JPS6243268Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、乾燥用熱風を穀物移動通路を横断流
動させるよう、前記通路を挟んで熱風供給室と排
風室とを対向配設した穀物乾燥機に関する。

上記乾燥機において、従来では、前記穀物移動
通路の一側部に熱風供給室をかつ他側部に排風室
を設けているが、熱風の温度が通路を横断するに
つれて低下し、且つ、穀物が通路内において熱風
横断流動方向にほとんど移動しないことに起因す
る、熱風流動方向上手がわ部分に位置する穀物と
下手がわ部分に位置する穀物とを均一に加熱し難
い点と、熱風流動方向上手がわ部分に位置する穀
物が過加熱によつて胴割れを生じるのを防止する
必要上熱風温度を低く設定することになる点とが
相俟つて、所望通りの乾燥を効率良く行ない難い
ものとなつていた。

本考案が解決しようとする技術的課題は、簡単
な構造改良により、穀物移動通路の上手側から下
手側に亘るほぼ全域において熱風を万遍なく存在
させるようにすると共に、熱風を効率良く利用で
きるようにすることである。

上記課題を解決するために講じた本考案の技術
的手段は、穀物移動通路を横断する方向で乾燥用
熱風を流動させるように、前記穀物移動通路を挟
んで熱風供給室と排風室とを対向配設した穀物乾
燥機において、前記穀物移動通路を挟んで対向す
る前記熱風供給室と前記排風室との配設位置が、
前記穀物移動通路の穀物移動方向の上手側と下手
側とでは反対になるように、位置設定して、交互
に複数の熱風供給室および排風室を並設すると共
に、前記穀物移動通路の一側の熱風供給室からの
熱風が前記穀物移動通路の同じ側に位置する排風
室へ短絡流動するのを抑制する一対の遮風壁を、
前記穀物移動通路の両横側部に振り分けて、か
つ、前記穀物移動通路の反対がわ側部に位置する
前記熱風供給室に対向するように互いに穀物移動
方向において偏位させた状態で設けてあることで
ある。

上記技術的手段は、次のように作用する。通路
の穀物移動方向において熱風供給室と排風室との
配設順序が、通路の一方横側部と他方の横側部と
で反対になるように複数の熱風供給室と配風室と
を並設してあるから、通路の上手側と下手側とで
熱風を互いに反対方向に横断流動させることがで
きるようになつた。

一対の遮風壁を設けて通路の同じ横側部に位置
する熱風供給室からの熱風が同じ横側部に位置す
る排風室へ短絡流動するのを抑制するから、熱風
は反対側横側部にある排風室の方へ極力流動す
る。

さらに一対の遮風壁を、両側部に振分け、か
つ、穀物移動方向において偏位させた状態で設け
たから、穀物移動通路の上手側から下手側に亘る
全域において熱風をほぼ均等に存在させることが
できる。

従つて、本考案は次の効果を奏する。

通路の上手側と下手側とで熱風を互いに反対方
向に横断流動させることができて、通路内の穀物
全体を極力均一に加熱することができるに至つ
た。

さらに、遮風壁によつて、熱風が反対側横側部
にある排風室の方へ極力流動して熱風の有効利用
ができ、また、穀物移動通路の上手側から下手側
に亘る全域において熱風をほぼ均等に存在させる
ことができるようになり、一層効率良く乾燥でき
るに至つた。ここで、一対の遮風壁を正対させな
いのは、この正対遮風壁間の通路部分で熱風がよ
どんで流動しない区域が存在するのを防止するた
めである。

以下に、本考案の実施例を図面の記載に基いて
説明する。

例示図は、主として稲、麦を乾燥するのに用い
る穀物乾燥機を示し、乾燥室Ａ内の下部に、穀物
を落下移動させる左右一対の穀物移動通路Ｂ，Ｂ
を形成し、これら通路Ｂ，Ｂ夫々の下端部に、単
位時間当りの穀物移動量を一定にするための回転
穀物繰出しロール１，１を設け、これらロール
１，１にて繰出される穀物を、機体後方外側部に
搬出する螺旋体２を設け、この螺旋体２にて搬出
されてくる穀物を、乾燥室Ａの上方外側部に揚上
搬送するバケツト式コンベア３を設け、このコン
ベア３から排出される穀物を、乾燥室Ａの中央部
に搬送する螺旋体４を設け、更に、この螺旋体４
から排出される穀物を、乾燥室Ａ内に拡散放出す
る回転放出具５を設け、もつて、穀物を、上下に
循環移動させるべく構成する一方、前記通路Ｂ，
Ｂを挟んで熱風供給室Ｃと排風室Ｄとを対向配設
し、前記通路Ｂ，Ｂを網状体にて形成し、もつ
て、乾燥用熱風を、通路Ｂ，Ｂを横断流動させる
よう構成してある。

要するに、穀物を上下に循環移動させながら穀
物全体をむらなく乾燥できるように構成し、又、
乾燥室Ａ内の上部において滞留する穀物を加熱し
ないようにして胴割れを防止するように構成して
ある。

前記バケツト式コンベア３の下端部に連通する
ホツパー６を設け、もつて、ホツパー６内に供給
される穀物を、乾燥室Ａ内に順次搬送できるよう
構成し、又、例示はしないが、前記コンベア３の
上端部から穀物を機外に案内する筒状体を、その
入口を開閉操作可能に設け、もつて、乾燥した穀
物を適時機外へ取出せるよう構成してある。

前記熱風供給室Ｃ及び前記排風室Ｄを構成する
に、機体前部にバーナ７を、機体後部に吸引フア
ン８を設け、前記両通路Ｂ，Ｂの間に位置する空
間を上下に仕切る第１仕切壁９、及び、前記両通
路Ｂ，Ｂ夫々の両横側部に位置する空間を上下に
仕切る第２仕切壁１０，１０を設け、もつて、第
１仕切壁９の上方に位置する空間、及び、前記両
第２仕切壁１０，１０の下方に位置する空間をし
て、前記バーナ７に連通する３つの熱風供給室Ｃ
を構成し、第１仕切壁９の下方に位置する空間、
及び、前記両第２仕切壁１０，１０の上方の位置
する空間をして、前記フアン８に連通する３つの
排風室Ｄを構成してある。

要するに、前記通路Ｂ，Ｂの両横側部夫々にお
いて、熱風供給室Ｃ及び排風室Ｄを穀物移動方向
に並設し、通路Ｂ，Ｂの穀物移動方向下手がわ部
分と上手がわ部分とにおいて熱風を互いに反対方
向に横断流動させて、穀物を極力均一に加熱でき
るように構成してある。

又、熱風が前記通路Ｂに対して同横側部に位置
する排風室Ｄへ短絡流動するのを抑制する一対の
遮風壁１１，１１を、通路Ｂの両横側部に振分け
るとともに通路Ｂの反対がわ側部に位置する熱風
供給室Ｃ，Ｃに対向するように互いに穀物移動方
向に偏位させた状態で設け、もつて、熱風の短絡
流動を防止して、熱風を穀物乾燥に極力有効に利
用できるように構成し、又、遮風壁１１，１１が
位置する部分にも熱風を存在させて、通路Ｂの全
体を有効利用して穀物乾燥を行なえるよう構成し
てある。

尚、本考案は、穀物移動通路Ｂを、１つあるい
は３つ以上備える乾燥機にも適用できる。

又、本考案を実施するに、本案による通路Ｂ
を、複数個連通接続させるようにして実施しても
よい。

又、実施例では、遮風壁１１，１１を、その大
部分が熱風供給室Ｃ，Ｃがわに位置する状態で設
けて、加熱される遮風壁１１，１１から放射され
る熱によつても穀物を加熱できるようにしたもの
を例示しているが、遮風壁１１，１１を、その大
部分が排風室Ｄ，Ｄがわに位置する状態や熱風供
給室Ｃと排風室Ｄとに半分づつ位置させる状態で
設けてもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物乾燥機の実施例を示
し、第１図は穀物乾燥機の縦断正面図、第２図は
同機の一部切欠き側面図、第３図は遮風壁装着部
の縦断正面図である。 １１……遮風壁、Ｂ……穀物移動通路、Ｃ……
熱風供給室、Ｄ……排風室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穀物移動通路Ｂを横断する方向で乾燥用熱風を
   流動させるように、前記穀物移動通路Ｂを挟んで
   熱風供給室Ｃと排風室Ｄとを対向配設した穀物乾
   燥機において、前記穀物移動通路Ｂを挟んで対向
   する前記熱風供給室Ｃと前記排風室Ｄとの配設位
   置が、前記穀物移動通路Ｂの穀物移動方向の上手
   側と下手側とでは反対になるように、位置設定し
   て、交互に複数の熱風供給室Ｃ，Ｃおよび排風室
   Ｄ，Ｄを並設すると共に、前記穀物移動通路Ｂの
   一側の熱風供給室Ｃからの熱風が前記穀物移動通
   路Ｂの同じ側に位置する排風室Ｄへ短絡流動する
   のを抑制する一対の遮風壁１１，１１を、前記穀
   物移動通路Ｂの両横側部に振り分けて、かつ、前
   記穀物移動通路Ｂの反対がわ側部に位置する前記
   熱風供給室Ｃ，Ｃに対向するように互いに穀物移
   動方向において偏位させた状態で設けてあること
   を特徴とする穀物乾燥機。