JPH06193817A

JPH06193817A - スラリ焚ボイラの燃焼設備

Info

Publication number: JPH06193817A
Application number: JP34640992A
Authority: JP
Inventors: Yoshishige Uematsu; 良茂植松
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1992-12-25
Filing date: 1992-12-25
Publication date: 1994-07-15

Abstract

(57)【要約】【目的】スラリ焚バーナが上下複数段に配置されたボ
イラにおいて、上下段の燃料流量を均一にして燃焼を安
定化すること。【構成】上下複数段のバーナ（６ａ），（６ｂ），…
（６ｅ）に対応する燃料供給系統（５ａ），（５ｂ），
…，（５ｅ）を、すべて独立させ、燃料流量の制御も各
段毎に独立して行なう。また１段を予備にしておくこと
により、ボイラ停止や燃料切替をせずに配管洗浄等を行
なう。予備は小容量の１段だけですむので、経済的でも
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、石炭・水スラリ（以下
ＣＷＭと記す）、石炭・油スラリ、重質油エマルジョン
燃料等のスラリ燃料を使用する電力事業用その他、産業
用のボイラの燃焼設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来のスラリ焚ボイラの燃焼設備
の燃料供給系統の一例を示す図である。

【０００３】ボイラ（７）は、前記のようなスラリ燃料
を使用するものであって、各コーナーに４段のバーナ
（６）を備えたものである。このバーナ（６）へは、サ
ービスタンク（１）に貯蔵された燃料が、噴燃ポンプ
（３）によりストレーナ（２）を通ってヒーター（４）
で予熱されてから、燃料配管（５）を通して送られて来
て、各バーナに分岐して供給される。

【０００４】上述のストレーナ（２）、噴燃ポンプ
（３）およびヒーター（４）は、それぞれ常用と予備の
２台を並列に燃料配管（５）に接続し、その後の燃料配
管（５）は１系統となっている。すなわち、機器のトラ
ブル発生に対応するため、常用機と同等の大型の予備機
を装備し、常にスタンバイさせている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の燃
焼設備でスラリ燃料を燃焼させると、スラリ燃料は比重
が大きいのでスタティクヘッドの影響が大きく、下段の
バーナほど燃料流量すなわち燃焼量が多くなる。また、
凝塑性流体であるスラリは、配管の圧損アンバランスの
影響を大きく受け、僅かの圧損の差によって大きな流量
差が生じる。こうしてバーナ毎に燃焼量が異なり、燃焼
が不均一になりやすい。

【０００６】更に、スラリ燃料は長時間運用していると
スラリ粒子が配管内に沈降堆積して、ついには配管閉塞
に至る可能性があるため、ピグ等により配管を洗浄する
必要があるが、このためにはボイラの停止や重油等の他
燃料への切替が必要である。

【０００７】加えて、燃料供給配管が１系統であるた
め、予備機も大型とならざるを得ない。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、次のようなスラリ焚ボイラの燃焼
設備を提案するものである。１）上下複数段に配されスラリ燃料を使用バーナと、上
記各バーナ段毎に独立して設けられた燃料噴燃ポンプお
よび燃料配管とを具えたことを特徴とするスラリ焚ボイ
ラの燃焼設備。

【０００９】２）上記要件に加えて、上記各バーナ段毎
に独立した燃料噴燃ポンプおよび燃料配管を有する燃料
供給系統を、それぞれ独立して起動・停止および流量調
節するようにしたことを特徴とするスラリ焚ボイラの燃
焼設備。３）上記１）の要件に加えて、上記複数段のバーナの全
容量が、ボイラの最大出力をまかなうことができる容量
よりも１段分だけ多いことを特徴とするスラリ焚ボイラ
の燃焼設備。

【００１０】

【作用】本発明によれば、比重が高く、かつ沈降性を有
するスラリ燃料を使用するボイラの燃焼設備において、
各バーナ段毎に独立して設けられた各燃料供給系統の噴
燃ポンプをそれぞれ独立して制御することにより、全段
のバーナに均一に燃料を供給することができ、炉内の燃
焼状態が均一安定化する。

【００１１】また、複数段のバーナの全容量を、ボイラ
の最大出力に対応する容量よりも１段分だけ多くして、
その１段を予備としておけば、配管清掃等のメンテナン
ス作業が必要な時、メンテナンスを行なう系統のみを停
止し、予備系統を起動することによって、ボイラの停止
や燃料切替等の繁雑な作業を行なうことなくメンテナン
ス作業を実施でき、運転性を改善することができる。

【００１２】

【実施例】図１は本発明をＣＷＭ焚ボイラに適用した一
実施例の燃料供給系統を示す図である。

【００１３】図１において、ボイラ（７）は火炉の各コ
ーナに５段ずつのＣＷＭバーナ（６ａ），（６ｂ），
（６ｃ），（６ｄ），（６ｅ）を備えている。これらＣ
ＷＭバーナのうち最下段のＣＷＭバーナ（６ａ）から４
段目（６ｄ）までは常用機で、その配置は従来の構造と
同じである。また最上段のＣＷＭバーナ（６ｅ）は予備
系統のものである。これらはいずれも同じ構造、能力を
有する。これらのＣＷＭバーナ（６ａ），（６ｂ），
（６ｃ），（６ｄ），（６ｅ）へは、別途に設置されて
ＣＷＭ燃料を貯蔵しているサービスタンク（１）からそ
れぞれ別系統のＣＷＭ配管（５ａ），（５ｂ），（５
ｃ），（５ｄ），（５ｅ）が接続されていて、これらの
系統にはそれぞれストレーナ（２ａ），（２ｂ），（２
ｃ），（２ｄ），（２ｅ）、噴燃ポンプ（３ａ），（３
ｂ），（３ｃ），（３ｄ），（３ｅ）およびヒータ（４
ａ），（４ｂ），（４ｃ），（４ｄ），（４ｅ）が設け
られている。

【００１４】サービスタンク（１）に貯蔵されたＣＷＭ
は、噴燃ポンプ（３ａ），（３ｂ），（３ｃ），（３
ｄ），（３ｅ）によりストレーナ（２ａ），（２ｂ），
（２ｃ），（２ｄ），（２ｅ）を通ってヒーター（４
ａ），（４ｂ），（４ｃ），（４ｄ），（４ｅ）で予熱
され、ＣＷＭ配管（５ａ），（５ｂ），（５ｃ），（５
ｄ），（５ｅ）を通ってＣＷＭバーナ（６ａ），（６
ｂ），（６ｃ），（６ｄ），（６ｅ）へ送られ、ボイラ
（７）内で燃焼して蒸気を発生させる。

【００１５】ＣＷＭバーナ（６ａ），（６ｂ），（６
ｃ），（６ｄ），（６ｅ）へ供給される燃料の流量は、
各系統の噴燃ポンプ（３ａ），（３ｂ），（３ｃ），
（３ｄ），（３ｅ）の回転数によって調整することがで
きるので、図示しない流量計を各系統のＣＷＭ配管（５
ａ），（５ｂ），（５ｃ），（５ｄ），（５ｅ）に設け
ておけば、その流量信号に基づいて各系統の噴燃ポンプ
（３ａ），（３ｂ），（３ｃ），（３ｄ），（３ｅ）の
回転数を調整することにより、全バーナの流量を均一に
することができる。このように本実施例では、各バーナ
（６ａ），（６ｂ），（６ｃ），（６ｄ），（６ｅ）の
段毎に独立した燃料供給系統となっているので、各バー
ナ段毎の油圧を均一にでき、したがって燃料量を均一に
配分できる。その結果炉内における燃焼が均一安定化さ
れる。

【００１６】また、トラブル対応用の予備機は最上段バ
ーナの１系統だけなので、小容量ですみ経済的である。
更にＣＷＭ配管（５ａ），（５ｂ），（５ｃ），（５
ｄ），（５ｅ）内の沈降堆積物を除去する場合も、ボイ
ラ（７）の運転を止めたり燃料切替を行なったりするこ
となく、１段毎にピグ等により清掃できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、比重が高くかつ沈降性を有す
るスラリ燃料を燃焼させるボイラにおいて、各バーナ段
毎に独立した燃料供給系統とし、それらを独立して制御
するとともに、各バーナ段とまったく同じ系統の予備段
を設けることにより、次の効果が得られる。１）各系統の噴燃ポンプを独自に調節することができる
ので、各バーナ段毎の燃料流量を均一化させ、ボイラ炉
内における均一で安定な燃焼が可能となる。

【００１８】２）スラリ燃料は、長時間運用により配管
底部へ粒子の沈降堆積が生じ、ついには閉塞を起す可能
性があるので、これを防止するためピグ等による配管洗
浄を定期的に行なう必要があるが、各バーナ段が独立し
ているために、ボイラを停止することなく、また燃料切
替等の繁雑な作業も必要なく、１系統を停止するだけで
洗浄できる。３）トラブル対応用の予備機として１段分の小容量機を
設けておくだけなので、経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例の燃料供給系統を示す
図である。

【図２】図２は従来のスラリ焚ボイラの燃焼設備の燃料
供給系統の一例を示す図である。

【符号の説明】

(1) サービスタンク (2),(2a),(2b),(2c),(2d),(2e) ストレーナ (3),(3a),(3b),(3c),(3d),(3e) 噴燃ポンプ (4),(4a),(4b),(4c),(4d),(4e) ヒーター (5),(5a),(5b),(5c),(5d),(5e) 燃料配管 (6),(6a),(6b),(6c),(6d),(6e) バーナ (7) ボイラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上下複数段に配されスラリ燃料を燃焼さ
せるバーナと、上記各バーナ段毎に独立して設けられた
燃料噴燃ポンプおよび燃料配管とを具えたことを特徴と
するスラリ焚ボイラの燃焼設備。
【請求項２】上記各バーナ段毎に独立した燃料噴燃ポ
ンプおよび燃料配管を有する燃料供給系統を、それぞれ
独立して起動・停止および流量調節するようにしたこと
を特徴とする請求項１記載のスラリ焚ボイラの燃焼設
備。
【請求項３】上記複数段のバーナの全容量が、ボイラ
の最大出力をまかなうことができる容量よりも１段分だ
け多いことを特徴とする請求項１記載のスラリ焚ボイラ
の燃焼設備。