JPS6237990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は２段圧縮スクリユー冷凍機、詳しく
は低段側スクリユー圧縮機と高段側スクリユー圧
縮機とを備え、この高段側スクリユー圧縮機の吐
出側に油分離器を設けて成る２段圧縮スクリユー
冷凍機に関する。

一般にこの種冷凍機においては、前記高段側ス
クリユー圧縮機から吐出される高圧冷媒中に含ま
れる潤滑油を油分離器により分離し、この分離さ
れた潤滑油を前記低高段両圧縮機のハウジング内
部と、両圧縮機における冷媒吸入側及び吐出側の
各軸受部に給油して、各部の潤滑を行なうべくし
ているが、前記潤滑油中には相当量の冷媒を含有
しているのが普通である。

ところで以上のごとき２段圧縮スクリユー冷凍
機において、高圧冷媒を相当量含む潤滑油を、特
に低段側スクリユー圧縮機における冷媒吸入側つ
まり最も低圧の軸受部に給油するときには、前記
油中の冷媒が低段側スクリユー圧縮機の吸入チヤ
ンバー内で蒸発し、斯く蒸発したガス冷媒を、蒸
発器からの低圧ガス冷媒に対しては優先して吸入
することになるので、圧縮機本来の吸入冷媒量即
ち、前記蒸発器から圧縮機に戻る循環冷媒の吸入
量が減少することになるのである。この結果、圧
縮効率つまりスクリユー冷凍機の冷凍能力及び成
績係数を低下させるのである。一方、低段側圧縮
機の吸入側軸受部への給油に際して、潤滑油から
冷媒を取除くようにしたものは、実公昭54−
30644号公報により既に知られているが、この公
報記載のものでは、油から冷媒を分離するための
容器を、低段側圧縮機と高段側圧縮機との中間の
接続部にオリフイスを介して接続しているため
に、該オリフイスでの減圧による圧力損失が発生
するという問題がある。

本考案は以上のごとき問題に鑑み考案したもの
で、運転中は勿論、始動時においても、低段側圧
縮機の冷媒吸入側軸受部への給油を良好に行なわ
しめながら、その潤滑油中の冷媒含有量を小なら
しめ、この低段側圧縮機本来の冷媒吸入量を確保
して低高段両圧縮機の圧縮効率を高め、かつスク
リユー冷凍機の冷凍能力及び成積係数を向上させ
んとするものである。

即ち、本考案は、油分離器から、前記低段側ス
クリユー圧縮機の吸入側軸受部に給油するための
給油管に、減圧器を接続すると共に該減圧器の給
油側に、フラツシユチヤンバーをもつ容器を接続
して、該容器のフラツシユチヤンバーを、高段側
圧縮機における中間吸入口に接続し、前記容器の
底部を、前記軸受部に接続したことを特徴とする
ものである。

以下本考案の２段圧縮スクリユー冷凍機を図面
の実施例によつて説明する。

図面は前記冷凍機の冷凍サイクルを系統的に示
したもので、該図中１は低段側スクリユー圧縮機
（以下低段側圧縮機と称す）、２はその冷媒吐出側
に直列状に連結した高段側スクリユー圧縮機（以
下高段側圧縮機と称す）である。これら両圧縮機
１，２はハウジング１ａ，２ａ内にスクリユーロ
ータ１ｂ，２ｂを、前記ハウジング１ａ，２ａ内
の冷媒吸入側及び吐出側にそれぞれ設ける軸受部
１ｃ，１ｄ，２ｃ，２ｄを介して回転自由に支持
し、前記各スクリユーロータ１ｂ，２ｂの回転に
より各ハウジング１ａ，２ａの吸入側から吸入さ
れる冷媒を圧縮して、それぞれ吐出側から吐出す
るべく構成している。

前記高段側圧縮機２の冷媒吐出側には、冷媒配
管３を介して油分離器４、凝縮器５、受液器６、
中間冷却器７、膨張弁８及び蒸発器９を接続する
と共に、該蒸発器９と前記低段側圧縮機１の冷媒
吸入側とを低圧ガス管１０により接続して冷凍サ
イクルを形成している。

また前記油分離器４は、高段側圧縮機２の吐出
側に接続されて高圧であり、しかして該分離器４
の底部つまり油溜部に給油管１１を接続して、該
給油管１１から給油される潤滑油をヘツダー１２
を介して前記両圧縮機１，２の各部に高低圧差を
利用して供給すべくしている。

しかして本考案は以上のごとき２段圧縮スクリ
ユー冷凍機において、前記ヘツダー１２に、前記
低段側圧縮機１の吸入側軸受部１ｃに給油するた
めの吸入側給油管１１ａを設け、該給油管１１ａ
に減圧器１３を接続すると共に、この減圧器１３
の下流側に、フラツシユチヤンバー１４ａをもつ
容器１４を接続し、該容器１４の底部つまり油溜
部を前記低段側圧縮機１の吸入側軸受部１ｃに連
通したものであつて、前記ヘツダー１２から給油
される潤滑油を、前記減圧器１３により減圧して
容器１４内に供給し、該容器１４内で潤滑油に含
有される冷媒をフラツシユさせて、前記潤滑油か
ら分離し、フラツシユガスを除去した潤滑油を前
記軸受部１ｃに給油するようにしたのである。

前記容器１４の上部、即ち該容器１４における
フラツシユチヤンバー１４ａは、図面中点線で示
したごとく、ガス管１５を介して前記高段側圧縮
機２の中間吸入口１９に接続し、前記フラツシユ
チヤンバー１４ａで生じるフラツシユガスを前記
高段側圧縮機２における冷媒流路系に戻すごとく
するのである。

また、前記ヘツダー１２には、前記吸入側給油
管１１ａ以外に、例えば５本の給油管１１ｂ，１
１ｃ，１１ｄ，１１ｅ，１１ｆをそれぞれ設け、
これら各給油管をそれぞれ低段側圧縮機１のハウ
ジング１ａとロータ１ｂとの摺接部、該圧縮機１
の吐出側軸受部１ｄ、高段側圧縮機２の吸入側軸
受部２ｃ、該圧縮機２のハウジング２ａとロータ
２ｂとの摺接部、及び該圧縮機２の吐出側軸受部
２ｄに接続し、これら各部に前記ヘツダー１２か
ら潤滑油を供給すべくしている。

前記高段側圧縮機２の吐出側軸受部２ｄなど高
圧の場合には、該軸受部２ｄへの給油を、ポンプ
を介して行なうのである。

又、前記減圧器１３は、前記ヘツダー１２から
容器１４に至る潤滑油を減圧させて、該容器１４
内において潤滑油中に含まれる冷媒をフラツシユ
させるためのもので、前記減圧器１３と前記容器
１４とを用いることにより、フラツシユガスを除
去した潤滑油を前記低段側圧縮機１の吸入側軸受
部１ｃに供給することができ、該圧縮機１の吸入
チヤンバーで潤滑油中の冷媒が蒸発してその本来
の冷媒吸入量を減少させることをなくし、前記圧
縮機１の冷媒吸入量を確保し、前記両圧縮機１，
２による圧縮効率つまり冷凍機の冷凍能力及び成
積係数を高めるのである。また、前記減圧器１３
としては、例えば手動開閉弁、オリフイス或はキ
ヤピラリーなどが使用される。

尚、図面の実施例では、前記受液器６と膨張弁
８との間に中間冷却器７を設け、前記受液器６か
らの液冷媒の一部を膨張弁１６を介して前記冷却
器７に送り、ここでその一部を蒸発させて、前記
蒸発器９に流れる液冷媒を過冷却すると共に、低
段側圧縮機１から吐出され高段側圧縮機２に吸入
される冷媒ガスに合流させて高段側圧縮機２の吸
入冷媒ガスを冷却している。

本考案のスクリユー冷凍機は以上の構成とした
ものであり、低段側圧縮機１で圧縮された冷媒
は、高段側圧縮機２によりさらに高圧に圧縮され
て、油分離器４、凝縮器５、受液器６、中間冷却
器７、膨張弁８を経て蒸発器９に至り、ここで蒸
発して冷却作用を行ない、冷媒は低段側圧縮機１
に還流され、以上のサイクルを繰返して冷却が行
なわれる。

しかして前記油分離器４において冷媒中に含有
される潤滑油が分離され、この油が給油管１１か
らヘツダー１２及び該ヘツダー１２に接続された
前記各給油管１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ，１１ｅ，
１１ｆと介して、前記低段側圧縮機１におけるハ
ウジング１ａとロータ１ｂとの摺接部及びその吐
出側軸受部１ｄ、また高段側圧縮機２における吸
入、吐出側の両軸受部２ｃ，２ｄ、及びそのハウ
ジング２ａとロータ２ｂとの摺接部に給油され、
これら各部の潤滑が行なわれる。

また前記低段側圧縮機１の吸入側軸受部１ｃに
は、前記ヘツダー１２に接続した吸入側給油管１
ａから減圧器１３及び容器１４を介して給油され
るのであるが、ヘツダー１２からの潤滑油は、減
圧器１３で減圧されて容器１４に送られ、該容器
１４内で潤滑油に含まれる冷媒がフラツシユして
除去され、冷媒を含まない潤滑油が前記圧縮機１
の軸受部１ｃに給油されるのである。

従つて前記圧縮機１内においては、潤滑油中の
冷媒の蒸発を招いたりすることがなく、つまり冷
媒の蒸発により圧縮機１が吸入すべき本来の冷媒
量を減少させたりすることがなく、これによつて
前記両圧縮機１，２による圧縮効率ひいては冷凍
機の冷凍能力及び成積係数が高められるのであ
る。

尚、前記実施例では、低段側圧縮機１の吐出側
軸受部１ｄへの給油をヘツダ１２から給油管１１
ｃを介して行なつたが、吐出側軸受部１ｄを低段
側圧縮機１の吸入側に均圧する場合には、吸入側
軸受部１ｃと同様に、この吐出側軸受部１ｄに前
記容器１４の底部を接続する必要があることはも
ちろんである。

以上説明したをごとく本願考案によれば、運転
継続中は勿論、始動時においても、潤滑油に含ま
れる冷媒を確実に取除いて低段側圧縮機１の吸入
側軸受部１ｃに給油できるのであり、潤滑油中に
冷媒が含まれていて該冷媒が低段圧縮機１の吸入
チヤンバーで蒸発して圧縮機本来の冷媒が減少す
るといつた問題を確実に解消できるのであり、さ
らに、フラツシユチヤンバー１４ａを低段側スク
リユー圧縮機１と高段側スクリユー圧縮機２との
間にオリフイスを介して接続した場合に発生する
オリフイスでの圧力損失を解消することができ、
これにより、両圧縮機の圧縮効率を高めることが
でき、冷凍機の冷凍能力及び成績係数を著しく向
上できるに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる冷凍機の冷凍サイクルを
示す図である。 １……低段側圧縮機、１ｃ……吸入側軸受部、
２……高段側圧縮機、４……油分離器、１１……
給油管、１３……減圧機、１４……容器、１４ａ
……フラツシユチヤンバー、１９……中間吸入
口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 低段側スクリユー圧縮機１と、高段側スクリユ
   ー圧縮機２とを備え、この高段側スクリユー圧縮
   機２の吐出側に油分離器４を設けた２段圧縮スク
   リユー冷凍機において、前記油分離器４から前記
   低段側スクリユー圧縮機１の吸入側軸受部１ｃに
   給油するための給油管１１ａに、減圧機１３を接
   続すると共に該減圧器１３の給油側に、フラツシ
   ユチヤンバー１４ａをもつ容器１４を接続して、
   該容器１４のフラツシユチヤンバー１４ａを、前
   記高段側スクリユー圧縮機２における中間吸入口
   １９に接続し、前記容器１４の底部を、前記軸受
   部１ｃに接続したことを特徴とする２段圧縮スク
   リユー冷凍機。