JPS6237118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、RH式あるいはDH式真空脱ガス装置
の浸漬管または環流管などの施工に用いるのに適
した煉瓦のセツト器具に関するものである。

RH式あるいはDH式真空脱ガス装置の浸漬管ま
たは環流管はその内部を溶鋼が流通するため損耗
が激しくまた真空槽の真空度を保たねばならない
ことから、施工には高度な技術が要求される。

従来、浸漬管の一般的な施工方法としては、フ
ランジを設けた円筒状金属芯管の内周面に煉瓦積
みした後、円筒状金属芯管の外周に適当な間隙を
設けて外枠で覆い、該間隙に不定形耐火物を充填
することにより、円筒状金属芯管の内周面が煉瓦
積、外周面が不定形耐火物よりなる浸漬管を得て
いるのであるが、施工前後の移送あるいは不定形
耐火物の充填を容易にするために付与される振動
によつて煉瓦積みの目地部に空隙を生じることが
あつた。

一方、環流管の施工は、一旦仮積みをした煉瓦
を環流管の外殻鉄皮内に再び積んでいるが、環流
管内という狭く、また足場の悪い場所では正確な
施工は困難であつた。

このような問題点を解決するための金物の１つ
として実公昭57−6960号が提案されている。

これは、頭部に吊手を設けたボルトを、押え金
物を貫通して受け金物に係合させ、これらの金物
間で煉瓦を挾持するようになしたもので、それな
りに施工の迅速化を図ることができるなどの利点
をもつものである。

しかしながらこの金物は煉瓦の締めつけ挾持手
段としてボルトおよびまたはボルトに螺合したナ
ツトを利用して行うものであるため、締めつけお
よび開放作業に手間が以外とかかるばかりか、締
めすぎ等によるねじ破損の心配やねじ山崩れ等に
よりうまく開かないことがあることが分つた。こ
のため使用後の防錆処理等も必要で維持にも手間
がかかることも分つた。

本考案はこれらの点に鑑み種々検討された結果
として見い出されたもので、操作の手間があまり
かからずかつ正確、迅速に煉瓦を施工できるセツ
ト器具を提供するものである。

即ち、本考案は、上部煉瓦押え具と下部煉瓦受
け具および該押え具を貫通して該受け具に係合す
る支軸とを有する煉瓦セツト器具であつて、煉瓦
の保持を上部押え具上に設けたくさび機構により
行うようにしてなる煉瓦セツト器具である。

本考案を以下図面にもとづいて説明すると、第
１図において１は上部煉瓦押え具、２は下部煉瓦
受け具、３は支軸であり、４はくさび機構であ
り、これらはいずれも通常金属製のものである。

支軸３は押え具１を貫通して受け具２に係合し
ており、その上部には通常吊手５を設けクレーン
による運搬、支持が容易にできるようになつてい
る。

尚、押え具には立下り片１ａを設け、強度付与
と煉瓦のセツトを容易に、また受け具にも同様２
ａを設けておくなどしておくのが好ましく、また
煉瓦６は、例えば第１図に示す如く押え具と受け
具間で挾持される。

ここでくさび機構４について説明すると、例え
ばくさび４ａ、調整ボルト４ｂおよびボルトと螺
合するねじを切つた孔をもつボルト支持具４ｃか
ら少くともなり、ボルト支持具４ｃは押え具の上
部に固定して取りつけられている。

煉瓦の締めつけに際してはこのくさび４ａの背
面に調整ボルト４ｂの先端部を当接せしめてある
ので、ボルトを回すことによりくさび４ａを予め
支軸に固定したくさび受け用の突起部材７と押え
具間に挿入するようにすることで可能となり、作
業終了後煉瓦からセツト器具を離すには調整ボル
トを逆に回すことによりくさびを抜くことで可能
となる。

尚、４ｄは不必要なボルト４ｂのゆるみが生じ
ることがなくくさびが抜けたりすることを完全に
防ぐために望ましく設けた防止金具である。

ここでくさび４ａを第２図に示す如く、支軸の
突起部材７に接しつつ支軸を挾み込むように挿入
可能な二股形状を有するものとしておくことによ
り安定かつ堅固な煉瓦の締めつけをより容易とす
ることができる。

第４図は、突起部材７の支軸３への固定例を示
すもので、突起部材７は通常支軸の両側に突出す
るように溶接又は嵌合で設けておくのがよく、ま
た支軸と一体成形したものでもよいが、くさび４
ａの出入りが容易になるようにくさび４ａとの当
接が円滑な曲面を少くとも下部に形成した突起部
材であるのがよい。

つぎに支軸３と受け具２との係合について説明
すると、支軸の下端部と受け具を予め溶接等で固
定しておいても使用しうるものであるが、取扱い
不便や補修、交換などが部分的にできないなどか
らして取りはずし可能であることが望ましく、そ
してその際可及的に両者の係合が容易で取りはず
し等も容易であることが必要である。

第５図はこの要望に合うボルト締めを必要とし
ない係合を可能とする支軸の下端部の好ましい例
を示しており、支軸の下端部に支軸の抜け防止部
材８を設けたものである。

このような支軸と受け具とを使用すればその係
合は、受け具に第３図にて分る如く予め支軸の抜
け防止部材８を貫入できる大きさの孔２ｂを形成
しておき、この孔に支軸下端部を貫入せしめ抜け
防止部材を例えば90゜回転せしめて抜けなくなる
ようすればよく、極めて簡単な差し込み方式で可
能となる。

本考案はこのようにくさび機構を応用したもの
でその望ましい態様を図面を参照して説明した
が、勿論本考案の考えにもとづいた種々の設計変
更は可能である。

このように本考案は簡単で無理のない操作で煉
瓦の締めつけ固定ができかつねじによる直接の締
めつけがないためそれに起因するねじ破損等の問
題や手間もなく取扱いが極めて容易であり、その
実用的な価値は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図
はＡ−Ａ線からみた平面図、第３図はＢ−Ｂ線か
らみた底面図、第４図は支軸と突起部材の関係を
示す斜視図、第５図は支軸の下端部を示す斜視図
をそれぞれ示している。 図面にて、１は押え具、２は受け具、３は支
軸、４はくさび機構である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上部煉瓦押え具と下部煉瓦受け具および該押
   え具を貫通して該受け具に係合する支軸とを有
   する煉瓦セツト器具であつて、煉瓦の保持を上
   部押え具上に設けたくさび機構により行うよう
   にしてなる煉瓦セツト器具。 ２ 支軸の下端部を下部受け具を貫通せしめ該支
   軸の下端部に設けた支軸抜け防止部材により支
   軸と受け具を係合してなる実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の煉瓦セツト器具。 ３ 支軸抜け防止部材を受け具下部で回転せしめ
   て受け具に係合せしめる実用新案登録請求の範
   囲第２項記載の煉瓦セツト器具。 ４ くさび機構が、くさび、調整ボルトおよび押
   え具に固定したボルト支持具からなる実用新案
   登録請求の範囲第１項乃至第３項いずれか記載
   の煉瓦セツト器具。 ５ 調整ボルトの先端をくさびの背面に当接せし
   めてなる実用新案登録請求の範囲第４項記載の
   煉瓦セツト器具。 ６ くさびを、支軸に固定したくさび受け突起部
   材と受け具間に挿入せしめる実用新案登録請求
   の範囲第４項又は第５項記載の煉瓦セツト器
   具。 ７ くさびが、支軸を狭囲しうる２股形状を有す
   る実用新案登録請求の範囲第４項乃至第６項い
   ずれか記載の煉瓦セツト器具。