定し、かつ、後述する整流板１４を回転可能
に支持するためのもので、鉄、鋼などから棒状に
形成されている。

その支持アーム１３のほぼ中央に位置には、ラ
ンプ１６のためのランプ・ハウジングが取り付け
られる。

そのランプ１６のためのランプ・ハウジング
は、上述したランプ１５，１７のランプ・ハウジ
ングとほぼ同一形状をもつて合成樹脂から成形さ
れ、両側ほぼ中央の位置には、孔（図示せず）が
それぞれ形成され、その孔の部分で、上述した支
持アーム１３に取り付けられている。

勿論、その脚１１，１２と一体化されたランプ
１５，１７のランプ・ハウジングにも同様に孔
（図示せず）がそれぞれ形成されている。

さらに、その支持アーム１３には整流板１４が
回転可能に取り付けられている。

その整流板１４は、そのキヤブ・オーバ型トラ
ツク２９のルーフ３２における幅とほぼ同一の長
さをもつて、合成樹脂から成形され、しかも、断
面が翼形に構成されたもので、前方側の部分に
は、上述したランプ１５，１６，１７を収めるた
めの切欠き１８，１９，２０が適宜の間隔を置い
てそれぞれ形成されている。

さらに、その整流板１４の前方側における内側
部分には、上述した支持アーム１３を通すための
孔（図示せず）が横方向に形成されている。

勿論、その整流板１４は、その支持アーム１３
への取付け性および軽量化を考慮して、上下に分
割可能に構成することが望ましい。

従つて、その整流板１４をその支持アーム１３
に回転可能に取り付ける場合には、その整流板１
４を上下に分割して、その整流板１４の前方側か
つ内側に形成された孔にその支持アーム１３を収
めるようにして、その支持アーム１３の上下方か
ら挟み付け、そのような状態で、分割された整流
板１４は、ビス止め、接着などにより、一体化さ
れる。

勿論、そのような状態で、その支持アーム１３
に固定されたランプ１５，１６，１７は、その整
流板１４の切欠き１８，１９，２０にそれぞれ収
められ、従つて、その整流板１４は、その支持ア
ーム１３に回転可能に取り付けられる（第２図参
照）。

また、そのランプ１５，１６，１７のランプ・
ハウジング内には、ソケツト（図示せず）、リフ
レクタ（図示せず）、およびランプ・バルブ（図
示せず）が組み込まれること勿論であり、そのラ
ンプ１５，１７内のソケツトに接続されたワイヤ
（図示せず）はその脚１１，１２から下方に出さ
れ、また、そのランプ１６内のソケツトに接続さ
れたワイヤ（図示せず）は、その整流板１４の内
側を通し、さらに、その脚１１，１２の何れか一
方から下方に出されることが望ましい。

さらに、上述のように支持アーム１３に回転可
能に取り付けられた整流板１４は、第３図に示さ
れるような整流板回転機構２１を介して駆動され
る。

その整流板回転機構２１は、一端がその支持ア
ーム１３に固定されたリンク・ロツド２２と、上
端側の内側がねじ切られ、かつ、下端側がキヤブ
内に配置されるようにしてルーフ３２に回転可能
に取り付けられた回転スリーブ２３と、一端がそ
のリンク・ロツド２２の他端にピン連結され、他
端側がその回転スリーブ２３の上端側にねじ込ま
れる操作ロツド２４とより構成されている。

すなわち、その回転スリーブ２１は、ほぼ中央
の位置にバレル部分２６を有し、下端には摘み２
５を備えるもので、そのバレル部分２６の外側に
はボール・シート２７が嵌め込まれ、さらに、そ
のボール・シート２７の外側にはグロメツト２８
が嵌め込まれている。

勿論、上述した操作ロツド２４の一端は、その
支持アーム１３に固定されたリンク・ロツド２２
の他端にピン連結され、他端はその回転スリーブ
２３の上端側にねじ込まれるが、そのリンク・ロ
ツド２２は上述した整流板１４内に配置されるこ
とから、その整流板１４の下面には、その操作ロ
ツド２２が収められる長孔（図示せず）が形成さ
れる。

また、その操作ロツド２２の一端は、そのよう
にリンク・ロツド２２の他端にピン連結されるこ
となく、その整流板１４の下面側で、その支持ア
ーム１３から後方側に適宜の間隔を置いた位置に
ブラケツト（図示せず）を介してピン連結するこ
とも可能である。

さらに、その整流板回転機構２１が取り付けら
れる位置は、その整流板１４の下方で、しかも、
その支持アーム１３付近の位置であれば、任意で
あり、その脚１１，１２内に組み込むことも可能
である。

上述のようにして構成された速度表示装置１０
において、その脚１１，１２の下端は、そのキヤ
ブ・オーバ型トラツク２９のルーフ３２における
前方側に固定され、さらに、その整流板回転機構
２１の回転スリーブ２３は、上述したボール・シ
ート２７およびグロメツト２８を介してそのルー
フ３２に取り付けられる。

勿論、そのランプ１５，１６，１７内のソケツ
トにそれぞれ接続され、その脚１１，１２から下
方に出されたワイヤは、そのルーフ３２の内側に
引き込まれ、そのワイヤの先端は、キヤブ内に配
置された速度警告灯（図示せず）に接続され、そ
の速度警告灯を、速度計における所定の速度と対
応する位置で順次付勢される接点機構（図示せ
ず）に接続することにより、所定の速度下におい
て、キヤブ内の速度警告灯およびルーフ３２上方
の速度表示装置１０のランプ・バルブが順次点灯
するように構成される。

次に、上述した速度表示装置１０における整流
板１４の作用について説明する。

先ず、キヤブ内から整流板回転機構２１におけ
る回転スリーブ２３下端の摘み２５を回転させる
と、その回転スリーブ２３の回転に応じて操作ロ
ツド２４が上下に移動し、その整流板１４は支持
アーム１３を中心にして回転される。

従つて、第１図に示されるように、ルーフ３２
の上面にルーフ・キヤリア３８が取り付けられて
いる場合には、その摘み２５の操作により、その
整流板１４を適宜の角度をもつて傾斜させる。

そのようにして整流板１４の取付け角度が、そ
のルーフ・キヤリア３８の形状および高さに応じ
て調節されるならば、前方からの空気がその整流
板１４によつて整流され、さらに、そのルーフ・
キヤリア３８の上方側に流すことが可能になり、
空気抵抗が少なくなる。

勿論、高さの異なる様々な荷台３７に対して適
用する場合にも、上述した操作方法と同様にし
て、空気抵抗を少なくすることができる。

第４図は、速度表示装置として適用されたこの
考案に係る表示装置の他の具体例３０を示してい
る。

すなわち、その速度表示装置３０は、上述した
具体例１０において整流板１４に相当する部分を
前方側および後方側に分割し、その前方側を支持
アーム３３に、後方側を整流板１４に構成してい
る。

換言するならば、その整流板３４は、その支持
アーム３３に回転可能に連結され、その支持アー
ム３３の断面形状に協働されて、翼形断面を構成
している。

従つて、脚１１，１２、その支持アーム３３、
およびランプ１５，１６，１７は一体的に成形さ
れ、そのような支持アーム３３に、その整流板３
４がシヤフト（図示せず）によつて回転可能に取
り付けられている。

その速度表示装置３０において、その支持アー
ム３３および整流板３４以外の構成は、上述した
具体例１０と同様であるため、それらの構成の説
明は省略する。

如上の構成になるこの考案によれば、表示装置
としての機能のみならず、空気整流装置としての
機能をも兼ね備え、しかも、キヤブの上面にルー
フ・キヤリアを取り付けた場合や、荷台の高さが
異なる場合にも適用することができ、走行時の空
気抵抗を少なくして、燃料消費率を向上する自動
車の表示装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はキヤブ・オーバ型トラツクに速度表示
装置として適用されたこの考案に係る自動車の表
示装置の具体例を示す側面図、第２図はこの考案
に係る表示装置の具体例を示す斜視図、第３図は
整流板回転機構の取付け状態を示す概説図、第４
図は速度表示装置として適用されたこの考案に係
る自動車の表示装置の他の具体例を示す側面図で
ある。 １０……自動車の表示装置、１１，１２……
脚、１３，３３……支持アーム、１４，３４……
整流板、１５，１６，１７……ランプ、２９……
キヤブ・オーバ型トラツク、３２……ルーフ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車のルーフ上面に上方に突出して取り付け
   られた少なくとも一つの脚と、 その脚の上方に取り付けられた支持アームと、 その支持アームに回転可能に取り付けられた整
   流板と、 その自動車の前方に向けて表示し得るように、
   その脚側に取り付けられた複数のランプ とを含む自動車の表示装置。