JPS6241953B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は逆圧式液体充填機の液体制御装置に関
する。

逆圧式液体充填機において固定された充填バル
ブによつて充填する方式は、充填バルブがフイラ
ボールの下部又は側部に固定されているため炭酸
ガス等を含有した液体特にビール等の酸化性液体
ではその上部の空気層からエヤーを吸収し品質を
低下せしめると共に特にフイラボールの回動が急
停止した際には液体が慣性で撹乱し発泡の原因と
なる欠陥がある。

そこで実公昭49〜18999号公報に見られるよう
に中心部に液体収容室を設け液体を各充填バルブ
にチユーブで分配する方式が知られており、この
方式はエヤーとの接触面積を低減すると共に液体
の慣性力の影響を避けるのに有効ではあるが、液
体供給室に対する液体の補給が液体供給室下方か
らの上向き導管によつて行われているため流入液
体が撹拌され含有する炭酸ガスを分離したり気泡
を発生したりすると共に各充填バルブへの分配チ
ユーブ内の乱流も助長し充填時の発泡の原因とな
る欠陥がある。

更に同様の方式として特公昭49〜14706号公報
に見られるように遊離ガス処理室を設けて遊離ガ
スと液体を混合して供給側に返流することも知ら
れているが、この方式も前記と同様に液体に乱流
が起る欠陥は改善されていないばかりか、面倒な
還流装置が必要であると共に液体が余分な接触面
を有することになり衛生上も好ましくない欠陥が
ある。

本発明はこのような欠陥を改善するようにした
もので、充填装置の頭部に昇降自在に設けた充填
バルブ室を充填容器に当接し液体供給装置から充
填バルブ室に供給された液体を充填するようにし
た逆圧式液体充填機において、中心部に形成され
た流体通路の下部を差圧制御装置で制御される圧
送ポンプ及び給液バルブを介して充填液体タンク
に連通せしめると共に流体通路の上部は前記差圧
制御装置と連動して作動する加圧ガス制御バルブ
を介して加圧ガス供給装置に連通せしめ、また流
体通路の周囲には断面円形の環状液体分配器を設
け、該液体分配器の上部を流体通路の上部に、下
部をその接線方向に設けた分岐管を介して流体通
路の下部に夫々連結して液体分配器内を上部の少
量の加圧ガス収容層と下部の大部分を占める充填
液体収容層に形成し、更に液体分配器下部を液体
供給チユーブを介して充填バルブ室に連結したこ
とを要旨とするものである。

本発明の実施例を図面について説明すると、上
下の固定管１，１間に嵌着し図示されていない適
宜の回動機構で回動される軸筒２はその内部が前
記固定管１，１の内部と連通して流体通路ａを形
成すると共に軸筒２の周囲にはこれと一体的に設
けられた断面円形の環状液体分配器３が設けら
れ、該液体分配器３はその垂直断面の接線方向に
延設されかつ軸筒２に放射状に設けられた分岐管
４で流体通路ａと連通されている。

前記下部固定管１の下部は差圧制御装置５で制
御される圧送ポンプ６及び給液バルブ７を介して
充填液体タンク８に接続されると共に上部固定管
１の上部は前記差圧制御装置５と連動して作動す
る加圧ガス制御バルブ９を介して図示されていな
い加圧ガス供給装置に連結され、また液体分配器
３の上部は上部固定管１と軸筒２の嵌着部におい
て流体通路ａに加圧ガス供給パイプ１０で連結さ
れ、前記差圧制御装置５の制御によつて液体分配
器３内を大部分を占める充填液体収容層ｂとその
上部の少量の加圧ガス収容層ｃとに形成してい
る。

また上部固定管１の周囲には図示されていない
加圧エヤー供給装置と連結した加圧エヤー室１１
とバキユームポンプ１２と連結したバキユーム室
１３とが夫々固定され、更に軸筒２には充填装置
１４の保持円盤１５が一体に回動するように取付
けられている。

前記充填装置１４は大別して保持円盤１５に固
定された充填頭部１６と該充填頭部１６に対して
昇降自在の円筒状の充填バルブ室１７と、該充填
バルブ室１７を昇降する昇降機構１８とより構成
されている。

前記充填頭部１６には加圧ガス供給用の段付透
孔１９と、その下部のピストン２０を嵌装した密
閉状態のシリンダー２１とが設けられ、前記透孔
１９の上端は二分され加圧ガス切換弁２２を介し
てその一方は環状の加圧ガス分配器２３に、他方
は環状のスニフト室２４に夫々連通されると共に
透孔１９は中程部にも脱気切換弁２５が設けられ
ており透孔１９を環状の吸引エヤー収容器２６と
切換自在に形成している。

しかして前記加圧ガス分配器２３は加圧ガス供
給パイプ１０に、吸引エヤー収容器２６は前記バ
キユーム室１３に夫々パイプ２７，２８で連結さ
れ、また前記スニフト室２４は下部固定管１の周
囲に設けられたスニフト導入室２９にパイプ３０
で連結され、更に該スニフト導入室２９はパイプ
３１で大気と連通している。

前記シリンダー２１の下部は切換バルブ３２を
介してシリンダー２１上部と大気とに切換自在に
連通され、またシリンダー２１上部はパイプ３３
を介して加圧エヤー室１１に連結されている。

前記ピストン２０に固着されかつ上端を前記段
付透孔１９に上下摺動自在に嵌着したピストンロ
ツド３４の下端には充填バルブ室１７が固定され
ピストンロツド３４に穿設された通孔３５で段付
透孔１９と充填バルブ室１７とを連通せしめると
共に該ピストンロツド３４は充填頭部１６に設け
られた昇降機構１８で上下昇降自在に形成されて
いる。

即ち昇降機構１８は充填頭部１６に固定された
支持枠３６と該支持枠３６に軸支されたピストン
ロツド３４を支持する昇降レバー３７と屈曲部を
支持枠３６に軸着した屈曲レバー３８とより構成
され、屈曲レバー３８は発条３９で時計廻り方向
に附勢されると共にその長尺アーム末端に設けら
れたローラー４０はカム軌条４１で規制され、短
尺アーム先端のコロ４２は昇降レバー３７に穿設
された円弧状案内孔４３に嵌合している。

従つて充填頭部１６が回動して屈曲レバー３８
のローラー４０をカム軌条４１で上下に規制する
ことによりピストンロツド３４を上下昇降できる
ように形成されている。

前記充填バルブ室１７の上部接線方向には充填
液体供給孔４４が設けられ、該充填液体供給孔４
４は自在接手４５，４５及び液体供給チユーブ４
６を介して液体分配器３の下部と連結されると共
に充填バルブ室１７の内部には充填孔４７を開閉
するフローバルブ４８が発条４９で常時は開放状
態を保持するように設けられ、更に内部中心部に
は前記通孔３５と連通するベントチユーブ５０が
発条５１で下方に附勢されるように設けられてい
る。

しかして前記フローバルブ４８とベントチユー
ブ５０にはダブル作動杆５２に設けられたカム５
３，５３が夫々同時に係合自在に形成され、ダブ
ル作動杆５２のカム５３，５３がフローバルブ４
８とベントチユーブ５０の係合時においてはフロ
ーバルブ４８は閉塞されベントチユーブ５０は上
昇位置に保持さされ、係合が解除されるとフロー
バルブ４８は発条４９により開放されベントチユ
ーブ５０は発条５１によつて下降突出する。

なお図中５４は充填バルブ室１７の下縁に設け
た充填容器Ａ口縁の当接するシールパツド、５５
は加圧ガス切換弁２２の作動装置、５６は加圧ガ
ス切換弁２２の案内軌条、５７は脱気切換弁２５
の作動カム、５８は切換バルブ３２の作動装置、
５９は切換バルブ３２の案内軌条、６０はダブル
作動杆５２の作動装置、６１はダブル作動杆５２
の案内軌条である。

本発明実施例は上記のように構成されているか
ら、切換バルブ３２でシリンダー２１のピストン
２０の上下部が連通状態において昇降機構１８が
カム軌条４１で規制され昇降レバー３７で支持さ
れているピストンロツド３４を下降し充填バルブ
室１７のシールパツド５４が充填容器Ａ口縁に当
接すると、先づ脱気切換弁２５が作動カム５７で
作動して段付透孔１９を吸引エヤー収容器２６に
連通せしめ充填容器Ａ内をエヤー収容器２６に連
通せしめ充填容器Ａ内のエヤーはバキユームポン
プ１２でベントチユーブ５０、通孔３５、段付透
孔１９、吸引エヤー収容器２６、パイプ２８及び
バキユーム室１３を介して脱気される。

次いで脱気切換弁２５が元に復帰すると、加圧
ガス切換弁２２が作動装置５５で作動して段付透
孔１９を加圧ガス分配器２３に連通せしめてパイ
プ２７及び加圧ガス供給パイプ１０を介して充填
容器Ａ内を加圧して液体分配器３内と同圧にする
と同時に切換バルブ３２が作動装置５８で作動し
てシリンダー２１のピストン下部を大気に連通せ
しめピストン２０をピストン上部の加圧エヤーで
加圧しピストンロツド３４を介して充填バルブ室
１７を充填容器Ａに加圧する。

次にダブル作動杆５２が作動装置６０で作動し
てそのカム５３，５３がベントチユーブ５０及び
フローバルブ４８の係止を解除してベントチユー
ブ５０を充填容器Ａ内に突出せしめると同時にフ
ローバルブ５０を開放して充填バルブ室１７の液
体を充填孔４７から充填容器Ａに充填する。

充填が行われ充填容器Ａの液面レベルがベント
チユーブ５０を閉じ充填容器Ａ上部の気体圧と液
体圧が釣合い液面が液体分配器３の液面まで上昇
して液体の流下が停止すると、ダブル作動杆５２
は復帰してベントチユーブ５０を上昇させると共
にフローバルブ４８は閉鎖してベントチユーブ５
０内の液体は充填容器Ａ内に自然落下する。

その後加圧ガス切換弁２２が切換えられ段付透
孔１９をスニフト室２４、パイプ３０、スニフト
導入室２９及びパイプ３１を介して大気に連通せ
しめて充填容器Ａを常圧にすると共に切換バルブ
３２も切換えられてシリンダー２１のピストン２
０上下部を連通し充填バルブ室１７の充填容器Ａ
に対する加圧作用を解除した後、昇降機構１８に
よりピストンロツド３４を上昇し充填バルブ室１
７を充填容器Ａより離反せしめて充填作用は終了
するものである。

しかして充填バルブ室１７に対する充填液体の
供給は充填液体タンク８から下部固定管１及び分
岐管４を介して液体分配器３にその接線方向から
整流されながら給送され、更に該液体分配器３か
ら液体供給チユーブ４６によつて充填バルブ室１
７の上部接線方向から一定方向の整流として供給
されるものであり、この場合差圧制御装置５は加
圧制御バルブ９を制御し液体分配器３内の水頭圧
を常に一定の加圧状態に制御保持するものであ
る。

本発明は逆圧式液体充填機において充填バルブ
室に充填液体を給送する液体分配器を、断面円形
の環状に形成すると共に該室内を差圧制御装置に
よつて大部分を占める液体収容層と上部の極く少
量の加圧ガス収容層に形成するように、自動的に
制御するようにしたので、液体分配器内における
ビール等の酸化性液体への加圧エヤーの吸収を可
及的に防止することができ、また前記液体分配器
への充填液体の供給もその接線方向に設けられた
分岐管で行われるので、充填液体は一定方向の回
転整流となつて乱流を起すことなく液体分配器内
に流入し、従来のような乱流による炭酸ガス等の
分離及び発泡を阻止してビール等の酸化性液体を
品質を低下させることなく充填ができ、更に加圧
ガスの消費量も低減することができる優れた特徴
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の縦断正面図、第２図は
同要部の側面図、第３図は同要部の横断平面図で
ある。 ２……軸筒、３……液体分配器、４……分岐
管、５……差圧制御装置、６……ポンプ、７……
給液バルブ、８……充填液体タンク、９……加圧
ガス制御バルブ、１４……充填装置、１６……充
填頭部、１７……充填バルブ室、１８……昇降機
構、４６……液体供給チユーブ、Ａ……充填容
器、ａ……流体通路、ｂ……充填液体収容層、ｃ
……加圧ガス収容層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 充填装置の頭部に昇降自在に設けた充填バル
   ブ室を充填容器に当接し液体供給装置から充填バ
   ルブ室に供給された液体を充填するようにした逆
   圧式液体充填機において、中心部に形成された流
   体通路の下部を差圧制御装置で制御されるポンプ
   及び給液バルブを介して充填液体タンクに連通せ
   しめると共に流体通路の上部は前記差圧制御装置
   と連動して作動する加圧ガス制御バルブを介して
   加圧ガス供給装置に連通せしめ、また流体通路の
   周囲には断面円形の環状液体分配器を設け、該液
   体分配器の上部を流体通路の上部に、下部をその
   接線方向に設けた分岐管を介して流体通路の下部
   に夫々連結して液体分配器内を上部の少量の加圧
   ガス収容層と下部の大部分を占める充填液体収容
   層に形成し、更に液体分配器下部を液体供給チユ
   ーブを介して充填バルブ室に連結した液体制御装
   置。