JP7379944B2 - 旋回燃焼ボイラの運転方法 - Google Patents

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本発明は、旋回燃焼ボイラの運転方法に関する。
従来、例えば微粉炭等の粉体燃料を燃焼させるボイラとして、旋回燃焼ボイラが知られている。旋回燃焼ボイラは、複数の段に設けられた複数のバーナが、ボイラの角部等に配置される。各バーナは、微粉炭等の粉体燃料と空気との混合気を燃焼させて火炎を噴出する。これら複数のバーナにより噴出される火炎は、火炉内で旋回して1つ又は複数のファイヤーボールを形成する。
火炉内で形成されるファイヤーボールは、火炉内で旋回しながら螺旋状に上昇する。このような旋回燃焼ボイラに関する技術として、上下に隣接するバーナ段と異なる水平方向角度に向けてバーナを設置することで、安定した運転の継続を可能にする技術が開示されている(例えば、後述の特許文献1参照)。
特開2010-091235号公報
旋回燃焼ボイラにおいては、各段に設けられたバーナや、バーナに接続される給炭路のうち1箇所でも故障が発生した場合、その段の安定した燃焼継続が困難であると考えられていた。そのため、故障が発生した段全体の運転を停止させる運用を行っていた。
従って、旋回燃焼ボイラのいずれかの段に故障が発生した場合、運転する段数を減らし、ボイラの出力を低下させる必要がある。また、旋回燃焼ボイラが予備用の段を備える場合であっても、該予備用の段を使用すれば、予備力を確保した状態での運転が不可能となる。ボイラが大型の発電所等に用いられる場合にこのような事態が生じれば、電力の安定供給の観点から問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、旋回燃焼ボイラの段の一部が故障した場合であっても、故障が発生した段の運転を継続して行え、ボイラを安定して運転できる、旋回燃焼ボイラの運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の段にそれぞれ複数配置されるバーナにより、粉体燃料が燃焼されて前記複数の段の各々に1又は複数のファイヤーボールが形成される旋回燃焼ボイラの運転方法であって、1の段に配置される複数の前記バーナのうち、1のバーナ及び/又は前記1のバーナに粉体燃料を供給する供給路に故障が発生した場合、前記1のバーナに対する粉体燃料の供給を停止させて前記1の段の運転を行う、旋回燃焼ボイラの運転方法に関する。
また、前記1の段に配置される複数の前記バーナに対し、1の供給元から前記供給路を通じて粉体燃料が供給されることが好ましい。
また、前記1の段への粉体燃料の供給量を、定常時の供給量よりも低減させて運転を行うことが好ましい。
また、前記供給路の一部に閉塞材を配置して、前記1のバーナに対する粉体燃料の供給を停止させることが好ましい。
また、前記供給路を途中で分断して、供給側の開口部と、バーナ側の開口部と、を設け、前記閉塞材は、前記供給側の開口部に配置されるとともに、前記バーナ側の開口部は大気開放されることが好ましい。
また、バーナ側の前記開口部を大気開放して旋回燃焼ボイラの運転を行うことが好ましい。
また、前記1の段を、予備用の段として用いることが好ましい。
本発明によれば、旋回燃焼ボイラの段の一部が故障した場合であっても、故障が発生した段の運転を継続して行え、ボイラを安定して運転できる、旋回燃焼ボイラの運転方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る石炭火力発電設備を示す概略図である。 図1に示す旋回燃焼ボイラの付近を拡大して示す概略図である。 図2に示すバーナが配置された1の段を模式的に示す平面図である。 微粉炭供給管の供給側の開口部を閉塞した状態を示す斜視図である。
[石炭火力発電設備]
以下、本発明の実施形態について、粉体燃料としての微粉炭を燃焼させる旋回燃焼ボイラを備える、石炭火力発電設備を例に挙げて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る石炭火力発電設備1を示す概略図である。石炭火力発電設備1は、図1に示すように、石炭バンカ10と、給炭機15と、微粉炭機20と、微粉炭供給管30と、燃焼ボイラ40と、燃焼ボイラ40の下流側に設けられる排気通路50と、この排気通路50に設けられる脱硝装置60、空気予熱器70、熱回収用ガスヒータ80、電気集塵装置90、誘引通風機210、湿式脱硫装置220と、再加熱用ガスヒータ230、脱硫通風機240、及び煙突250と、を備える。
石炭バンカ10は、石炭サイロ(図示省略)から運炭設備により供給される石炭を貯蔵する。給炭機15は、石炭バンカ10から供給される石炭を所定の供給スピードで微粉炭機20に供給する。
微粉炭機20は、給炭機15から供給された石炭を粉砕して粉体燃料としての微粉炭を製造する。微粉炭機20としては、ローラミル、チューブミル、ボーラミル、ビータミル、インペラーミル等が用いられる。
微粉炭供給管30は、粉体燃料としての微粉炭を旋回燃焼ボイラ40に供給する供給路である。微粉炭供給管30を通じ、微粉炭機20で製造された微粉炭が旋回燃焼ボイラ40に供給される。
旋回燃焼ボイラ40は、バーナbを備え、微粉炭機20から供給される微粉炭を、強制的に供給される空気と共に燃焼させる。旋回燃焼ボイラ40で発生した石炭灰(クリンカアッシュ)は、ボイラ底部に落下し、回収される。
石炭火力設備1における旋回燃焼ボイラ40の構成及び運転方法の詳細については後述する。
排気通路50は、旋回燃焼ボイラ40の下流側に配置され、旋回燃焼ボイラ40で発生した排ガス及び石炭灰(フライアッシュ等)を流通させる。この排気通路50には、上述のように、脱硝装置60、空気予熱器70、熱回収用ガスヒータ80、電気集塵装置90、誘引通風機210、脱硫装置220と、再加熱用ガスヒータ230、脱硫通風機240、及び煙突250がこの順で配置される。
脱硝装置60は、排ガス中の窒素酸化物を除去する。脱硝装置60は、例えば、比較的高温(300℃~400℃)の排ガス中に還元剤としてアンモニアガスを注入し、脱硝触媒との作用により排ガス中の窒素酸化物を窒素と水蒸気に分解する、いわゆる乾式アンモニア接触還元法により排ガス中の窒素酸化物を除去する。
空気予熱器70は、排気通路50における脱硝装置60の下流側に配置される。空気予熱器70は、脱硝装置60を通過した排ガスと燃焼用空気とを熱交換させ、排ガスを冷却すると共に、燃焼用空気を加熱する。加熱された燃焼用空気は、押込通風機75によりボイラ40に供給される。
熱回収用ガスヒータ80は、排気通路50における空気予熱器70の下流側に配置される。熱回収用ガスヒータ80には、空気予熱器70において熱回収された排ガスが供給される。熱回収用ガスヒータ80は、排ガスから更に熱回収を行う。
電気集塵装置90は、排気通路50における熱回収用ガスヒータ80の下流側に配置される。電気集塵装置90には、熱回収用ガスヒータ80において熱回収された排ガスが供給される。電気集塵装置90は、電極に電圧を印加することによって排ガス中の石炭灰(フライアッシュ)を収集(捕捉)する装置である。電気集塵装置90において収集(捕捉)されるフライアッシュは、フライアッシュ回収装置91に回収される。
誘引通風機210は、排気通路50における電気集塵装置90の下流側に配置される。誘引通風機210は、電気集塵装置90においてフライアッシュが除去された排ガスを、一次側から取り込んで二次側に送り出す。
脱硫装置220は、排気通路50における誘引通風機210の下流側に配置される。脱硫装置220には、誘引通風機210から送り出された排ガスが供給される。脱硫装置220は、例えば湿式石灰-石膏法による湿式脱硫装置である。湿式石灰-石膏法は、排ガスに石灰石と水との混合液を吹き付けることにより、排ガスに含有されている硫黄酸化物を混合液に吸収させて脱硫石膏スラリーを生成させ、排ガス中の硫黄酸化物を除去する。この際に発生したホウ素やセレン等の微量物質が含まれる排水は、排水処理装置221によって処理される。
再加熱用ガスヒータ230は、排気通路50における脱硫装置220の下流側に配置される。再加熱用ガスヒータ230には、脱硫装置220において硫黄酸化物が除去された排ガスが供給される。再加熱用ガスヒータ230は、排ガスを加熱する。熱回収用ガスヒータ80及び再加熱用ガスヒータ230は、排気通路50における、空気予熱器70と電気集塵装置90との間を流通する排ガスと、脱硫装置220と脱硫通風機240との間を流通する排ガスと、の間で熱交換を行うガス-ガスヒータとして構成してもよい。
脱硫通風機240は、排気通路50における再加熱用ガスヒータ230の下流側に配置される。脱硫通風機240は、再加熱用ガスヒータ230において加熱された排ガスを一次側から取り込んで二次側に送り出す。
煙突250は、排気通路50における脱硫通風機240の下流側に配置される。煙突250には、再加熱用ガスヒータ230で加熱された排ガスが導入される。煙突250は、排ガスを排出する。
[旋回燃焼ボイラ]
次に、石炭火力設備1における旋回燃焼ボイラ40(以下、単に「ボイラ」と記載する場合がある)の構成の詳細について、図2を用いて説明する。図2は、ボイラ40の付近を拡大して示す概略図である。
ボイラ40は、図2に示すように、全体として略逆U字状をなしており、図中矢印に沿って排ガス(燃焼ガス)が逆U字状に移動した後、再度小さくU字状に反転する。
ボイラ40の下方には、ボイラ40の内部のバーナーゾーン41a付近で微粉炭を燃焼させるためのバーナ群b1~b6が配置される。本実施形態において、バーナ群b1~b6はそれぞれ上下方向に間隔をあけて設けられる段S1~S6の6段からなる各段に配置される。なお、便宜上、図2には各段に2つのバーナが配置されるように示されるが、本実施形態においては、実際には図3に示されるように、バーナ群b1~b6は、それぞれ8つのバーナから構成される。また、段S1~S6のうち、1段は予備用の段として用いられるため、通常の運転時に用いられる段は、S1~S6のうち5段である。
段S1~S6に配置されるバーナ群b1~b6には、それぞれ微粉炭機21~26が、微粉炭供給管31~36を通じて接続され、燃焼に用いられる微粉炭が供給される。
ここで、各段に配置される複数のバーナからなるバーナ群b1~b6に対しては、1の供給元である、一つの微粉炭機から微粉炭が供給される。例えば、段S1に配置されるバーナ群b1には、一つの微粉炭機21が、微粉炭供給管31を通じて接続され、微粉炭機21から微粉炭が供給される。
バーナ群b1~b6は、微粉炭機21~26から供給される微粉炭と、空気との混合気をバーナーゾーン41aに噴出し、微粉炭を燃焼させる。複数のバーナが配置される各段の構成の詳細については後述する。
ボイラ40の内部のU字頂部付近には、第一の過熱器41bが配置されており、更にそこから第二の過熱器41cが続いて配置されている。更に、第二の過熱器41cの終端付近からは、1次節炭器41d、2次節炭器41eが二段階に設けられている。ここで、節炭器(ECOとも呼ばれる)は、排ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群である。
[旋回燃焼ボイラの各段の構成]
次に、複数のバーナが配置される各段の構成について、段S4を例に挙げ、図3を用いて説明する。図3は、段S4を模式的に示す平面図である。
なお、段S4を例に挙げて説明するが、他の段も段S4とほぼ同様の構成を有する。
段S4は、図3に示すように、ボイラ40の角部又は壁部に配置される8つのバーナb41~b48によって構成される。8つのバーナb41~b48は、微粉炭供給管34a、34b、34c、34d及び分配器D1~D4を通じて微粉炭機24に接続される。8つのバーナb41~b48には、一つの供給元である微粉炭機24から微粉炭が供給される。
一つの供給元である微粉炭機24に接続される4本の微粉炭供給管34a、34b、34c、34dは、分配器D1~D4の下流側でそれぞれ分岐して8本のバーナ側微粉炭供給管となり、8つのバーナb41~b48にそれぞれ接続される。
例えば、微粉炭供給管34bは、分配器D2に接続され、分配器D2の上流側は1本の供給管であるが、分配器D2の下流側はバーナb43側供給管とバーナb44側供給管からなる2本の供給管に分岐している。バーナb43側供給管と、バーナb44側供給管とは、それぞれバーナb43、バーナb44に接続される。
なお、図3におけるバーナb41~b48は、図2におけるバーナ群b4に対応し、図3における微粉炭供給管34a、34b、34c、34dは、図2における微粉炭供給管34に対応する。
バーナb41~b48は、微粉炭機24から供給される微粉炭と、空気との混合気をボイラ40内部に噴出して燃焼させ、火炎F1~F8を生成する。
バーナb41、b42、b43、b44により生成する火炎F1、F2、F3、F4と、バーナb45、b46、b47、b48により生成する火炎F5、F6、F7、F8は、協働してボイラ40の中央部付近にそれぞれファイヤーボールを形成する。つまり、本実施形態のボイラ40では各段に2つのファイヤーボールが形成される。各段に形成されるファイヤーボールは、旋回流となって、ボイラ40内で周方向に旋回しながら上昇する。
[故障発生時の旋回燃焼ボイラの運転方法]
次に、本実施形態に係る、故障発生時のボイラ40の運転方法について説明する。
従来、例えば段S4を構成する1のバーナb44や、分配器D2とバーナb44とを接続する微粉炭供給管34bに故障が発生し、バーナb44の運転を継続できない場合、微粉炭機24からバーナb41~b48に対する微粉炭の供給を停止させ、段S4全体の運転を停止させていた。微粉炭機24はバーナb41~b48と接続されているが、個別のバーナに対する微粉炭の供給を停止できる構成にはなっていないためである。また、旋回燃焼ボイラを構成するある段のバーナのうち1つを停止させれば、その段に生成する火炎の数が1つ減少するため、ファイヤーボールのアンバランスにより、安定してボイラ40を運転できないと考えられていたためである。
本実施形態において、例えばバーナb44や、分配器D2とバーナb44とを接続する微粉炭供給管34bの下流側供給管に故障が発生した場合、図3における微粉炭供給管34bの一部である閉塞箇所Cを閉塞し、微粉炭機24からバーナb44への微粉炭の供給を停止させる。閉塞箇所Cは、図3に示すように、微粉炭供給管34における分配器D2とバーナb44との間の箇所であって、微粉炭供給管34の下流側供給管に故障が発生した場合、故障箇所よりも上流側の任意の箇所である。
また、他のバーナに対しては、閉塞箇所Cを閉塞した状態で微粉炭機24から微粉炭を供給し、段S4の運転を行う。
[微粉炭供給管の閉塞箇所]
次に、段S4の1のバーナb44に対する微粉炭の供給路である微粉炭供給管34bを閉塞する閉塞箇所Cの詳細について、図4を用いて説明する。
図4は、微粉炭供給管34bの一部である、閉塞箇所Cを示す斜視図である。
図4に示すように、微粉炭供給管34bの閉塞箇所Cでは、微粉炭供給管34bを構成する配管の一部を分断して取り外し、開口部A1と、開口部A2とが設けられる。
開口部A1は、微粉炭の供給側、すなわち、微粉炭機24から微粉炭を分配して供給する分配器D2側の開口部である。開口部A1には、閉塞材Oが配置される。閉塞材Oは、開口部A1を閉塞し、微粉炭機24からの微粉炭の供給を停止できるものであればよい。例えば図4に示すように、開口部A1を覆うように配置され、開口部A1に設けられたフランジに対し、ボルトやナット等の金具で取り付け固定される金属板が用いられる。
開口部A2は、バーナb44側、すなわち、微粉炭供給管34bの上流側の開口部である。開口部A2は、大気開放されることが好ましい。開口部A2が大気開放されることで、通常、大気圧に対して陰圧になっているボイラ40内部に空気が吸入される。そして、吸入された空気により、微粉炭供給管34bやバーナb44が冷却され、微粉炭供給管34bやバーナb44の熱損を防止できるため、設備保全の観点から好ましい。
開口部A2には、異物の吸入を防ぐための網材Mが配置されることが好ましい。網材Mは、例えば金属製の網材であり、開口部A2を覆うように配置され、開口部A2の周縁に金具等を用いて取り付け固定される。なお、上述の通りボイラ40内部は通常、大気圧に対して陰圧になっているが、内部の圧力が上昇し、バーナb44から炎が逆流するといった万一の場合に備え、開口部A2の周囲を防炎シート等の防火材で被うことが安全上の観点から好ましい。
閉塞箇所Cを上記構成により閉塞する場合、段S4に対する微粉炭の供給量を定常時の供給量に対し適度に低減させて運転を行うことが好ましい。仮に定常時の給炭量と同等量の微粉炭を供給した場合、燃焼が不安定となり、蒸気温度やNOxのアンバランスが発生する可能性がある。また、給炭量を極端に低減させた場合、ボイラ全体の負荷を維持するには他の段への給炭量を増加させる必要があるが、各段の給炭量には上限がある。このため、ボイラ全体の負荷を維持することが困難となる場合がある。更に、微粉炭機テーブル上の石炭が少なくなる事で、テーブルとローラ間に石炭が無い部分が発生する。これにより、回転時にアンバランスが生じ、微粉炭機の振動が激しくなる恐れがある。
上記の理由から、例えば、定常時の段S4に対する微粉炭の供給量が70t/hである場合、1のバーナに対する微粉炭の供給が停止された段S4に対する微粉炭の供給量を、定常給炭量の50%程度である30t/h~40t/h程度に低減させて運転を行うことが、燃焼安定性の観点から好ましい。
更に、段S4に対する供給量を低減させた分、他の段に対する微粉炭の供給量を増加させてボイラ40の運転を行うことが好ましい。これにより、出力(負荷)を低下させずに石炭火力発電設備1を運用できる。
また、ボイラ40が予備用の段として設けられた段を備える場合、該予備用の段を定常時に運転し、故障が発生した段S4を代わりに予備用の段として用いることが好ましい。
上記本実施形態の構成により、ボイラ40のある段の一部に故障が発生した場合においても、その段の運転が可能な状態を維持できる。従って、予備用の出力を確保した状態で安定してボイラ40の運転を行え、石炭火力発電設備1の出力低下のリスクを低減できる。
[旋回燃焼ボイラの運転データ]
以下の表1に、段S4の1のバーナに対する微粉炭の供給を停止させて、ボイラ40の運転を行った際の、運転データを示す。なお、ユニット負荷は全て1000MWとした。
Figure 0007379944000001
(運転条件)
表1に示す通り、No.1及びNo.4の運転条件では、1のバーナに対する微粉炭の供給を停止させた段S4以外の段を使用して運転を行っている。
これに対し、No.2、No.3、No.5、No.6の運転条件では、段S4と、その他の段を同時に使用して運転を行っている。また、段S4に対する給炭量を、No.2及びNo.3では30t/hとし、No.5及びNo.6では40t/hとしている。
なお、定常時の段S4に対する微粉炭の供給量は70t/h程度である。
(測定項目)
表1に示す各測定項目は、それぞれ以下の内容を示す。
ECO出口O(%)は、節炭器41d、41eの出口側で測定した酸素濃度を示す。
脱硝入口換算NOx(ppm)は、脱硝装置60の入口側のNOx濃度の換算値を示す。
ボイラ出口主蒸気温度(℃)は、第一の過熱器41bで過熱されて高圧タービンに送られる蒸気の温度を示す。
再熱蒸気温度(℃)は、高圧タービンから発生する蒸気が、中圧タービンへ送られる際に再加熱される蒸気の温度を示す。
SHスプレイ流量(t/h)及びRHスプレイ流量(t/h)は、それぞれ主蒸気温度及び再熱蒸気温度を適正範囲に制御するために噴射される冷却水の流量を示す。
SC弁開度(%)は、スプレイ水調整弁の開度を示す。
表1に示す通り、段S4を使用せずに運転を行ったNo.1及びNo.4と、段S4を使用して運転を行ったNo.2、No.3、No.5、No.6とを比較すると、各測定項目において大きな差はみられず、燃焼安定性が維持されていることが明らかである。
従って、1のバーナに対する微粉炭の供給を停止させた段S4に対して、定常時よりも給炭量を低減させ、例えば70t/hから30t/h又は40t/hへ低減させて運転を行うことで、燃焼安定性を維持してボイラ40の運転を行えることが明らかである。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本実施形態に係る旋回燃焼ボイラ40を、微粉炭を燃焼させるものとして説明したが、これに限定されない。旋回燃焼ボイラは、粉体燃料を燃焼させるものであればよく、例えばバイオマスを燃焼させるものや、微粉炭とバイオマスを混焼するものであってもよい。
本実施形態に係る旋回燃焼ボイラ40を、段数が6段で1段を予備用の段として用いるものとして説明したが、これに限定されない。予備用の段の有無を含め、段数は特に制限されない。
本実施形態に係る旋回燃焼ボイラ40を、各段に2つのファイヤーボールが形成されるものとして説明したが、これに限定されない。旋回燃焼ボイラ40は、各段に1又は複数のファイヤーボールを形成するものであればよい。
30 微粉炭供給管(供給路)
40 旋回燃焼ボイラ
b バーナ
S1~S6 段
A1、A2 開口部
O 閉塞材

Claims (4)

  1. 複数の段にそれぞれ複数配置されるバーナにより、粉体燃料が燃焼されて前記複数の段の各々に1又は複数のファイヤーボールが形成される旋回燃焼ボイラの運転方法であって、
    1の段に配置される複数の前記バーナのうち、1のバーナ及び/又は前記1のバーナに粉体燃料を供給する供給路に故障が発生した場合、前記1のバーナに対する粉体燃料の供給を停止させて前記1の段の運転を行い、
    前記供給路の一部に閉塞材を配置して、前記1のバーナに対する粉体燃料の供給を停止させ、
    前記供給路を途中で分断して、供給側の開口部と、バーナ側の開口部と、を設け、前記閉塞材は、前記供給側の開口部に配置されるとともに、前記バーナ側の開口部は大気開放される、旋回燃焼ボイラの運転方法。
  2. 前記1の段に配置される複数の前記バーナに対し、1の供給元から前記供給路を通じて粉体燃料が供給される、請求項1に記載の旋回燃焼ボイラの運転方法。
  3. 前記1の段への粉体燃料の供給量を、定常時の供給量よりも低減させて運転を行う、請求項1又は2に記載の旋回燃焼ボイラの運転方法。
  4. 前記1の段を、予備用の段として用いる、請求項1~いずれかに記載の旋回燃焼ボイラの運転方法。
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