JPS6237287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は導電ケーブルに関する。

通常導電ケーブルは単一の絶縁された導電体、
またはさらに普通である撚合せた対または多数の
絶縁された導電体からなるコアを押出機に通し
て、導電コアに保護材料からなる外被を押出成形
して製造する。導電体はたとえばすずめつき銅に
ポリエステル積層絶縁体、特に登録商標Milene
を被覆する。この外被は高温状態で押出したポリ
ウレタンであることも便宜である。

このような外被ケーブルに伴なう問題は外被材
料を導電コアの〓間に圧入することが困難であ
り、また端子を形成するために外被を縦方向に剥
がとすときにも困難がおきる。このような事情が
あるので、外被を縦方向に切るには鋭く尖つた工
具を使用するが、このように切る、すなわちスリ
ツトするときに導電体上の絶縁被覆または導電体
自体を損傷しがちである。

たとえば実公昭40−13503号は被覆電線を開示
する。この構造は絶縁線心１の上の保護シース２
の内面に設けた凹溝３のなかにシース切開用線４
を長さに沿つて収納している。しかし、保護シー
ス２が厚くて強靭な場合はこの切開用線４も極め
て強靭であつて引張れば手を傷つける恐れがあ
る。

一般に、スリツト工具は極めて鋭いものである
が、これを安全に取扱いうることが必須である。
そして、このような切開用線を強靭な保護外被を
通して引張り出す作業は容易に行ないうることが
必要である。

本考案の外被を容易にスリツトする手段とし
て、高価で硬い切開用線をケーブルの全長にわた
つて挿入する代りに、安価なプラスチツク管を案
内部材として外被のなかに挿入しておき、切開す
る時点において、外被スリツト工具をこのなかに
入れて、安全かつ容易に前進させて、外被をスリ
ツトする利点を有する。

このように本考案は極めて単純な構成を有する
ものであるが、単純であることが考案の非自明性
を阻却するものではない。有用な考案が極めて単
純であることは、しばしば見受けられるところで
ある。

一つ以上の導電体からなるコアと、このコアの
周りに成形したプラスチツク材料からなる保護外
被と、この外被を容易にスリツトするように外被
の下方に配置した手段とからなる導電ケーブルを
提供することも知られている。

米国特許第3748371号は、このような手段が外
被の下側に設けた、溝と協働して切るワイヤと、
外被の外側に設けた溝と協働する特殊な外被カツ
タとからなることを開示する。

またたとえば英国特許第834015号は、外被を外
部溝によつて局部的に弱めて、外被スリツト工具
を外部から使用して容易に切ることを開示する。

本考案の外被を容易にスリツトする手段は、外
被スリツト工具用の案内部材であつて、これを外
被のすぐ近くに隣接して配置し、この部材は外被
をスリツトする外被スリツト工具を収容して案内
し、工具の運動に対して抵抗が少ない状態で外被
を縦方向にスリツトするために、前記工具を案内
することができる。

特にこの案内部材は管であつて、外被に接触し
ているか、またはコアを取囲む金網と外被との間
にあることが好ましい。

米国特許第3517110号の導電ケーブルは、導電
コアを有し、流体を輸送するためにのみ設計した
管を含む。この流体輸送管は外被から隔設され
て、通常はその長さを最小にするためにケーブル
の軸に接しておく。さらにこの流体輸送管は単に
スリツト工具を案内する目的ではなく、意図する
目的に応じて設計された材料からなる。案内部材
は完全な管である必要がなく液体の漏れを防止す
る必要もない。

本考案の案内部材は押出成形するポリウレタン
の熱に耐える材料、すなわちポリテトラフルオロ
エチレン（PTFE）またはふつ素化エチレンプロ
ピレン（FEP）のようにこの案内に適した材料
で管に成形することが好ましい。

ケーブルが完成したときに、単一の鋭い刃を有
する工具を案内管の開放端に取付けてケーブルに
沿つて押し、導管コアから離れた案内管の側に沿
つて、外被の被覆部分を通してスリツトすること
ができる。案内管の側は導管コアと接触してコア
を工具から保護する。この工具にはコアに指向す
る側には刃を設けない。こうして外被を一度スリ
ツトすると、工具でスリツトした長さにわたつて
導電コアから外被を容易に剥がすことができる。

次に本考案を図面によつて説明する。

第１図において、ケーブル１０は４本の銅導電
体１１を有し、各導電体はポリエステル積層体、
特に市販の登録商標Mileneからなる絶縁被覆１
２を有する。なお二つの導電体はさらに編組銅網
１３で被覆して隔設し、押出機に入れる前にこれ
らの導電体１１を撚合せておく。撚合せたコアに
そつてPTFEまたはFEPからなる薄壁管１４を添
えて、一緒に押出機の口金に入れると、溶融ポリ
ウレタンからなる外被１５を導電コアおよび案内
管１４の回わりに成形し、冷却しながら外被を固
化させて、案内管１４の回わりに接触させ、かつ
絶縁された導電体１１の間の〓間に延在させる。

管に挿入できる適当な外被スリツト工具は外被
にステツチを切るために使用する工具であつて、
針状の案内部分とこの部分に沿つて後方に延在す
るカツテイング刃とで形成される。本発明の方法
を行なうに当つて、この工具を管１４の開放端に
取付けて、管に沿つて押すと、管の壁を通して容
易にカツトし、次にすきのように外被を通して切
り外被を縦方向にスリツトする。

本考案は、特に電話、または他の通信ケーブル
であつて、繊細な薄壁で絶縁された導電体、たと
えば撚合せた二組、三組または四組の形の信号伝
搬用導電体を金網で被うか、または被わずに、壁
厚１mm以上のポリウレタンのような強靭な薄壁外
被内に入れたケーブルに使用する。もしコアが全
体を被う金網を有しないときは、案内管を直接外
被の下におき、ケーブル製造において最後に通過
させてケーブルに成形するか、または外被の厚み
が管を一緒に封入するのに十分であればコアの上
におくこともできる。

しかしケーブルの全体に金網があるときは、金
網全体の外側において案内管を直接外被の下にお
く。

案内管の典型的な寸法は内径が0.050〜0.100イ
ンチ（1.27〜2.54mm）、外径が0.075〜0.125インチ
（1.9〜3.17mm）である。この管の特徴は、外被ス
リツト工具の運動に対する抵抗を最小にすること
である。

第２図に示すケーブル１１０は導電コア１１１
と、全体を被う編組金網１１６と、ポリウレタン
外被１１５とからなる。この態様において、案内
管１１４は金網１１６の上におき、成形した外被
１１５によつて囲む。コアの詳細は、本発明の一
部ではないが、７本の絶縁ワイヤを撚合せた中央
部分を、単一な絶縁ワイヤからなる二つの輪が共
軸状に囲んでいる。

第１および２図より明らかなように、外被は案
内管の周辺の極めて実質的な部分において、案内
管と接触して成形し、すなわち、第１図に示すよ
うに管の半分以上、第２図に示すように管の約半
分と接触して成形する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のケーブルの一つの態様の断面
図であり、第２図は本考案のケーブルの他の態様
の断面図である。 １０，１１０……ケーブル、１１，１１１……
導電コア、１２……絶縁被覆、１３，１１６……
金網、１４，１１４……案内管、１５，１１５…
…外被。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一つ以上の導電体と、この導電体の周りに成
   形したプラスチツク材料からなる保護外被と、
   この外被の下方に配置した、外被を縦方向に切
   る、すなわちスリツトすることを容易にする手
   段とを有する導電ケーブルであつて、この手段
   が外被スリツト工具用の案内部材（１４または
   １１４）を含み、この案内部材が、外被（１５
   または１１５）のすぐ近くに隣接して配置され
   ており、かつ外被スリツト工具を収容し、工具
   の運動に対して抵抗が少ない状態で、外被を縦
   方向にスリツトするために、前記工具を案内す
   るように設けられていること、を特徴とする導
   電ケーブル。 ２ 案内部材が外被の下側に接触している、実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の導電ケーブ
   ル。 ３ 導電体（１１または１１１）を金網（１３ま
   たは１１６）によつて囲み、かつこの金網と外
   被との間に案内部材を配置する、実用新案登録
   請求の範囲第１または２項記載の導電ケーブ
   ル。 ４ 案内部材がポリテトラフルオロエチレンまた
   はふつ素化エチレンプロピレンからなる管であ
   る、実用新案登録請求の範囲第１〜３項のいず
   れかに記載の導電ケーブル。 ５ 案内部材が低圧管である、実用新案登録請求
   の範囲第１〜４項のいずれかに記載の導電ケー
   ブル。 ６ 案内部材が外被中に埋設されている、実用新
   案登録請求の範囲第１〜５項のいずれかに記載
   の導電ケーブル。