JPS6239665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は釣竿における釣糸ガイドの固定構造に
関する。

一般に、釣竿に釣用リールを取付けて魚釣りを
行なう場合、前記釣竿に、釣糸のガイド孔を有す
る複数個の釣糸ガイドを、そのガイド孔が同一線
上に位置するごとく挿通して取付け、前記リール
に巻取られた釣糸を釣竿の手元側から釣竿の長さ
方向に沿つて穂先に案内するのであるが、従来
は、前記釣糸ガイドの釣竿への挿通による固定を
確実に行なうことができなかつたのである。即
ち、前記釣竿は、手元側から穂先に向つて徐々に
先細となるように形成されている上、その外面は
比較的硬度が高く、かつ平滑に仕上げられていて
釣竿に対し釣糸ガイドが滑り易いようになつてい
るし、しかも前記釣竿の製作精度（釣竿の外径寸
法）は高くないので、前記釣糸ガイドを釣竿上の
設定位置に確実に固定することが困難であつた。

そのため、例えばキヤステイングを繰返し行な
つている内に前記釣糸ガイドの釣竿への固定が緩
み、この釣糸ガイドが釣竿上で回動して、該釣糸
ガイドのガイド孔が他のガイド孔に対し偏位し、
キヤステイング時この回動偏位した釣糸ガイドの
ガイド孔を通る釣糸に大きな抵抗を与え、この釣
糸の飛距離が極端に低下したり、糸切れが生じた
りする問題があり、又例えば一つの釣糸ガイドが
設定位置からずれると、該釣糸ガイドに隣接する
一側方の釣糸ガイド間距離が大きく、他側方の釣
糸ガイド間距離が小さくなつて、魚の釣上げ時に
釣竿に偏荷重が作用し、即ち魚の釣上げ時釣糸に
作用する負荷を各釣糸ガイドを介して釣竿が担持
するので、前記の如く隣接する釣糸ガイド間の距
離が大きい箇処では釣竿の担持荷重が小さく、隣
接する釣糸ガイド間の距離が小さい箇処では釣竿
の担持荷重が大きく、これによつて釣竿が設定以
下の負荷で破損するごとき問題があつた。

そこで熱収縮性合成樹脂チユーブの弾性を利用
し、このチユーブを、加熱による熱収縮により固
定し、前記チユーブ上に釣糸ガイドを挿通して固
定するごとくしたものを先に開発して出願した。

所がこの固定構造の場合、前記熱収縮性合成樹
脂チユーブは、釣竿に容易く挿通させるべく竿径
より大径に形成してあるため、前記チユーブを釣
竿に挿通したとき両者間に隙間があり、しかも熱
収縮性合成樹脂は主として長さ方向の熱収縮率が
大きいため、この熱収縮性合成樹脂チユーブを加
熱して熱収縮したとき、釣竿表面への密着性が小
さかつたのである。

そのため、前記釣糸ガイドを繰返し着脱すると
前記チユーブが破損し易いし、又このチユーブの
破損により、釣竿の外面に施した色、模様などが
剥げることが多い欠点を見い出した。

本考案は以上の点に鑑み考案したもので、熱収
縮性合成樹脂を用いて釣糸ガイドを設定位置に確
実に固定できながら、しかも釣糸ガイドを繰返し
着脱しても前記熱収縮性合成樹脂が破損し難いよ
うにしたのであつて、釣竿における釣糸ガイドの
固定位置に、透明性を有する熱収縮性合成樹脂テ
ープをスパイラル状に巻付けて釣竿外面に緊密状
に密着させ、該テープの加熱による熱収縮により
固定し、前記テープの巻装位置に前記釣糸ガイド
を固定するごとくしたことを特徴とするものであ
る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図において１は先細状としたテーパーをもの
釣竿であり、また２は釣竿１への取付用挿通孔２
１と、釣糸案内用のガイド孔２２とを備えた釣糸
ガイドであつて、前記釣竿１に釣糸ガイド２をそ
の挿通孔２１をして取付けると共に、前記釣竿１
に沿つて延びる釣糸を釣糸ガイド２のガイド孔２
２に挿通させて、この釣糸の引出し移動或は巻取
り移動を案内するごとく用いるものである。

しかしてこの考案は、細幅の熱収縮性合成樹脂
テープ３を形成し、このテープ３を前記釣竿１に
おける釣糸ガイド２の固定位置に重合させること
なくスパイラル状に巻付けて、該テープ３を釣竿
１外面に緊密状に密着させ、この巻装テープ３を
熱湯などの加熱手段により加熱して、該テープ３
の加熱による熱収縮により前記巻装テープ３を緊
縮固定し、前記テープ３の巻装位置に前記釣糸ガ
イド２を挿通して固定するごとくしたのである。

斯く熱収縮性合成樹脂テープ３を用いることに
より、このテープ３を巻回して釣竿１に対し緊密
に密着させることができ、更にこの状態で加熱
し、前記テープ３を熱収縮させて緊縮固定するこ
とができながら、しかも前記テープ３は、主とし
て長さ方向の熱収縮率が大きいから、釣竿に対し
より一層緊縮固定できるのである。尚、前記熱収
縮性合成樹脂テープ３は、ポリエステルテープに
より形成するのであるが、その他の材料であつて
もよい。又釣竿１に巻装した前記テープ３は、そ
の両端を接着剤などの仮止め手段により仮止めし
た状態で熱収縮させるのである。

しかして釣竿の不使用時には、釣糸ガイド２が
釣竿１上で先細側に自由に移動できるもので、魚
釣時には、釣糸ガイド２を熱収縮性合成樹脂テー
プ３側に移動させて、該釣糸ガイド２を前記テー
プ３の巻装位置に挿通して、該巻装テープ３上に
固定するのである。このとき前記テープ３は極く
僅かであるが、弾性変形して前記釣糸ガイド２の
挿通孔２１内面に密接状に接触するので、前記釣
糸ガイド２の釣竿１への固定を極めて確実に行な
うことができるのである。

尚、以上の説明では、釣竿１に熱収縮性合成樹
脂テープ３のみを巻装したが、その他第４図に示
す如く釣竿１における釣糸ガイド２の固定位置に
前記テープ３を巻装して、該テープ３を加熱によ
る熱収縮により固定し、この巻装テープ３の外面
に、色或いは模様などの彩色層４を塗装などの添
設手段により添設し、更にこの彩色層４の外面に
透明性を有する熱収縮性合成樹脂テープ５を巻装
し、該テープ５を加熱による熱収縮により固定
し、該テープ５の巻装位置に前記釣糸ガイド２を
挿通して固定するようにしてもよい。この場合、
熱収縮性合成樹脂テープが二層となるため、この
テープの強度をより一層高めることができるし、
又、色・模様などを外部から透視できるから、釣
竿の意匠的効果を著るしく高めることができるの
である。

以上の如く本考案によれば、熱収縮性合成樹脂
テープの弾性を利用して釣糸ガイドの釣竿への固
定を確実に行なうことができながら、しかも前記
テープをスパイラル状に巻付けて、釣竿に対し緊
密に密着させた状態で加熱して熱収縮させるか
ら、釣竿の外面に緊縮固定でき、その上前記テー
プは、主として長さ方向の熱収縮率が大きいから
より一層緊縮固定できるのである。そのため釣糸
ガイドを繰返し着脱しても、前記テープが破損す
るのを防止でき、長期間に亘つて使用できるので
ある。又前記テープの破損を防止できるから、釣
竿の外面に施した色とか模様などが剥げることも
ないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断正面図、
第２図は同じく縦断側面図、第３図は釣糸ガイド
を省略した側面図、第４図及び第５図は別の実施
例を示すもので、第４図は縦断正面図、第５図は
縦断側面図である。 １……釣竿、２……釣糸ガイド、２１……挿通
孔、３……熱収縮性合成樹脂テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 釣竿への取付用挿通孔をもつた釣糸ガイドを前
   記釣竿に挿通して固定するごとくした固定構造で
   あつて、前記釣竿における釣糸ガイドの固定位置
   に、透明性を有する熱収縮性合成樹脂テープをス
   パイラル状に巻付けて釣竿外面に緊密状に密着さ
   せ、該テープの加熱による熱収縮により固定し、
   前記テープの巻装位置に前記釣糸ガイドを固定す
   るごとくしたことを特徴とする釣竿における釣糸
   ガイドの固定構造。