JPS6241237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は伸び計のエツジ保持機構、特に標点間
の設定距離を２段に切換え可能な伸び計のエツジ
保持機構に関するものである。

本考案の伸び計のエツジ保持機構はそれぞれ試
験片の異なつた長さ位置で試験片に当接係合する
第１及び第２のエツジを備え、前記第１及び第２
のエツジの試験片に対する当接係合により試験片
を把持して試験片に引張荷重が与えられたときに
試験片の伸びを前記第１及び第２のエツジ間の距
離の変動によつて測定するようにした伸び計にお
いて、前記第２のエツジのホルダーを、１つの把
持枠上で前記第１のエツジホルダーとの間の距離
を変更調節可能に取付け、前記把持枠を前記第１
のエツジのホルダーに対し試験片の伸びによる前
記第１及び第２のエツジの変位に応じて相対的に
変位可能に連結し、前記第１のエツジのホルダー
と前記第２のエツジのホルダーを取付けた前記把
持枠との間の距離の変動を測定するようにしたこ
とを特徴とする。

以下本考案の実施例を平均値式の伸び計の場合
について図面を参照して詳細に説明する。

本考案の伸び計においては、試験片１に当接す
る２組のエツジ機構２，３が設けられる。図面に
示す実施例は平均値式の伸び計であるので、各エ
ツジ機構２，３はそれぞれ相対向する一対のエツ
ジ４，５を有している。エツジ４，５は同一形状
で、例えば第４図に示すような形状を有する。

第１のエツジ機構２のエツジ４，４はそれぞれ
ホルダー６．６によつて保持され、ホルダー６，
６はターンバツクル機構７で連結されていて、タ
ーンバツクル機構７を操作することによりエツジ
ホルダー６，６を互いに近接及び離遠させること
ができるようになつている。エツジ４，４はホル
ダー６に対してはスプリング８を介して弾性的に
連結されており、これによつてホルダー６，６が
互いに近接するように操作されるとき、エツジ
４，４の先端が試験片１に弾性的に係合、当接す
ることができるようになつている。

第２のエツジ機構３は相対向する一対のエツジ
５と、それぞれのエツジ５を支持するホルダー９
と、エツジホルダー９，９を取付位置可変に把持
する把持枠１０，１０とで構成される。把持枠１
０には案内柱１１が取付けられており、エツジホ
ルダー９はこの案内柱１１に沿つて第１図で上下
に摺動可能に取付けられている。第１図ではエツ
ジホルダー９は案内柱１１の頂端位置にあり、こ
の位置で押しねじ１２により把持枠１０に固定で
きるようになつている。押しねじ１２をゆるめて
エツジホルダー９を案内柱１１に沿つて下降さ
せ、その下端位置で把持枠１０に締付け固定する
こともできる。したがつて本考案では第２のエツ
ジ５は把持枠１０に対し２つの異なつた位置に選
択的に設定保持されるものである。

把持枠１０，１０はターンバツクル機構１３に
よつて互いに近接、離遠調節操作可能に連結され
る。ターンバツクル機構１３と各把持枠１０の間
にはスプリング１４が介装されており、このため
把持枠１０，１０がターンバツクル機構１３の操
作により互いに近接せしめられたとき、把持枠１
０，１０に保持されたホルダー９，９のエツジ
５，５が試験片１に対して弾性的に係合当接でき
るようになつている。

本考案によれば第１のエツジ機構２に対して第
２のエツジ機構３が変位可能に連結される。すな
わち第１のエツジ機構２の１つのエツジホルダー
６に連結桿２０が固定され、この連結桿２０は第
２のエツジ機構３の１つの把持枠１０の案内柱１
１を貫通して伸びており、把持枠１０の案内柱１
１は連結桿２０に案内されており、第１図で上下
に摺動移動可能に連結されている。把持枠１０の
連結桿２０のまわりの回動は第１のエツジホルダ
ー６に植設した止めピン２１を把持枠１０の係合
穴２２に挿入することによつて阻止できるように
なつている。かくして第１のエツジ機構２及び第
２のエツジ機構３がそれぞれ試験片１の異なつた
長さ位置で試験片に当接係合せしめられた後、試
験片１に引張荷重が加えられると試験片が伸長す
るが、これに追従して第１のエツジ機構２に対し
て第２のエツジ機構３が相対的に変位するもので
ある。

第１のエツジ機構２と第２のエツジ機構３の相
対的変位は、第１のエツジ機構２のエツジホルダ
ー６，６と第２のエツジ機構３の把持枠１０，１
０との間に介装された変位量検出測定機構３０に
よつて検出測定される。この変位量検出測定機構
３０は従来公知の任意の方式のものを利用でき
る。図においては差動トランス式の検出測定機構
が示されている。すなわち各把持枠１０にコイル
３１を備えた差動トランスの本体３２が固定して
取付けられる。差動トランスのコイル３１に対し
てこれを貫通して変位可能なコア３３の一端（第
１図で下端）３４がレバー機構３５を介して第１
のエツジ機構のエツジホルダーの適当箇所に当接
係合せしめられている。更に詳細に述べると、レ
バー３６の一端はトランスの本体３２から張り出
した延長部３７において枢支され（枢支支点を３
８で示す）、レバー３６の他端３９が第１のエツ
ジホルダー６の下端部上面に係合当接するように
なつている。そしてレバー３６には枢支点３８に
近接した位置に差動トランスのコア３３の下端３
４と係合する作用点４０が設けられており、これ
よつて第２のエツジ機構の把持枠１０に対する第
１のエツジ機構のエツジホルダー６の変位量を縮
小して差動トランスのコア３３に伝えるようにな
つている。

上述の差動トランス機構はそれぞれの対応する
第１エツジホルダー６と第２エツジ機構の把持枠
１０，１０との間に設けられており、これら２つ
の差動トランス機構３０で検出された変位量の平
均値が表示、記録されるようになつているもので
ある。

以上詳述したように、本考案によれば第２のエ
ツジ機構３の把持枠１０，１０に対してエツジホ
ルダー９，９を位置変更調節可能に取付けたの
で、標点間距離（第１のエツジ４，４と第２のエ
ツジ５，５間の距離）を２段（例えば50mmと30
mm）に切換えることができるものである。

図面に示す実施例においては、第１のエツジ機
構の一対のエツジホルダー６，６及び第２のエツ
ジ機構３の一対の把持枠１０，１０はそれぞれタ
ーンバツクル機構７，１３によつて連結されてい
るが、その間にスプリング８，１４が介装されて
いるので、試験片１が引張力によつて厚さまたは
直径が減少した場合にも各エツジ４，４，５，５
は支障なく、試験片１に圧接係合状態を保持でき
るようになつている。この作用を得るためには図
示のようなスプリング８，１４に代えてゴムやプ
ラスチツクなどの弾性体を利用するか、あるいは
空気圧または油圧などの力を付与させることによ
つても達することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例機構の一部縦断正面
図、第２図はその平面図、第３図は一部切欠背面
図、第４図は本考案装置において使用するエツジ
の斜視図である。 １……試験片、２……第１エツジ機構、３……
第２エツジ機構、４……第１のエツジ、５……第
２のエツジ、６……第１のエツジホルダー、９…
…第２のエツジホルダー、１０……把持枠、２０
……連結桿、３０……変位量検出測定用差動トラ
ンス機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ試験片の異なつた長さ位置で試験片に
   当接係合する第１及び第２のエツジを備え、前記
   第１及び第２のエツジの試験片に対する当接係合
   により試験片を把持して試験片に引張荷重が与え
   られたときに試験片の伸びを前記第１及び第２の
   エツジ間の距離の変動によつて測定するようにし
   た伸び計において、前記第２のエツジのホルダー
   を、１つの把持枠上で前記第１のエツジホルダー
   との間の距離を変更調節可能に取付け、前記把持
   枠を前記第１のエツジのホルダーに対し試験片の
   伸びによる前記第１及び第２のエツジの変位に応
   じて相対的に変位可能に連結し、前記第１のエツ
   ジのホルダーと前記第２のエツジのホルダーを取
   付けた前記把持枠との間の距離の変動を測定する
   ようにしたことを特徴とする伸び計のエツジ保持
   機構。