JPS6237264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鍵盤をこれに取付けた支持金具を介
して固定枠に起伏自在に連結し、該支持金具と該
固定枠との一方に凸部を、他方に凹部を形成し、
鍵盤の起立姿勢で凸部と凹部を係合させて鍵盤の
起立姿勢を確実に保持することができるようにし
た鍵盤の支持装置に関する。

元来、鍵盤楽器の鍵盤は、これに取付けた支持
金具を介して固定枠に起伏自在に連結され、その
下面に配置された鍵盤キースイツチの端子板、棚
板に固定された配線基板、腕木に取付けられた取
付金具に固定された配線基板その他の内部装置の
組立・配線・修理・掃除等を行う際、その作業及
びサービスが能率的に行なえるよう正常の演奏状
態である倒伏姿勢から起立姿勢に移動するよう構
成されている。

しかし、従来の鍵盤の支持装置は鍵盤の起立姿
勢を保持する何らの固定手段も有さず、単に鍵盤
の重力によりその姿勢を保持しようとするもので
あり、多少の振動で鍵盤が元の倒伏姿勢にもどつ
てしまう。そのため、起立姿勢のまま移動するこ
とができず、ベルトコンベア等を使つた流れ作業
には不向きであつた。

本考案は、かかる不都合を無くした鍵盤の支持
装置を提供することをその目的とするもので、鍵
盤と、該鍵盤を取付けた支持金具と、該支持金具
を起伏自在に軸支する固定枠とを備えた鍵盤の支
持装置において、前記支持金具の尾端に設けた長
孔の透孔にねじを挿通して固定枠に螺合し、該ね
じを回動軸として前記鍵盤を起伏自在に軸支し、
前記支持金具と前記固定枠のどちらか一方に凸部
を設けると共に、他方に凹部を形成し、該凸部と
該凹部との係脱時において前記支持金具を前記長
孔の透孔によつて係脱方向に移動自在とし、前記
凸部を前記凹部に係合させることによつて前記鍵
盤を起立姿勢に保持させるようにしたことを特徴
とする。

鍵盤１は、例えば第１図示の如くその左右各側
に取付けた支持金具２の尾端の透孔６にその外側
の固定枠３に螺合されるねじ７を挿通し、該ねじ
７を軸として略水平の倒伏姿勢と上方の起立姿勢
とに起伏自在に軸支されるようにし、更に該倒伏
姿勢において該支持金具２の先端部外側に突設し
た突片８が該固定枠３の先端部外側に突設した受
片９上に当接支承されるようにし、両片８，９を
ねじ１０で結着することにより該鍵盤１を適宜該
倒伏姿勢に固定し得るようにした。該固定枠３
は、その上縁を斜め後上方に傾斜する傾斜縁１１
に形成し、該傾斜縁１１に該鍵盤１の起立姿勢で
該突片８に対向する切欠１２を形成し、かくて該
突片８と該切欠１２とにより互に係脱自在の凸部
４と凹部５とが構成されるようにした。

尚、切欠１２の前側上縁部は丸みを付けた彎曲
部１３に形成した。

又、支持金具２は鍵盤１の起立姿勢において該
凸部４と該凹部５の係脱方向即ち上下方向に移動
自在となるようにその尾端の透孔６を長孔に形成
した。

尚、固定枠３は楽器枠の棚板等に固定するもの
で、この場合該固定枠３に第３図示の如く鍵盤１
を上下複数段に設けるようにしても良い。

次いで、その動作を説明するに、鍵盤１を起立
させるには、先ず突片８と受片９とを結着するね
じ１０を外して、鍵盤１を引上げる。これによれ
ば、該鍵盤１は、支持金具２の透孔６に挿通する
ねじ７を軸として回動し、ある回転角度以上にな
ると支持金具２の凸部４たる突片８が固定枠５の
傾斜縁１１に当接し、以後凸部４が傾斜縁１１に
沿つて上方に移動するのに伴い透孔６の長手方向
に持ち上げられ、所定の起立姿勢において該凸部
４が彎曲部１３を通過して凹部５たる切欠１２内
に落ち込み第２図示の如く該起立姿勢に係止され
る。

以後鍵盤１は、その自重が凸部４と凹部５の係
合方向に作用して、多少の振動によつても確実に
起立姿勢に保持される。

尚、切欠き１２を適当な位置に配置すれば、鍵
盤１の起立角度が自由に変えられる。

第４図乃至第５図は固定枠３の内側に切起し片
１４を設けてこれを凸部４とし、支持金具２の尾
端縁に切欠き１５を設けてこれを凹部５とした第
２の実施例を示す。尚、支持金具２の尾端縁には
切欠き１５に連続する傾斜縁部１６を形成した。
而して、鍵盤１を倒伏姿勢から引上げると、該鍵
盤１は、ねじ７を軸として回動し、支持金具２の
傾斜縁部１６の凸部４たる切起し片１４への当接
で上方に持ち上げられ、所定の起立姿勢において
凹部５たる切欠き１５が該切起し片１４に係合
し、第４図示の如く該起立姿勢に係止される。以
後、第１の実施例と同様に鍵盤１は多少の振動に
よつても確実に起立姿勢に保持される。このよう
に本考案によるときは、鍵盤と、該鍵盤を取付け
た支持金具と、該支持金具を起伏自在に軸支する
固定枠とを備えた鍵盤の支持装置において、前記
支持金具の尾端に設けた長孔の透孔にねじを挿通
して固定枠に螺合し、該ねじを回動軸として前記
鍵盤を起伏自在に軸支し、前記支持金具と前記固
定枠のどちらか一方に凸部を設けると共に、他方
に凹部を形成し、該凸部と該凹部との係脱時にお
いて前記支持金具を前記長孔の透孔によつて係脱
方向に移動自在とし、前記凸部を前記凹部に係合
させることによつて前記鍵盤を起立姿勢に保持さ
せるようにしたので、鍵盤１はその自重が凸部４
と凹部５のの係合方向に作用して多少の振動によ
つても確実に起立姿勢に保持され、上記した従来
式の不都合を生ずることがなく、構造簡単で廉価
に得られる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一例を示す分解斜視図、
第２図はその作動を説明する拡大側面図、第３図
は鍵盤を数段設けた場合の側面図、第４図は本考
案の他の実施例の作動を説明する拡大側面図、第
５図はその固定枠の斜視図である。 １……鍵盤、２……支持金具、３……固定枠、
４……凸部、５……凹部、６……透孔、７……ね
じ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍵盤と、該鍵盤を取付けた支持金具と、該支持
   金具を起伏自在に軸支する固定枠とを備えた鍵盤
   の支持装置において、前記支持金具の尾端に設け
   た長孔の透孔にねじを挿通して固定枠に螺合し、
   該ねじを回動軸として前記鍵盤を起伏自在に軸支
   し、前記支持金具と前記固定枠のどちらか一方に
   凸部を設けると共に、他方に凹部を形成し、該凸
   部と該凹部との係脱時において前記支持金具を前
   記長孔の透孔によつて係脱方向に移動自在とし、
   前記凸部を前記凹部に係合させることによつて前
   記鍵盤を起立姿勢に保持させるようにしたことを
   特徴とする鍵盤の支持装置。