JPS6243749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば食肉塊やベーコンなどのよ
うに、幅の一定していない材料をスライスする場
合に、スライス片が幅の大小に影響されることな
く中心を一定位置において切断されるようにした
食品スライサーの材料給送箱に関する。

従来の食肉スライサーにおいては、機台の一側
で回転する丸刃の刃面に沿つて肉箱を往復せしめ
つつ、該肉箱内に積載した食肉塊を前進させて所
定厚さのスライス片を得る場合に、肉箱の一方の
側壁を可動壁に形成し、この可動壁をスライスの
際に押し勝手になる他方の固定壁に向けて移動せ
しめることにより両側壁の間で材料を挾みながら
送り出すようにした材料給送箱がある。上記固定
壁は、肉箱の往行程時に材料の一側が完全に丸刃
の刃先を通過し得る限度の定位置に設けられ、一
側の可動壁のみが材料の幅の大小に応じて移動す
る。したがつて、スライスは常に固定壁に接する
一側を基準位置として落下し、他側が材料の幅の
大小に応じて長短にその落下位置を変える。この
ようにして落下するスライス片を、その落下位置
に供給されて待機する例えば発泡スチロール製の
包装トレーに自動的に収容させようとすると、該
包装トレーの中心とスライス片の中心とがずれ
て、容器の一方にスライス片が偏つて収容される
という不都合が生ずる。このような偏りを解消す
るためには、スライサー全体あるいは包装トレー
の供給コンベアを材料の幅の大小に応じて横移し
するとか、スライサーに付設されて丸刃に切断さ
れつつあるスライス片をスパイクチエンコンベア
に受け取つて所定位置に落とす自動受取り装置の
走行距離を調整することなどが考えられるが、ス
ライスとその後処理が一貫した食品包装省力シス
テムに構成されている場合には、上記のような変
更操作はきわめて困難であり、その調整は手数と
時間を要するものとなる。

本考案は、切断すべき材料を積載して送り出す
材料給送箱の両側に、互いの間で上記材料を側面
から挾む一対の可動壁を設けるとともに、この一
対の可動壁が常に前記材料給送箱の中心から等距
離に位置するようにした間隔調節装置を備えるこ
とによつて、材料の幅の変化に影響されることな
くスライス片が中心を常に一定位置において切断
されるようにして、前記従来の欠点を除去した食
品スライサーの材料給送箱を提供したものであ
る。

図示した実施例は、本考案を食肉スライサーに
用いた場合のもので、以下に本考案をこの実施例
について説明する。

図において、Ｆはスライサーの機台、Ａはその
一側で回転する丸刃、Ｂは機台Ｆの上面で前後を
レール１に支承され図示省略の連結杆を介してク
ランク２の回転に従動し丸刃Ａの刃面に前端部を
沿わせて往復走行する肉箱（材料給送箱）、３
ａ，３ｂは肉箱Ｂの両側面を形成し、肉箱Ｂ内に
積載する切断すべき材料を両側から挾む一対の可
動壁、４は肉箱Ｂの底部に敷設したローラ型の下
部送りコンベア、５は上方から材料の前端上部に
接して下部送りコンベア４と共に材料を第１図左
手へ向けて間欠的に送り出す上部送りローラ、Ｄ
は前記一対の可動壁３ａ，３ｂを連結して、前記
肉箱（材料給送箱）Ｂの中心Ｃから等距離Ｓに位
置するように支承する間隔調節装置である。実施
例においてこの間隔調節装置Ｄは、肉箱Ｂの底部
裏面中央に横架した回転操作軸７と、肉箱Ｂの両
外側にそれぞれ立設したブラケツト８ａ，８ｂに
それぞれ水平に軸支されて内端に前記可動壁３
ａ，３ｂを固定したねじ軸９ａ，９ｂと、同じく
内端を可動壁３ａ，３ｂに固定し、上記ねじ軸９
ａ，９ｂと平行にそれぞれブラケツト８ａ，８ｂ
に水平に遊嵌したスライド軸１０ａ，１０ｂと、
上記ブラケツト８ａ，８ｂとその外側に沿い平行
してそれぞれ一体に延設した小ブラケツト８′
ａ，８′ｂとの間で前記ねじ軸９ａ，９ｂにそれ
ぞれ螺合する従動スプロケツト１１ａ，１１ｂ
と、この従動スプロケツト１１ａ，１１ｂにそれ
ぞれエンドレスチエン１２ａ，１２ｂを介して連
らなり、前記回転操作軸７の両端にそれぞれ固定
した原動スプロケツト１３ａ，１３ｂとを有し、
回転操作軸７の外端のハンドル６を左又は右へ回
転することにより、第２図に示すように両可動壁
３ａ，３ｂを同時に肉箱Ｂの中心Ｃから互いに等
距離Ｓに遠近するように構成されている。

なお、前記ねじ軸９ａ，９ｂおよび従動スプロ
ケツト１１ａ，１１ｂに形成するねじは互いに逆
ねじにかつ、等ピツチに切られている。また、実
施例に用いた上部送りローラ５は、多角形断面を
有する回転軸５′にスプロケツト状の歯形を軸方
向に多段に形成したスパイクローラを軸方向に若
干のスライドを可能にして嵌装したものであり、
前記可動壁３ａ，３ｂの移動操作時には、支点軸
１５を支点として内箱Ｂの上方へ回避せしめてお
き、調節後に下降させて、多段のスプロケツト状
歯形が移動済みの可動壁３ａ，３ｂと干渉しない
位置にずらせつつ両可動壁前端部の円弧形溝１４
に嵌め込むようにして用いる。

以上のようにして、材料給送箱Ｂの両側に互い
の間で材料を側面から挾む一対の可動壁３ａ，３
ｂを設け、この可動壁３ａ，３ｂを材料給送箱Ｂ
の中心Ｃから等距離Ｓに位置せしめるようにした
間隔調節装置Ｄを備えた本考案スライサーは、積
載した材料の幅に応じて間隔調節装置Ｄを操作す
ると、常に材料給送箱Ｂの中心Ｃから等距離Ｓに
遠近する両可動壁３ａ，３ｂの間で材料を両側か
ら挾むことになるので、スライサーが切断するス
ライス片の中心も、材料の幅の大小に無関係に一
定位置になる。したがつて、スライサーに直結し
て包装トレーの自動供給機を付設したり、あるい
はスパイクチエンを有するスライス片の自動受取
り装置を付設した場合に、スライス片の中心の落
下位置を一定に保つことができる。そして、切断
すべき材料の幅の変化に対応する調整操作もきわ
めて簡単、容易に行うことができ、食肉に限らず
塊状で幅が一定しない食品のスライスとその後処
理に関して省力化、自動化の促進を期待できると
いう実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その一部切欠立面図、第２図は第１図のＸ−
X′線に沿つた拡大断面図である。 Ｆ……機台、Ａ……丸刃、１……レール、２…
…クランク、Ｂ……材料給送箱（肉箱）、Ｃ……
中心、３ａ，３ｂ……可動壁、Ｓ……等距離、４
……下部送りコンベア、５……上部送りローラ、
５′……回転軸、Ｄ……間隔調節装置、６……ハ
ンドル、７……回転操作軸、８ａ，８ｂ……ブラ
ケツト、８′ａ，８′ｂ……小ブラケツト、９ａ，
９ｂ……ねじ軸、１０ａ，１０ｂ……スライド
軸、１１ａ，１１ｂ……従動スプロケツト、１２
ａ，１２ｂ……エンドレスチエン、１３ａ，１３
ｂ……原動スプロケツト、１４……円弧形溝、１
５……支点軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切断すべき材料を積載して送り出す材料給送箱
   Ｂの両側に、互いの間で上記材料を側面から挾む
   一対の可動壁３ａ，３ｂを設け、この一対の可動
   壁３ａ，３ｂが常に前記材料給送箱Ｂの中心Ｃか
   ら等距離Ｓを位置するようにした間隔調節装置Ｄ
   に連結されていることを特徴とする食品スライサ
   ーの材料給送箱。