JPS6239335B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高周波加熱によつて食品を調理し、食
品の調理状態を検知して加熱時間を自動的に決定
するいわゆる自動高周波加熱装置に関するもの
で、茶わん蒸し等の卵料理をも自動調理すること
を、目的とするものである。

高周波における食品の加熱時間は、被加熱食品
の初期温度、量、最終温度、比熱、および高周波
エネルギー吸収率などの諸量によつて定まる。従
来より電子レンジの加熱時間の設定方法は、被加
熱食品の品目と量から決定される時間を使用者が
タイマーにより設定していた。したがつて、食品
の初期温度等は考慮されていないので調理ミスが
生じやすく、又分量が変わればその都度、加熱時
間を計算して設定しなければいけない等、使い勝
手が悪かつた。

近年、こうした欠点を改善する為、食品の調理
進行状態を検知するセンサーとマイコンを主とし
た制御回路により自動的に調理時間を設定し完了
するいわゆる自動電子レンジが開発され、市場に
ても電子レンジの主流となりつつある。自動電子
レンジは食品加熱によつて生ずる相対湿度、食品
温度、におい、ガス等の変化を各種センサーでキ
ヤツチするもので、ある一定の品目に限つては自
動調理が可能となつた。しかし、電子レンジでは
従来より失敗率の高い品目であつた卵料理等は自
動化することができなかつた。

以下、第１図〜第４図と共に従来の自動電子レ
ンジで卵料理の代表格である茶わん蒸しを調理し
た場合の動作原理と調理加熱の推移を説明する。
第１図において１はマグネトロン２を駆動するた
めの変圧器、３，４は整流回路を構成するコンデ
ンサーとダイオード、５は加熱室、６は被加熱食
品であり、マイクロ波加熱された結果、被加熱物
６から生ずる湿気を帯びた空気は、排気口７から
排気される。そして排気口７の排気通路には第２
図に示すような特性をもつ湿度センサー８を設置
し、湿度センサーに直列につながる抵抗９の両端
の電圧を湿度検知信号とする。１０は標準信号
源、１１は前置増巾器、１２は最低値検出保持回
路、１３は最低値からの湿度上昇分を検出するた
めの引算回路であり、Ａ−Ｂに比例した信号Ｃを
出力する。１４は電圧比較回路であり、偏差信号
Ｃを基準電圧Vhと比較し、ＣがVhを越えるとき
出力信号を発生する。１５は電圧比較回路１４の
出力信号で駆動され調理の開始と停止にともなつ
て電力供給源をオン，オフする接点１６の駆動回
路である。STAは調理開始信号であり、STAが
入力されると接点１６は閉じ、蒸気が検知される
と開くようになつている。すなわちマグネトロン
２から生ずる高周波によつて被加熱物６が加熱さ
れ蒸気を発生すると、湿気を帯びた空気が排気さ
れる。この空気を湿度センサー８が検知して、そ
れぞれの制御回路１１，１２，１３，１４，１５
により検出電圧の最低値からの上昇分がVhを越
えるとき接点１６が開いて加熱が自動的に終了す
る。

しかし、以上説明した従来の構成によれば卵料
理等の自動調理は困難であつた。

なぜなら、卵料理は一般に調理物温度が70℃〜
80℃で加熱終了するものが多い。この温度域より
低ければ全く凝固せず液状のまま残つてしまい、
逆に高すぎると、泡状に固く凝固してしまい舌ざ
わりが悪い。

ところが、上記温度域では、発生蒸気量は極め
て少ない為、このわずかな蒸気を検知信号として
判定制御するには、種々の問題が生じてくる。す
なわち、電子レンジの被加熱物品目は不特定多数
であり、たとえば煮魚の再加熱等においては、極
小の蒸気が尾の部分から加熱初期状態から発生
し、全体部分は冷たい状態で加熱完了してしまう
こととなる。又、わずかな信号で判定すると、マ
グネトロンや本体外部から生ずるノイズが制御回
路に侵入して誤動作する危険も増すものである。

本発明は上記種々の問題点を、簡単な制御回路
の工夫により解消し、困難であつた卵料理の自動
化を実現したものであり、以下第３図、第４図を
用いて説明する。

第３図において、変圧器２、コンデンサー３、
ダイオード４によりマグネトロン２から発生する
高周波によつて、加熱室５内の被加熱物６から蒸
気が発生する。この蒸気を含んだ空気は排気口７
を通つて排気される。この排気口７に設けられた
湿度センサー８は湿度の変化を抵抗９により検知
信号として検出する。１１は前置増巾器、１２は
最低値保持回路、１３は引算回路、１４は電圧比
較回路、１５はリレー駆動回路であり、それぞれ
動作制御は従来例と同様である。

１７は調理品目選択回路、１８は基準電圧選択
回路、１９は基準電圧発生回路、２０はタイマー
機能を有したカウンター回路である。すなわち、
上記基準電圧選択回路には、各種調理物に応じた
基準電圧Vhがあらかじめ記憶設定されており、
たとえば、卵料理を調理品選択回路１７に設定
INされた時は、極めて低い電圧値を、基準電圧
発生回路１９が発生するように信号を送る。電圧
比較回路１４は、上記基準電圧Vhが小さいレベ
ルであるので、湿度信号上昇レベルが、かなり小
さくても次のカウンター回路２０に信号を送る。
そして上記カウンター回路は、タイマー回路を兼
ねており、ある一定時間に連続して上記信号がカ
ウントされたときのみ、次の接点駆動回路に信号
を送るようにしている。すなわち、第４図に示す
ように、途中段階において、図中ＡやＢに示すよ
うな外部ノイズ信号が検出されても、一定時間ta
間続いて信号がこないので、そのノイズ信号はキ
ヤンセルされ加熱動作は続行する。次に卵料理が
70℃〜80℃近辺に温度上昇すると、わずかな湿度
変化があり、連続して検出信号の上昇ΔＶがta間
続き、加熱動作を終了する。

以上の説明で明らかなように、本発明によれ
ば、一般の自動加熱に加えて、卵料理のような中
温域料理の自動加熱が可能となりかつ、外部ノイ
ズによる誤動作等の問題も解消され、従来より、
失敗率が高く、最も困難な料理とされていた卵料
理を、簡単に失敗無く調理できるようにすること
が出来る等極めて有用である。なお、本発明に掲
げた各種制御回路は、従来より使用しているマイ
コン１コ内にプログラム追加で処理できるもの
で、ほとんどコストアツプにはならないものであ
る。又、加熱動作を、前記リレーの接点の開閉に
より断続動作とし、該接点の開時のみ、すなわ
ち、マグネトロン非発振時に、検知信号の判定を
行なう制御回路とすれば、マグネトロンから発生
するノイズは完全に無視できると共に、より加熱
むらの少ない調理が行えることは言うまでも無
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の高周波加熱装置を示すブロツ
ク図、第２図は湿度センサーの特性を示す図、第
３図は本発明の一実施例の高周波加熱装置を示す
ブロツク図、第４図は同特性を示す図である。 ２……マグネトロン、５……加熱室、６……被
加熱物、８……湿度センサー、１７……調理品目
選択回路、１８……基準電圧選択回路、１９……
基準電圧発生回路、２０……カウンター回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部に被加熱物を収容する加熱室と、上記被
   加熱物を高周波加熱する為の高周波発生手段と、
   上記加熱室内の湿度の変化を検知する検知手段
   と、調理品目を選択する調理品目設定手段と、そ
   の調理品目設定手段によつて設定された調理品目
   に応じて定まる信号の判定レベルと上記検知手段
   の信号のレベルとの比較によつて高周波出力を制
   御する出力制御手段とを有し、上記調理品目設定
   手段によつて卵料理を選択した際は、上記信号の
   判定レベルを、他の料理の選択によつて定まる判
   定レベルより小さいものとするとともに、上記検
   知手段の信号のレベルが上記卵料理の選択による
   判定レベルを一定時間連続して越えたとき上記出
   力制御手段を動作させる高周波加熱装置。