JPS6238951B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はブロツキング発振回路を用いた高電圧
発生装置に関し、電源電圧、周囲温度および負荷
変動などによる出力電圧の変動を安定化させる目
的のものである。

一般に、ブロツキング発振回路を用いた自励式
の高電圧発生装置はよく知られているように、小
電流容量の目的に対してきわめて小型軽量に製作
し得る利点を有し、静電複写機、ブラウン管利用
機器用小型電気集塵機などに広く用いられてい
る。

これらの目的には自励式の例では、第１図に示
すような回路で構成されたものが一般に用いられ
ている。しかしながら、かかる構成においては電
源電圧の変動により出力電圧が大きく変動する。
またスイツチング素子であるトランジスタが温度
依存素子であるため周囲温度の変化に対しても出
力電圧が変動する不都合が出じる。さらに詳細に
説明するならば第１図において、主トランジスタ
１のコレクタは昇圧トランス２の出力コイル３お
よび電源整流用ダイオード４を介して交流電源の
一端に接続され、交流電源の他端は前記主トラン
ジスタ１のエミツタに接続されている。該主トラ
ンジスタ１のベースは前記トランス２の帰還コイ
ル５を介してバイアス電位を与える抵抗６，７の
直列接続体の中間に接続され、かつ帰還コイル５
は正帰還されるべき極性で接続される。なお、８
は平滑用コンデンサ、９はダンパー・ダイオー
ド、１０はトランス２の高圧コイル、１１は高圧
整流用ダイオード、１２は高圧平滑用コンデン
サ、１３はトランジスタ保護用ダイオードをそれ
ぞれ示す。多くの場合、高圧平滑用コンデンサ１
２は接続負荷の浮遊容量で代用されるか目的に応
じて省略される場合が多い。またA₁，A₂は交流
電源端子、B₁，B₂は出端子を示す。

今端子A₁，A₂に交流電圧を加えると、ダイオ
ード４、平滑用コンデンサ８により整流かつ平滑
され、バイアス抵抗６，７により分圧されたバイ
アス電圧が主トランジスタ１のベースに与えら
れ、主トランジスタ１を起動させ、コレクタ電流
を流し始める。コレクタ電流は回路の時定数、主
に出力コイル３の時定数により上昇するが、この
とき帰還コイル５に正帰還電圧が誘起され、主ト
ランジスタ１を導通状態に保持する。コレクタ電
流が正帰還電圧にて抑制される値に達すると、逆
再生作用により主トランジスタ１は急速にカツト
オフされる。このとき出力コイル３に大きな逆起
電力が生じ高圧パルスが発生する。これを高圧コ
イル１０で昇圧しダイオード１１、コンデンサ１
２で整流かつ平滑して直流高電圧を得るものであ
る。この回路にて発生する高圧パルス電圧Ｖは Ｖ＝Ｌｄｉ／ｄｔ で表わされる。Ｌは出力コイル、高圧コイルの合
成インダクタンスでトランスによる定数である。
また遮断時間を表わすdtも回路の時定数で決まり
一定であり、Ｌ，dtとも温度にて大きな変化は示
さない。しかし、出力コイル電流ｉはトランジス
タの特性、電源電圧によつて決まるためトランジ
スタの温度特性と電源電圧変動によつて大きく変
化する。また、出力側B₁，B₂に負荷を接続した
場合には高周波高電圧トランス２のため内部イン
ピーダンスが大きく、レギユレーシヨンが非常に
悪かつた。

本発明はこのような欠点を改良し、安定な高電
圧出力を得ようとするものである。

以下、本発明を第２図に示す一実施例を用いて
第１図と同一箇所には同一番号を付して説明す
る。

第２図において、２１は帰還コイル５の一端に
接続された高圧パルス整流用ダイオード、２２は
同整流用コンデンサ、２３はコンデンサ２２の両
端電圧を放電すると共に、その中間電位を検出す
るための可変抵抗器、２４は制御用トランジス
タ、２５は定電圧ダイオード、２６は電源制御用
トランジスタ、２７は抵抗、２８は平滑コンデン
サである。

この構成によれば、主トランジスタ１がカツト
オフされた時に高圧コイル１０に高電圧が発生す
ると共に、帰還コイル５に前記高電圧に比例した
電圧を誘起する。この電圧を整流して得られた電
圧が定電圧ダイオード２５の動作電圧以上になれ
ば、電源制御用トランジスタ２６の導通を阻止す
るように動き、平滑コンデンサ２８に加わる電圧
を下げる。また出力電圧が低い場合には制御用ト
ランジスタ２４は導通しないため、電源制御用ト
ランジスタ２６は完全導通状態となり、最大電圧
が平滑コンデンサ２８に加わる。

このように高圧出力電圧に応じて電源電圧を制
御しているため、入力電圧の変動、主トランジス
タ１の電流増幅率のバラツキ変動、温度の変化等
の出力電圧変動要因に対しても一定出力を得るこ
とができる。

本発明はこのように簡単な回路構成で、入力電
圧の変化、トランジスタのバラツキ、温度変化に
対して安定な出力電圧が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧発生回路の回路図、第２
図は本発明の一実施例を示す高電圧発生回路の回
路図である。 １…主トランジスタ、２…昇圧トランス、３…
出力コイル、５…帰還コイル、１０…高圧コイ
ル、２１…ダイオード、２２…コンデンサ、２３
…可変抵抗器（放電抵抗）、２４…制御用トラン
ジスタ、２５…定電圧ダイオード、２６…電源制
御用トランジスタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 昇圧トランスの出力コイルと主トランジスタ
   と帰還コイルと抵抗からなる閉回路および昇圧ト
   ランスの高圧コイルによつて構成されたブロツキ
   ング発振回路と、前記帰還コイルに発生する前記
   主トランジスタをカツトオフする極性の電圧によ
   りダイオードを介して充電されるコンデンサと、
   このコンデンサに並列接続された放電抵抗と、こ
   の放電抵抗の中間点電位と基準電圧との比較によ
   り導通制御される制御用トランジスタと、この制
   御用トランジスタにより導通制御されて前記ブロ
   ツキング発振回路に印加する電圧を制御する電源
   制御用トランジスタとを備えてなる高電圧発生回
   路。