JPS6243809Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、リボンカートリツジケースのリボン
収納部に、収納姿勢と同様な蛇行状に折り畳まれ
たインクリボンを補給するためのサブカセツトに
関する。

この種のサブカセツトはサブカセツトケース本
体（以下、ケース本体という）のリボン放出用の
開口部を下向きにしてリボンカートリツジケース
（以下、カートリツジケースという）のリボン収
納部底部に対向させて、前記ケース本体からカー
トリツジケースのリボン収納部にインクリボンを
移転させるものである。

ところが従来のサブカセツトでは移転作業中
に、リボン収納部にきちんと入る前にインクリボ
ンがその自重によつてサブカセツトの前記開口部
から脱落し、せつかく蛇行状に折り畳まれて収納
されていたインクリボンが散乱してうまくカート
リツジケースへ収納がすることができなくなるこ
とがある。

このような事態を防止するために、作業者は手
指で開口部からインクリボンを押さえて作業して
いたが、インクリボンのインクにより手指が汚れ
たり、あるいは手指が邪魔になつてサブカセツト
をカートリツジケース内に入れにくくなるなどの
欠点があつた。

本考案は、このような実情に鑑み、手指による
インクリボンの支えなしにインクリボンの脱落を
生じさせないようにし、もつて確実かつ容易にサ
ブカセツトからカートリツジケースへインクリボ
ンを移転しうるようにしたサブカセツトを提供す
ることを目的とする。

そして、この目的を達成するために、本考案の
サブカセツトは、ケース本体とは別体であり、か
つ湾曲可能な可撓性薄板にて形成された蓋板を用
い、前記ケース本体が４枚の側面のうち−の端面
に前記蓋板の前端部が嵌入される嵌入口が形成さ
れ、前記端面に対向する端面が他の側面よりも高
さが低くされた構成が採用されている。

このように構成することで、ケース本体の開口
部を下向きにしても、ケース本体内に収納されて
いるインクリボンはこの蓋板を介して手指に支え
られ、または蓋板とケース本体との結合にて支え
られるので自重で落下することがなくなる。

ところで、前記蓋板は指などで保持するか、適
当なケース本体への取付手段を必要とするが、こ
の点において、本考案は前記のように蓋板前端部
を嵌入する嵌入口をケース本体の一端面部に形成
したので、該蓋板を仮に指で支えるにしても、蓋
板後端部とケース本体とを片手で保持するだけで
よく、また接着などの仮止め手段を採用するばあ
いも一個所でよいし、さらに蓋板を開き方向に移
動させるばあい、前記嵌入口から前端部を引出す
方向と開き方向が合致するのでなんら支障なく容
易に蓋板を取出すことができる。さらにケース本
体には蓋板の側縁を案内するためのスライド溝を
設ける必要がないので、ケース本体の生産性が向
上し、側縁のスライド溝にインクリボンがひつか
かるなどの欠点がない。

さらに、この蓋板が湾曲可能な可撓性薄板にて
形成され、しかも嵌入口に対向する側の端面は他
の側面よりも低くされ、蓋板を曲げやすくするた
めの空間が形成されているから、ケース本体から
引出された蓋板は直ちに上方に湾曲させて引出す
ことができ、カートリツジケースのリボン収納空
間に、蓋板全体を引出すに必要な空間を設ける必
要がなくなつた。この結果、カートリツジケース
のリボン収納空間に、蓋板全体を引出すに必要な
空間を設けるためにケース本体を無理に小さく
し、インクリボンを過度に密に詰めてしまいイン
クリボンにきつい折目がついてしまうようなこと
がなくなり、このきつい折目によるフイード不良
の発生を防止することができる。

以下図面を用いて本考案のサブカセツトを詳細
に説明する。

第１図は本考案のサブカセツトの一実施例を示
す概略斜視図、第２図は本考案のサブカセツトの
他の実施例を示す概略斜視図、第３図は本考案の
サブカセツトを用いたカートリツジケース内への
インクリボンの充填操作を示す概略斜視図であ
る。

第１〜２図で示される本考案のサブカセツト
は、２枚の長側面３１，３２と２枚の端面２１，
２２と底部４とから箱状のケース本体２が形成さ
れており、その上面は開口された上部開口部３と
なつている。前記端面２１，２２のうち、一方の
端面２１には嵌入口８が形成されており、他方の
端面２２は長側面３１，３２よりもその高さが低
く形成されている。この端面２２が長側面３１，
３２より低くされていることにより、該ケース本
体２を裏返して蓋板６を引き抜くとき、端面２２
の上縁がリボン収納部１０ａの底面より浮くの
で、蓋板６を大きく曲げるための空間が形成され
る。

連続した１本のエンドレス状のインクリボン１
は、ケース本体２の両側面にそれぞれ設けられ該
ケース本体２の上部開口部３より底部４に延びる
２つのスリツト状開口部５，５１を介して、ケー
ス本体２内に一方のスリツト状開口部５から他方
のスリツト状開口部５１にわたつて左右にふり分
けるようにして密に折りたたみ収納している。そ
して前記ケース本体２の上部開口部３に蓋板６を
配置し、該蓋板６の開閉移動方向の閉止側前端部
７または該前端部７に形成された舌部７ａを前記
ケース本体２の端面２１に形成された嵌入口８に
嵌入することにより前記蓋板６をケース本体２に
係止すると共に、蓋板６が湾曲可能な可撓性薄板
にて形成され、かつその他端７１がケース本体２
に沿つた折り曲げ部９を有している。

しかして本考案のサブカセツトは使用前におい
てはケース本体２内にインクリボン１が折りたた
まれて密に収容されると共に、スリツト状開口部
５および５１によつてその一部が外部に露出した
状態で、上部開口部３に蓋板６が嵌入口８への係
止によつて配置されるようになつている。

かかるサブカセツトを用いてカートリツジケー
ス１０内へのインクリボン１の充填を行なうに
は、第３図に示されるようにまず蓋板６で閉じら
れた上部開口部３を下にして、カートリツジケー
ス１０内のリボン収納部１０ａにサブカセツトを
配置し、ついで蓋板６をその折り曲げ部９を指で
つかんで湾曲させながら上方（矢印Ｂ方向）に引
き抜き、ケース本体２内の折りたたまれたインク
リボン１をそのまま前記リボン収納部１０ａに落
とし込み、ついでケース本体２をそのまま上方に
取り出すことによつてインクリボン１はケース本
体２内における折りたたまれたままの状態で、カ
ートリツジケース１０内に充填される。またケー
ス本体２より外部に露出したインクリボン１の一
部は、充填後カートリツジケース１０内の一対の
巻込みロール１０ｂやプリンター内の印字手段
（図示されていない）に引つ掛けられて充填操作
を終了する。

本考案における前記蓋板６は、きわめて狭いス
ペースしか有しないカートリツジケース１０内の
リボン収納部１０ａにおいてケース本体２からの
引き抜きを容易ならしめるべく、厚さ0.5mm以下
の可撓性部材、たとえばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ナイロンなどの可撓性プラスチツクシー
トを用いるのが好ましいが、さらに厚さ１mm以下
の紙も好適に採用されうる。また蓋板６の他端７
１に設けられる折り曲げ部９は蓋板６と同一素材
で連続して設けるのが好ましい。

前記ケース本体２としては、たとえばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ナイロン、ABS樹脂な
どのプラスチツク成型品、紙、木などの厚さ0.2
〜５mm程度の部材から形成され、前記プラスチツ
ク成型品は透明または半透明のものを使用するこ
とができる。

かかるケース本体２に設けられる前記嵌入口８
は、たとえば第１〜２図に示されるようなスリツ
ト状開口部８１のほか、ケース本体２の端面２１
の上部を外方向に湾曲せしめてＵ字形断面に形成
された挿入部を嵌入口としてもよい。いずれのば
あいにおいても嵌入口８は第３図に示されるよう
にケース本体２内でのインクリボン１の折りたた
みや、前述のごときカートリツジケース１０内へ
のインクリボン１の落し込みに支障をきたすこと
がない。なお第１〜３図において嵌入口８はイン
クリボン１の折りたたみ方向に平行なケース本体
２の端面２１に設けられているが、該嵌入口８を
スリツト状開口部５，５１が設けられていない側
部の一方に形成してもよい。

また本考案における嵌入口８の形状や大きさは
第１〜２図に示されたスリツト状切り込み部８１
のみに限定されたものではなく、たとえば第１図
におけるスリツト状切り込み部８１をケース本体
２の端面２１の全幅にわたつて形成し、蓋板６の
一端７をそのまま挿入させるようにしてもよく、
種々の変更が可能である。

さらにケース本体２の両側面に設けられるスリ
ツト状開口部５，５１の位置はとくに制限される
ものではなく、たとえば第１図に示されるように
各側面の中央部にスリツト状開口部５，５１を設
けてもよく、また第２図で示されるように各側面
のコーナー部Ａにスリツト状開口部５，５１を設
けてもよい。

また本考案においては、ケース本体２の底部４
に適宜な大きさの貫通孔１２を設けてもよく、か
かる貫通孔１２はケース本体２内に密に折りたた
まれたインクリボン１のカートリツジケース１０
内への前述のごとき落し込みにおいて指またはこ
れに代わるものによつて、落し込みを確実ならし
めるべく形成されるものであつて、とくにケース
本体２が肉厚の厚いもので形成されるばあいに便
利である。

なお本考案においては、ケース本体２の上部開
口部３を閉じる蓋板６が、輸送や運搬時における
振動や衝撃によつて嵌入口８からはずれてしまう
のを防止するために、たとえば蓋板６の折り曲げ
部９をケース本体２の外壁に溶着または接着する
か、あるいは嵌入口８に嵌入される蓋板６の一端
７または舌部７ａをケース本体２または挿入部１
１と密着または接着して蓋板６をケース本体に固
着せしめ、使用時には簡単に取りはずしできるよ
うにしておくのが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のサブカセツトの一実施例を示
す概略斜視図、第２図は本考案の他の実施例を示
す概略斜視図、第３図は第１図で示された本考案
のサブカセツトを用いたカートリツジケース内へ
のインクリボンの充填操作を示す概略断面図であ
る。 図面の主要符号、１：インクリボン、２：ケー
ス本体、３：上部開口部、４：底部、５，５１：
スリツト状開口部、６：蓋板、７ａ：舌部、８：
嵌入口、８１：スリツト状切り込み部、９：折り
曲げ部、１１：挿入部、１２：貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リボンカートリツジケースのリボン収納部にイ
   ンクリボンを供給する際に該収納部の底部に対向
   せられるリボン放出用の開口部を有するサブカセ
   ツトケース本体と、該ケース本体中に蛇行状に折
   り畳まれて収納されているインクリボンと、前記
   ケース本体とは別体であり、かつ湾曲可能な可撓
   性薄板にて形成された蓋板とからなり、前記ケー
   ス本体が４枚の側面のうち−の端面に前記蓋板の
   前端部が嵌入される嵌入口が形成され、前記端面
   に対向する端面が他の側面よりも高さが低くされ
   てなるサブカセツト。