JPS6246433B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は逆圧式液体充填バルブの改良に関す
る。

従来の技術 炭酸飲料等のガス含有液体を充填する逆圧式液
体バルブにおいては、充填前の容器内の大気エヤ
ーの排除と充填時の容器からの戻りガスを排出す
るためにフローバルブの開閉の外に加圧ガスバル
ブ、ベントバルブ及びスニフトバルブを操作しな
ければならず、各バルブの作動機構が別個で複雑
であると共にその作動タイミングの調整操作も面
倒でトラブルの原因ともなつており、更に加圧ガ
スを給排するベント通路が液体タンクに連通して
いる方式においては、容器内に最初からある大気
エヤーと液体充填タンクの炭酸ガスとの混合圧下
で充填が行われること及び充填時容器内の混合ガ
スが液体充填タンク内に戻るために充填液にエヤ
ーが吸収される欠陥がある。

発明が解決しようとする問題点 本発明は従来の逆圧式液体充填バルブにおける
これらの欠陥を改善し、特にフローバルブ、加圧
ガスバルブ及びベントバルブの開閉を同一の制御
杆で行うようにしてこれら各バルブ間の作動タイ
ミングを確実にすると共に作動機構及び調整操作
を簡易にするようにしたものである。

実施例 本発明の実施例を図面について説明すると、上
部に環状の充填液タンク１を設けた支持盤２には
充填液タンク１の底部と連通した液体流通孔３が
充填液タンク１の外側に位置するように垂直に設
けられ、該液体流通孔３の上部にはベントバルブ
筒体４が、また下部には充填バルブ筒体５が対す
るように夫々固着されると共に充填バルブ筒体５
の周側部の対向位置にはスニフト導通孔６及び切
欠部２８′と加圧ガス導通孔７が設けられ、更に
充填バルブ筒体５の外周部には下部に容器シール
部材８を有しかつ昇降機構９で上下摺動自在の摺
動筒１０が嵌着されている。

前記昇降機構９は、軸１１に支持されて摺動筒
１０を支承する支持アーム１２と、該支持アーム
１２の上部における機枠に軸着されかつ基部にガ
イドローラー１３を有する作動レバー１４と、該
作動レバー１４を上方に附勢する発条１５と、作
動レバー１４先端のコロ１６が嵌合する支持アー
ム１２に穿設された円弧状長孔１７とから構成さ
れており、充填時には作動アーム１２が発条１５
によつて摺動筒１０を下降せしめてその容器シー
ル部材８を容器口縁に密着せしめ、また充填終了
後はガイドローラー１３に圧接するカム軌条１８
が作動レバー１４を押圧することによりコロ１６
を介して支持アーム１２を反時計廻り方向に回動
して摺動筒１０を口縁から扛上するように形成さ
れている。

前記スニフト導通孔６の上端は支持盤２に設け
られたスニフト誘導孔１９及び該スニフト誘導孔
１９に設けられたスニフトバルブ２０を介して支
持盤２内側のスニフトチヤンバー２１に連結さ
れ、該スニフトチヤンバー２１は排出パイプ２２
を介して室外の大気と連通しており、またスニフ
ト導通孔６の下端は摺動筒１０内に形成された押
圧室２３に開口し、更に切欠部２８′を介して容
器側と連通している。

前記加圧ガス導通孔７の上端は支持盤２の加圧
ガス誘導孔２４及び充填液タンク１の下部の加圧
ガスチヤンバー２５を介して充填液タンク１の気
相部に連結管２６で連結されると共に前記加圧ガ
ス誘導孔２４には加圧ガスバルブ２７が開閉自在
に設けられており、一方加圧ガス誘導孔７の下端
は充填バルブ筒体５の下端に設けたスプレツダー
２８の側部に開口している。

前記摺動筒１０の下端部の加圧ガス誘導孔７の
反対側には先端に引掛凹部２９を有するピン３０
が進退自在に螺着され、前記引掛凹部２９にはス
プレツダー２８及び充填バルブ筒体の切欠部２
８′に間隙をおいて嵌合しかつ嵌装筒孔３１を設
けた保持腕３２の屈曲係合片３３が係脱自在に係
合すると共に前記嵌装筒孔３１の口縁には緊締ナ
ツト３４が緊締自在に螺合し嵌装筒孔３１に嵌挿
されたベントチツプ３５の周面凹凸部を弾性スリ
ーブ３６を介して緊締固着している。

前記ベントチツプ３５の保持腕３２の上方部分
には上部が充填バルブ筒体５のベント通路３７に
嵌着しかつ内部にフロート弁３８を有するフロー
ト弁保持筒３９が一体的に設けられ、液体がベン
トチツプ３５から侵入するとフロート弁３８がベ
ント通路３７を閉鎖するように形成されている。

また充填バルブ筒体５に設けられた液体導通路
４０を開閉するフローバルブ４１の支持部材４２
はベント管４３の外周面に螺装されたスプリング
４４で上方に附勢されると共にその上端は支持盤
２に支承された制御杆４５の作動円板４６・４６
に衝接し、更に該作動円盤４６・４６にはフロー
バルブ用カム４７と後述のベントバルブ用カム４
８とが設けられていてフローバルブ４１は常時は
液体導通路４０を閉鎖しているが、制御杆４５が
回動して支持部材４２がフローバルブ用カム４７
に衝接するとフローバルブ４１は液体導通路４０
を開放し液体を流下充填できるように構成されて
いる。

前記ベントバルブ筒体４には下端部をベント管
４３のベント通路３７内に嵌装した上部ベント管
４９が摺動自在に嵌着し、該上部ベント管４９に
はベントバルブ筒体４に固定されたベントバルブ
５０を開閉する弁座５１が形成されると共にスプ
リング５２で下方に附勢されてその突設した鍔板
５３が前記作動円板４６・４６に衝接しており、
常時は上部ベント管４９の弁座５１でベントバル
ブ５０が閉鎖しているが、制御杆４５の回動によ
り作動円板４６・４６に設けたベンバルブ用カム
４８が衝接するとスプリング５２の附勢力で弁座
５１がベントバルブ５０から離れて上部ベント管
４９を開放するように構成されている。

前記ベントバルブ筒体４の上部には戻りガス室
５４が設けられ、該戻りガス室５４は戻りガス連
結管５５で戻りガス排気バルブ５６、差圧制御装
置５７及び圧力検出素子５８・５８を介して充填
液タンク１の気相部に連結されており、更に充填
液タンク１と戻りガス排気バルブ５６前部におけ
る戻りガス連結管５５とは逆止弁５９を有する加
圧ガス導通管６０で連結されている。

前記制御杆４５には作動円板４６・４６とは別
に加圧ガス誘導孔２４の加圧ガスバルブ２７を開
閉する加圧ガス用カム６１が設けられると共にそ
の外端には制御レバー６２が取付けられ、該制御
レバー６２は作動円板制御装置６３及び加圧ガス
バルブ制御装置６４及びクローズカム６５で制御
されている。

しかして前記制御杆４５によるフローバルブ４
１、ベントバルブ５０及び加圧ガスバルブ２７の
制御時期は、制御杆４５が回動することにより先
ず加圧ガス用カム６１が加圧ガスバルブ２７を開
放した後、作動円板４６・４６のベントバルブ用
カム４８によりベントバルブ５０が開き稍遅れて
作動円板４６・４６のフローバルブ用カム４７に
よりフローバルブ４１が開き、次いで制御杆４５
が逆回動して前記と逆にフローバルブ４１が閉じ
ベントバルブ５０が閉じ、更に加圧ガスバルブ２
７を閉じるように形成されている。

なお図中６６はスニフトバルブ２０を制御する
スニフトカム、６７は加圧ガス供給主管である。

作 用 本発明の実施例は上記のように構成されている
から、昇降機構９で摺動筒１０を下降してその容
器シール部材８が容器口縁に圧着すると、スニフ
トバルブ２０がスニフトバルブカム６６により開
くと共に加圧ガスバルブ制御装置６４が制御レバ
ー６２を作動して加圧ガス用カム６１が加圧ガス
バルブ２７を開いて加圧ガス導通孔７を介して容
器内に炭酸ガス等の加圧ガスを導入して容器内の
エヤーをスニフト導通孔６からスニフト誘導孔１
９を介してスニフトチヤンバー２１に押出し、次
いでスニフトバルブカム６６はスニフトバルブ２
０を閉じ加圧ガスは押圧チヤンバー２３を加圧し
て容器に対するシール力を促進した後加圧ガスバ
ルブ２７は閉じる。

このようにして容器内が高圧下に保持されると
制御杆４５の制御レバー６２が作動円板制御装置
６３で作動されて先ずベントバルブ用カム４８に
よりベントバルブ５０が開き容器内が充填液タン
ク１と同圧になり、次いでフローパルブ用カム４
７でフローバルブ４１が開いて充填液が液体導通
路４０を通つて容器に充填が開始される。

液体が容器に充填されると容器内の加圧ガスは
ベント通路３７及びベントバルブ５０を経て戻り
ガス室５４に流れると共にその液面の上昇はベン
トチツプ３５の通気孔を塞ぎ入味線を形成した後
更にベントチツプ３５を上昇してフロート弁３８
を押上げベント通路３７を閉鎖せしめ容器のヘツ
ドスペースの気体圧と充填ヘツド圧は釣り合い充
填作用は停止する。

このようにして充填が停止するとクローズカム
６５により制御杆４５が作動し先ずフローバルブ
４１が、次いでベントバルブ５０が順次閉じ、最
後にスニフトバルブ２０が再びスニフトカム６６
で開き容器のヘツドスペースのガス圧を大気圧に
した後、摺動筒１０は上昇して容器口縁より離れ
全ての充填工程は完了するものである。

しかして前記戻りガス室５４に入つた戻りガス
は戻りガス連結杆５５の戻りガス排気バルブ５６
によりエヤーは充填室外に排気され、充填液タン
ク１に戻らないようにして充填液中にエヤーが吸
収されるのを防止しており、また容器内のエヤー
の排出時の加圧ガスは加圧カズ導通孔７から容器
内を下方から上方に向かう環流となつて噴流し更
にスプレツダー２８と保持アーム３２の隙間を通
つてエヤーをスニフ導通孔６に排出する。

発明の効果 第１の発明は逆圧式液体充填バルブにおけるフ
ローバルブ、加圧ガスバルブ及びベントバルブの
開閉を夫々制御するカムを同一の制御杆に設けス
ニフトバルブ以外の制御は同一の制御杆で制御す
るようにしたので、これら各バルブの開閉作動の
タイミングがずれることなく円滑確実に行われる
と共に、各バルブの作動機構が簡易となるばかり
か各バルブの調整も容易であり、しかも大気エヤ
ー及び加圧混合ガスの給排作用も円滑に行うこと
ができる。

また第２の発明はこれに加えて加圧ガス導通孔
とスニフト導通孔及び切欠部は充填バルブ筒体の
両側に対向して開口しているので、加圧ガス導通
孔からの加圧ガスは容器内を下方から上方に向か
つて流れてスニフト導通孔に円滑に指向し大気エ
ヤーを迅速かつ効率良く排除することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一部切欠正面図、第２図は同
要部の縦断正面図、第３図は同要部の横断平面
図、第４図は同要部の底面図、第５図及び第６図
は夫々要部の縦断側面図、第７図は同要部の縦断
正面図、第８図は本発明充填バルブの配置説明図
である。 ５……充填バルブ筒体、６……スニフト導通
孔、７……加圧ガス導通孔、２０……スニフトバ
ルブ、２７……加圧ガスバルブ、２８′……切欠
部、４１……フローバルブ、４５……制御杆、４
７……フローバルブ用カム、４８……ベントバル
ブ用カム、５０……ベントバルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フローバルブを有する液体充填バルブに、ス
   ニフトバルブ、加圧ガスバルブ及びベントバルブ
   を夫々設けると共に前記フローバルブを開閉する
   カムを設けかつ正逆回動する制御杆に前記ベント
   バルブを開閉するカムと加圧ガスバルブを開閉す
   るカムとを設けて制御杆の正回転により加圧ガス
   バルブを開いた後ベントバルブが開き次いでフロ
   ーバルブが開き、制御杆の逆回動により前記と逆
   にフローバルブ、ベントバルブ、加圧ガスバルブ
   の順に閉じるように制御した逆圧式液体充填バル
   ブ。 ２ フローバルブを有する液体充填バルブに、ス
   ニフトバルブ、加圧ガスバルブ及びベントバルブ
   を夫々設けると共に前記フローバルブを開閉する
   カムを設けかつ正逆回動する制御杆に前記ベント
   バルブを開閉するカムと加圧ガスバルブを開閉す
   るカムとを設けて制御杆の正回転により加圧ガス
   バルブを開いた後ベントバルブが開き次いでフロ
   ーバルブが開き、制御杆の逆回動により前記と逆
   にフローバルブ、ベントバルブ、加圧ガスバルブ
   の順に閉じるように制御し、更に前記液体充填バ
   ルブの切欠部と加圧ガス導通孔の下端開口部を充
   填バルブ筒体の両側に対向するように開口せしめ
   た逆圧式液体充填バルブ。