JPS6237034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば橋梁や高架道路に雨水用の排水
管を付設する場合において橋梁や高速道路の自動
車等による振動等を発生する梁側に取付ける可動
管と柱側に取付ける固定管との間に使用し、可動
管の振動等を固定管に伝達しないように接続し得
る可撓性継手管に関するものである。

現在使用されているこの種の可撓性継手管には
ゴム等の弾性材から成る比較的厚肉のパイプの長
手方向中央部を外向きに膨出して単一の半円状ル
ープ部を形成したものがある。

しかしこの継手管は厚肉のパイプで構成されて
いるうえに単一の半円状ループ部を備えているだ
けであり柔軟性がないため手で簡単に屈曲あるい
は伸縮できず、従つて排水管への取付けに際して
可動管と固定管の接続端部が偏心していたり規定
より少し離れている場合には排水管への取付けが
出来ず、そのため排水管の付け替え作業を余儀な
くされることがあり排水管の付設作業には高い精
度が要求されていた。

そのうえ半円状ループ部の内側は凹陥部となつ
ているため、凹陥部に泥等が堆積固化して半円状
ループ部の変形を阻害し、排水管が橋梁や高架道
路から受けた振動を吸収できなくなつて継手管に
無理な力が加わり寿命が低下する等の欠点があつ
た。

また、この種の可撓管継手には継手内部にゴム
等で作られた上端を継手に接続し、下端を継手下
端より突出させただけの可撓内管を装着したもの
もあるが、この場合可撓内管は下端に止着されて
いない為、排出管清掃作業における上向きのジエ
ツト水流によつてまくれ上がり、内部の径を詰ら
せてしまう欠点があつた。

そこで、本考案は外側に可撓性シート材で形成
した蛇腹管を使用し、該蛇腹管の内側に凹凸のな
い可撓内管を嵌挿してその下端を蛇腹管の下端よ
り下方に突出させるとともに可撓内管の下部をリ
ングを介して蛇腹管内面に圧接することによつて
前記欠点を一挙に解決した可撓性継手管を提供し
ようとするものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

１は可撓性継手管であつて蛇腹管２と可撓内管
３とから構成されている。

上記蛇腹管２は基布の表面にゴム又は軟質合成
樹脂材をコーテイングして形成した２枚の可撓性
シート材４，５を内外両側で円筒状に巻設し、そ
の合口端部を円周方向にずらせて互いに貼り合せ
るとともに内外両面に環状溝６，７が構成される
よう断面ジグザグ状に成形したものである。

この蛇腹管２の上下両端には金属製のフランジ
８，９を一体的に結合し、内外環状溝６，７には
それぞれ補強用の複数個のリング１０，１１を嵌
合している。

可撓内管３は布の表面にゴム又は軟質合成樹脂
材を塗布して形成したシート材を円筒状に巻設し
て合口端部を貼り合せ内面に凹凸のないように形
成している。

この可撓内管３は、上端１２を前記蛇腹管２の
上端１３に接合し、下端１４を蛇腹管２の下端１
５より下方に突出させ、この突出部１４により、
蛇腹管２と後述する固定管２０との接続部を内側
からカバーするようにしている。

そして可撓内管３の下部をこの可撓内管３の内
径よりもやや大きい外径のリング１６によつて外
方に幾分膨出させて蛇腹管２の下端内面に圧接す
るとともに、該リング１６部分にやや外方に膨出
する弯曲部１７を形成している。

上記のように構成された可撓性継手管を例えば
橋梁に付設された排水管に使用する場合は、第４
図に示すように上端側のフランジ８を橋梁側に固
定した可動管１８の下端のフランジ１９に接続し
下端側のフランジ９を柱側に固定した固定管２０
のフランジ２１に接続すればよい。

この場合可撓性継手管１が可撓性シート材４，
５で構成されているうえ、外側部は蛇腹状に構成
されており、手で簡単に屈曲あるいは伸縮でき
る。このため、可動管１８と固定管２０の接続端
部が大きく偏心していたり、離れてずれていて
も、そのずれに合せて容易に変形させて接続でき
る。

しかも蛇腹管２が屈曲や伸縮して変形した際、
可撓内管３は別体であり、しかもリング１６によ
つて蛇腹管２の内面に圧接して止着されているだ
けであるから、蛇腹管２の伸縮の影響を受けるこ
となく、リング１６によつて形成される弯曲部以
外は常に内面が凹凸のない滑らかな円筒状に維持
され、可撓内管３内面への泥等の堆積を防止する
とともに、蛇腹管２の内側の環状溝６への泥等の
堆積を防止する。

従つて蛇腹管２の可撓性及び伸縮性がいつまで
も維持され、可動管１８の振動を確実に吸収して
蛇腹管２に無理な力が加わることがない。

以上実施例に示すように本考案可撓性継手管は
可撓性シート材で構成したうえに蛇腹管に構成し
たものであるから、屈記や伸縮が手で簡単に行な
え、可動管と固定管とが大きくずれている場合で
もそのずれに合せて容易に変形させて確実に接続
できる。

しかも蛇腹管の内側は凹凸のない可撓内管で覆
われており、泥等の堆積が防止されているため可
撓性及び伸縮性が損なわれず、常に振動を確実に
吸収して蛇腹管への無理な応力の負荷を防止でき
寿命の低下がない。

特に本考案の最大の特徴は、可撓内管の下端を
蛇腹管の下端より下方に突出させるとともに、可
撓内管の下部を蛇腹管内面にリングを介して圧接
したことであり、このような構成から成るため、
可撓性継手管の下端と固定管上端との接続部を、
可撓内管の下端部で内側からカバーする状態とな
る。

従つて上方から流下した泥やごみの混つた水
は、可撓内管に導かれて流下し、上記接続部に振
動等により自然に形成される突出部や凹陥部に泥
やごみが堆積し、あるいは異物によつ管を詰られ
ることもない。

また、可撓内管を継手下端よりも突出させただ
けで蛇腹管に固定しない従来品のように、下方か
らジエツト水流を吹き上げて定期清掃を行う場合
にも、可撓内管の下部はリングにより蛇腹管内面
に圧接されているので、可撓内管全体が上方にま
くれ上がり、水と共に、吹き上げられた泥や異物
が前記両管の間に入つて詰まりを発生させること
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案可撓性継手管の一実施
例を示し、第１図は正面図、第２図は縦断面図、
第３図は平面図、第４図は使用状態を示す正面図
である。 ２……蛇腹管、３……可撓内管、４，５……可
撓性シート材、８，９……フランジ、１６……リ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性シート材から成る蛇腹管の両端にフラン
   ジを取付け、該蛇腹管の内側には可撓性シート材
   から成る凹凸のない可撓内管を嵌挿して該可撓内
   管の上端を蛇腹管の上端に接続し、下端を蛇腹管
   の下端より下方に突出させることともに可撓内管
   の下部を該可撓内管の内径よりも大きい外径のリ
   ングを用いて蛇腹管内に圧接したことを特徴とす
   る可撓性継手管。