JPS6239191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンクリート杭を埋設する為に杭穴
を掘削する際、穴内壁を圧密強化することを目的
とした杭穴掘削具に関するものである。

出願人は先に埋込くい工法（特願昭53−119729
号）を開発し、この工法施工に際し、回転軸へね
り付け板を固着した杭穴掘削具について提案した
のであるが、この考案は前記練りつけ板の他に回
転軸へ複数の羽根を取付けることにより杭穴の内
壁面を更に改善することに成功したのである。即
ちこの考案を実施例について説明すれば、回転軸
１の下端へ掘削刃２を固着すると共に、掘削刃２
より若干上方へ（例えば２ｍ位）板アーム３，３
ａ，３ｂ，３ｃを90度間隔で同一平面内へ突設
し、板アーム３，３ａおよび３ｂ，３ｃの先端へ
平面弧状の練りつけ板４，５を固着する。前記練
りつけ板４，５の外面は掘削すべき穴径とほゞ同
径の円周上になるように弧状の曲率を定めると共
に、各1/4円周の長さにしてある。次に前記練り
つけ板４，５の上下端４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂは
夫々内側へ若干湾曲させて逃げとしてある。前記
板アーム３の上下には所定間隔（例えば１ｍ間
隔）で羽根用アーム６，６が上下に所定間隔を保
ち、隣接アームが互に重ならないように千鳥状に
配設してあり、各羽根用アーム６，６の先端には
弧状羽根７が夫々同一外径になるように配置され
ている。この場合に羽根の位置は穴壁より若干内
側に位置する。前記練りつけ板４，５と前記羽根
との相違は、練りつけ板が同一円周上に配置され
たのに対し、羽根は同心円上ではあるが、異なる
平面に取付けられており、かつ上下幅が練りつけ
板より狭くしてある。

従つて穴壁の圧密は主に練りつけ板が行ない、
羽根は穴内の泥土を穴壁側へ押しつける作用をも
つている。この考案の掘削具を使用するには、先
づ掘削具を掘削機のやぐらへ垂直に支持させ（図
示してない）回転軸を回転させながら下降させる
と、回転軸の下端の掘削刃により地面へ所定直径
の穴８を掘削する。前記回転軸１は中空軸であつ
て必要に応じ加圧水を流送し、先端の噴水口から
噴出させることができるようになつている。前記
のようにして掘削された泥土は砕かれて一部泥水
となるが、練りつけ板によつて穴壁へ加圧しつゝ
練りつけられる。また羽根は掘削土を破砕しつゝ
穴壁側へ押圧するので、練りつけ板の加圧練りつ
け作用を助長することができる。

尚、羽根用アームに羽根をボルト９で固定し、
着脱自在にすることにより、土質に応じて羽根の
形状および角度を調整すると共に、羽根外壁と掘
削穴の内壁との間隔を調整することもできる。

前記において穴の深さが所定の深さに達したな
らば掘削具を引抜き、ついで穴８内へ杭１０を挿
入し、杭を堅固に固定することができる。

即ちこの考案によれば、回転軸へ練りつけ板
と、羽根とを取付けたので、穴を掘削する際に掘
削により生じた泥土を大部分穴壁に練りつけ、内
壁の堅固な杭穴を得る効果がある。特に羽根をつ
けることにより練りつけ板の練りつけ作業を円滑
にし、作業の能率化と、杭穴の内壁強化を共に達
成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は
同じく羽根部の配置を示す一部横断面図、第３図
は同じく練りつけ板を示す一部横断端面図、第４
図は羽根の取付構造例を示す拡大図、第５図は第
１図の掘削具の使用状態における断面図、第６図
は同じく穴に杭を挿入する状態の断面図である。 １……回転軸、２……掘削刃、３，３ａ，３
ｂ，３ｃ……アーム板、４，５……練りつけ板、
６……羽根用アーム、７……羽根。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 回転軸の下端へ掘削刃を固定し、その上部へ
   掘削すべき穴内径とほゞ同一径の円周上に平面
   弧状の練りつけ板を板アームにより固着し、前
   記回転軸には適間隔で複数の羽根用アームを放
   射状に突設し、各羽根用アーム端へ平面弧状の
   羽根を同心円上に固着した杭穴掘削具。 ２ 羽根用アームは回転軸と直角又は鋭角をなし
   て突出され、上下適間隔で円周方向へ隣接アー
   ム間に90度の角度を保たせた実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の杭穴掘削具。 ３ 羽根の円周方向の長さは複数枚で穴の内周長
   とほゞ等しくなる長さとした実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の杭穴掘削具。 ４ 羽根用アームと羽根とは着脱自在とした実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の杭穴掘削具。