JPS6238814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前車輪への伝動機構及び動力取出軸
への伝動機構夫々に油圧クラツチを介在させてあ
るトラクタの油圧クラツチ作動回路に関し、詳し
くは、第１油圧クラツチと第２油圧クラツチとの
両者に対して圧油を供給する状態と、前記第１油
圧クラツチへの圧油供給を停止して第２油圧クラ
ツチのみに圧油を供給する状態とに、圧油供給状
態を切換自在な第１バルブを設けるとともに、前
記第２油圧クラツチに対する供給路に、前記第１
油圧クラツチに対するリリーフ弁を介装して、前
記第１バルブを前記両油圧クラツチの双方にオイ
ルを供給する状態に切換えたときには、前記第２
油圧クラツチに対して前記第１油圧クラツチに対
するリリーフ弁を通したオイルを供給すべく構成
し、さらに、前記リリーフ弁よりも流路下手側
に、前記第２油圧クラツチに対してオイルを供給
する状態と供給しない状態とに切換自在な第２バ
ルブを設けたトラクタの油圧クラツチ作動回路に
関する。

上記構造のトラクタの油圧クラツチ作動回路に
おいては、第３図に示す如く、前車輪への伝動機
構に対する第１油圧クラツチ１、動力取出軸への
伝動機構に対する第２油圧クラツチ３に対して並
列的にオイルを供給する状態と、前記第２油圧ク
ラツチ３のみにオイルを供給する状態とに切換自
在な第１バルブ０６を、両油圧クラツチ１，３に
オイルを供給する状態に切換えた時には、前記第
２油圧クラツチ３は、前記第１油圧クラツチ１に
対するリリーフ弁７を通つた作動油で駆動される
ものであり、従つて、前記第１油圧クラツチ１
は、前記第２油圧クラツチ３の入り切り作動にか
かわらず、前記リリーフ弁７によつて、その印加
圧が一定に保持される利点がある。

ところが、前記第１油圧クラツチ１、第２油圧
クラツチ３を両方使わない場合、つまり、前記第
１バルブ０６を第２油圧クラツチ３のみにオイル
を供給する状態に切換えて、且つ、第２油圧クラ
ツチ３を入り切りする第２バルブ９を、油圧ブレ
ーキ４、又は、タンクＴにオイルを送つて前記第
２油圧クラツチ３を駆動しない状態に切換えたと
きにおいては、かならず、前記リリーフ弁７を通
るので油温が上昇してオイルの劣化を早めるとと
もに、リリーフ弁の作動音が常に発生する欠点が
あつた。

本考案は、かかる点に鑑み、簡単な構造付加に
よつて、前記欠点を解消することを目的とする。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
第１油圧クラツチと第２油圧クラツチとの両者に
対して圧油を供給する状態と、前記第１油圧クラ
ツチへの圧油供給を停止して第２油圧クラツチの
みに圧油を供給する状態とに、圧油供給状態を切
換自在な第１バルブを設けるとともに、前記第２
油圧クラツチに対する供給路に、前記第１油圧ク
ラツチに対するリリーフ弁を介装して、前記第１
バルブを前記両油圧クラツチの双方にオイルを供
給する状態に切換えたときには、前記第２油圧ク
ラツチに対して前記第１油圧クラツチに対するリ
リーフ弁を通したオイルを供給すべく構成し、さ
らに、前記リリーフ弁よりも流路下手側に、前記
第２油圧クラツチに対してオイルを供給する状態
と供給しない状態とに切換自在な第２バルブを設
けたトラクタの油圧クラツチ作動回路において、
前記第１バルブの前記第２油圧クラツチのみにオ
イルを供給するポートに、前記リリーフ弁を通さ
ずして前記第２バルブにオイルを供給するための
バイパスポート、並びに、それに引続くバイパス
路を設けた点にあり、斯かる構成から次の作用効
果を奏する。

すなわち、第２図に示す如く、第１油圧クラツ
チ１、第２油圧クラツチ３を駆動しない為に、第
１バルブ６をｃ操作位置に、第２バルブ９をｂ操
作位置に切換えた時には、前記バイパス路１２を
通つて前記第２バルブ９にオイルが送られること
となるから、油温の上昇が抑制され、又、斯かる
場合にはリリーフ弁７が作動することがないので
騒音を防止し得る。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、エンジン（図示せず）から後車輪デフ装置
Ａへの伝動機構に、主クラツチＢ、油圧式前後進
切替装置Ｃ、主変速装置Ｄ及び副変速装置Ｅを介
装するとともに、前記副変速装置Ｅ下手側から分
岐させた前車輪への伝動機構に、圧油供給に伴つ
て弾性付勢に抗して入り作動する第１油圧クラツ
チ１を介在させるとともに、牽引作業装置に対す
る動力取出軸２への伝動機構に、圧油供給に伴つ
て入り作動する湿式多板型の第２油圧クラツチ３
と、圧油供給に伴つて前記動力取出軸２を制動す
る油圧ブレーキ４とを介在させてあるトラクタに
おいて、前記第１クラツチ１への第１圧油供給路
５に、第１クラツチ１に圧油を供給するａ操作位
置の第１状態と供給しないｃ操作位置の第２状態
に切替操作自在な弁（第１バルブ）６を介装する
とともに、この切替弁６が第１状態にあるとき、
第１クラツチ１への印加圧を保持するリリーフ弁
７を接続させて、第１クラツチ１を入り切り操作
可能に構成する。

かつ、前記リリーフ弁７のリリーフ圧を第２ク
ラツチ３及び油圧ブレーキ４側に供給する第２圧
油供給路８を設けるとともに、この第２圧油供給
路８に、前記第２クラツチ３に圧油を供給し、か
つ、油圧ブレーキ４からタンクＴに戻り油させる
ｃ操作位置の第１状態と、油圧ブレーキ４に圧油
を供給し、かつ、第２クラツチ３からタンクＴに
戻り油させるａ操作位置の第２状態、さらに、ｂ
操作位置のタンクＴに帰還させる第３状態とに切
替操作自在な弁（第２バルブ）９を介装し、もつ
て、第２クラツチ３、油圧ブレーキ４を切替操作
可能に構成する。

図中１０は、前記第２圧油供給路８内の圧油
を、第２クラツチ３の冷却用油として供給可能な
リリーフ弁１０Ａ付の冷却油供給路である。

而して、前記切替弁６の第２状態に連動して、
自動的、かつ、可逆的に前記第１圧油供給路５の
圧油をリリーフ弁７を経ることなく前記第２圧油
供給路８に供給させるために、前記切替弁６の前
記第２油圧クラツチ３のみに圧油を供給するポー
トP₁にバイパスポートP₂を設け、さらに、それに
引続くバイパス路１２を設ける。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に斯かるトラクタの油圧クラツチ
作動回路の実施例を示し、第１図は動力伝達系統
図、第２図は油圧回路図、第３図は従来の油圧回
路図である。 １……第１油圧クラツチ、６……第１バルブ、
７……リリーフ弁、８……第２油圧クラツチに対
する供給路、９……第２バルブ、３……第２油圧
クラツチ、１２……バイパス路、P₂……バイパス
ポート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 第１油圧クラツチ１と第２油圧クラツチ３と
   の両者に対して圧油を供給する状態と、前記第
   １油圧クラツチ１への圧油供給を停止して第２
   油圧クラツチ３のみに圧油を供給する状態と
   に、圧油供給状態を切換自在な第１バルブ６を
   設けるとともに、前記第２油圧クラツチ３に対
   する供給路８に、前記第１油圧クラツチ１に対
   するリリーフ弁７を介装して、前記第１バルブ
   ６を前記両油圧クラツチ１，３の双方にオイル
   を供給する状態に切換えたときには、前記第２
   油圧クラツチ３に対して前記第１油圧クラツチ
   １に対するリリーフ弁７を通したオイルを供給
   すべく構成し、さらに、前記リリーフ弁７より
   も流路下手側に、前記第２油圧クラツチ３に対
   してオイルを供給する状態と供給しない状態と
   に切換自在な第２バルブ９を設けたトラクタの
   油圧クラツチ作動回路において、前記第１バル
   ブ６の前記第２油圧クラツチ３のみにオイルを
   供給するポートP₁に、前記リリーフ弁７を通さ
   ずして前記第２バルブ９にオイルを供給するた
   めのバイパスポートP₂、並びに、それに引続く
   バイパス路１２を設けてある事を特徴とするト
   ラクタの油圧クラツチ作動回路。 ２ 前記第１油圧クラツチ１が前車輪への伝動機
   構に介在させたクラツチであり、第２油圧クラ
   ツチ３が動力取出軸２への伝動機構に介在させ
   たクラツチである実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のトラクタの油圧クラツチ作動回路。