JPS6236876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は無杼織機における緯糸測長装置、詳し
くは回転の阻止された緯糸貯留ドラムのまわりに
導糸管を回転させて糸供給ボビンから巻き戻され
た緯糸を前記貯留ドラム上にコイル状に連続して
巻き取りこれを巻き戻して緯入れを行なうように
したいわゆるドラム式緯糸測長装置の風綿除去装
置に関するものである。

このドラム式緯糸測長装置においては、貯留ド
ラムに巻き取られる緯糸の長さを緯入れ幅の変更
等に応じて調節するため、貯留ドラムの下方に同
ドラムの巻取径を自在に変更するための調節杆が
複数本並列に装着されている。ところが、この調
節杆があるとその下側面は緯糸の接触によつて常
に清掃されるので問題はないが、調節杆の上側面
は緯糸が触れないので風綿が推積し易く、これが
綿塊となつて巻き戻される緯糸に付着して緯入れ
装置に連れ込まれると緯入れミスになるという欠
陥があつた。

本考案の目的は緯糸の引出し方向と同方向に送
風すべく、回転支持軸にフアンを設けることによ
り、調節杆に風綿が推積するのを防止して緯糸巻
き戻し時に綿塊が緯入れ用メインノズルに連れ込
まれるのをなくして緯入れミスを防止することが
でき、又貯留ドラムとメインノズルの間に位置す
るフレーム上面に風綿が推積してこれがメインノ
ズルに連れ込まれるのをなくし、この点からも緯
入れミスを防止することができる無杼織機におけ
る緯糸測長装置の風綿除去装置を提供することに
ある。

以下、本考案を具体化した一実施例を第１図に
ついて説明すると、図中１は機台側部に位置する
フレーム、２は同フレーム１に対しベアリング３
を介して回転可能にかつ緯入れ方向（図の右方）
に支承した回転支持軸であつて、その後端部には
プーリ４がキーにより嵌合止着され、織成動作と
同期して回転されるタイミングベルト５により積
極回転されるようになつている。

６は前記フレーム１に対し前記支持軸２及びベ
アリング３を支承するように嵌入してボルト７に
より固定した第一太陽歯車、８は支持軸２の中間
部に一対（図では一方のみを図示）のベアリング
９を介して支持された第二太陽歯車であつて、両
歯車６，８には支持軸２が回転されても前記第二
太陽歯車８を静止状態に保持し得る遊星歯車機構
（図示しない）が装着されている。

１０は前記第二太陽歯車８の前側面に固着され
て静止位置に保持される横円筒状をなす貯留ドラ
ム、１１は前記支持軸２の中空部２ａに連通する
ように支持軸２に対し斜状に挿入固定した導糸管
であつて、該支持軸２が回転されると、前記貯留
ドラム１０のまわりを公転して、支持軸２の後方
に設置した糸供給ボビン１２から中空部２ａ及び
導糸管１１を通過してくる緯糸を貯留ドラム１０
上に巻き取るようになつている。

１３は前記貯留ドラム１０の上部において垂直
にかつ回転支持軸２の回転運動を利用することに
より織成動作と同期して出没可能に装着した測長
制御ピンであつて、１回の緯入れに必要な長さの
緯糸を測長するようになつている。１４は同じく
貯留ドラム１０に対し前記測長制御ピン１３の前
方に位置するように装着した巻き戻し制御ピンで
あつて、緯入れ時にドラム１０内へ没入して緯糸
の巻き戻しを許容するようになつている。

１５は前記貯留ドラム１０の下側部に対し、半
径方向に放射状に取付けた複数本（図では１本の
みを示す）の支持ブラケツトであつて、それらに
はガイド溝１５ａが半径方向に形成されている。
１６は後端を前記ガイド溝１５ａに挿入してナツ
ト１７により締着し、前端部をドラム１０の前端
部に形成した係止孔１０ａに挿入してセツトボル
ト１８により固着した複数本の調節杆であつて、
半径方向の位置を調節することにより、緯糸の巻
き取り径を調節して１回の緯入れに必要な長さを
変更し得るようにしている。

１９は前記支持軸２に斜状に固着したスプーン
状のフアンであつて、支持軸２及び導糸管１１の
重心位置を支持軸２の回転中心に保持するバラン
ス保持機能を有するとともに、支持軸２の回転に
より公転されて前記調節杆１６に向つて空気を送
り該調節杆１６上面に付着した風綿を吹き飛ばす
ようにしている。なお、第２図に示すＧは緯糸ガ
イド、Ｎは緯入れ用メインノズル、Ｆは同ガイド
Ｇと対応するフレームである。

このように本考案実施例は、回転支持軸にバラ
ンス保持機能を有するフアンを設けたことによ
り、調節杆上面の風綿を除去して緯糸の巻き戻し
時に該緯糸に風綿が付着するのをなくして、緯入
れ装置への綿塊の連れ込みを防止し、緯入れミス
をなくすことができるとともにフアンを駆動させ
るための特別の駆動系を別設する必要もなく安価
に製作できるという利点もある。

又、本考案実施例においては、フアン１９によ
り緯入れ方向と同方向へ送られた空気によつて、
貯留ドラム１０と緯入れ用メインノズルＮとの間
のフレームＦ上面に推積しようとする風綿も吹き
飛ばされ、緯入れミスを防ぐことができる。すな
わち、フレームＦ上面に推積しようとする風綿は
貯留ドラム１０寄りにおいてはバルーニングしな
がら引き出される緯糸の随伴気流の及ぶ範囲では
掃除されるが、少し離れたところ、あるいは緯糸
ガイドＧを越えるところ（メインノズル寄り）で
は、そのまま推積され、時としてこの風綿が緯糸
に連れ込まれるが、本考案ではこれを防止して緯
入れミスをなくすことができるのである。

なお、前記実施例ではバランスウエイト自身を
変形してフアン１９を構成したが、このようにす
ればバランスウエイトとフアンとを別々に設ける
必要がなく、構造を非常に簡素化できるものとな
る。

次に、本考案の別の実施例を第３図について説
明する。

この実施例はバランスウエイト２０にフアンを
形成しないで、回転支持軸２に対し前記フアン１
９よりも大きい２つのフアン２１，２２を取付け
るとともに、フレーム１に固定したカバー２３に
空気の導入孔２３ａを設けている。従つて、この
実施例ではカバー２３内へ新鮮な空気が入り易く
調節杆１６やフレーム上の風綿を高能率で除去す
ることができる。

以上詳述したように本考案は、回転支持軸に対
し緯入れ方向へ送風するためのフアンを設けたこ
とにより、貯留ドラムの調節杆や該ドラムとメイ
ンノズルとの間に位置し、緯糸と対応するフレー
ム上面の風綿推積をなくして、緯入れミスを防止
することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の風綿除去装置を備えた緯糸測
長装置の一実施例を示す中央部縦断面図、第２図
は緯入れ装置の概略図、第３図は本考案の別例を
示す中央部縦断面図である。 回転支持軸……２、貯留ドラム……１０、導糸
管……１１、調節杆……１６、フアン……１９，
２１，２２。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 回転支持軸上に回転を阻止された状態で支持
   される緯糸貯留ドラムと、前記回転支持軸の回
   転により緯糸貯留ドラムのまわりを公転して糸
   供給ボビンから緯糸を該緯糸貯留ドラムに巻き
   取るようにした導糸管とを備え、前記緯糸貯留
   ドラムにコイル状に巻き取られた緯糸を巻き戻
   して緯入れを行なうようにした無杼織機におい
   て、緯糸の引出し方向と同方向に送風すべく、
   前記回転支持軸上の前記緯糸貯留ドラム外の位
   置にフアンを設けたことを特徴とする無杼織機
   における緯糸測長装置の風綿除去装置。 ２ フアンはバランスウエイト自身を変形して構
   成されている実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の無杼織機における緯糸測長装置の風綿除
   去装置。