JPS6241338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば看板用等に用いられる表示
板、更に詳しくは、板面に所要の文字、図形等か
らなる表示部が突出状に設けられた立体的表示部
を有する表示板に関する。

従来、かかる表示板として、最も一般的には合
成樹脂板等よりなる基板面上に、厚物の板材から
切抜いて形成した文字等の表示片を接着して取付
けたものが多く使用されている。しかし、一枚の
板状材料から、これに彫刻あるいは食刻等を施し
て、所要の表示部を突出状に残すことによつて作
製したような表示板に較べると、コスト安である
反面いささか外観的な豪華さに欠け、見劣りする
ことは否み得ない。

そこで、この考案は、上記のような外観上は恰
も一枚の金属あるいは合成樹脂板状材料から彫刻
等により作製されたような視覚印象を与えうる表
示板であつて、簡単かつ廉価に製作しうる表示板
を提供しようとするものである。

以下この考案の構成を図示実施例について説明
する。

第１図および第２図に示す実施例において、１
は所要大の合成樹脂製基板、２はその表面の全体
に所要厚さに塗着形成されたベース塗層で、これ
は建築物の内外装用材として公知のパテ状組成
物、たとえば変性アクリルエマルジヨン等の合成
樹脂（合成ゴムを含む）を主成分とし、これに瀝
青物、セメント、骨材、繊維物質等の充填材の１
種ないしは２種以上を必要に応じて混合した組成
物が好適に用いられ、吹付け、コテ塗り、ロール
塗り等により基板１上に塗装されるものである。
かつこのベース塗層２は、表面が梨地状あるいは
彫刻状の凹凸面３に形成される。彫刻状の凹凸面
に形成するときは、組成物の塗着後、これが未だ
柔かい間にへら、筆等で表面を適宜押圧すること
によつて表面を不規則な凹凸状とするものであ
り、凹凸付形後、乾燥硬化せしめるものである。
４は上記ベース塗層２の塗着後、これを接着剤と
して利用して基板１面上に貼付けられた所要の文
字、図形等の突出状表示部である。該表示部は、
従来の貼り文字等と同じく、例えば所要厚さの発
泡合成樹脂板５の両面に薄い硬質合成樹脂板６，
７を積層一体化した積層板を所要文字形状等に切
り抜いて作製されるものであり、好適には上面を
金、銅等の金属光沢面８に形成したものが用いら
れる。９は上記ベース塗層２の表面の凹凸面３及
び表示部４の周側面の全体に設けられた同系色の
着色塗層であり、所期する彫刻状等の外観を顕著
せしめるための仕上げとして重要な役目を果すも
のである。従つて、例えば表示部４の表面が金属
光沢面に形成されるようなときは、該着色塗層９
もそれに対応した金属色を出すように金属顔料を
混入した塗料を用いるのが有利である。更にベー
ス塗層２の凹凸面３の凸部の高い部分を他の部分
よりやゝ淡色にしてより好適な外観を呈出するべ
く、刷毛で明度を異にした塗料を一部重ね塗りに
して凹凸面３に濃淡変化を表わすようにすること
が望ましい。着色塗層９の塗料は、下塗りに適宜
の着色を施したアクリル系ラツカーを用い、仕上
げの上塗りに適宜の顔料を混入した透明エナメル
を用いるのが好適である。即ち、アクリル系ラツ
カーは、亀裂が生じ難く、耐久性、外観の艷が良
く、かつ乾燥時間が短い点で好適であり、またそ
の上に重ね塗りするエナメルは、塗着時に下塗り
のラツカーの地色を混色するおそれがない点で、
それらの組合せにおいて用いるのが有利である。

第３図に示す他の実施例は、合成樹脂基板１上
に予め表示部４を接着剤１０で接着して設けたの
ち、この表示部４の存する部分を除く基板１面上
にベース塗層２を設けたものである。その他は前
記実施例と同様である。

なお、基板１は必ずしも合成樹脂板とする必要
はなく、要すれば金属板、木質合成板、パーテイ
クルボード、石こう板等を用いても良い。また表
示部４の形成材料も図示実施例の如きものに限定
されるものではなく、突出状の文字、図形、周枠
部等を基板面上に形成しうるものであれば何でも
良いし、基板１から一体に突出成形したものとし
ても良い。

この考案に係る表示板の好適な施色例として、
例えば表示部４の表面の金色、銀色、銅色等とす
る場合、着色塗層９はその地色をアクリル系ラツ
カーにより黒、濃灰色、濃茶、濃い緑青色等と
し、凹凸面３の凸部に部分的に例えば適宜顔料を
混入した透明エナメルにより、地色より淡い色調
の同系色かまたは金色、銅色、銀色等を表わす場
合を挙示しうる。

この考案は上述のような構成からなるものであ
るから、凹凸状の板面から表示部が突出せられた
態様を呈し、このために外観上、表示部が板面に
貼り付けて形成されたものであるかの如くには全
く見えない。しかも、上記凹凸面と突出状の表示
部側面とがいずれも着色塗層で同系色に着色され
ていることも相俟つて、観察者には恰も表示部を
除く部分が一枚の板状材料から彫り込まれて立体
的に形成されたものであるかの如くに印象せしめ
るものとなり、彫刻あるいはエツチング等によつ
て製作された表示板と同等の豪華な外観を有する
ものとなる。それにも拘らず、製作上は、基板に
適宜の表示片を貼り付けて所要の表示部を形成
し、かつ板面に所要の塗装を施すことによつて製
作しうるから、材料費を含めて製作コストを安く
すませることができ、廉価に提供しうると共に、
ベース塗層の材料に経時的亀裂や剥離を生じない
建築物内外装材の如きものを使用することによつ
て、耐久性にも極めて優れたものとなしうる等の
卓越した実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す全体斜視
図、第２図は第１図−線の断面図、第３図は
他の実施例の断面図である。 １……基板、２……ベース塗層、３……凹凸
面、４……表示部、８……金属光沢面、９……着
色塗層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基板面上に文字等の表示部が突出状に形成さ
   れた看板等の表示板において、上記基板面上に
   パテ状の塗着用組成物からなる表面を凹凸面と
   したベース塗層が設けられると共に、このベー
   ス塗層の前記凹凸面及び表示部の周側面に同系
   色の着色塗層が設けられてなる看板用等の表示
   板。 (2) ベース塗層が、合成樹脂エマルジヨンを主成
   分とする組成物からなる実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の看板用等の表示板。 (3) 表示部の上面が金属光沢面に形成されると共
   に、前記着色塗層が金属顔料を含む塗料からな
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載の看板用等の表示板。