JPS6237577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗濯槽内の水面に浮いているよごれ
分を含んだ泡等を、スムーズに吸いこんですすぎ
効率を向上させ、かつ、異物の凹部内へ流入防止
を簡単な構造でかつ、安価に行わせる洗濯機の溢
水装置に関するものである。

従来、洗濯槽の側壁の一部に設けた凹部を覆う
溢水フイルターには、第５図に示すように、横長
の異物の流入しにくい比較的細い水孔Ａを設けて
いたため、水孔Ａ間に形成されるリブＢにさえぎ
られ、すすぎ水に含まれる泡等は、溢水ジヨイン
ト内になかなか吸込まれず、水面に残留すること
が多かつた。また、一般に、水面に泡が残留して
いる場合には、溢水すすぎが行われがちである
が、洗濯物に残留する洗剤分は一定以上すすぎを
行つても取除かれず、また、洗濯物に残留してい
ても特に異常のないことは周知の通りである。に
もかかわらず、水面に多少の泡が残留しておれ
ば、すすぎが不充分であるという判断をされがち
で、必要以上に溢水すすぎを行い、水、電気の無
駄を生じるものであつた。

本考案は上記従来の問題に鑑み、なされたもの
であり、以下、その一実施例を添付図面第１図〜
第４図に従つて説明する。

図において、１は外筐、２は外筐１内に配した
内槽を示し、その上部後方には操作パネル３が装
着されている。内槽２は脱水かごを回転自在に配
した脱水槽（図示せず）と、内底部にパルセータ
を有する洗濯槽４とを樹脂にて一体形成したもの
である。洗濯槽４の側壁の一部には凹部５を一体
に形成し、この凹部５を覆うべく、溢水フイルタ
ー６がフツク部７にて凹部５前方の段部８に着脱
自在に嵌合固定されている。

凹部６内の一部には、溢水パイプ９に連接する
溢水口１０が設けてあり、この溢水口１０には、
上方開口部１１を溢水フイルター６に近接させた
溢水ジヨイント１２を嵌合している。

溢水フイルター６には、縦長の水孔１３を多数
設けており、この水孔１１の洗濯槽４内方におけ
る幅寸法ａを３mm以上、凹部５側の同幅寸法ｂを
略２mmとし、前者を後者よりも大きく設定してい
る。１４は多数の水孔１１の形成によつて、水孔
１１に沿い必然的に形成されたリブで、洗濯槽４
内方側の幅寸法が、凹部５側のそれよりも大きく
設定してある。１５はリブ１４同志間を連結する
ように水平方向に長く形成した補強リブで、洗濯
物の量に対応した適当水量を表示するための水位
表示線１６を兼ねている。水位表示線１６の近傍
には水位表示文字１７が成形等によつて施こされ
ている。補強リブ１５は全て水位表示線１６を兼
ねるのではなく、特定のものによつて機能を果た
し、水位表示線１６を兼ねる補強リブ１５は、そ
の洗濯槽４内方側の側面が溢水フイルター６の表
面と同一面かそれよりも突出しており、水位表示
線１６以外の補強リブ１５は溢水フイルター６の
表面よりくぼんでいる。

なお、１８は溢水フイルター６の下端に設けた
係止リブで、凹部５の開口端下部に設けた溝１９
に着脱自在に係止する。２０は溢水フイルター６
の着脱時の把手穴である。

上記構成において、洗濯槽４内の水面に発生し
た泡は、水面上広く平らにはならず、上方へ盛り
上がりやすいが、溢水フイルター６の水孔１３を
縦長としたことにより、泡の水孔１３の通過が容
易である。また、直径略３mm程度の比較的小さな
泡は、壊れにくく、大きい泡は壊れやすいため、
水孔１３の洗濯槽４内方側の幅寸法を３mm以上、
凹部５側における幅寸法を洗濯槽４内方側のそれ
よりも小さい略２mmにそれぞれ設定したことによ
り、流出するすすぎ液によつて溢水フイルター６
の表面に引き寄せられた泡は、一部が壊れ、残つ
た泡もすすぎ液の流出速度によつて水孔１３に進
入しやすくなり、水面上の泡残留を減少させるこ
とができる。

一方、衣類のボタン等は、水孔１３の凹部５側
の幅寸法を略２mmとしているため、水孔１３内に
進入しにくい。特に、リブ１４同志を補強リブ１
５で連結しているため、水孔１３の幅が広がる恐
れがなく、前記したボタン等の進入防止に効果的
である。また、補強リブ１５は水位表示線１６を
兼ねており、別途水位表示目盛等を施こす必要が
ない。

以上のように本考案によれば、すすぎ作業時の
泡の排出を効果的に行わせることができ、水およ
び電気の無駄の発生を抑えることができるととも
に水孔の広がりを防止し、凹部への異物の流入、
水孔へのボタン等の引つかかり等を阻止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における洗濯機の要部
斜視図、第２図はその溢水装置の水平断面図、第
３図は同縦断面図、第４図はその溢水フイルター
の外観斜視図、第５図は従来の溢水フイルターの
外観斜視図である。 ４……洗濯槽、５……凹部、６……溢水フイル
ター、１０……溢水口、１２……溢水ジヨイン
ト、１３……水孔、ａ，ｂ……幅寸法、１４……
リブ、１５……補強リブ、１６……水位表示線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 洗濯槽側壁の一部に凹部を設けるとともにこ
   の凹部内に溢水パイプと連結する溢水ジヨイン
   トを設け、前記凹部を覆う溢水フイルターに縦
   長の水孔を多数設け、前記水孔の洗濯槽内方に
   おける幅寸法を３mm以上とし、前記凹部側にお
   ける水孔の幅寸法を前記洗濯槽内方側における
   それよりも小さく設定した洗濯機の溢水装置。 (2) 縦長の水孔に沿つて形成されたリブ同志間
   を、水位表示線を兼ねる水平方向の補強リブで
   連結した実用新案登録請求の範囲第１項の洗濯
   機の溢水装置。