JPS6244079Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、天井収納式階段用梯子に形成され
る梯子長さ調整用けがき溝に関するものである。

天井裏の遊び空間を有効に活用する手段に、天
井収納式階段の構造方式が知られており、ここ
で、同方式の概要につき説明する。

同階段は、天井の開口縁に固定取付けされた方
枠より成る収納枠と、同収納枠の下縁の一辺にヒ
ンジ結合されて下向きに開閉揺動する収納蓋と、
同収納蓋の上面に取付けられた折畳式梯子とによ
り形成されていて、収納蓋が閉成された収納態位
では、同蓋板の下面が天井面に連通して天井の体
裁を損なうことがなく、また、収納蓋が斜め下方
に開成されると共に、梯子が床面まで展張された
使用態位では、一般の建付け階段と同様に、梯子
を昇り降りして容易に天井の上方空間に出入りす
ることができるようになつている。

しかして、天井の開口縁には、補強のための根
太が固設されていて、上記収納枠は、その下端寄
りが釘打ち等により同根太に固定されており、一
方、収納蓋の揺動端は、懸下リンクを介して収納
枠に支持されると共に、収納枠との間に掛合わさ
れた吊ばねにより、収納蓋の重量トルクが平衡さ
れている。

なお、折畳式梯子は、各段ごとに入違い側がヒ
ンジ連結された複数段（普通には３段）の部分梯
子の連成により形成されていて、各部分梯子を折
重ねることにより容易に折畳み得るように形成さ
れている。

ところで、このような収納式階段が設置される
建屋の天井高さは、建屋ごとに高程が区々である
ために、階段に装備される梯子の長さが調節可能
であることが要求されるが、この点、従来の収納
式階段の構造では、長さの異なる複数種の梯子を
準備しておいて、現場の天井高さに合つた梯子を
選択的に使用するとか、収納蓋への梯子の取付位
置を上、下に調節移動させると共に、懸下リンク
の懸下傾角を調節移動させる等の手段が採られ、
あるいは、梯子の下端を、天井高さに合わせて切
落すなどの方策が採られていた。

しかして、上述した最後の方策、すなわち下端
の切落しによつた場合には、梯子の傾斜角に合わ
せて斜めに切断する必要があり、このため従来の
切落し調節作業においては、熟練した技能が必要
であるばかりでなく、切断方向が不正確になつた
り、左右が不揃いになり易いという問題点があつ
た。

本考案の目的は、上記問題点を解消するために
なされたものであつて、すなわち、本考案の目的
は、素人でも容易かつ正確に切落し調節を行い得
るようにした天井収納式階段梯子を提供すること
にある。

以下、図示の一実施例に基づいて本考案を説明
するが、はじめに、実施例のけが溝が穿設された
収納式階段の構成につき、第１図を参照して述べ
る。

収納枠１は、その下縁を天井開口２に臨ませた
状態で、釘打ち・ねじ止め等により天井開口２の
裏縁に固設された根太３の側面に固定されてお
り、かつ収納枠１の奥行側の内壁の下端には、左
右１対のヒンジ４を介し、収納蓋５の基端が結合
されている。

この収納蓋５の揺動端部は、左右１対の懸架リ
ンク６を介し、収納枠１の左右の内壁に固設され
た懸架金具７に支持されており、しかして懸架リ
ンク６は、中間でナツクル接続された上、下の両
アーム８，９で形成されている。

更に、各下アーム９の下端寄り箇所と、収納枠
１の奥行側内壁の左右の隅部に固設された各掛具
１０との間には、コイルばねより成る１対の各吊
ばね１１が掛合わされていて、収納蓋５にかかる
重量負荷トルクは、閉成状態において平衡がとら
れている。

また、収納蓋５の揺動端には、ロツク機構１２
が横架されると共に、同機構１２の中央にロツク
キー１３が付設されていて、同蓋５は、閉成時に
ロツクされるようになつている。

次に、折畳式梯子１４は、互いに左右のヒンジ
金具１５で連結された上段、中間、および下段の
各部分梯子１６，１７，１８により形成されると
共に、上段の部分梯子１６は、４隅の固定金具１
９を介し、浮上つた高さで収納蓋５に固定保持さ
れており、かつ上段の部分梯子１６の左右の各側
板には、手摺２０が立設されている。

ところで、実施例のけがき溝２１は、第２図お
よび第３図に拡大して示すように、下段の部分梯
子１８の左、右の各側板１８ａの下端寄りの外側
面に複数列に穿設されていて、具体的には、下端
から適当なピツチ高さ箇所に、梯子１４の傾斜角
に対応して水平方向になる斜め方向にけがかれて
おり、かつ溝２１の断面形状は、Ｖ形を成してい
る。

実施例のけがき溝２１は、このように形成され
ているので、階段の設置に当つては、現場の天井
高さに対して長目の梯子１４を収納蓋５に取付け
た上で、適所のけがき溝２１を選択利用し、鋸等
で切断すれば良く、このような調整作業は、素人
でも行い得ると共に、切断縁が不正に傾いたり、
途中で曲つたりすることがない。

以上述べたように、本考案によれば、収納階段
用梯子の下端に、適当なピツチ高さで所定の斜め
方向に複数列に穿削形成されているので、素人で
も正確に梯子の長さ調整が可能となり、これによ
り収納階段のフイツト性を向上させる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す梯子の外観
斜視図、第２図は、同側面図、第３図は、第２図
の−線における後断面図である。 １４……梯子、１８……下段の部分梯子、１８
ａ……梯子側板、２１……けがき用溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井収納式階段に装備された梯子の左右各側板
   の下端寄りの外面に、該側板の下縁にほぼ平行す
   る複数段のけがき用溝が列穿されていることを特
   徴とする天井収納式階段梯子。