JPS6240719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は処理すべき水が所定水路のハニカム
コア内を強制流動する間に浄化することを目的と
した浄水装置に関するものである。

（従来の技術およびその問題点） 従来浄水にハニカムコアを用い微生物処理する
ことは知られており、実用に供せられているが、
現在迄に実験され、又は実用に供されたものは悉
く処理水槽内へハニカムコアを縦に通水状に設置
し、その中央部の下方より吹き上げた水を各セル
中に流動させて循環させる方式であつて、流動は
微細気泡の浮力を用いる散気方式であるからラン
ニングコストが厖大になるのみならず、設備費も
多大となる問題点があつた。

また開水面の勾配水路内へ、低質石炭、又は活
性炭などを充填して吸着、曝気および微生物利用
の汚水浄化に関する提案もあるが（特開昭49−
122885号）、工場排水などの処理と異なりダム又
は湖などのような大量の水を処理するのには活性
炭などの吸着処理では費用が厖大となり、かつ毎
年同等の費用がかかるなど実用上の問題点があつ
て、その改善を望まれていたが、要求を満し得る
浄化装置がなかつた。

（問題点を解決する為の手段） 然るにこの考案は開水面を有する水路内へハニ
カムコアを横通水状に設置するので、上水用その
他に用いる水路をそのまま使用し得ると共に、勾
配方式によつて、必要な流速を得るようにし、し
かも若干の加速装置を付与したにして消費エネル
ギーを補足したので、ランニングコストはきわめ
て少なくなり、前記従来の問題点を解決したので
ある。然して開水面を有する水路とすれば、流水
中の溶存酸素量は自動的に良好に保たれ、一部不
足のおそれがある場合には空気ジエツトを用いて
流水加速と、酸素補給を同時に行うなど、極めて
効率のよい設備とすることができる。またハニカ
ムコアの設備を所定長さ毎にし、隣接ハニカムコ
ア間に若干の間隔を設ければ、間隔部で波立つこ
とになり、此の結果、流水の連続性を破壊し、微
生物膜に刺激を与えることができる。またハニカ
ムコア内の清掃に際しても、一定長さ毎になつて
いた方が好都合であり、作業性を改善することが
できる。

この考案の水路は、従来使用していた水路をそ
のまま使用できるが、敷地確保上問題がなければ
Ａ点よりＢ点に流す間を直線状の浄水路とするこ
とができる。この場合に暗渠であつてもよいが、
送水管にした場合には、空気の補給、又はハニカ
ムコアに清掃に特別の配慮を要する。また送水条
件上送水地区間に開水面の水路を設けることがで
きない場合には第２図図示のように集中浄水地域
を設ける必要がある。

（実施例） 次にこの考案の実施例を添付図面について説明
する。貯水池１と送水ポンプ２との間に直線状の
開水路３を設け、開水路３へハニカムコア４，４
を適宜間隔で収容したものである。ハニカムコア
による微生物浄化において、２ｍのハニカムコア
を50回通せば所望の浄化度を得ることができると
すれば、この考案においては水路中のハニカムコ
アの合計長さを100ｍとすればよいことになる。
次に第２図の実施例は貯水池１よりの放水路５の
先端に、直線部６と湾曲部７とよりなるトラツク
状開水路８を設け、前記直線部６へハニカムコア
４を夫々収容したものである。

また第３図の実施例は開水路３内へハニカムコ
ア４，４を収容し、隣接ハニカムコア間の間隙部
９へコンプレツサー１０，１０の吐出ノズル１１
を開口したもので、コンプレツサー１０に代えて
ポンプを使用することもできる。尚、ハニカムコ
アの設置に際し、その端面は第５図のように斜切
端４ａ，４ｂを対向させ、第６図のように下向斜
切端４ａに垂直面４ｃを対向させ、第７図のよう
に上向斜切端４ｂと垂直面４ｃとを対向させるな
ど、適宜選定する。但し各図の流水方向は矢示１
２，１３，１４の通りである。

（考案の効果） 即ちこの考案によれば、開水路内へハニカムコ
アを通水可能に収容したので、処理水は移動中に
微生物処理される効果がある。従つて浄水の為の
設備費を著しく節減し得るのみならずランニング
コストも著しく低減し得る効果がある。また、こ
の浄水装置では、流水加速手段を付与したので、
流れを加速することにより一層スピーデイーに浄
水を得られる効果もある。

また浄水効果については、必要な水路長を与え
ればよいので、その成果を確実に期待することが
できると共に、薬品処理と異なり二次公害のおそ
れはない。た水路勾配と強制加速手段の組合せに
より、必要な流速を低コストで得ることができる
と共に、ランニングコストを低減させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はのこ考案の実施例の一部を省略した平
面図、第２図は同じく他の実施例の平面図、第３
図は同じく流水加速手段の一例を示す拡大平面
図、第４図は同じくハニカムコアを収容した水路
の縦断側面図、第５図乃至第７図は夫々ハニカム
コアの対向端面の切断例を示す正面図である。 １……貯水池、２……送水ポンプ、３，８……
開水路、４……ハニカムコア、５……放水路、１
０……コンプレツサー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 開水面を有する水路内へハニカムコアを所定
   長さ毎に所定間隔を保つて通水可能に収容する
   と共に、前記水路へ勾配をつけると共に強制的
   流水加速手段を付与してなる浄水装置。 ２ 流水加速手段は、加圧水ジエツト又は加圧空
   気ジエツトとした実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の浄水装置。 ３ 水路は直線状又は直線と曲線の連結状とした
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の浄水装
   置。 ４ 加圧水ジエツト又は加圧空気ジエツトは前記
   ハニカムコアの間隔部へ進行方向に向けて設置
   したノズルより噴出させてなる実用新案登録請
   求の範囲第２項記載の浄水装置。