JPS6242557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は板部材を立設支持する支持装置に関す
るものである。

一般に電気機器ではブリント回路基板（以下、
PC板と称する）等の板部材をシヤーシ基板に対
して立設支持することがあり、このための支持装
置が各種提案されている。第１図は従来の支持装
置の一例を示し、角ステム状に形成した装置１は
その下端にシヤーシ基板２への係合部３を有し、
その略全長にわたつてPC板支持部４を有してい
る。つまり、係合部３はフアスナ部５と、これに
対向する舌片部６とで構成し、シヤーシ基板２に
形成した取付穴２ａに差し入れたときにシヤーシ
基板２をフアスナ部５と舌片部６とで挾持し、こ
れにより支持装置１自身が立設支持されるように
なつている。また、PC板支持部４はその長さ方
向にわたつて溝７を開設し、この溝７にPC板８
の一側縁を差し入れることによりPC板８を立設
支持することができるのである。

ところで、従来のこの種の装置は合成樹脂材等
を一体成形して製造しているが、この際の成形型
の離型を可能とするために、係合部３のフアスナ
部５と舌片部６は溝７の開設方向と同一方向に離
型する構成、換言すればフアスナ部５の弾性片５
ａと舌片部６の各片６ａを溝７の開設方向と直角
な方向に突出させた構成としている。このため、
係合部３は各片５ａ，６ａが突出していない方
向、つまり溝７の開設方向の支持力が弱くてこの
方向に揺動され易くなり、揺動されたときにPC
板８の一側縁が溝７から外れてPC板の支持が不
完全なものになるという問題がある。

本考案は以上に鑑みなされたもので、板部材の
一側縁を支持する溝を、溝の開設方向と直角な方
向に対向しかつ長手方向には重なることのない複
数個の案内片にて形成する一方、係合部は溝の開
設方向に沿つて係合片を突設し、これにより支持
装置の溝開設方向の揺動を防止して板部材の支持
を強固なものにするとともに、一体成形による製
造を可能にした支持装置を提供することを目的と
している。

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第２図は本考案の支持装置を示しており、支持
装置１０は合成樹脂材等を一体成形することによ
り製造されている。この支持装置１０は全体を角
ステム状とし、その下端に係合部１１を設けると
ともにその略全長にわたつて板部材（本例では
PC板）８の支持部１２を形成している。この支
持部１２は支持装置の長さ方向にわたつて形成し
た溝１３を有し、前記PC板８の一側縁８ａに嵌
合してPC板を支持することができる。この溝１
３は、本例では溝の開設方向に直角な方向に対向
配置した３個の案内片１４，１５，１６にて仮想
的に、つまり各案内片１４，１５，１６の対向方
向の間隙δを溝１３として形成している。また、
各案内片１４，１５，１６はその対向方向におい
て長さ方向には重ならないよう配設し、対向方向
の離型を可能にしている。１４ａ，１５ａ，１６
ａは各案内片１４，１５，１６の内側上縁に形成
したテーパで、PC板８の上方からの嵌入を容易
にするものである。

一方、係合部１１は、前記溝１３の開設方向に
沿つて夫々係合片１７，１８を突設している。係
合片１７は略真直な形状に形成するとともにその
外辺には凹部１７ａと、これよりも巾広状態に形
成した段部１７ｂとを形成している。また、他方
の係合片１８は略し字状に形成し、その外辺には
前記凹部１７ａ、段部１７ｂに対応する凹部１８
ａと段部１８ｂを形成している。なお、前記各係
合片１７，１８はその材質により溝開設方向に弾
性変形することができる。また、段部１７ｂ，１
８ｂは厚さの大きなシヤーシ基板のときに有効で
ある。

以上の構成によれば、第３図に合わせて示すよ
うに、支持装置１０の係合部１１をシヤーシ基板
２に形成した取付穴２ａに係合させることによ
り、支持装置１０をシヤーシ基板２上に立設する
ことができる。即ち、先ず係合片１７の凹部１７
ａをシヤーシ基板２の取付穴２ａ内縁に当てが
い、次に係合片１８を穴２ａ内に圧入させること
により係合片１８の凹部１８ａが取付穴２ａの対
向する内縁に嵌合し、各係合片１７，１８がその
弾性力にて取付穴２ａ内縁に圧接した状態で支持
される。このようにして支持装置１０を立設し、
これをPC板８の巾寸法に合わせて一対立設した
後（他方は図示せず）に支持部１２の溝１３内に
PC板８の一側縁を上方から挿入する。PC板８は
一側縁を８ａ対向する案内片１４，１６と１５に
より厚さ方向に挾持されその倒れが防止されて立
設状態に支持されることになる。また、PC板８
は、支持装置１０自身が係合片１７と１８の作用
により溝開設方向の倒れが防止されていることか
ら、その一側縁が支持装置１０から外れることも
なく、安定に保持される。なお、支持装置１０の
倒れは支持部１２の基端に設けた補強部１９や突
部２０によつても抑制することができる。

ここで、本例はPC板を支持する例に述べてい
るが、他の用途に使用する板部材でも同様にして
支持することができる。

以上のように本考案の支持装置によれば、板部
材を支持させる溝を溝の開設方向と直角な方向に
対向する複数の案内片にて形成し、かつ係合部の
係合片を前記開設方向に突設しているので、支持
装置が板部材の支持を不能とする方向へ倒れるこ
とを防止して板部材の支持を確実なものとする一
方、一体成形により製造した場合にも溝の開設方
向と直角な方向へ離型することができ、その製造
を容易なものにするという効果も奏する。また、
一対の係合片は弾性を付与されるとともに、夫々
には異なる巾寸法の凹部が形成されているので、
異なる厚さのシヤーシの穴に対しても係合させる
ことができ、支持装置の実装の自由度が向上でき
る効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の支持装置の斜視図、第２図は本
考案の支持装置の斜視図、第３図は取付状態の破
断正面図である。 ２……シヤーシ基板、２ａ……取付穴、８……
PC板、１０……支持装置、１１……係合部、１
２……支持部、１３……溝、１４，１５，１６…
…案内片、１７，１８……係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤーシ基板等に開設した穴に係合して立設支
   持される係合部と、この係合部と一体に形成され
   支持すべき板部材の一側縁を嵌入させる長手方向
   に形成した溝を有する支持部とを備え、前記溝は
   その開設方向と直角な方向に対向しかつ長手方向
   には重ならない複数個の案内片にて構成し、前記
   係合部は前記溝の開設方向に対向する一対の係合
   片にて構成し、これら係合片は一方を略真直に他
   方を略し字状に形成して夫々に対向方向の弾性を
   付与するとともに、各係合片の外側には夫々巾寸
   法の異なる複数の凹部を形成し、これら凹部を選
   択して異なる厚さのシヤーシの穴に係合させるよ
   うに構成したことを特徴とする板部材の支持装
   置。