JPS6242730B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として製鋼所の酸洗ライン、焼鈍
ラインなど、圧延された金属ストリツプ材の連続
加工のために、走行ストリツプ材と後続ストリツ
プ材とを突合せて溶接する場合に、溶接に先がけ
て両ストリツプ材の突合せ精度を確保するために
ストリツプ材端部をせつ断する方法及びそのせん
断装置に関する。

従来、先行・後行両金属ストリツプ材をTIG溶
接あるいはレーザ溶接等によつて接続する場合、
たとえば第１図に示すごとく、溶接機１内に設け
た入側移動クランプ装置２及び出側固定クランプ
装置３により、ライン上に連続的に送給されてく
る先行・後行両ストリツプ材の端部をそれぞれク
ランプした後、そのクランプ保持されたストリツ
プ材端部に、ラインサイドからせん断装置４を進
入させて、上・下切断刃７，８によつて上記端部
をせん断し、次いで片側の移動クランプ装置２を
前進させることにより、両ストリツプ材切断面を
互に突合せて、その突合せによつて形成された溶
接線上に溶接トーチ２７を走らせて溶接してい
る。

上記の溶接機には大ていギロチンシヤータイプ
かロータリシヤータイプのいずれかのせん断装置
が実用されてきた。これらのせん断装置４は、い
わずもがなライン上の金属ストリツプ材端部のせ
ん断位置へラインサイドから切断刃７，８を進入
させるために、俗にＣ形フレームと称される移動
台５がレール９上をローラ１１…などによつてガ
イドされラインを横切る方向からシリンダ１２等
で前進・後退するのが普通である。

この種の移動台つまりＣ形フレーム５は文字ど
おり片側が開いているため、切断時の強大な力に
耐えられるだけの剛性が必要となり、実際にはＣ
形フレームの上部開口端５ｃを、上記フレームと
対向させて、ラインサイドに設けた門形フレーム
６と支持ローラ６_１，６_２などに係合させて、切
断時に生じる反力を受けていた。

しかし、このような従来の方法及び構造では、
切断時に生じる反力だけはさけられるとしても、
せん断装置の移動用として用いられるローラ及び
レール等のガイド装置には強大なシヤーパワーが
直接掛るため、ガイド装置に対し強固な構造設計
を必要とする関係上、いきおいガイド装置を大
形、高価なものにし、なおそれでも切断時に生じ
るガイド装置の撓み等によつて切断精度のバラツ
キはさけられないという解決すべき大きな問題が
残つていた。

本発明は、上記の欠点を解決するもので、金属
ストリツプ材の終端と後続ストリツプ材の先端と
を溶接に先がけてせん断する場合に、上記Ｃ形フ
レームの上部先端と下部先端を、それぞれせん断
位置においてアームホルダによつて連結させるこ
とにより、その切断時の力を他のガイド装置には
掛らないように、Ｃ形フレーム内において吸収
し、上記ガイド装置を小形にすると共に、大形の
門形フレームを不要とし、かつ切断精度の向上に
資する金属ストリツプ材溶接端部せつ断方法及び
装置を提供する。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。本発明にかかる方法を実施するためのせん断
装置４は、第３図の例のごとく、移動用として用
いられるＣ形フレーム５の上部と下部とに切断刃
７，８を有し、一方の上刃７は上記フレーム５の
上部に固定されたシリンダ１３によつて上下動
し、他方の下刃８は上記フレーム５の下部に固定
されたシリンダ１４によつて上下動するようにな
つている。Ｃ形フレーム５は案内レール９の上を
ローラ１１…などでガイドされラインサイドから
せん断位置への走行と原位置復帰のための動作を
シリンダ１２等によつて与えられる。

以上のような主な構造は、第１図に示す従来の
せん断装置４と変わらないが、本発明は上記フレ
ーム５の上部先端５ａ及び下部先端５ｂとに相対
向してなるアームＡ及びＢを設けてこれを切断位
置において上記フレームと相対する側のラインサ
イドに設けたアームホルダ１５と係合させること
によつて、上記フレームの上・下先端を連結させ
て、せん断時の力を移動フレーム内にて吸収させ
ようとするものである。

第４図は、上記Ｃ形フレームの上記先端５ａと
下部先端とを連結する方法の一例で、同図は、上
記アームＡ及びＢとアームホルダ１５との結合状
態を具体的に示す実施例である。両アームＡ，Ｂ
の先端には、略Ｌ形屈折部１６が形成されてい
る。この屈折部１６は、Ｃ形フレームがせん断位
置に達したときに、上記ホルダ１５の内側に形成
された略コの字形溝１７に、紙面垂直方向から入
り込み、自動的に上記アームＡ，Ｂとアームホル
ダ１５とが結合する仕組になつている。このアー
ムホルダとＣ形フレーム５とはライン中心線に関
して対称に設けられていて、このアームホルダ１
５はラインサイドに設けられたホルダ支持材１９
によつて上・下対称に支持されている。そしてこ
のホルダ１５の中間位置には、上記コの字形溝１
７と上記屈折部１６とのなじみをよくするため、
上記ホルダの取付け位置を上記アームＡ，Ｂの屈
折部１６の高さに応じて容易に調節できるような
調整手段１０が設けられている。この位置調整手
段１０は、第５図の例のごとく、本体ケース２０
がホルダ支持材１９に位置固定されていて、上記
ケースの上・下に形成された凹部２１には、コイ
ルスプリングあるいは皿バネなどの弾発材２２に
よつて出沈するピン２４が挿入してある。そして
このピン２４とアームホルダ１５との間に介在さ
せた挿入片２５は、アームホルダ１５に螺着させ
た調整ネジ２６を任意に廻すことによつて出し入
れができるようになつている。したがつて調整ネ
ジ２６によつてアームホルダ１５を上記屈折部１
６となじみよく結合する高さに合わせることがで
きる。

次に、本発明にかかるせん断装置の動作につい
て説明する。

ライン上に連続して送給されてくる先行ストリ
ツプ材と後続ストリツプ材を、それぞれ固定クラ
ンプ装置３及び移動クランプ装置２によつてクラ
ンプし、そのクランプ位置から両ストリツプ材を
わずかに突き出させる。次にせん断装置のＣ形フ
レーム５をシリンダ１２によつてラインを横切る
方向からレール９にそつて移動を開始し、所定の
せん断位置に進入させる。かくしてせん断位置に
おいて、Ｃ形フレームの上・下先端に備えたアー
ムＡ及びＢは、アームホルダ１５と係合してＣ形
フレーム５の上部先端と下部先端とを完全に連結
させる。そしてこの状態から上刃７、下刃８とも
シリンダ１３，１４で動作し、両ストリツプ材端
材はクランプ状態のまません断される。せん断を
完了すると、Ｃ形フレーム５を原位置に復帰させ
る方向にせん断位置から後退させてアームＡ及び
Ｂともアームホルダ１５から離脱してＣ形フレー
ムの上・下先端を元のように開放させる。次に、
移動クランプ装置２が前進し、先・後行両ストリ
ツプ材の切断面をストリツプ巾全長にわたつてギ
ヤツプを規定寸法又はゼロの状態に突合せる。

その後、溶接トーチ２７が上記の突合せ溶接線
上の溶接スタート点から駆動され、同時に溶接が
開始される。このようにして、溶接を完了する
と、両クランプ装置２，３は開放され、金属スト
リツプ材は搬送され、両び各装置を次の操作に備
えて待期させる。

以上、本発明によれば、先行ストリツプ材の終
端と後端ストリツプ材の先端とを溶接に先がけて
せん断する場合、せん断装置を金属ストリツプ材
のせん断位置へ進入させるだけで、そのＣ形フレ
ームの上部先端と下部先端とは自動的にせん断位
置において連結されるから、せん断時にはＣ形フ
レームから四角形フレームへとそのフレーム構造
は強固なものに容易に変化させることができ、し
かもせん断時に生じるシヤーパワーを上記の四角
形フレーム内で効果的に吸収することができるの
で、従来のように門形フレームの移動用ガイド装
置にシヤーパワーが直接掛るという問題やガイド
装置に生じる撓みなどの厄介な門題をことごとく
解決することができる。

したがつて、Ｃ形フレームの移動用として用い
られるガイド装置には、移動のためにのみ必要な
条件を備えるだけで良く、もはやシヤーパワーを
受けるために必要な構造設計は無用になり、ガイ
ド装置の構造を大幅に簡素化し、また従来の門形
フレームを不要とするほか、TIG溶接やレーザ溶
接に必要なせん断精度を向上させて溶接品質向上
に通じる完全なる突合せ状態を得ることがきるな
ど、多くの優れた作用効果を発揮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、金属ストリツプ材接続用溶接機に使
用される従来型せん断装置の概略側面図。第２図
は、従来型せん断装置の移動台として使用される
Ｃ形フレームを、ライン上のせん断位置に進入さ
せて門形フレームと係合させた状態の一例を示す
正面図。第３図は、本発明にかかるせん断装置
を、金属ストリツプ材接続用溶接機に使用した場
合の一例を示す側面図。第４図は、本発明せん断
装置のＣ形フレームの上部先端と下部先端とをせ
ん断位置においてアームホルダによつて連結した
場合の一例を示す要部拡大正面図。第５図は、ア
ームホルダの位置調整手段の具体的な一例を示す
要部断面図である。 〔符号の説明〕、４……せん断装置、５……Ｃ
形フレーム、５ａ……上部先端、５ｂ……下部先
端、１５……アームホルダ、Ａ，Ｂ……アーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ライン上に連続的に送給されてくる先行スト
   リツプ材と後行ストリツプ材との、相対向する両
   端部のせん断位置に、ラインを横切る方向からせ
   ん断装置を前進させて、両ストリツプ材端部を溶
   接に先がけてせん断する場合に、当該せん断装置
   の移動用として用いられるＣ形フレームの、上部
   先端と下部先端とを上記せん断時に連結させるこ
   とにより、切断時の力を上記フレーム内において
   吸収するようにした金属ストリツプ材溶接端部せ
   ん断方法。 ２ 先・後関係にて送給されてくる金属ストリツ
   プ材の走行ラインにＣ形フレームを横切る方向か
   ら前進させ、このフレームに支持された一対の切
   断刃によつて、ライン上でクランプ保持された両
   ストリツプ材端部をせつ断するせん断装置におい
   て、上記フレームの上部先端と下部先端とにアー
   ムＡ及びＢを相対向させて設置し、これら両アー
   ムを、上記フレームと相対する側のラインサイド
   に位置固定させたアームホルダに係脱自在にした
   ことを特徴とする金属ストリツプ材溶接端部せん
   断装置。