JPS6238061B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来長軸の段付シヤフトを冷間鍛造で製作する
場合は、第１図に示すようにプレスベツドやボル
スタ等のプレス静止部材１上に取付けた成形ダイ
２と、これに対向してプレスのラム或いはスライ
ドのようなプレス可動部材３に取付けたポンチ４
とにより、長軸状のブランクＢの非拘束押出成形
を行なうが、成形済ブランク取出のため、成形ダ
イ２の下側にノツクアウトピン５と、これを昇降
させる流体圧シリンダ６よりなるエジエクタ装置
を取付けねばならぬから、ダイ高さが増大してス
トロークの長いプレスが必要となる欠点があるの
みならず、成形時にブランクＢが第２図鎖線示の
ように座屈する恐れがある。この座屈を防止する
ため第３図に示すようにポンチ４に筒状案内部４
ａを設けても、該筒状案内部とブランクＢの間に
は隙間を必要とするためブランクの座屈を完全に
防止することはできない。

本発明はこの問題に対処するもので、プレス可
動部材側に取付けた上型部分に、初期パンチ力を
利用してブランク上端部を中心位置決めしながら
挾圧保持する座屈防止機能と、成形済ブランクの
成形ダイよりの抜取り抵抗を利用して成形済ブラ
ンクを抜取り得るようブランク把持力を増大する
機能を持たせると共に、プレス可動部材の上昇末
期に上型部分によるブランク把持を自動的に解放
するようにして、従来型エジエクタ装置を設ける
必要をなくし、従つてダイハイトが高くストロー
クの長いプレスの必要をなくすると共に、ブラン
クの座屈防止機能を向上して、成形可能なブラン
ク長さを増大し得るようにしたものである。

本発明は左右対称的な勾配孔壁を持つ下細りの
竪孔を穿設したホルダと、該勾配孔壁に勾配面を
常時押圧賦勢される複数の下細り楔形のブランク
挾持爪と、該ホルダに対し各ブランク挾持爪を同
期昇降させる手段を含む楔チヤツクを、プレス静
止部材上に取付けた成形ダイに対向してプレス可
動部材側に取付け、該プレス可動部材とブランク
挾持爪の間に、楔チヤツクと略軸線を同じくして
水平の圧力板を遊嵌し、該圧力板に作用する押上
力を押下力に変換してブランク挾持爪に伝達する
弾性伝動機構をプレス可動部材側に支持させ、該
プレス可動部材の上昇行程末期にブランク挾持爪
をホルダに対し引上げるように、プレス静止部材
側のストツプと協同するチヤツク開放機構をホル
ダ側に取付けたことを特徴とする。

第４図〜第１１図は本発明の一実施例を示し、
ホルダ７の下細りの竪孔は、左右対称的な一対の
勾配孔壁７ａと、他の一対の垂直孔壁７ｂとを備
える平面矩形状の孔で、該竪孔内に左右一対の下
細り楔形のブランク挾持爪８，８が嵌装される。
両側のブランク挾持爪８，８は、その間に挾持さ
せた圧縮ばね９の弾力によつて勾配面８ａが夫々
対応勾配孔壁７ａに常時押付けられ、各ブランク
挾持爪８の内側に相対応して削設した垂直のＶ溝
１０は、該ブランク挾持爪の上端が第４図のよう
にプレス可動部材３の下面に当接した時にブラン
クＢが着脱自在に嵌合する正方形状の孔を形成す
る。Ｖ溝１０の内壁には第７図のように鋸歯状の
凹凸１０ａを設け、又その下端は傾斜ガイド面１
０ｂに形成するのがよい。

ホルダ７の垂直孔壁７ｂと両側ブランク挾持爪
８の間には、夫々同期板１１（第１０図参照）が
昇降のみ自在に支承され、該同期板１１に左右相
対応して穿設した水平の長孔１１ａに、夫々対応
ブランク挾持爪８に植設したピン１２が係合し
て、ホルダ７に対し各ブランク挾持爪の昇降を同
期させる。１３は同期板１１の中央に植設したピ
ンで、該ピン１３は垂直孔壁７ｂに穿設した垂直
の長孔７ｃ（第１１図）を貫通してホルダ外に突
出し、後述のレバー１４の先端にルーブに係合す
る。

１５はＶ溝１０の直上においてブランク挾持爪
８の上端に凹設した半円状凹所で、両側ブランク
挾持爪８，８の該半円状凹所１５，１５内には水
平の圧力板１６が常時遊嵌される。半円状凹所１
５の深さは圧力板１６の厚さよりも後述の作用を
達成し得るように大きい。圧力板１６とブランク
挾持爪８の間の弾性伝動機構は、中央下端の突起
を圧力板１６上に、又両側下端を夫々両側のブラ
ンク挾持爪８上の夫々当接させた逆Ｗ字状板ばね
１７の上端をプレス可動部材３側に当接支持させ
てなり、該逆Ｗ字状板ばね１７は、圧力板１６の
上昇限度を規制するため、プレス可動部材３の下
面に半円状凹所１５と交叉して凹設した細長い凹
所１８内に収納されている。

平面コ型のレバー１４は、その両脚部分の中間
が軸線を同じくするピン１９によりホルダ７前後
の対応部分に枢支され、該両脚部分の先端に夫々
ピン１３がルーズに係合する。レバー１４の他端
に対向してプレス静止部材１の上部にストツパ２
０が固着され、該レバー１４はプレス可動部材３
の上昇末期にストツパ２０に係合するよう配設さ
れている。

次に本発明の作用について説明する。プレス可
動部材３の上限停止位置においては、ストツパ２
０に係合したレバー１４によつて両側ブランク挾
持爪８は第４図実線示の位置に持上げられてお
り、圧力板１６は半円状凹所１５，１５の底部に
水平に支持されて、該圧力板やブランク挾持爪８
には板ばね１７の弾力が殆ど作用していない。こ
の状態においてブランクＢの下端を成形ダイ２内
に挿入して成形部２ａに係合させた後、プレス可
動部材３を油圧シリンダ等により押下げ下降させ
ると、ブランク挾持爪８はばね９の弾力によるホ
ルダ側勾配孔壁７ａへの押圧により第４図の位置
を保持するから、同図鎖線示のように圧力板１６
がブランクＢの頂面に当接するに至る。

更にプレス可動部材３が押下げられると、下端
に成形部２ａに支持されたブランクＢが相対的に
圧力板１６を介して板ばね１７の中央部を押上げ
るから、該板ばねの弾性撓みに伴うてこ作用と同
期板１１による同期作用によつて両側ブランク挾
持爪８がホルダ７に対し第８図のように押下げら
れ、ブランクＢの上端部は中心位置決めされなが
ら両側Ｖ溝１０，１０間で挾圧保持される。圧力
板１６がプレス可動部材３の下面に係合すると、
それ以上板ばね１７は撓み得ないから、プレス可
動部材３の押下力は圧力板１６を介してブランク
Ｂに加えられ、該ブランクは成形ダイ２により押
出成形されるが、この間ブランクの座屈は両側ブ
ランク挾持爪による挾圧保持により防止される。

こうしてプレス可動部材３が第９図の下限位置
まで押下げられて成形が完了した後、該プレス可
動部材を上昇させると、成形済ブランクの成形ダ
イ２よりの抜取り抵抗により該ブランクに噛付い
ている両側ブランク挾持爪８が勾配孔壁７ａに対
し相対的に引下げ賦勢されて、該両側ブランク挾
持爪によるブランク把持力が前記抜取り抵抗の増
加に比例して増大するから、成形済ブランクを成
形ダイ２より抜取ることができる。こうして成形
済ブランクを把持したプレス可動部材３が上昇行
程末端に近づいて、レバー１４が第１０図のよう
にストツパ２０に当接すると、それ以後のプレス
可動部材３の上昇により、該レバー１４がピン１
９を支点として時計方向に回動して、同期板１１
を介し両側ブランク挾持爪８が板ばね１７を撓ま
せながらホルダ７に対し引上げられるから、該両
側ブランク挾持爪がばね９の弾力により押開かれ
て、第１１図或いは第４図に示す上昇行程末端に
達するまでに成形済ブランクが解放される。

図示実施例においてホルダ７をプレス可動部材
３に固着したのは、プレスストロークを増大する
ことなくして弾性伝動機構を取付け得るようにす
るためであり、又弾性伝動機構を逆Ｗ字状板ばね
１７にしたのは、プレス可動部材３に対する弾性
伝動機構の着脱を容易として、プレスの汎用性を
維持させるためである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型装置の縦断正面図、第２図及び
第３図は夫々その要部の詳細図、第４図は本発明
装置の縦断正面図、第５図及び第６図は夫々第４
図のＸ−Ｘ断面図及びＹ−Ｙ断面図、第７図は第
４図Ｚ部分の詳細図、第８図〜第１１図は夫々本
発明装置の作動経過を示す図である。 １……プレス静止部材、２……成形ダイ、３…
…プレス可動部材、７……ホルダ、８……ブラン
ク挾持爪、９……圧縮ばね、１０……Ｖ溝、１１
……同期板、１２，１３……ピン、１４……レバ
ー、１６……圧力板、１７……逆Ｗ字状板ばね、
２０……ストツパ、Ｂ……ブランク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 左右対称的な勾配孔壁を持つ下細りの竪孔を
   穿設したホルダと、該勾配孔壁に勾配面を常時押
   圧賦勢される複数の下細り楔形のブランク挾持爪
   と、該ホルダに対し各ブランク挾持爪を同期昇降
   させる手段を含む楔チヤツクを、プレス静止部材
   上に取付けた成形ダイに対向してプレス可動部材
   側に取付け、該プレス可動部材とブランク挾持爪
   の間に、楔チヤツクと略軸線を同じくして水平の
   圧力板を遊嵌し、該圧力板に作用する押上力を押
   下力に変換してブランク挾持爪に伝達する弾性伝
   動機構をプレス可動部材側に支持させ、該プレス
   可動部材の上昇行程末期にブランク挾持爪をホル
   ダに対し引上げるように、プレス静止部材側のス
   トツパと協同するチヤツク開放機構をホルダ側に
   取付けたことを特徴とする非拘束押出型冷間鍛造
   装置。 ２ 弾性伝動機構が中央下端の突起を圧力板上
   に、又両側下端を夫々両側のブランク挾止爪上に
   夫々当接させた逆Ｗ字状板ばねの上端をプレス可
   動部材側に当接支持させてなる特許請求の範囲第
   １項記載の非拘束押出型冷間鍛造装置。