JPS6244132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は始動を容易にする圧縮仕事吸収式エン
ジンブレーキ装置を有する過給機付４サイクル往
復動機関の低温始動補助装置に関する。

エンジン始動時に液体状のガソリンはキヤブレ
ータによつて空気流中に混入され、その気化作用
は主としてインテークマニホルドやシリンダ内で
行なわれる。そのため点火までにキヤブレータか
ら供給した混合比通り気体状の混合気になるか否
かはマニホールドやシリンダ内の温度と圧力に左
右される。

ところが、エンジンが冷えている時には、イン
テークマニホールド内の燃料の気化が悪いので始
動は容易でなく、その一部はマニホールド内で凝
縮し、シリンダ内へ入る混合気は可燃混合比外の
希薄混合比となつてしまう。

またエンジン始動の容易でない場合は、セルモ
ータを再三まわさなければならず、電力を消耗
し、益々始動を困難にすることとなる。従来、低
温始動時、一定時間排気ブレーキを作動させ、吸
気側への排気の逆流を利用して始動時間の短縮と
白煙の減少を行うことは周知であるが、過給機付
エンジンでは性能が悪いので採用できない欠点が
あつた。

本考案はこれらの欠点に鑑みて創案したもの
で、排気の一部を吸気系に還流することにより、
吸気系を暖め、かつ吸気圧力を高めることによ
り、始動を容易にすると共に低温始動時の白煙と
排気臭の発生を減少することを目的とする。

以下本考案の実施例について添付図面を参照し
て詳細に説明する。

第１図は本考案の低温始動補助装置を示す系統
図、第２図は弁機構の系統図である。

第１図において、１はエンジン、２はエンジン
１吸気マニホールドに連通する吸気管、３はエン
ジン１の排気マニホールドに連結される排気管
で、４は排気ガスでその中のインペラが高速回転
され吸気を圧送する過給機、５はエアクリーナ、
６は排気管３と吸気管２との間に設けられた排気
分岐管、７は排気ガスの一部を排気分岐管６に連
通したり、止めたりする開閉弁、８は石綿などで
造られた特殊フイルタ、１２は電磁弁で、その作
用によりエアタンク１３より、圧力シリンダ１４
にエアを送給し前記開閉弁７を開閉させる。１５
は弁機構で、これについては第２図で説明する
が、１０は運転席のエンジンブレーキスイツチ、
１１はアクセルまたはクラツチペダルスイツチで
前記弁機構１５を作動させる。９は運転席の低温
始動スイツチで一定時間（約30秒位）作動させる
が、タイムスイツチにすればスイツチ切れ忘れを
防止できる。このスイツチは手動でもよいし、自
動的に作動するものでもよい。スイツチ９が切れ
ると圧力シリンダ１４はばねにより右方に移動
し、開閉弁７は閉となる。

第２図において、１６は電磁弁で前記第１図の
エンジンブレーキスイツチ１０及びアクセルまた
はクラツチペダルスイツチ１１のオンにより、図
示しないオイルギヤラリよりの油を油路１７によ
りロツカーシヤフト支持部材１８のシリンダ室１
９に送給する。２０はシリンダ室１９内のピスト
ン、２１は第２排気弁、２２は排気カム、２３は
図示しない第１排気弁のためのプツシユロツドで
その先端は図示しない第１排気弁のロツカーアー
ムに連結されている。

まず、運転席のエンジンブレーキスイツチ１
０、アクセル又はクラツチペダルスイツチ１１及
び低温始動スイツチ９を入れると、電磁弁１２は
作動し、エアタンク１３よりエアは圧力シリンダ
１４に送給され、そのピストンの左方移動により
開閉弁７は開となり排気管３の排気ガスの一部は
特殊フイルタ８を通つて吸気管２に送られて吸気
と混合し吸気圧を高めることになる。

一方、前記エンジンブレーキスイツチ１０とア
クセル又はクラツチペダルスイツチのオンにより
同時に電磁弁１６は開き、図示しないオイルギヤ
ラリよりのオイルは油路１７よりロツカーシヤフ
ト支持部材１８のシリンダ室１９に入る。

排気カム２２の回動によりそのカム山でプツシ
ユロツド２３が押し上げられて図示しないロツカ
ーアームの一端が押され、図示しない第１排気弁
は開く方向に作動する。前記カム山がプランジヤ
２４を押すと油路１７の油の圧力は高められてピ
ストン２０は押し下げられ、第２排気弁２１は燃
焼室２５の図示しないピストンが上死点になつた
時開き、燃焼室２５の排気ガスはエンジン１の排
気管３に排出される。

このように、エンジン始動時は排気ガスの一部
が吸気系に還流されるので、吸気圧は高くなるの
で、始動は容易となり、機関各部及び潤滑油は早
く定常温度となり、エンジン回転を早く順調にす
る。

本考案の低温始動補助装置に乍ると、エンジン
始動は容易となり、始動時の電気の消耗を少なく
し、始動時の白煙、排気ガスの始動臭の発生を軽
減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の低温始動補助装置の系統図、
第２図は弁機構の系統図である。 １……エンジン、２……吸気管、３……排気
管、４……過給機、５……エアクリーナ、６……
排気分岐管、７……開閉弁、９……低温始動スイ
ツチ、１０……エンジンブレーキスイツチ、１１
……アクセル又はクラツチペダルスイツチ、１
２，１６……電磁弁、１３……エアタンク、１４
……圧力シリンダ、１５……弁機構、１７……油
路、１９……シリンダ室、２０……ピストン、２
１……第２排気弁、２２……排気カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮仕事吸収式エンジンブレーキ装置を持つ過
   給機付往復動機関において、前記過給機の上流側
   の吸気管と過給機後流側の排気管との間に排気分
   岐管を設け、同排気分岐管に圧力シリンダで開閉
   される開閉弁とフイルタとを配設し、エアタンク
   と前記圧力シリンダとの間に電磁弁を設け、同電
   磁弁を作動させる低温始動スイツチをエンジンブ
   レーキ作動スイツチと共に運転席に設け、排気管
   の排気ガスの一部を前記排気分岐管の開閉弁とフ
   イルタを介して吸気管に還流して吸気系を暖め、
   かつ吸気圧を高めることにより始動を容易にする
   と共に低温始動時の白煙と排気臭の発生を減少せ
   しめることを特徴とした低温始動補助装置。