JPS6127581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯機の糸屑捕集装置の改良に関する
ものである。

従来、例えば二槽式洗濯機の糸屑捕集装置は外
箱内に備えられた洗濯槽のコーナー部に外方に突
出した溢水室を一体形成せしめ、この溢水室の前
面開口側に両側端部および中央部に複数個の通水
孔を有する溢水室カバーを着脱自在に装着し、か
つこの溢水室カバーの前面中央部に網袋と枠体と
からなる糸屑捕集体を着脱自在に装着してなるも
のであつた。しかして、前記溢水室カバーの両側
端部の通水孔より溢水室に侵入した糸屑を糸屑捕
集体により捕集するものである。

しかし、従来の構造においては枠体が溢水室カ
バーの前面より突出して取付けられており、また
溢水室がコーナー部に形成されているため溢水室
カバーの下端とその直下部における洗濯槽壁との
間には段差が生じている。このため運転中に洗濯
物が枠体および溢水室カバーの下端に引掛かつた
り衝接したりするのでパルセータの回転に伴う洗
濯物の回転が妨げられて洗濯性能を悪くする傾向
にあり、しかも該部への接触により洗濯物を傷め
るという欠点があつた。

本考案は上記欠点を解消することを目的として
成されたもので、溢水室カバーの前面中央部に凹
部を形成せしめ、糸屑捕集体の枠体を前記凹部に
臨んで取付け溢水室カバーの前面とほぼ面一する
と共に、前記溢水室カバーの下端に溢水室よりも
下方に延びて洗濯槽に係接する傾斜片を形成せし
めてなる洗濯機の糸屑捕集装置に係る。

以下本考案を二槽式洗濯機に適用した一実施例
について図面を参照して説明する。１は外箱、２
は前記外箱１内に備えられた洗濯槽、３は前記洗
濯槽２のコーナー部に外方に突出して一体形成さ
れた溢水室（第２図、第３図参照）で、この前面
開口側における両側には係合部４が形成されてお
り、底部には溝５が形成されている。また溢水室
３の底部には図示の如くすすぎホース６と接続さ
れた溢水口７′を有する筒状体７が規定水位より
やや上位の位置まで突出した状態で備えられてい
る。８は前記溢水室３の前面開口側を仕切る溢水
室カバーで、このカバー８の両側および中央部に
は通水孔９が設けられており、しかも前面中央部
には適当な深さを有する凹部１０が形成されてい
る。さらに、このカバー８の内面においては両側
に一対の爪片１１，１１が突設形成され、上端お
よび下部に水平なフランジ１２，１３が突設形成
されており、前記下部フランジ１３の先端には係
止部１４が設けられている。このカバー８は図示
の如く、下部フランジ１３の係止部１４を溝５に
係合せしめ、両側の爪片１１，１１を係合部４，
４に係合して着脱自在に取付けられる。１５は前
記溢水室カバー８の下端部に一体形成された弾性
変形可能な薄肉の傾斜片で、この傾斜片１５は溢
水室３より適当に下方に延びており周端が洗濯槽
２に係接せしめられている。１６は前記上端フラ
ンジ１２上に載置され溢水室３の上方を塞ぐ操作
箱である。１７は網袋１８とそれを保持する外枠
２０と内枠２１とで構成された枠体１９とからな
る糸屑捕集体である。この糸屑捕集体１７は図示
の如く前記溢水室カバー８に形成された凹部１０
に臨んで着脱自在に装着せしめられ、枠体１９を
構成する外枠２０の前面が溢水室カバー８の前面
とほぼ面一になつている。なおこの場合の装着は
内枠２１に設けられた係止部２２と上下端の通水
孔９近傍に位置して形成された係合突部２３との
係合による。２４は前記溢水室３を通過する水流
を変えるべく溢水室カバー８の内面に一体形成さ
れた邪摩板、２５は溢水室カバー８の上部位置に
設けられた着脱用の孔、２６は前記溢水室カバー
８に形成した凹部１０の上方位置に設けられた糸
屑捕集体１７を取外すための指挿入部、２７は溢
水室カバー８の下端に形成された傾斜片１５の適
当な位置に設けられた水抜孔である。

次に前記溢水室カバー８の取付の一例を第３図
を元に説明する。溢水室カバー８の前面のＡ部付
近を指で押し、薄肉接触部１５を二点鎖線で示す
如く撓ませ、まず下部フランジ１３の係止部１４
を溝５に係合せしめ、しかる後上部に設けられた
孔２５付近を押圧することにより爪片１１，１１
を係合部６，６にそれぞれ係合させることによつ
て行われる。取外す場合はこの逆を行えばよい。

なお本考案は上述の実施例に限定されるもので
はなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実
施し得ることは勿論である。

本考案は以上述べたように、溢水室カバーの前
面中央部に凹部が形成せしめられており、糸屑捕
集体の枠体が前記凹部に臨んで取付けられて溢水
室カバーの前面とほぼ面一となつており、前記溢
水室カバーの下端には溢水室よりも下方に延びて
洗濯槽に係接する傾斜片を形成せしめているの
で、運転中洗濯物が衝接したり引掛かつたりする
個所がなくなるためパルセータの回転に伴う洗濯
物の回転が妨げられることがなくなり、従来に比
べ洗濯性能を向上せしめうることができ、しかも
洗濯物を傷めることも少なくなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一部を切欠いて要部を示した洗濯機の正面図、
第２図は要部拡大横断面図、第３図は要部拡大縦
断面図、第４図は溢水室カバーに糸屑捕集体を取
付けた状態を示す斜視図である。 なお図中、１は外箱、２は洗濯槽、３は溢水
室、８は溢水室カバー、９は通水孔、１０は凹
部、１５は傾斜片、１７は糸屑捕集体、１８は網
袋、１９は枠体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外箱内に備えられた洗濯槽、この槽に外方に突
   出して形成された溢水室と、この溢水室の前面開
   口側に着脱自在に装着された両側端部および中央
   部に複数個の通水孔を有する溢水室カバーと、こ
   のカバーの前面中央部に着脱自在に装着された網
   袋とこれを保持する枠体とからなる糸屑捕集体と
   を備え、前記溢水室カバーの両側端部の通水孔よ
   り溢水室に侵入した糸屑を糸屑捕集体により捕集
   するようにしたものにおいて、前記溢水室カバー
   の前面中央部には凹部が形成せしめられており、
   前記糸屑捕集体の枠体が前記凹部に臨んで取付け
   られて溢水室カバーの前面とほぼ面一となつてお
   り、前記溢水室カバーの下端には溢水室よりも下
   方に延びて洗濯槽に係接する傾斜片を形成せしめ
   てなることを特徴とする洗濯機の糸屑捕集装置。