JPS6238750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 脱精米機等における脱機は、その使用方法
によつて脱機能率を極く少量から比較的多量ま
で幅広く調節する必要がある。すなわち、脱作
業と精米作業を連続的に行うときは、籾の供給量
を最少にして脱能率を少量にする。一方、脱
作業のみを行うときは、籾の供給量を最少にして
脱能率を少量にする。一方、脱作業のみを行
うときは、籾の供給量を比較的多量にして高能率
の脱作業に使用できることが望ましい。

一方、籾中には多くの藁屑、枝梗、切れ藁等が
混在するから、籾供給装置は籾等の掻込み作用を
持つた構成にしなければ、特に、籾供給ロールと
籾供給調節板との隙間を狭く調節して籾の供給量
を少なくした場合には、籾中に混在する藁屑等が
上記隙間内に入り込まなく、その藁屑等が相俟つ
て籾が籾取入口にブリツジ状になつてむら落ちし
たり、落下しなくなつたりする。

従つて、籾供給装置には、籾等の掻込み作用が
不要不可欠である。

ところが、従来この種の遠心脱機において
は、その籾供給装置としては、第５図に示す撹拌
ロール式、すなわち、外周に多数の突起を設けた
撹拌ロールイと供給調節板ロとの隙間から籾を供
給する方式と、第６図に示すスクリユー供給式ハ
とがある。

ところで、その籾供給装置の籾供給ロールは脱
回転盤と同一回転軸に取付けて高速回転するか
ら、前者の撹拌ロール式においては、撹拌ロール
イの多数の突起によつて籾等の掻込み作用はある
けれども、撹拌ロールイと供給調節板ロとの隙間
をゼロにしても、撹拌ロールイの突起とボス部と
の隙間から籾が漏れ落ちるから、必要な籾の最少
供給量を得るためには、撹拌ロールイを非常に小
径としたり、またその幅を狭くする等の必要があ
つた。更に撹拌ロールイの外周に多数の突起があ
るので、藁屑等の多い籾を使用したときは、その
突起への藁屑等の巻付きを生じ、且つ突起付き撹
拌ロールイは側方への籾の移送能力がないので、
脱機本体ニの上記撹拌ロールイの下方部に脱
回転盤ホ内への流入斜面を形成して籾を脱機本
体ニから脱回転盤ホ内へ流入させるため、脱
機中で特に重要な脱回転盤ホの籾流入中心孔が
大径となり、従つて脱回転盤ホの放射状羽根の
有効長さが短かくなり籾に対する加速力が減少し
て脱効率の低下を来す。一方、その籾に対する
加速力の減少を防止するために脱回転盤ホの放
射状羽根の有効長さを確保するには、脱回転盤
ホの外周径を大径にする必要が生じる等の欠点が
あつた。

一方、後者のスクリユー供給式ハにおいては、
そのスクリユーハのピツチおよび深さを籾を咬み
込む大きさにしなければならないので、籾供給の
少量への調節は殆んど不可能である上に、スクリ
ユーハには籾等の掻込み作用がない。従つて、一
般にはスクリユーハの上方に前者のような突起付
き撹拌ロールイを籾供給調節用として設け、スク
リユーハは脱機本体ニから脱回転盤ホの中心
部への籾送り込み用とする方式であつた。

また、上記両者においては、一般に、脱機本
体ニの籾取入口が比較的小さいため、籾中に混在
する藁屑等が相俟つて籾が籾取入口にブリツジ状
になつて落下しなくなつたり、むら落ちしたりす
る等で籾供給の調節が困難な欠点があつた。

そこで本考案は上記欠陥に鑑み、その欠点を解
消するために、円柱状の外周面に複数条の条溝を
送り方向に軸心と約30゜〜45゜の若干ねじつた状
態に設けてなる籾供給ロールを脱機本体内に軸
架し、該籾供給ロールに対向して籾供給調節板を
設け、上記籾供給ロールと籾供給調節板との隙間
を変化させることによつて籾の供給を極く少量か
ら比較的多量まで自由で簡易にし得られ、且つ籾
供給ロールの複数条の条溝が十分に籾等の掻込み
と移送の両作用を有すると共に、その掻込み作用
が連続的に円滑に行われ、籾取入口において籾が
ブリツジ状になるのを防止し、常に脱回転盤へ
の安定した籾供給を確保でき脱効率を高めて作
業能率を向上するようにした脱精米機における
籾供給装置に係るものである。

図面に示す本考案の一実施例についてその構造
を説明すれば、１は脱精米機の機体で、該機体
１の後部両側に脱機ａおよびその出口に連結し
た選別機ｂを、前部両側にモーターｃおよび精米
機ｄをそれぞれ内蔵する。

２は脱機ａの脱機本体で、その上口には機
体１の前方一側上部に内蔵した籾タンク３を取付
ける。４は脱機本体２の上方の籾取入口に前後
動自在に嵌着した開閉板で、その操作杆５は機体
１の前方へ突出させる。６は脱機本体２の他側
底部の受筒７内に回転軸８により架設する籾供給
ロールで、円柱状の外周面に〓状の条溝９を複数
条、例えば二条程度、しかも送り方向に軸心と約
30゜〜45゜の若干ねじれた状態に設けてなる。１
０は籾供給ロール６に対向して脱機本体２内の
一側部に軸杆１１により回動自在に支持した籾供
給調節板で、脱機本体２の一側壁のねじ孔に螺
通した調節ボルト１２の回転によつて上下作動す
る。

１３は受筒７と同心になして脱機本体２の後
方に連設した脱胴で、皿状に形成してその内周
面にゴム等よりなる脱円錐リング１４を附着
し、該脱胴１３の後方に脱胴カバー１５およ
び後壁中心に吸気口１６を設けた吸引胴１７を順
次直列に取付けてその脱胴カバー１５の斜め他
側下方の出口を選別機ｂの一側中間入口に、吸気
口１６を選別機ｂの上端開口にそれぞれ連通し、
回転軸８の脱胴１３内突入部には後方円板１８
と前方円環１９の間に放射状羽根２０を設けた脱
回転盤２１を、吸引胴１７内突入部には吸引風
車２２をそれぞれ取付ける。２３は脱機本体２
の受筒７と脱胴１３の連通口の口縁のほぼ上半
部に設けた籾の流れ出し防止突縁、２４は吸引胴
１７の上方開口に連設した吹上筒で、その先端部
は機体１より一側へ突出させて先端にサイクロン
２５を附設する。２６は選別機ｂの下端穀粒取出
口に連結してその後方に設けたはねあげ揚穀機
で、その揚穀筒の先端は二股に形成し一端口２７
を精米機ｄの玄米タンク２８上に、他端口２９を
機体１の外方にそれぞれ臨ませて分岐部に切換弁
３０を装設する。

３１は精米機ｄの本体の玄米取入口に設けた開
閉板、３２は精米機ｄの回転軸である。

而して、モーターｃの原動軸３３と脱機ａの
回転軸８およびはねあげの揚穀機２６のはねあげ
翼車軸とをクラツチプーリー３４を設けたベルト
伝導機構３５により、精米機ｄの回転軸３２とを
ベルト伝導機構３６によりそれぞれ連結してその
クラツチプーリー３４の操作レバー３７は機体１
の前方に突出させる。

次にその作用を説明する。クラツチプーリー３
４によるクラツチを切つてモーターｃの運転を開
始すれば、その原動軸３３から伝動機構３６を介
し回転軸３２に動力が伝達されて精米機ｄのみ駆
動される。

而して籾の脱作業を行う場合には、操作レバ
ー３７によりクラツチプーリー３４を作動してそ
れによるクラツチを入れると、モーターｃの原動
軸３３から伝導機構３５を介し回転軸８および揚
穀機２６の翼車軸に動力が伝達されて脱機ａお
よび揚穀機２６が駆動される。

従つて、第２図に示すように、切換弁３０によ
り他端口２９側を閉じ、籾タンク３に籾を供給し
て操作杆５により開閉板４を適宜に開けば、籾タ
ンク３内の籾は順次該タンク３の下口から脱機
本体２内に落入し、その突縁２３によつて脱機
本体２から脱胴１３内への籾の流れ出しが防止
されながら籾は籾供給ロール６の複数条の条溝９
に掻込まれて籾供給ロール６と籾供給調節板１０
との隙間から受筒７内に至つてその籾供給ロール
６の条溝９内に入り込み、該条溝９の送り方向へ
のねじれによつて受筒７から脱胴１３内に送込
まれると共に、脱回転盤２１の羽根２０による
遠心作用により脱円錐リング１４にはげしく衝
突して籾は脱される。

それと同時に、脱作用の終つた一部未脱籾
を含む玄米、籾殻、藁屑等の混合物は、上記脱
回転盤２１の風力により選別機ｂ内に吹込まれて
その選別機ｂ内を上昇する風により選別され、軽
い籾殻、藁屑等は、風車２２の回転により選別機
ｂの上端開口から吸引胴１７内に吸入されて吹上
筒２４を通りサイクロン２５に至つて機体１外に
排出され、重い玄米は、揚穀機２６内に入りその
揚穀筒内を上昇して一端口２７から玄米タンク２
８内に供給される。

その際、切換弁３０によつて一端口２７側を閉
じると、揚穀機２６の揚穀筒内を上昇した玄米を
その他端口２９から直接機体１外に取出すことが
できる。

次いで精米作業を行う場合には、操作レバー３
７によつてクラツチプーリー３４を作動しそれに
よるクラツチを切つて脱機ａおよびはねあげ揚
穀機２６の運転を停止させ、その後、精米機ｄの
開閉板３１を開けば、玄米タンク２８内の玄米が
順次精米機ｄ内に落入して精米作業が行われる。

なお、上記受筒７の内面に適宜の突条を装設し
たり、あるいは受筒７を多角筒とすれば尚一層籾
の移送効率を高めることができる。

本考案は脱精米機における籾供給装置を上記
のように構成したから、籾供給ロールの複数条の
条溝は送り方向に軸心と約30゜〜45゜の若干のね
じれを設けたものであるため、その条溝は可成り
軸心に沿い回転して十分に籾等の掻込みと移送の
両作用を有し、且つその条溝のねじれにより、籾
等の掻込み作用が連続的に円滑になされて籾供給
ロールに一度に大きな荷重が掛ることなく、籾の
供給を無理なく適確良好に行うことができる。従
つて、籾供給ロールの回転に伴つて籾は常に適切
に脱機の脱回転盤の中心部に送り込まれ、脱
回転盤の放射状羽根の加速作用を有効に利用し
て脱効率を高め得る。

一方、籾供給ロールが脱回転盤と一体で高速
回転しても、籾供給調節板を籾供給ロールの外周
面と接する状態まで調節したときは、籾供給ロー
ルと籾供給調節板との隙間はゼロとなり、籾の供
給量は籾供給ロールに設けた少数の条溝のみとな
つて籾供給の極少量への調節が可能となる。

更に、籾供給ロールの籾と接触する表面積を大
きくなしても、籾の供給量は籾供給ロールの直径
方向では変化がないためその供給量の変化は少な
い。従つて、籾の取入口を大きく形成できるか
ら、その籾取入口に籾がブリツジ状となることを
完全に防止し得る上に、必要に応じて適宜に籾供
給調節板を籾供給ロールに接近または離隔させる
ことにより、籾の供給量を極少量から比較的多量
まで簡易自由に調節することができる。

その上、籾供給ロールの外周面に突起がないか
ら、籾供給ロールが高速回転しても、籾中に混在
する藁屑等が籾供給ロールに巻付くことが絶対に
生じなくて常に円滑に籾の安定供給を行うことが
でき、且つ機械全体を極めて簡単小型に構成し得
る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る脱精米機の
正面図で、機体前壁を取除き脱機を切断して示
す。第２図は同上側面図で、機体側壁を取除き精
米機を切断して示す。第３図は第１図の−１線
断面図、第４図はその脱機および選別機の平断
面図、第５図および第６図は従来の脱機および
選別機の一部切断した平面図をそれぞれ示す。 ２……脱機本体、３……籾タンク、４……開
閉板、６……籾供給ロール、７……受筒、８……
回転軸、９……条溝、１０……籾供給調節板、１
３……脱胴、２１……脱回転盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱機本体の上口に籾タンクを取付けてその下
   方の籾取入口に開閉板を設け、上記脱機本体の
   底部受筒の後方に脱胴を同心に連設し、その受
   筒と脱胴にわたして架設した回転軸の脱胴内
   に脱回転盤を、受筒内には、円柱状の外周面に
   複数条の条溝を送り方向に軸心と約30゜〜45゜の
   若干ねじれた状態に設けてなる籾供給ロールをそ
   れぞれ取付け、上記脱機本体内の一側部には籾
   供給ロールに対向してその外周面に任意に接近ま
   たは離隔できる籾供給調節板を設けてなる脱精
   米機における籾供給装置。