JPS6238470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動二輪車のエアクリーナ装置に関
するものである。

従来、自動二輪車においては、第１図に示すよ
うに、車体上部のステアリングヘツド１とその後
方のシート２との間に位置して燃料タンク３を設
けるとともに、エアクリーナボツクス４はシート
２の下部にあつて、シートレール５、オブリーク
チユーブ６およびボデイチユーブ７で囲み、配設
するのを一般とする。しかし、燃料タンク３およ
びエアクリーナボツクス４をこのような位置に設
ける必然性はなく、自動二輪車の構成部品として
は軽量なエアクリーナボツクス４を車体の高い位
置に、また重量の大きい燃料タンク３を車体の低
い位置に設けて、車体全体の重心を低くした方が
走行の安定を図ることができて有利である。また
従来の燃料タンク３の位置にエアクリーナボツク
ス４を設けた場合、クリーナエレメントの交換が
容易となり、クリーナエレメントの保守・整備の
面でも有利となる。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
エアクリーナボツクスを他の位置に移動させると
ともに、その形状に変更を加え、自動二輪車の走
行安定の向上およびクリーナエレメントの保守・
整備の容易化を目的としたものである。すなわ
ち、その要旨とするところは、ステアリングヘツ
ドとシートとの間のフレーム上部にエアクリーナ
ボツクスを載置した自動二輪車において、前記エ
アクリーナボツクスを燃料タンク状に形成すると
ともに、前記エアクリーナボツクス内の前部をダ
スト室とし、かつ後部をクリーン室として構成
し、前記エアクリーナボツクスの前部に空気吸入
口を設ける一方後部に空気吐出口を設け、該空気
吐出口にインテークパイプを連結し、さらに前記
エアクリーナボツクスのダスト室の上部外面部に
脱着自在の上蓋を形成したことにある。

以下、図面に基づき本考案の実施例を説明す
る。

第２図および第３図は、本考案の一実施例を示
したもので、図において、１はステアリングヘツ
ド、２はシート、４はエアクリーナボツクス、８
はタンクレールであり、タンクレール８はステア
リングヘツド１から後方に延びてシートレール５
およびオブリークチユーブ６と連結する。エアク
リーナボツクス４はステアリングヘツド１とシー
ト２との間であつて、タンクレール８の上部に載
設してある。またエアクリーナボツクス４は、そ
の外形を通常の燃料タンク状に形成するととも
に、前部には空気を取入れるための空気吸入口９
を設ける一方、後部には空気吐出口１０を設けて
いる。そして、エアクリーナボツクス４内にはク
リーナエレメント１１を収納している。空気吐出
口１０はインテークパイプ１２を介してキヤブレ
ータ（図示しない）に連通する。７はボデイチユ
ーブ、１３はダウンチユーブであり、ダウンチユ
ーブ１３はステアリングヘツド１から下方に延び
て、ボデイチユーブ７と連結し、該ダウンチユー
ブ１３およびボデイチユーブ７により、エンジ
ン、燃料タンク等を支持する。図における矢印は
空気の流れ方向を示している。

第３図はエアクリーナボツクス４を示したもの
で、図において１４はボツクス４の外面部に形成
した上蓋、１５はボツクス４内の前部を構成する
ダスト室、１６はボツクス４内の後部を構成する
クリーン室、１７はエアクリーナボツクス本体で
あり、上蓋１４はダスト室１５の上部にあつて、
ネジ１８によりエアクリーナボツクス本体１７に
脱着自在に取付けられる。

上記構成を有する本実施例によれば、車体全体
の重心を低下させることができ、またエアクリー
ナボツクス４を通常の燃料タンク状に形成して、
ニーグリツプ機能をも持たせたから、操縦安定性
が図れる。さらにクリーナエレメント１１の交換
が容易に行なえる。

本考案に係る自動二輪車のエアクリーナ装置
は、二輪車の構成部品として軽量なエアクリーナ
ボツクスを地上より高い位置に載設したから、車
体全体の重心位置が下がり、前輪および後輪の両
接地点を結ぶ軸回りの慣性モーメントを低減させ
ることができ、車体のピツチング、ローリング等
を抑え、操縦安定性の向上を図ることができる。
またエアクリーナボツクスの前部に空気吸入口を
設けたので、フレームの高い位置で空気を取入れ
ることができる。このため、自動二輪車の走行中
に前輪が掻き揚げる水しぶき、砂、ほこり等がエ
アクリーナボツクス内に吸入されにくくなり、こ
れを原因とするエンジントラブルを防止すること
ができる。さらにクリーナエレメントの交換が煩
雑でなくなり、該クリーナエレメントの保守・整
備が容易となる。その上、デザイン的な新鮮さを
生むから、新たな需要を惹起することができる。
さらにまた、従来燃料タンクが取付けられている
箇所のフレーム上に燃料タンク状に形成したエア
クリーナボツクスを載置し取付けたので、エアク
リーナボツクスを大きく設けることができ、特に
ダスト室およびクリーン室を大きく形成すること
によつて吸気騒音の低減も図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の車体フレームの従来例を
示す側面図、第２図および第３図は本考案の一実
施例を示し、第２図はエアクリーナボツクスの一
部を破断した自動二輪車の車体フレームの側面
図、第３図はエアクリーナボツクスの分解斜視図
である。 １……ステアリングヘツド、２……シート、４
……エアクリーナボツクス、８……タンクレー
ル、１４……上蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングヘツドとシートとの間のフレーム
   上部にエアクリーナボツクスを載置した自動二輪
   車において、前記エアクリーナボツクスを燃料タ
   ンク状に形成するとともに、前記エアクリーナボ
   ツクス内の前部をダスト室とし、かつ後部をクリ
   ーン室として構成し、前記エアクリーナボツクス
   の前部に空気吸入口を設ける一方後部に空気吐出
   口を設け、該空気吐出口にインテークパイプを連
   結し、さらに前記エアクリーナボツクスのダスト
   室の上部外面部に脱着自在の上蓋を形成したこと
   を特徴とする自動二輪車のエアクリーナ装置。