JPS6238126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は石炭を燃焼させる装置に係り、特に
微粉炭等の小粒径の石炭を燃焼させるのに効果的
な装置に関する。

最近の燃料事情の変化に伴い、例えば火力発電
所用大型ボイラにおいてもその燃料を石油（重
油）から他の燃料、特に石炭に転換することが積
極的に行なわれている。この様な発電所用ボイラ
に使用される石炭はあらかじめ所定の粒径の細粒
（以下「微粉炭」と称する）に粉砕され、バーナ
に気流輸送されるのが一般的である。

第１図は微粉炭燃焼を行なうボイラおよび、こ
のボイラに微粉炭を供給する系統を示す。各石炭
ホツパ１，２，３内の原料炭はフイーダ４，５，
６を経由して粉砕機７，８，９に至る。この粉砕
機は例えばボールミルであり、粉砕機７，８，９
において所定の粒径まで粉砕された微粉炭は各々
バーナ１０，１１，１２に供給され燃焼される。
通常粉砕機７，８，９において製造された微粉炭
は直接バーナに供給され、いわゆるダイレクトフ
アイリングシステムが採用されている。これは微
粉炭を貯蔵するためには専用の貯蔵施設を設けね
ばならないこと、および微粉炭貯蔵中に自然発火
して爆発的な燃焼を生ずる虞れがあること等に起
因する。

第２図は第１図に示したバーナの配置状態およ
び微粉炭の供給方法を模式的に示したものであ
る。図において最上段のバーナ群１０ａないし１
０ｆは粉砕機７に、中段のバーナ群１１ａないし
１１ｆは粉砕機８に、下段のバーナ群１２ａない
し１２ｆは粉砕機９に接続している。この様に微
粉炭供給経路を形成したバーナ群において粉砕機
のうちいづれかが停止すると次の如き問題が生じ
る。つまり粉砕機は常時石炭を粉砕しているた
め、粉砕部を中心として摩耗が生じ定期的に部品
交換を必要とし、ボイラ稼動中でも粉砕機を停止
する必要が生じる場合があるが、この様な場合、
例えば粉砕機７が停止したとすればバーナ１０ａ
ないし１０ｆが全て燃焼を停止してしまう。この
ためバーナを設置した炉壁、もしくは火炎の噴射
を受ける対向壁の熱分布が不均一となり、炉壁に
熱応力が生じることになる。さらに例えば二段燃
焼を行つている場合にはバーナ１０ａないし１０
ｆによる未燃分燃焼が不可能になるため煤塵の大
量発生等の事態も生じる。

この考案の目的はこの様な問題点に鑑み粉砕機
停止時にも各段のバーナが全て停止してしまう事
態を防止し熱分布の極端な不均等を防止すると共
に、二段燃焼を行つている場合にはバーナ停止に
よる煤塵等の未燃分が増加しないようにした微粉
炭燃焼装置を提供することにある。

要するにこの考案は火炉壁面に複数段のバーナ
群を配置したものにおいて、これら複数段のバー
ナ群のうち少なくとも一部の段のバーナ群に対す
る微粉炭の供給を複数基の粉砕機から行なうこと
により、一基の粉砕機の運転が停止しても特定の
段のバーナ群全てが停止することを防止するよう
構成したものである。

以下この考案の実施例を図面により説明する。

第３図において、符号１５ａないし１５ｌは上
段バーナ群を構成し、二段燃焼の際に後述する下
段側バーナ群との火炎の混合を良好にすべくバー
ナ設置本数を中段および下段バーナ群の２倍12本
とする。この場合各バーナの容量は中段および下
段のバーナの約１／２として発熱量のバランスをとつ ておく。１６ａないし１６ｆはこれら上段バーナ
群に対して微粉炭を分配する分配器であり、分配
器１６ａはバーナ１５ａと１５ｃ、分配器１６ｂ
はバーナ１５ｂおよび１５ｄという様に水平方向
に一列に配置した上段バーナ群のうちの一個おき
のバーナと接続し、いづれかの分配器からの微粉
炭供給が停止しても、上段バーナ群のうち少くと
も１個おきのバーナは燃焼を継続し得るよう構成
する。これらバーナ群に対して粉砕機１７および
１８（夫々所定の粉砕機となる）が接続するが、
この場合粉砕機１７は分配器１６ａ，１６ｃ，１
６ｅに、粉砕機１８は分配器１６ｂ，１６ｄ，１
６ｆという様に各粉砕機は１個おきの分配器と接
続している。

次に符号１９ａないし１９ｆは中段バーナ群を
構成する６基のバーナであり、やはり一個おきに
粉砕機１７および１８と接続している。また符号
２０ａないし２０ｆは下段バーナ群を構成する６
基のバーナを示し、このバーナ群は全て粉砕機２
１に接続している。但しこの下段バーナ群も、他
の燃焼装置のバーナに微粉炭を供給する粉砕機と
一部接続する等の方法により微粉炭供給系統を二
重にすることはもとより可能である。

以上の装置において、例えば二段燃焼を行なう
場合には下段バーナ群２０ａないし２０ｆ、およ
び中段バーナ群１９ａないし１９ｆにおける空気
比を１以下としてNOxの生成率を低下させると
共に、上段バーナ群１５ａないし１５ｌの空気比
を１もしくは１以上として低NOx燃焼により生
じた未燃分を燃焼させる。この燃焼過程におい
て、例えば粉砕機１７が部品の交換のため、もし
くは故障により停止する場合を想定するとバーナ
群の燃焼状態は次の如くなる。すなわち粉砕機１
７からの微粉炭の供給停止により分配器１６ａ，
１６ｂ，１６ｅの微粉炭供給が停止し、これによ
りバーナ１５ａ，１５ｃ，１５ｅ，１５ｇ，１５
ｉ，１５ｋの燃焼が停止する。つまり上段バーナ
群のうちの一個おきのバーナが停止するので上段
バーナ群全体の火炎噴射量は半減するが、火炎の
分布は均一に保たれる。同様に中段バーナ群のう
ち粉砕機１７に接続するバーナ１９ａ，１９ｃ，
１９ｅも停止するが火炎の分布は均一に保持され
る。なお、この場合上段バーナ群は依然として６
本のバーナが燃焼しており火炎は比較的密に配置
されるため未燃分の燃焼効率が極端に低下するこ
とはなく燃焼を継続している上段バーナ群に対す
る空気供給量を増加させる等により十分に対処す
ることができる。

また火炉の構造については第４図に示すごとく
上段バーナとアフタエアポート２１との間をくび
れたようにする所謂スロート部２２を形成したも
のとするときは、後燃焼部をスロート部の上方に
設けることとなり、前記のNOx低減運転をより
効果あるものとすることができる。

この考案を実施することによりダイレクトフア
イアリング方式において使用する粉砕機のいづれ
かが停止しても燃焼を継続するバーナが均等に分
散するため熱分布に不均等が生ぜず炉壁に熱応力
が生じることがない。

また上段バーナの設置本数を多くすれば特定の
粉砕機が停止しても未燃分の燃焼を十分に行なう
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は燃焼装置の断面図および従来の微粉炭
供給系統を示す系統図、第２図は各バーナ群に対
する従来の微粉炭供給を示す模式図、第３図はこ
の考案に係る微粉炭供給系統を示す模式図、第４
図はスロート部をもつ火炉構造に実施したときの
模式図である。 １５ａ〜１５ｌ……上段バーナ群、１６ａ〜１
６ｆ……分配器、１７，１８，２１……粉砕機、
１９ａ〜１９ｆ……中段バーナ群、２０ａ〜２０
ｆ……下段バーナ群。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 炉壁に対して複数段のバーナ群を配置しかつ
   これらのバーナ群と粉砕機とを管路接続したも
   のにおいて、これら複数段のバーナ群のうち少
   くとも一以上の段のバーナ群に対して夫々各段
   ごとに複数の粉砕機をこれらバーナと管路接続
   し、これら粉砕機の一部を運転停止したとき各
   段ごとの着火しているバーナ本数の段単位につ
   いての比が定格運転時における着火バーナ本数
   の段単位の比にほぼ対応するように構成した微
   粉炭燃焼装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の微粉炭
   燃焼装置において、各段のバーナ群に対して
   各々２基の粉砕機を接続し、かつ各段において
   隣接するバーナが相互に他の粉砕機と接続する
   よう配管接続したもの。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項ないし第２項
   記載の微粉炭燃焼装置において、バーナ群を上
   段、中段および下段の３群とし、上段バーナ群
   の設置本数は中段または下段のバーナ群の設置
   本数の２倍とし、かつ上段バーナの配置を１個
   おきごとにそれぞれ所定の粉砕機から燃料供給
   を受けるようにし、また燃料を複数バーナを一
   群として分類する分配器の複数個を経由して
   夫々供給するように形成したもの。