JPS6238067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、給排気管・水道管・電線管等の管類
を例えば天井に沿つて２本ずつ並べて吊着するの
に用いる接続クランプに関するものである。

この種のクランプは、中心にボルト穴を有する
平板部の左右に、管を平行に支持する略半円弧状
バンンド部を一連に形成した一対のクランプ部材
によつて構成され、その一対のクランプ部材で２
本の管を挾み、中央のボルト穴に天井から下がつ
ているボルトを差込んで穴の上下両側からナツト
で締付け固着するのが一般である。

ところが従来のものは、向き合せた一対のクラ
ンプ部材相互が管の長さ方向にずれないように、
衝合する半円弧状バンド部の端縁に、互いにはま
り合う凹部と凸部を設けただけであるから、向き
合せた一対のクランプ部材は、上下方向には自由
である。

従つて配管作業の際、管に予めクランプを所定
のピツチで固定しておくことができない。管を上
下から挾んだ一対のクランプ部材相互を、その中
央の平板部で針金・ひも等で縛つて仮止めするこ
とが考えられるが面倒で能率が悪い。

そこで一般には、一対のクランプ部材を向き合
せた状態で予め吊りボルトの下端に取付けておい
て後から管を載せるが、クランプ部材はボルトに
完全に固定されていないから、管を載せるときク
ランプ部材が傾いて管が落ちないように、クラン
プ部材及び管を支えていなければならず、高い所
での作業でもあるし、配管作業を困難にしてい
る。

本考案は、従来の管用平行接続クランプが持つ
上記の問題点を解決することを目的とするもの
で、第１図に示すように、中心にボルト穴１を有
する平板部２の左右に、管を平行に支持する略半
円弧状バンド部３Ｌ，３Ｒを一連に形成した一対
のクランプ部材４Ａ，４Ｂから成り、その一対の
クランプ部材４Ａ，４Ｂを向い合せたとき衝合す
る略半円弧状バンド部３Ｌ，３Ｌ及び３Ｒ，３Ｒ
の端部相互に、鉤５とその鉤５が係合する穴６、
及び工具を掛ける一対の突起７，８、又は穴等の
係止部を設ける。

クランプ部材４Ａ，４Ｂは薄鋼板のプレス成
形、或は合成樹脂の射出成形等によつて得る。

平板部２はボルト・ナツトに対しばね座金の役
をするように、ゆるく湾曲させる。

鉤５は第１図・第２図の左右一対の切起し耳
片、第３図の切起し舌片、或は第４図の打出し突
起など、穴６の縁に引つ掛かかるものであれば、
その構造に限定はない。

工具を掛ける突起の一方７は切起し舌片、他方
８は穴６の縁に沿つて曲げた折曲縁である。

平行に並べた２本の管Ｐ１，Ｐ２の所定ピツチ
毎に、本考案の一対のクランプ部材４Ａ，４Ｂを
上下から挾むようにはめて、一方の鉤５を穴６に
入れてその縁に引つ掛け、クランプ部材４Ａ，４
Ｂ自身の弾性に抗して他方の鉤５を穴６に係合さ
せるもので、堅くて係合させにくいときは、突起
７，８をペンチ・プライヤなどでくわえると容易
に係合させることができる。

突起７，８に代えて穴の場合は、ラジオペンチ
のような先が細いくわえ工具を穴に引つ掛けてく
わえる。

以上のように、一対のクランプ部材４Ａ，４Ｂ
は、平行管Ｐ１，Ｐ２に鉤５と穴６の係合によつ
て一挙に取付けられ、しかも取付位置がずれるこ
ともない。

取付け位置の変更などで、一旦取付けたクラン
プ部材４Ａ，４Ｂを外す必要が生じた場合は穴６
がある方の突起８を工具でつまんで引つ張る、或
は穴６にドライバの先を入れてこじるもので、略
半円弧状バンド部３Ｌ又は３Ｒが伸びて鉤５と穴
６の係合を解くことができる。

上記所定ピツチ毎にクランプ部材４Ａ，４Ｂに
よつて平行接続された管Ｐ１，Ｐ２を抱え上げ
て、各クランプ中央の穴１に吊りボルト９を通
し、予めはめてあるナツト１０と後からはめたナ
ツト１１とで平板部２，２を上下からその平板部
２，２の上下への湾曲に抗して締付けるもので、
平板部２，２がばね座金の作用をする。

本考案管用平行接続クランプは上記の構成であ
るから、平行接続しようとする管Ｐ１，Ｐ２を床
に並べておいて接続し、その平行接続された状態
で管Ｐ１，Ｐ２を吊着できて作業が安全容易であ
る。管に断熱処理が必要な場合、従来は吊着後に
行つていたが本考案のクランプによれば、床上
で、平行接続されている状態の管の上に断熱処理
を行うことができて簡単である。

そして一対のクランプ部材４Ａ，４Ｂの結合分
解は、前記のように鉤５と穴６の係脱のみである
から作業が迅速容易であり、又クランプ部材４
Ａ，４Ｂの各平板部２，２のばね座金作用によつ
て確固に締まる効果がある。

上記鈎５と穴６が堅くてうまく係合しない場合
は、その鈎５および穴６の近くに対向して設けら
れている係止部７，８に適当なくわえ工具の類を
掛けて操作することにより、鈎５と穴６を容易に
係合させることができる。

また係止部７，８のいずれかをくわえ工具でつ
まんで引張る、あるいは係止部を適当な工具でこ
じあけることによつて鈎５と穴６の係合を容易に
解放できて、一対のクランプ部材４Ａ，４Ｂの結
合分解作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案クランプの分解斜視図、第２図
は使用状態の一部縦断正面図、第３図、第４図は
鉤の変形例を示す斜視図。 １はボルト穴、２は平板部、３Ｌ，３Ｒは略半
円弧状バンド部、４Ａ，４Ｂはクランプ部材、５
は鉤、６は穴、７，８はくわえ工具を掛ける突
起、９は吊りボルト、１０，１１はナツト、Ｐ
１，Ｐ２は管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心に吊りボルト通し穴を有する平板部の左右
   に、２本の管を平行に支持する略半円弧状バンド
   部を一連に形成し、向い合せて使用する上下一対
   のクランプ部材から成る管用平行接続クランプに
   おいて、その一対のクランプ部材を向い合せたと
   き衝合する一方の略半円弧状バンド部の端部に鈎
   を、他方の略半円弧状バンド部の端部に上記の鈎
   が係合する穴を設け、さらに上記鈎および穴の
   各々に近接させて工具を掛ける係止部を設け、吊
   りボルト通し穴が開いている平板部を外側に向つ
   てゆるく湾曲させて平板部にばね性を持たせた管
   用平行接続クランプ。