JPS624123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばプレハブ工法の建築物におい
て、その鋼製柱の前面を覆い、該鋼製柱の両側面
に配される壁パネルに取付けられ、かつ壁パネル
の取付け間隔がバラツキ、変動する場合にも、容
易にかつ納まりよく取付けうるようにした柱カバ
ーに関する。

例えばプレハブ工法の建築物においては、第１
図に例示するごとく、基礎ａ上に角鋼管等を用い
た鋼製柱ｂを立設しかつ鋼製柱ｂ間に壁パネルＰ
を並設するとともにその外面にタイル・クレータ
状塗料、スタツコ塗料等の所謂壁塗料を用いた外
面層ｃを設けることによりその壁体を形成する
が、前記鋼製柱ｂには、その両側の壁パネルＰ，
Ｐで固定されかつその前面を覆う柱カバーｄが下
地材を兼ねて跨設される。しかし従来の柱カバー
ｄは、単なる一枚の板状体からなり、かつその両
端部を、壁パネルＰ，Ｐに釘着等により直接固定
するものであつたため、その巾寸度は調整でき
ず、従つて鋼製柱ｂ、壁パネルＰの製作、取付誤
差により壁パネルＰ，Ｐ間の距離にバラツキ、変
動が生じる場合には、取付けが困難となつてい
た。さらに風圧、地震等により鋼製柱ｂと壁パネ
ルＰとの間の目地ｅが伸縮する場合には、柱カバ
ーｄにはその変形力が直ちに作用し、柱カバーｄ
を脱落させるという問題もあり、さらにその目地
ｅでの伸縮、変形が、前記外面層ｃにクラツクを
生じさせることにもなる。

本考案は、取付長さを調整自在に形成すること
を基本として、壁パネル間の距離に変動がある場
合にも、容易に取付けられ、しかも外面層のクラ
ツクをも防止することを可能とする柱カバーの提
供を目的とし、以下その一実施例を、第１図に例
示した、角鋼管からなる鋼製柱ｂの両側面に配さ
れる壁パネルＰ，Ｐ間に取付ける場合を例にと
り、図面に基づき説明する。

第２〜４図において、本考案の柱カバー１は、
１対の柱カバー片２，３からなり、該柱カバー片
２，３の一端部は、鋼製柱ｂの両側面に配した壁
パネルＰ，Ｐに固定される。鋼製柱ｂは、基礎ａ
の天端に立設されその上端で梁材ｆを支持してお
り、また該梁材ｆは例えばＩ字型型鋼の下フラン
ジに、壁パネルＰの上端をその間で挿入しうるリ
ツプｉ，ｉを垂下している。壁パネルＰは例えば
木質の枠材７を矩形に配するとともに、その内外
面に外装材９、内装材１０を添設しており、又両
側に位置する枠材７，７は、第１図の右方に示す
ごとく、段差部１１を有して並置しうるよう合じ
やくり部１２，１３が両端でその位置を違えて形
成される。なお室内側に向かう合じやくり部１３
を形成した枠材７には、前記外装材９がその突出
端７ａから控部１４を有して添設される。なお壁
パネルＰの下端は、基礎ａに取付く土台金具ｋの
立上げ片に嵌着し取付けられるとともに、その取
付けにより側の枠材７の外面７ｂは、本実施例で
は、第３〜４図に例示するように、鋼製柱ｂの外
面ｍから長さｎ分、外方に突出して取付けられ
る。鋼製柱ｂに面する前記合じやくり部１２，１
３には、鋼製柱ｂに側面が接するくさび片１５，
１６を打入する。なお室外側の合じやくり１２に
打入されるくさび片１５は、その長さが合じやく
り部１２の長さと斉一され従つてその打込みによ
りくさび片１５の外面１５ａは枠材７の外面７ｂ
に斉一する。

柱カバー片２，３は、防錆処理を施こした例え
ばカラー鋼板等の折曲げ体であつて、その長さは
壁パネルＰの高さとほぼ等しく設定され、又一方
の柱カバー片２は、枠材７の例えば前記控部１４
に当接する取付部２１を一端に有しかつ該取付部
２１に、その板厚程度内方に折曲がる段差部２２
を介して基板部２３を、内向きにかつ取付部２１
と平行に形成するとともに、該基板部２３に外端
を外向きに折曲げた折返し部２４を設けることに
より、その間で条溝２５を形成する。又折返し部
２４の背部には、連結片４を折返し部２４を通る
ビスを用いて取付ける。該連結片４は断熱材から
なり、その裏面には、スポンジゴム等の緩衝材か
らなる比較的厚いシート５が添設され、該シート
５は前記鋼製柱ｂの前面ｍに貼着される。なお該
柱カバー片２は、その取付部２１を前記控部１４
に釘着等することによつて固定され、又条溝２５
は鋼製柱ｂの前面と平行する。他方の柱カバー片
３は、前記くさび片１５の外面１５ａと略同巾の
取付部３１に、外装板９と同高さの段差部３２を
介して前記柱カバー片２に向き合う方向にのびか
つ鋼製柱ｂと略同長さの基板部３３を形成してお
り、かつその外端には、段差部３２と同高さかつ
内方に向かう側板部３４を介して、基板部３３と
平行をなしかつ取付部３１に向かう挿入部３５を
形成する。

該挿入部３５は前記条溝２５に、折返し部２４
を押し広げつつ挿入でき、かつ前記突出端７ａを
鋼製柱ｂに当接させて配される壁パネルＰ，Ｐに
取付部２１，３１に取付けたときには、挿入部３
５の先端と、条溝２５の奥端との間に、所定の間
隙ｇを形成するごとくその巾寸度を設定する。

然して本考案の柱カバー１は、その柱カバー片
２，３の取付部２１，３１を、前記控部１４、く
さび片１５に釘着等、固定することにより、その
他端部に形成される条溝２５に挿入部３５が挿入
されかつ条溝２５の深さを比較的大に形成するこ
とによつて柱カバー片２，３の一端部間の、取付
長さ寸度を自在に調整でき、その結果、第４図に
例示するごとく、突出端７ａと鋼製柱ｂとの間に
間隔ｌが存在するときにも、挿入部３５の位置を
条溝２５内部に移動することにより容易に架け渡
しでき、その取付けを容易とする。又連結片４は
シート５を介して鋼製柱ｂに接着されることによ
り、柱カバー１を強固にかつ精度よく保持する。
又前記側板部３４と該側板部３４の向き合う外装
板９との間の目地ｅ１に例えばウレタン樹脂、シ
リコン樹脂等からなる弾性シーラント、又は油性
コーキング材等の伸縮自在なシール材Ｓを充填す
るとともに、該目地ｅ１を除いて壁塗料等からな
る外面層ｃを吹き付け、形成し壁体を完成する。
その結果、外力等により壁パネルＰが変位した間
隙ｌが変化するときにも、柱カバー片２，３が自
在に摺動でき柱カバー１の暖落を防ぐとともに、
目地ｅ１の伸縮を前記シール材Ｓが吸収すること
によつて、外面層ｅでのクラツクの発生を防ぐ。
なお段差部３２側の目地ｅ２には伸縮不能なシー
ル材等適宜のシール材を充填できる。又連結片４
もシート５の変形により鋼製柱ｂとの間の相対移
動を吸収するとともに、連結片４によつて、柱カ
バー１と鋼管柱ｂとの間の熱の橋絡を防止でき、
鋼製柱ｂの室内側での結露を抑止できる。

叙上のごとく本考案の柱カバーは鋼製柱の両側
面に配した壁パネルに一端部を夫々固定される柱
カバー片からなり、かつその他端部に条溝と該条
溝に挿入される挿入部とを設けているため、その
巾寸度が自在に調整でき、壁パネル間の長さが異
なる場合にもその取付けが容易となりかつ外力等
によつて壁パネル間の長さが変化する場合にもそ
の変化を吸収でき又連結片によつて、強固にかつ
断熱性を有して柱カバー片を鋼製柱に結合し、そ
の脱落等の事故を防止できる。さらに柱カバーと
壁パネル間に生じる目地に伸縮性を有するシール
材を充填することによつて、その外面層のクラツ
クを防止しうる等すぐれた効果を奏しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の柱カバーを例示する斜視図、第
２図は本考案の一実施例を示す斜視図、第３〜４
図はその取付を例示する断面図である。 ２，３……柱カバー片、４……連結片、５……
シート、２４……折返し部、２５……条溝、３５
……挿入部、ｂ……鋼製柱、Ｐ……壁パネル、Ｓ
……シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼製柱の両側面に配した壁パネルに一端部を
   夫々固定される１対の柱カバー片からなり、しか
   も１つの柱カバー片の他端部に鋼製柱の前面に平
   行にのびる条溝を形成する折返し部を形設すると
   ともに、他の柱カバー片の他端部に前記条溝と挿
   入代可変に係合する挿入部を設ける一方、前記折
   返し部の背部に、緩衝性を有しかつ前記鋼製柱の
   前面に貼着されるシートを裏面に具える断熱材を
   用いた連結片を取付けた柱カバー。