JPS6231116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯槽内で常時水没状態でリントを収
集するリントフイルター装置に関する。

従来のこの種装置は洗濯水を強制循環させるも
の以外は水面上に浮遊するリントを収集するもの
であつた。しかし、リントは水中の衣類から既に
発生しているので、水中で収集する方が効果的で
ある。ただ水中で収集する場合は、ネツトがいつ
でも回転水流によつてぺしやんこになり、内容積
を有効利用できない点が欠点である。

本考案は上述の点に鑑み成されたもので、ネツ
トを取付枠の開口に取付けると共に、この取付枠
に開口から突出してネツト内に位置する巾広のガ
イド板を設けたリントフイルター装置である。従
つて、ネツトは回転水流に押されてぺしやんこに
なろうとしてもガイド板に当つて拡げられてお
り、内容積を確保している。又、回転水流が断続
する場合には、その度にネツトがガイド板に当つ
てその周辺で収集していたリントをネツトの奥に
移動させ、ネツトが早期に目づまりを起すのを防
ぐことができるのである。

以下、実施例を図面に基づいて説明すると、１
は機体内に洗濯槽２と脱水受槽（図示せず）を並
設して成る二槽式洗濯機である。３はタイマー摘
子等を設けたコントロールボツクス、４は洗濯槽
２の内底部の偏芯位置、具体的には前部右側寄り
に回転可能に取付けられたパルセーター、５はコ
ントロールボツクス３に取付けられて洗濯槽２上
に垂下する上部注水用ボツクスである。又、上記
洗濯槽２は後部右側の隅角部に溢排水室（図示せ
ず）を凹設し、この室内に溢水口（図示せず）を
設けると共に、室底面に排水口（図示せず）を設
けている。

６は洗濯槽２の後部左側の隅角部、即ち、パル
セーター４から最も遠い隅角部に縦長に凹設され
た下部注水室で、その開口面をカバー７で閉成し
ている。カバー７は中部から上部にかけて水飛出
防止用の山形の突起８を膨出し、最下部には下部
注水口９……を形成している。１０はカバー７の
下部注水口９……の直上に形成した係合孔、１１
は突起８の直下に形成したボスである。

１２は上記カバー７の下部注水口９……と突起
８間に被せられた箱状の取付枠で、下側面の一部
に下向きに折曲形成した係合介１３を上記係合孔
１０に係合し、上側面を後方から前方、更に上方
に向けて彎曲延長してその上方延長面を上記ボス
１１にビス１４で止着している。そして、この取
付枠１２は、正面に開口１５を形成すると共にこ
の開口１５の周囲に嵌合面１６を段落ち形成し、
左右側面を外方に拡開するように傾斜させると共
に、その傾斜面に開口１５に通ずる水入口１７…
…を形成し、内部中央に上記左右側面の傾斜と平
行な山形の整流板１８を上下側面に亘つて形成す
ると共にこの板頂部の全域には垂直な区画片１９
を前方突出状に形成し、上記整流板１８の中部に
は上記開口１５から前方に大きく突出する巾広で
水平なガイド板２０を形成している。２１は取付
枠１２の上側面の前方への延長面に形成した上下
方向の係合孔、２２は嵌合面１６の下辺に区画片
１９を取除く形で形成した係合孔である。

２３は嵌合面１６に嵌着されたロ字形のフイル
ター棒で、上辺に上下方向に弾性を有するコ字形
の弾性片２４を形成し、この弾性片２４上に上記
係合孔２１に前方向に対して係合する係合爪２５
と膨出した操作ツマミ２６を形成し、下辺には上
記係合孔２２に係合する下向きの係合爪２７を形
成している。従つて、このフイルター枠２３は操
作ツマミ２６を下方に押しながら前方に引かない
以上外れず、洗濯中の衣類が衝突しても非常に外
れにくい。ただ外す時には操作ツマミ２６が膨出
しているので、手指による操作が楽にできる。２
８はフイルター枠２３の前面周縁に凹設した取付
溝で、その内面には部分的に突部２９……を形成
している。３０は取付溝２８の外側の周縁に立設
されたリブで、下辺で切欠３１を形成している。

３２は外形が口字形で且つ断面がＴ字形の押え
枠で、上記取付溝２８内に嵌着されると共に周縁
上に貼着される。又、この押え枠３２はその内周
面に上記突部２９……に係合する凹部３３……を
形成している。３４はネツトで、その開口周縁が
取付溝２８と押え枠３２との間に挟着され、特に
網目を突部２９……と凹部３３……間に入れて強
固に挟着される。

尚、上記リブ３０は押え枠３２と同一若しくは
それよりも高くしてある。

ここで、取付枠１２、フイルター枠２３、押え
枠３２及びネツト３４はリントフイルター装置Ｆ
を構成している。又、上記洗濯槽２の洗濯時に於
ける低水位はカバー７の突起８よりも下方で且つ
リントフイルター装置Ｆよりも上方である。た
だ、装置Ｆの取付枠１２の上側面は少し位は低水
位よりも上方に出ても良い。いずれにしても装置
Ｆは洗濯時には回転水流中に没つし、幾分突出し
ているので、その回転水流に対して水飛出防止の
機能を果すことができる。

次に、実施例の動作について説明すると、まず
洗濯槽２内に水を衣類の量に応じて入れ、必要に
応じて洗剤を入れ、パルセーター４を反転させ
る。すると、洗濯槽２内には周側で高くなるよう
な回転水流が生じ、リントフイルター装置Ｆは常
時水没している。回転水流はパルセーター４から
遠くなる程弱いので、この水流によつて流動する
衣類はリントフイルター装置Ｆに接触しにくく、
逆に云えば回転流動を阻害されないようになつて
おり、この装置Ｆに強く衝突したり、水入口１７
……を塞いでしまうと云うことはあまり無いもの
である。

一方では、リントフイルター装置Ｆはカバー７
から突出している状態なので、仮に衝突した場合
は衣類を反転させ、これによつて洗濯効果を上げ
うるものである。特に、このフイルター装置Ｆは
常時水没しているので、その効果を常時期待でき
る。回転水流は取付枠１２の水入口１７……から
入り、整流板１８及び区画片１９に沿つて前方の
開口１５に流れ、ネツト３４を通つて出る。この
間に水中の糸クズ等、所謂リントをネツト３４で
収集する。ネツト３４は回転水流によつて開口１
５とほとんど平行に流れてぺしやんこになるが、
この時にガイド板２０がネツト３４に当つて常に
その入口を拡げている。この結果、リントはネツ
ト３４の奥に徐々に収集されるので、ネツト容積
を有効に利用でき、このネツト３４が早期につま
つてしまうと云うことがなくなる。又、このネツ
ト３４は反転の度にガイド板２０に当り、入口辺
で収集していたリントをその衝撃で更に奥に送る
のである。

収集したリントを除去するためにネツト３４を
外す時には操作ツマミ２６を手で下方に押えて引
くと、係合爪２５が係合孔２１から外れるので、
フイルター枠２３及び押え枠３２と共にネツト３
４を取出すことができる。ただ、水流や衣類が回
転方向から当つても、係合爪２５は外れない。

又、回転水流によつて衣類は押え枠３２の外周
部或いはネツト３４に当つてフイルター枠２３か
ら外そうとし、或いはネツト３４を破損しようと
するが、衣類による衝突力は上述の如く弱いもの
であり、又押え枠の外周部及びネツト３４の開口
縁はリブ３０によつて囲まれて防護されているの
で、押え枠３２は直ちには外れず、又ネツト３４
も破れにくい。

一方、長時間の使用によつて破損したネツト３
４を交換する場合には、リブ３０の切欠３１にて
押え枠３２をフイルター枠２３の取付溝２８から
引外すことができる。

尚、本実施例では取付枠１２をカバー７と別体
で形成しているが、この取付枠１２はカバー７に
一体形成しても良い。

第７図はフイルター枠２３の他の実施例を示し
ている。ここでは、一対の係合爪２５，２５が弾
性片２４の両側縁に上向きに形成してある。従つ
て、取付枠１２の係合孔２１も一対とする必要が
ある。

以上のように本考案によるリントフイルター装
置は、水中でリントを収集する際に回転水流によ
つてぺしやんこになろうとするネツトを拡げてい
るので、ネツト内容積を有効に利用でき、早期の
目づまりを防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるリントフイルター装置を
取付けた洗濯機の斜視図、第２図は取付状態を示
す斜視図、第３図は一部切欠の斜視図、第４図
イ，ロは横断面図及び部分拡大断面図、第５図は
縦断面図、第６図は分解斜視図、第７図はフイル
ター枠の他の実施例の斜視図である。 Ｆ……リントフイルター装置、２……洗濯槽、
７……カバー、１２……取付枠、１５……開口、
１７……水入口、２０……ガイド板、２３……フ
イルター枠、３２……押え枠、３４……ネツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯時に回転水流中に常時水没してリントを収
   集するものに於いて、洗濯槽内の下部に取付枠を
   配設し、この取付枠の正面にネツトを着脱可能に
   取付けた開口を設けると共に、この取付枠の側面
   に上記開口に通ずる水入口を設け、上記取付枠の
   内部には上記開口から突出してネツト内に位置す
   る巾広のガイド板を設けたことを特徴とするリン
   トフイルター装置。