JPS62377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、運転駆動中に自動車ドアの衝撃開放
を阻止するようになされた機械式駐車装置におけ
る安全装置の改良に関するものである。

通常、機械式駐車装置、例えばメリーゴーラン
ド式、バタノスター原理に基づく循環駆動式、平
面移行式等の駐車装置において惹起される事故
は、運転の衝撃により所謂半ドア状態の自動車が
揺動して自動車ドアが衝撃開放するものが大半で
ある。この種の事故は自動車を破損するばかりで
なく、駐車装置本体及び建物をも破損して被害が
甚大となる。

このような事故対策を目的とする安全装置とし
ては、例えば第１図に示すような安全装置が提案
されていた。すなわちトレイ１が所定の自動車搬
出入位置まで駆動されて停止すると、停止確認ス
イツチ等のスイツチ手段（図示せず）が例えば油
圧等による駆動装置４を励起して、押圧レバー５
を矢印Ａ方向（前方向）へ移動させるので、該押
圧レバー５の先端部は桿部材６の先端部と衝合し
てこれを押動し、従つてラツク７を矢印Ａ方向へ
摺動移動させる。このためピニオン９，１０がラ
ツク７によつて時計方向へ回転し、従つて該ピニ
オンと一体の腕部材１１，１２が時計方向へ回転
するために、いままで図示のような作用位置（垂
直上方位置）にあつた半ドア事故防止レバー３は
二点鎖線で図示されているような不作用位置（垂
直下方位置）へ回動する。従つてトレイ１上にあ
る自動車２のドア開閉は自由に行なうことができ
る。次にトレイ１を自動車搬出入位置から循環駆
動させるに際しては、トレイ１の循環駆動が始ま
る前に駆動装置４が逆転して押圧レバー５を矢印
Ｂ方向（後方向）へ復帰移動させる。この復帰運
動につれて復帰バネ（図示しない）により反時計
方向へ回転付勢されているピニオン９，１０が回
転してラツク７を矢印Ｂ方向へ移動させると共
に、腕部材１１，１２が反時計方向へ回転して半
ドア事故防止レバー３を作用位置へもどす。駆動
装置４は、押圧レバー５の先端部が桿部材６の先
端部から離れるまで作動した後停止する。然る後
駐車装置のトレイ駆動が始められる。

しかし、このような従来装置では動力伝達機構
がラツク、ピニオン機構のため、自動車搬出入時
にトレイが揺動するとラツク、ピニオンを通じて
半ドア事故防止レバーが不必要に振動すると同時
に、駆動装置へもこの振動が伝わり駆動装置に悪
影響を与える。又、駆動装置が桿部材を押しすぎ
るとラツク、ピニオンを破損する恐れもある。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、自動
車の搬出入時にたとえトレイが揺動しても、半ド
ア事故防止レバーが振動することがなく、かつ駆
動装置へ振動が伝播して駆動装置が破損する恐れ
もなく、又、駆動装置の押しすぎによる動力伝達
機構の破損の恐れもない安全装置を提供すること
を目的とする。

以下、図面にもとずき、本考案による安全装置
の一実施例について説明する。

第２図は半ドア事故防止レバーが作用位置に存
在する場合のトレイの側面図、第３図は半ドア事
故防止レバーが不作用位置に存在する場合のトレ
イの側面図を示し、第４図は第２図の−線断
面図を示す。図中、半ドア事故防止レバー２１は
両端付近の連結部２１ａにおいて従レバー２２，
２３の一方の端に回動自在に支持されており、従
レバー２２の他方の端は支持部材（図示しない）
によりトレイ１の側面に回動自在に軸止されてい
る。一方、く形状の従レバー２３の他方の端には
ブラケツト２３ａを介してローラー２４が回動自
在に設けられており、く形状の折れ曲がつた屈曲
部分は支持部材２３ｂによりトレイ１の側面に軸
止されている。ローラー２４に向かつて開口部を
有し、このローラー２４を案内する断面溝型形状
のガイドレール２５は両端に段違いの水平部分及
び中間部に該水平部分を結ぶ勾配部分を有し、ト
レイ１の側面に固定された中空のブラケツト２６
の中を摺動するシヤフト２７の一端にこの勾配部
分が固定されている。シヤフト２７の他方の端は
下方に折曲げられており、自動車の出入口位置に
トレイ１が存在する場合には先端に窪みを有する
駆動装置２８のレバー２９に係合される。駆動装
置２８は塔内床面３０に固定され、レバー２９を
前後方向に可動させる。

次に本考案装置の動作について説明する。トレ
イ１が所定の自動車出入口位置まで駆動されて停
止すると、従来装置と同様駆動装置２８は動作し
てレバー２９を第２図の矢印Ａ方向（前方向）へ
移動させる。トレイ１が所定の自動車出入口位置
に存在する場合には駆動装置２８のレバー２９と
トレイ１の側面に設けられたシヤフト２７とは係
合状態にあるため、駆動装置２８によりレバー２
９が矢印Ａ方向（前方向）に移動するとこれと連
動してシヤフト２７もブラケツト２６に支持され
て矢印Ａ方向に水平移動する。

ところでシヤフト２７の一端には従レバー２３
のローラー２４を案内するガイドレール２５が設
けられているため、シヤフト２７の移動とともに
ガイドレール２５がそのままの状態で矢印Ａ方向
に移動すると、従レバー２３のローラー２４がガ
イドレール２５の勾配部分にそつて徐々に上昇す
る。このため、従レバー２３は支持部材２３ｂを
中心に反時計方向に回転し、従レバー２２も支持
部材（図示しない）を中心に反時計方向に回転す
るので、半ドア事故防止レバー２１は第２図で示
す作用位置から第３図で示す不作用位置に下降し
て自動車のドアの開閉を可能にする。駆動装置２
８は半ドア事故防止レバー２１が不作用位置に達
してからもさらにガイドレール２５を所定の距離
だけ矢印Ａ方向に移動させて、従レバー２３のロ
ーラー２４がガイドレール２５の上段水平部分の
半ばまで達すると停止する。この状態のときトレ
イ１に自動車が出入してトレイ１が前後方向に揺
動しても、従レバー２３のローラー２４がガイド
レール２５の上段水平部分を前後方向に振動する
だけなので従レバー２３、半ドア事故防止レバー
２１及び従レバー２２が振動することはなく、ト
レイ１の振動がガイドレール２５及びシヤフト２
７を通つて駆動装置２８へ伝わることもない。
又、駆動装置２８の故障等によりレバー２９がた
とえシヤフト２７を押しすぎても、ガイドレール
２５の上段水平面上をローラー２４が滑走するだ
けで何の破損も生じない。

次にトレイ１を自動車出入口位置から循環駆動
させる場合には、トレイ１の循環駆動が始まる前
に駆動装置２８は逆転してレバー２９、シヤフト
２７を介してガイドレール２５をそのままの状態
でＢ方向（後方向）へ水平移動させる。この場合
には前述の動作の場合とは逆に従レバー２３のロ
ーラー２４がガイドレール２５の勾配部分にそつ
て徐々に下降するため、従レバー２３は支持部材
２３ｂを中心に時計方向に回転し、従レバー２２
も支持部材を中心に時計方向に回転する。従つ
て、半ドア事故防止レバー２１は第３図で示す不
作用位置から第２図で示す作用位置まで上昇し
て、自動車のドアの開閉を不能にする。

以上の説明からわかるように、本考案によれば
トレイ１が自動車出入の際に揺動しても、その揺
動が他の機器及び装置に伝播しないため、極めて
安全性が高く、かつ非常に簡単な構成の安全装置
を得ることができる。又、本考案によれば半ドア
事故防止レバーが作用、不作用位置においてガイ
ドレールの水平部分で常に従レバーを介して支持
されるため従来必要としていた復元用のスプリン
グ機構を廃止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の安全装置を示すトレイの側面
図、第２図〜第４図は本考案による安全装置の一
実施例を示し、第２図は半ドア事故防止レバーが
作用位置に存在する場合のトレイの側面図、第３
図は半ドア事故防止レバーが不作用位置に存在す
る場合のトレイの側面図、第４図は第２図の−
線断面図である。 １……トレイ、２……自動車、３，２１……半
ドア事故防止レバー、２２，２３……従レバー、
２４……ローラー、２５……ガイドレール、２７
……シヤフト、２８……駆動装置、２９……レバ
ー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一端にはローラを備えた従レバーが、屈曲部
   を支点として回動自在にトレイの側面に設けら
   れ、該従レバーの他端には自動車の扉の開閉を
   可能及び不可能にする半ドア事故防止レバーが
   回動自在に連結されたものにおいて、前記トレ
   イの側面には、両端に段違いの水平部分及び中
   間部に該水平部分を結ぶ勾配部分を有し、前記
   ローラーに向かつて開口部を有する断面溝型形
   状のガイドレールを前記トレイの長さ方向に備
   えたシヤフトを前記トレイの長さ方向に摺動自
   在に設け、前記ローラーが前記ガイドレールに
   案内されて昇降移動することにより前記半ドア
   事故防止レバー位置を移動させ、前記半ドア事
   故防止レバーが前記自動車の扉の開閉の可能位
   置及び不可能位置では前記ローラーが前記ガイ
   ドレールの水平部分に支持される構成としたこ
   とを特徴とする機械式駐車装置の安全装置。 (2) 前記半ドア事故防止レバーが前記自動車の扉
   の開閉が可能位置では、前記ローラーが前記ガ
   イドレールの上段水平部分に支持され、前記半
   ドア事故防止レバーが前記自動車の扉の開閉が
   不可能位置では、前記ローラーが前記ガイドレ
   ールの下段水平部分に支持される構成としたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の機械式駐車装置の安全装置。