JPS6237839Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ペダル軸と、該ペダル軸に回転自由
に支持されるペダルボデイとを備えた自転車用ペ
ダルに関する。

従来、この種自転車用ペダルは、ペダルボデイ
の上面に踏面を設け、この踏面に運転者の足を載
せて踏込力を伝えるごとくしているが、足の踏込
力をペダルボデイに伝達する場合に、足の踏込と
同時に、足の裏面がペダルの踏面に圧接して、踏
込に伴なう反作用力が直ちに伝わつてしまうこと
から、踏心地が悪く足が疲れ易すいという問題が
あつた。

本考案は、このような実情に鑑みて考案したも
ので、目的とするところは、ペダルの踏込時に足
が踏面に対し、シヨツクなく弾性的に当接してそ
の踏心地を向上させることが出来る自転車用ペダ
ルを提供せんとするにある。

而して本考案は、ペダル軸１と、該ペダル軸１
に回転自由に支持される合成樹脂から成るペダル
ボデイ３とを備えた自転車用ペダルであつて、前
記ペダルボデイ３は、軸受をもつ剛性のボデイ本
体３と踏面３０を備え、前記ボデイ本体３の基部
と先端部とから前後方向に延びる枠形の踏体３ｂ
とを備える一方、前記ボデイ本体３と踏体３ｂと
の少なくとも一方から、前記踏体３ｂの踏面３０
に対し上方に突出する弾性片４を一体に、かつ、
片持状に設けると共に、前記弾性片４を、前記踏
体３ｂの枠内空間に配置したことを特徴とするも
のである。

以下本考案にかかる自転車用ペダルを図面に示
す実施例に基づいて説明する。

図において、１は自転車用クランクにおけるク
ランクアームの遊端に取付けるペダル軸であつ
て、前記クランクアームに取付ける取付軸部１１
と、この取付軸部１１の一端から軸方向外方に延
びる支持軸部１２とから成り、前記取付軸部１１
の外周にはねじ１３を設け、又、支持軸部１２の
基端外周には球受面１４を、先端外周にはねじ１
５をそれぞれ設けて、前記ねじ１５部に、球受面
２１をもつた球押し２を螺着している。

３は踏面３０を備えたペダルボデイであつて、
このペダルボデイ３は、前記ペダル軸１の支持軸
部１２が遊挿される貫通孔３１を設けたボデイ本
体３ａとこのボデイ本体３ａに一体形成する枠形
の踏体３ｂとから構成され、前記ボデイ本体３ａ
の貫通孔３１内に保持筒１６を嵌着するととも
に、この保持筒１６の両端開口部に、前記球受面
１４及び２１と対向する球受面１７ａ，１８ａを
備えた椀１７，１８をそれぞれ嵌着し、且つ前記
球受面１４，１７ａ間及び球受面２１，１８ａ間
にそれぞれ球体１９，１９を介装することで軸受
を構成し、前記ペダル軸１に前記ボデイ本体３ａ
を回転自由に支持している。

又前記踏体３ｂは該ボデイ本体３ａの長さ方向
両端部からそれぞれ自転車進行方向前方乃至後方
に延びる内側枠部３２及び外側枠部３３と、これ
ら両側枠部３２，３３の前方遊端部間を連結する
前枠部３４並びに両側枠部３２，３３の後方遊端
部間を連結する後枠部３５とから枠形に形成さ
れ、これら各枠部３２，３３，３４，３５の上面
と前記ボデイ本体３ａの上面を前記した踏面３０
と成している。

尚、図に示す、ペダルボデイ３はポリプロピレ
ン樹脂より成形したもので、且該ペダルボデイ３
の成形時には、前記保持筒１６及び椀１７，１８
を金型の一部材として利用しているのであつて、
又前記踏面３０は、ペダルの踏込時に足が該踏面
３０を的確に捉えることが出来るように、指先か
ら土踏まずにかけての足の裏面形状に見合つた彎
曲面に形成している。

而して本考案は、前記ボデイ本体３ａと踏体３
ｂとの少なくとも一方から、前記踏体３ｂの踏面
３０に対し上方に突出する弾性片４を一体に、か
つ、片持状に設けると共に、前記弾性片４を、前
記踏体３ｂの枠内空間に配置することで、ペダル
の踏込時に、該弾性片４の弾性変形をして足が前
記踏面３０に弾性的に当接するように成したので
ある。

即ち第１図乃至第３図に示す実施例では、前記
踏体３ｂの前枠部３４及び後枠部３５から、それ
ぞれ次第に前記踏面３０に対し離間する如く前記
ボデイ本体３ａに向つて延びる弾性片４，４を、
前記ペダルボデイ３の成形時に前記前枠部３４及
び後枠部３５に一体成形しているのであつて、こ
れら弾性片４，４と前記前枠部３４、後枠部３５
との連結部位をヒンジとして、このヒンジ部分か
らペダルボデイ３乃至弾性片４，４を形成してい
るポリプロピレン樹脂の材料特性により第３図二
点鎖線で示す如く弾性変形可能と成している。

又、図に示す実施例では、ペダルの踏込時に前
記弾性片４，４の遊端エツジ部分が足に当接する
ことのないように、その遊端部を斜め下方に屈曲
させる一方、前記弾性片４，４の上面には、滑り
止めの係合突条４１，４１…を多数形成してい
る。

尚、図中２２はロツクナツト、２３はキヤツプ
であり、又、５，５は前記ボデイ本体３ａに着脱
自由に取付けたリフレクター、６は前記踏面３０
が常時上方を向くように前記ボデイ本体３ａに埋
設したバランスウエイトである。

本考案は以上の構成からなり、前記ペダルボデ
イ３上に、足の指先から土踏まずにかけての部位
を載せて踏込めば、その踏込力によつて前記弾性
片４，４が無理なく第３図二点鎖線で示す如く弾
性変形して足が弾性的に前記踏面３０に圧接する
のであり、換言すればペダルの踏込時、前記弾性
片４，４がクツシヨン材としての役割を果すこと
から足が前記踏面３０に対してシヨツクなく弾性
的に当接し、従つて全体的にペダルの踏心地が良
好となり長時間のサイクリングを行なうも疲労少
なく快適な踏込操作を行ない得るのである。

尚第１図乃至第３図に示す実施例では、前記弾
性片４を、前記踏体３ｂの前枠部３４及び後枠部
３５から、それぞれボデイ本体６ａに向けて延設
したが、第４図乃至第１図に示す如く設けてもよ
い。

即ち第４図及び第５図に示すものは、前記弾性
片４，４を前記ボデイ本体３ａから前記前枠部３
４と後枠部３５に向けてそれぞれ延設したのであ
り、第６図及び第７図に示すものは、前記前枠部
３４及び後枠部３５からそれぞれボデイ本体３ａ
方向途中まで延びる弾性片４，４の他に、ボデイ
本体３ａから、前記前枠部３４及び後枠部３５方
向途中まで延びる弾性片４，４をも設けたもので
ある。

又第８図及び第９図に示すものは、前記外側枠
部３３から内側枠部３２に向けて延びる弾性片
４，４を設けたものであり、更に第１０図及び第
１１図に示すものは、外側枠部３３から内側枠部
３２方向途中まで延びる弾性片４，４の他に、内
側枠部３２から外側枠部３３方向途中まで延びる
弾性片４，４を設けたのである。

以上の如く本考案は、ペダルの踏込時、前記弾
性片は踏体の踏面に当接することなく弾性変形を
行なうから、クツシヨン材としての役割を十分果
すことができ、しかも踏込力は前記弾性片を介す
ることなく直接踏体の踏面に作用するから、効率
よくペダル本体に伝達できるのである。従つて、
ペダルを踏込む足はペダルボデイの踏面に対して
シヨツクなく弾性的に当接することができ、しか
も当接してからは効率よく踏込力をペダル本体に
伝えられるから、全体としてペダルの踏心地が極
めて良好となり、例え長時間のサイクリングを行
なうも疲労少なく、快適な踏込操作を行ない得る
に至つたのである。

その上、前記弾性片を合成樹脂製のペダルボデ
イと一体に設けるのであるから、別部材としてペ
ダルボデイに設けるのに比較して、その構造を簡
単にできるし、組込み作業も不要にできるのであ
り、又、一体なる故に前記弾性片がペダルボデイ
から脱落する虞れもないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる自転車用ペダルの平面
図、第２図はその要部を一部切欠して示す平面
図、第３図は断面正面図である。又第４図乃至第
１１図は他の実施例を示し、第４，６，８，１０
図はその概略平面図、第５図は第４図Ａ−Ａ線概
略断面図、第７図は第６図Ｂ−Ｂ線概略断面図、
第９図は第８図Ｃ−Ｃ線概略断面図、第１１図は
第１０図Ｄ−Ｄ線概略断面図である。 １……ペダル軸、３……ペダルボデイ、３０…
…踏面、４……弾性片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペダル軸１と、該ペダル軸１に回転自由に支持
   される合成樹脂から成るペダルボデイ３とを備え
   た自転車用ペダルであつて、前記ペダルボデイ３
   は、軸受をもつ剛性のボデイ本体３ａと踏面３０
   を備え、前記ボデイ本体３ａの基部と先端部とか
   ら前後方向に延びる枠形の踏体３ｂとを備える一
   方、前記ボデイ本体３ａと踏体３ｂとの少なくと
   も一方から、前記踏体３ｂの踏面３０に対し上方
   に突出する弾性片４を一体に、かつ、片持状に設
   けると共に、前記弾性片４を、前記踏体３ｂの枠
   内空間に配置したことを特徴とする自転車用ペダ
   ル。