JPS6242639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシヤフトドライブ式自動二輪車におけ
るフアイナルギヤ機構のシール構造に関する。

自動二輪車において、同種機種であつても例え
ば排気量が異なる場合、その排気量に応じた幅の
タイヤを用いる必要があり、タイヤ幅が変わるこ
とによつてリヤフオークをタイヤ幅に応じたもの
に変えなければならない。特にシヤフトドライブ
式自動二輪車にあつては、実開昭51−87853号公
報の第１図に示された如く、フアイナルギヤ機構
のギヤ、ベアリングをホコリ等から保護する目的
で、フアイナルギヤ機構を収納してリヤフオーク
に取り付けられたギヤケースとリヤホイールとの
間にいわゆるラビリンスシールを設けているが、
上述の如くリヤフオークの相互間隔が変わること
によつて車体中心に対するプロペラシヤフト位置
が変わりラビリンスシール構造を維持できなくな
るためリヤホイールの形状をも変えなければなら
ない。すなわち、従来は、同種機種であつてもプ
ロペラシヤフト位置の異なるものを用いた場合リ
ヤホイールの形状をも変えなければ所望のシール
構造が得られなかつた。

そこで、本考案は同種機種間においてリヤホイ
ールを共用できるようにしたフアイナルギヤ機構
のシール構造を提供することを目的とする。

この目的を達成するために、本考案によるフア
イナルギヤ機構のシール構造は、リヤホイールか
らアクスルの軸方向に突出した環状突出部と、こ
の環状突出部と半径方向において非接触状態で対
向するようにギヤケースから該軸方向に突出した
環状プレートとからなり、環状プレートがギヤケ
ースに対して着脱自在に設けられると共に、上記
環状突出部及び環状プレートが各々所定の突出長
を有し、リヤフオークの相互間隔に応じて環状突
出部と環状プレートとの対向長さが定まるように
なされている。

以下、図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。図において、リヤフオーク１は車体フレーム
２に対して揺動自在に支持され、一方のパイプ１
ａ内にシヤフトドライブ機構３を構成するユニバ
ーサルジヨイント４、プロペラシヤフト５等が収
納されている。プロペラシヤフト５の終端にはピ
ニオンジヨイント６を介してベベルギヤ７及びス
パイラルベベルギヤ８の組み合せからなるフアイ
ナルギヤ機構９が結合している。フアイナルギヤ
機構９はリヤフオーク１に取り付けられたギヤケ
ース１０に収納され、ギヤケース１０の内側開口
部にはギヤケースカバー１１がボルト締めされて
いる。

リヤフオーク１の他方のパイプ１ｂとギヤケー
ス１０とにより支持されたアクスル１２にはベア
リング１３，１３を介してリヤホイール１４が回
転自在に取り付けられている。リヤホイール１４
はギヤケース１０側に設けられたカラー１５及び
リヤフオーク１の他方のパイプ１ｂ側に設けられ
たスペーサ１６によつて車体中心に対する位置決
めがなされている。フアイナルギヤ機構９におい
て、スパイラルベベルギヤ８は一体的に設けられ
たシヤフト１７及びベアリング１８，１９を介し
てギヤケース１０、ギヤケースカバー１１に対し
回転自在に取り付けられており、リヤホイール１
４にボルト締めされかつ上記シヤフト１７にスプ
ライン嵌合したフランジ２０を介してリヤホイー
ル１４を駆動する。

リヤホイール１４にはアクスル１４の軸方向に
突出した環状の突出部２１が形成され、ギヤケー
スカバー１１には突出部２１の外周と半径方向に
おいて非接触状態で対向する環状のダストガード
プレート２２が着脱自在にボルト締めされてお
り、突出部２１とダストガードプレート２２とに
よつていわゆるラビリンスシールを構成し、フア
イナルギヤ機構９とリヤホイールの間へのホコリ
等の混入を防止している。突出部２１及びダスト
ガードプレート２２はプロペラシヤフト５の位置
に応じてリヤフオーク１の相互間隔（パイプ１ａ
とパイプ１ｂとの間隔）が変わつた場合でも、互
いの対向長さが変化することでリヤホイール１４
を変えなくてもラビリンスシール構造を維持し得
るような突出長を互いに有している。すなわち、
リヤフオーク１の相互間隔に応じて突出部２１と
ダストガードプレート２２との対向長まが定まる
ようになつている。第１図には、車体中心とプロ
ペラシヤフト中心との距離が最大の場合が示され
ており、突出部２１とダストガードプレート２２
との対向長さは最小となつている。これに対し、
第２図には車体中心とプロペラシヤフト中心との
距離が最小の場合が示されており、上記対向長さ
は最大となつている。

すなわち、第２図において、車体中心とプロペ
ラシヤフト中心との距離が狭くなつたことによ
り、プロペラシヤフト位置に応じた相互間隔のリ
ヤフオーク１′が用いられるが、カラー１５′及び
スペーサ１６′の寸法を縮少しかつフランジ２
０′の傾斜角を変えるのみでリヤホイール１４を
共用できかつラビリンスシール構造も維持できる
のである。

また、ダストガードプレート２２はギヤケース
カバー１１に着脱自在にボルト締めされているの
で、突出部２１とダストガードプレート２２とが
対向し得ない程にパイプ１ａと１ｂとの相互間隔
が拡がつたリヤフオーク１が用いられる場合に
は、突出部２１と互いに対向し得る突出長さを有
したダストガードプレート２２をギヤケースカバ
ー１１に付け替えるだけでラビリンスシール構造
を維持できるのである。

以上のように、本考案によれば、リヤホイール
にアクスルの軸方向に突出した環状突出部を設
け、フアイナルギヤケース側にはこの環状突出部
と半径方向において非接触状態で対向するように
環状プレートを着脱自在に設け、リヤフオークの
相互間隔に応じて環状突出部と環状プレートとの
対向長さが定まるように構成したので、同種機種
間においてプロペラシヤフト位置が異なることに
伴い、リヤフオークの相互間隔が変わつてもリヤ
ホイールを共用できると共にシール構造も良好に
維持できることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す断
面図であり、第１図は車体中心とシヤフト中心と
の距離が最大の場合、第２図は車体中心とシヤフ
ト中心との距離が最小の場合をそれぞれ示してい
る。 主要部分の符号の説明、１，１′……リヤフオ
ーク、３……シヤフトドライブ機構、４……ユニ
バーサルジヨイント、５……プロペラシヤフト、
９……フアイナルギヤ機構、１０……ギヤケー
ス、１２……アクスル、１４……リヤホイール、
１５，１５′……カラー、１６，１６′……スペー
サ、２０，２０′……フランジ、２１……突出
部、２２……ダストガードプレート、２３，２
３′……タイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フアイナルギヤ機構を収納してリヤフオークに
   取り付けられたギヤケースと前記リヤフオークに
   支承されたリヤホイールとの間において、前記リ
   ヤホイールからアクスル軸方向に突出した環状突
   出部と、前記環状突出部と半径方向において互い
   に非接触状態で対向するように前記ギヤケースか
   ら該軸方向に突出した環状プレートとからなるシ
   ール構造であつて、前記環状プレートは前記ギヤ
   ケースに対して着脱自在に設けられると共に、前
   記環状突出部及び環状プレートは各々所定の突出
   長を有し、前記リヤフオークの相互間隔に応じて
   前記環状突出部と前記環状プレートとの対向長さ
   が定まるようになされたことを特徴とするフアイ
   ナルギヤ機構のシール構造。