JPS6242931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は緩衝袋に関し、より詳しくは輸送に際
し荷物の間隙を埋め、荷動きと荷傷みを有効に防
止するための製造容易な緩衝袋に関する。

〔従来技術〕

従来、種々の緩衝袋が提案され、例えば実開昭
57−137161号公報には、空気注入弁を取付けた合
成樹脂製の内袋と強靭な素材製外袋からなり、前
記内袋の上下端部をそれぞれ全幅にわたつてヒー
トシールし、かつこれら内袋と外袋とを、前記内
袋のヒートシール部より端部寄りの部分におい
て、それぞれミシン縫いにより、連結・固定した
緩衝袋が開示されている。

この種の緩衝袋の内袋としては、強度、ガスバ
リヤー性、ヒートシール性を兼ねそなえた、例え
ば外層がポリアミド、内層がエチレン醋酸ビニー
ル共重合体（EVA）である共押出複合フイルム
等を用いるのが一般的であるが、このような複合
フイルムは、内、外層の物性が異るところから、
内袋と外袋とを、その上下端部において、ミシン
縫いして連結・固定する際内袋のヒートシール部
より端部寄りの部分が内側又は外側にカールして
ミシン縫線からはづれ、内袋の一部が外袋と結
合・固定されないという事故がしばしば発生し
た。

〔考案の目的〕

本考案はこのような従来技術の欠点を除去し、
通常のミシン縫い作業により内袋と外袋とを容
易、かつ確実に連結・固定できる、製造容易な緩
衝袋を提供することを目的としている。

〔考案の構成〕

本考案につき概説すれば、本考案の緩衝袋は、
少くとも２種類の異る合成樹脂材料からなる複合
フイルム製筒状体の上、下端部を全幅にわたつて
ヒートシールした内袋と、強靭な素材製外袋とか
らなり、かつ前記内袋と外袋が上、下端におい
て、前記内袋のヒートシール部よりそれぞれ端部
寄りでミシン縫いにより互いに連結、固定されて
いる緩衝袋において、前記内袋は前記ヒートシー
ル部より更に上下端部寄りの部分において、線状
に全幅又は部分的にヒートシールされ、かつ前記
内袋と外袋とが、その上、下端においてそれぞれ
前記２条のヒートシール部間でミシン縫いにより
互いに連結、固定されていることを特徴とする。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して
詳細に説明するが、本考案はこれに限定されるも
のではない。

第１図は本考案の緩衝袋の一具体例を示した一
部欠載正面概略図で図中、記号１は内袋、２，
２′はヒートシール部、３は外袋、４は空気注入
弁、５はミシン縫い部を示す。

第１図において、内袋１は、強度、ガスバリヤ
ー性、ヒートシール性を兼ねそなえた、少くとも
２種類の合成樹脂材料からなる複合フイルム製筒
状体、例えば外層がポリアミド、内層がエチレ
ン・醋酸ビニール共重合体（EVA）あるいは外
層が塩化ビニール・塩化ビニリデン共重合体、内
層が低密度ポリエチレン又はEVAよりなる共押
出インフレーシヨン・チユーブ等からなつている
が、これは必ずしもインフレーシヨン法により製
膜されたものでなくてもよく、Ｔダイ法により共
押出製膜された複合フイルムシート、あるいは適
当な積層手段によりラミネートされた複合フイル
ムシートの両側端縁を重ね合せ、互いに接着して
得た筒状体であつてもよい。

本考案の緩衝袋においては、前記複合フイルム
製筒状体の上、下端部には、それぞれ全幅にわた
る２条のヒートシール部２，２′が設けられる
が、端部寄りのヒートシール部２′は必ずしも全
幅にわたる連続線でなくてもよく、点状、又は不
連続線状であつてもよい。なお、内袋１の端部、
すなわち該緩衝袋を荷物の間に挿入した時、空気
を入れ易い個所に空気注入弁４が取りつけられて
いる。

又、外袋３は、特に限定されないが、例えばポ
リオレフイン系の延伸テープの織布又はポリオレ
フイン系延伸テープを縦横両方向に互いに交叉す
るように並列させて積層接着したもの、あるい
は、角度の異なるように斜めの方向に延伸した複
数層のフイルムを積層してなる複合フイルム、更
には、一軸延伸した高密度ポリエチレンフイルム
を割膜し拡幅したもの（割繊維不織布）を縦横互
いに交叉するように積層接着したもの（例えば
「ワリフ」）等の強靭な素材に紙又は合成樹脂フイ
ルムを貼り合わせた複合シートよりなる。更に空
気の気体封入時に内袋１と外袋３とがずれないよ
うに上下端で内袋１とミシン縫い部５により固定
されるが、本考案の緩衝袋においては、内袋１と
外袋３とが、その上下端においてそれぞれ２条の
ヒートシール部２，２′間をミシン縫いされる。

このように本考案の緩衝袋は、内袋１の上、下
端部に、それぞれ２条のヒートシール部２，２′
を有し、内袋１と外袋３とを、その上、下端部に
おいてそれぞれ前記２条のヒートシール部間でミ
シン縫いされるものであるから、少くとも該ミシ
ン縫い部において内袋１のカールは発生せず、通
常のミシン縫い作業によつても、内袋１の一部が
外袋３と連結・固定されないという事故を確実に
防ぐことができる。

なお、２条のヒートシール部２，２′を設ける
代りに、内袋１の上下端縁にそれぞれ１条の幅広
のヒートシール部を設け、該ヒートシール部内を
それぞれミシン縫いして内袋１と外袋３とを連
結・固定しても均等な効果は得られるが、内袋１
の上、下端部の柔軟性の維持及びヒートシール部
は熱変性されているで、直接ミシンがけするとき
はこの部分から裂けるおそれがあるので２条のヒ
ートシール部２，２′を設けるのが望ましいこと
はいうまでもない。

なお、第２図に示すように、２条のヒートシー
ル部２，２′（第１図参照）を設ける代りに、内
側のヒートシール部２から内袋１の端面に向つて
節状のヒートシール部２″を設けてもよい。この
場合、ミシン縫い巾を考慮して、ミシン目が該ヒ
ートシール部２″にかゝらないようにするのが好
ましい。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案によれば、少くと
も２種類の異る合成樹脂材料からなる複合フイル
ム製内袋と強靭な素材製外袋の上、下端部を通常
のミシン縫作業により容易かつ確実に連結・固定
できる製造容易な緩衝袋を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す図面、第２図
は他の態様を示す図面である。 １……内袋、２，２′，２″……ヒートシール
部、３……外袋、４……空気注入弁、５……ミシ
ン縫い部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少くとも２種類の異る合成樹脂材料からなる複
   合フイルム製筒状体の上、下端部を全幅にわたつ
   てヒートシールした内袋と、強靭な素材製外袋と
   からなり、かつ前記内袋と外袋が上、下端におい
   て、前記内袋のヒートシール部よりそれぞれ端部
   寄りでミシン縫いにより互いに連結、固定されて
   いる緩衝袋において、前記内袋は前記ヒートシー
   ル部より更に上下端部寄りの部分において、線状
   に全幅又は部分的にヒートシールされ、かつ前記
   内袋と外袋とが、その上、下端においてそれぞれ
   前記２条のヒートシール部間でミシン縫いにより
   互いに連結、固定されていることを特徴とする緩
   衝袋。